"キラキラ"が見える運命の相手と出会うお話
マチュ:違和感を感じたまま大人になる
婚約者がいるようだが…?
シュウジ:"キラキラ"を共有できる誰かと出会うことが出来ずに大人になる。
画家の道を歩んでいたようだが…?
こちらのssは所謂バットエンド√となります。
こういった類のものが受け付けない方はブラウザバックお願いします。
雨の中を歩く…ただひたすらに歩く。
記憶の中の赤色を探して…もう二度と離さないように‥‥腕の中に閉じ込めて何処にも行かせないために。
─彼女は、もうこの世界の何処にもいないというのに─
『お願い、シュウジ‥‥抱いて、ほしいの…!』
日付も変わろうという深夜、急に訪れた彼女はそう言ってきた。
心の底から惹かれた女性にそう言われて、湧き立たない男はいない。
けれど、その身体は震えていて…僕は彼女の身体を気遣うつもりで、彼女の勇気を…拒んだ。
快活だけど奥ゆかしい彼女が、どれだけの覚悟で純潔を差し出して来たかも考えずに…僕は『理解のある恋人』気取りで彼女の勇気を踏みにじったのだ。
『…ごめんね、突然。…バイバイ、シュウジ。』
一晩泊っていくことを勧める僕に、まるで今生の別れを告げるような声色で、彼女は帰っていた。
なぜ引き止めなかったのか、なぜ追いかけなかったのか…今でもわからない。
あの時の僕を…殺したくて仕方がない。
次の日のニュースで彼女が…アマテ・ユズリハが、交通事故で亡くなったことを知った。
時間帯から察するに、僕の家から帰る途中…雨のなか傘もささずに歩いていた彼女は………
そこからのことはよく覚えていない。
彼女の葬式に参列して、棺桶にすがり泣き続ける両親、婚約者を名乗る男。
普段なら衝撃を受けるであろう、彼女の…アマテの婚約者の存在すら…今の僕にはどうでもよかった。
─ようやく出会えた、キラキラで通じ合えるヒトを…僕は、僕の過失で亡くしてしまったのだ。─
ガンッ
「ぐ、うぅ…。」
何かにつまずき、転んだ痛みで正気に戻る。
周りを見渡せば、どうやらここはスクラップ置き場だったようだ。
(…僕みたいなゴミには相応しい場所だな。)
アマテを死に追いやっておいて、のうのうと生きている自分に吐き気を覚える。
いっそ朽ち果てるまで、このまま倒れていようか…そう思っていると…。
ラ、ラァァ…ラ、ラァァ…
(…?)
どこからか音が聞こえる。歌声のような…誰かを呼んでいるような…。
起き上がり音の出所を探っていると…スクラップの山の中腹あたりに人影を見つけた。
黄色い服を着た、黒髪に褐色の肌の女性だった。
「………!」
瞬きするうちに消えてしまった幻がどうしても気になって、スクラップの山を這いのぼる。
なんども足を取られ、鉄屑に手足を傷つけられるも、なんとか辿り着いた場所には…
「これは…コクピット…?」
そこにあったのは、モビルスーツのコクピットブロックだった。
…かつて、夢でみたモビルスーツ‥‥赤いガンダムの、コクピットだった。
まるで吸い寄せられるかのように、汚れ切ったシートに座り操縦桿を握る。
ラ、ラァァ…ラ、ラァァ…
再び、音が聞こえた瞬間…"キラキラ"が視界を覆いつくした。
かつて夢や街中で見たそれとは比較にならないほどの光量を放つソレの向こう…に誰かがいる。
「ア、マテ‥‥?」
目もくらみそうな輝きにもかかわらず、僕にはわかった。
光の向こうに…彼女が、最愛の存在がいる!
「アマテッ!!!」
キラキラの向こう側の彼女のところに向かうべく、操縦桿を引きペダルを思いっきり踏み込む。
動かないはずのコクピットに襲い掛かる衝撃と、爆発のごとく輝きを増した光に…僕は意識を失った。
赤いガンダムと共にコロニーを廻る。
彼が行きたいのは地球だが、その前に見つけたいものが僕にはある。
地球への旅路のなかに…僕が求めるモノがあると…何故かわかっていたからだ。
「なんで…。」
そんな旅のなかで、僕らの前に突如現れた"白いガンダム"。
夢の中で何度もみた…"彼女"の愛機…!
「なんで…」
ついに見つけた!そう思い、意識を集中させてみれば
「なんで…!!」
彼女ではない"男"が乗っていた。
「なんで!お前が!ソレに乗っているんだぁ!!」
彼女の場所に、僕以外の男がいる…その事実が許せなくて無我夢中で襲い掛かる。
なけなしの理性が「コロニー内でビームを使うな」と叫ぶ。
ならば、とファンネルを"彼女の場所"から侵入者を追い出そうと、その質量ごとたたきつける。
続けざまにおこる爆風の中から白いガンダムが飛び出し、赤いガンダム諸共コロニーに墜落する。
衝撃で飛んでいくシールドをモニターに映したその時…
「…アマテ?」
モニターの隅に小さく映る、彼女がいた。
「アマテッ!!!」
すんでの所でシールドを受け止め、どかすと…彼女がいた。
今度は…守れた…!
「アマテ…アマテ…アマテ‥‥!」
すぐさまコクピットから飛び出して抱きしめたかった。
けど今の僕は指名手配犯だ。
今彼女に会えば、かえって彼女を危険に晒してしまうだろう。
「…わかってる。」
今は身を隠せ、そう告げる赤いガンダムに従い…彼女の前から姿を消した。
『なんかわかんないけど…なんかわかった!!』
軍警から難民たちを守るために、自分の場所に舞い戻ったアマテ。
宇宙空間に吸い出させた彼女を追って飛び出せば…
そこに…いつか彼女とみたキラキラが広がっていた
今度こそ君を守る。
君をここから連れ出そう。
海だ、海に行こう。
君が表現した…『朝日に照らされる海』を見に行こう。
そして二度と手放さない…二度と失ったりしないために、決して僕の傍から離したりはしない。
それが僕のたった一つの望みなんだ。