放課後の校庭。木々の影が長く伸びる時間帯、俺は森田の取り巻き数人に囲まれ、少し緊張しながら立っていた。
「おい、白鳥。今日も相変わらずだな」
肩を軽く押される。取り巻きの一人が薄笑いを浮かべて俺を挑発する。
「気を抜くと、面倒なことになるぞ」
何度もこうやって絡まれてきた。殴られることは少ないが、心理的に追い込まれるのは慣れっこだとはいえ、やはり不快だ。
――ここで逃げるわけにはいかない。俺は視線を落とし、どう立ち回るか考えていた。
しかし、そのとき、背後から低く冷たい声が響いた。
「やめなさい」
振り返ると、実が立っていた。普段の柔らかい微笑みはなく、静かで鋭い威圧感だけがそこにある。
「あなたたち、ここで遊んでいるつもりかもしれませんが――」
声は柔らかい。しかし、一本一本の言葉に確実な力が宿っている。
「人を馬鹿にして楽しむのなら、ただ自分が弱いことを晒しているだけです」
取り巻きたちの笑みは消え、戸惑いと軽い恐怖が顔に浮かぶ。
「ふん、言葉だけで押さえつけられると思うなよ!」
その一人が反発し、拳を振り上げる。
俺は思わず目を見開いた。だが、実は動じず、軽やかに構えを取り、拳を受け止めた。
「……それだけ?」
静かにそうつぶやき、相手の腕をしっかり受け止めたまま微動だにしない。
取り巻きは一瞬、力の加減に戸惑い、顔色を変える。
「な、なんだ……こ、こいつ……!」
実は肩の力を緩めると、普段の柔らかい微笑みに戻った。
「もう、やめてください」
言葉は簡潔だが、存在感は圧倒的だった。
俺は胸の奥で恐怖を感じつつも、守りたい、そばにいたいという感情が強く芽生えた。
――後日、本人に聞くと、実はまったく覚えていないらしい。
「え……? そんなことしたかな……」
ぽかんと首をかしげる実。
俺は再び驚いた。あの冷静で強い姿が、本人にとって無意識だったとは……。
聞いたことがある。白狼家には昔白狼天狗という妖怪が彼らに取りつき守っていたらしい実もその名残だろうか....あの時だけ瞳の色が青から赤に変わっていたような気がする.....だが、かわいい。怒ってる実もすごくかわいい。
数日後、彼らの行動は少しだけ変わった。嫌がらせもなく、まず話しかけてこない。まぁそれが一番平和なんだがな。いやぁ、女を怒らせるのはやめよう。命が足りなくなってしまうからなHAHAHA
蓮華も一郎にキレた時は怖かった...それは恐ろしいほどに...何個か物壊れたからな