※この作品はR-18です。

グリッドマンユニバースで催眠洗脳   作:グリッドマン

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銀座の高級バニーラウンジで働くひめ。
ある夜、明らかに場違いな男「田中太郎」が現れる。150センチの低身長、100キロ超の肥満体。なのに誰も追い出せない。
気持ち悪いなぜか目が離せない。

「一番気に入った子には特別なご褒美を」

その一言で、ひめ、ムジナ、アカネの醜い競争が始まる。
知性も品格も全て捨てて、認められたい一心で媚びを売る。
愛してないのに
夫がいるのに。
これは心理操作か、それとも——

逃げられない逃げられない

官能サスペンス。


ひめ
銀座の高級バニーラウンジで働くひめが謎のVIP様に媚びを売らされてしまった話


【ムーン・バニーNo.2】ひめ

 

 中国名家の血を引く神秘的な美女。170cmの長身に黒髪、五ヶ国語を操る才女、当店の至宝。

貴方だけの特別な夜を

 中国古典から現代哲学まで、どんな話題もお任せください。

 でも本当の魅力は、その知的な仮面の下に隠された従順な素顔。

 

「ご主人様のご期待に、必ずお応えします」

 

今宵、貴方の虜になりたい

 

 予約TEL:03-XXXX-XXXX

 

※VIP会員様限定

 

 ■ 1. 銀座の夜 ■

 

 ムーン・バニー。

 

 銀座で最も格式高いバニーラウンジ。ここで働き始めて二年になる。

 

 私の名前は「ひめ」。本名じゃない。でも今では本名よりもしっくりくる。

 中国から一緒に来たダンナと日本で結婚したけど、彼はいま病院から出られない。治療費を稼ぐために、私はこの店のバニーガールNo.1を目指している。

 

 170センチの長身を黒のレオタード型バニースーツに包む。胸元は深くカットされ、ハイレグが腰骨の上まで切れ込んでいる。網タイツが脚のラインを強調し、白い襟と袖口、そして兎の耳。

 

 中国風に赤い刺繍が施され、チャイナボタンが胸元に一つ。この衣装で五ヶ国語を操り、いろんな国の「ご主人様」の心を読む。

 

 ひめさん、今日も綺麗だね……と支配人が声をかけてくる。業界20年のベテランに認められるのはうれしい。

 

 でも、承認の証はお金でもらいたいものだ。

 

 

 

 

 

 更衣室でムジナとアカネに会う。

 

 ムジナは175センチの長身を紺色のバニースーツに包んでいる。元モデルのグラマーな体型は、レオタードの曲線を完璧に表現する。バストラインからウエスト、そしてハイレグカットまで、一切の無駄がない。

 

 アカネは149センチの小柄な体に、ピンクのバニースーツ。胸元のカットが深く、豊満なバストが今にもこぼれそう。ハイレグは彼女の脚を最大限に長く見せている。

 

「今日も三人でフロアだね」

 

 ムジナが白い袖口を直しながら言う。

 

 夫のことが一瞬頭をよぎる。難病で入院して一年。治療費のために始めた仕事。でも多分、それほど長くは──いや、考えるのはやめよう。

 

 私たちは店に出た。

 

 金曜日の夜。いつもの紳士たち。私は中国の古典を引用しながら接客する。

 

 そのとき、入口が開いた。

 

 全員の動きが止まる。

 

 そこに立っていたのは、150センチほどの低身長。100キロは優に超える肥満体。安物のグレーのスーツは汗染みが目立ち、所々ほつれている。薄い髪は脂でベタつき、額がテカテカと光っている。

 

 場違い──誰もがそう思った。

 

 なのに。

 

「いらっしゃいませ」

 

 なぜか言葉が出た。

 

 支配人が信じられない行動に出る。見たことのない男に対し、90度の深いお辞儀。

 

「VIP様、お待ちしておりました」

 

 VIP様? 

 

 その男は、にやりと笑った。口の端から唾液が糸を引く。

 

「田中太郎です」

 

 明らかな偽名。

 

「ひめ、ムジナ、アカネ。VIP様の接客を」

 

逃げたい

 

 でも足が動く。VIP席へ。

 

 

 

 

 

 ■ 2. 最初の罠 ■

 

「ほう……三人とも上物だね」

 

 田中太郎と名乗った男は、舐めるような視線を這わせる。私のバニースーツの胸元から、ウエストのくびれ、ハイレグから露出した腰骨、網タイツに包まれた太もも。

 

「特に君……ひめ、だったかな?」

 

 黄ばんだ歯を見せて笑う。

 

「はい、ひめと申します」

 

「中国系? いいねえ……知的な女が一番面白い」

 

 面白い? 

 

「ムジナです」

 

「アカネでーす」

 

 二人も自己紹介するが、男の視線は私から離れない。

 

「君たち、競争は好きかい?」

 

 突然の質問に戸惑う。

 

「は……はい?」

 

「簡単なゲームをしよう。三人で私を楽しませる。一番頑張った子には、チップをはずむ」

 

 ムジナの目が光る。アカネが身を乗り出す。

 

 そして私も、なぜか負けたくないと思ってしまった。

 

「まず、自己紹介だ。ただし……」

 

 男は私の太ももに視線を固定したまま続ける。

 

「体を使って、自分をアピールしてくれ」

 

 は? 

 

「ほら、バニーちゃんなんだから。ぴょんぴょん跳ねるとか、お尻を振るとか」

 

 下品な要求。でも──

 

 ムジナが立ち上がる。175センチの長身が、くるりと回る。紺色のバニースーツが体のラインを強調する。

 

「私、モデルをしていました」

 

 腰を落とし、胸を突き出すポーズ。レオタードの胸元が大きく開く。

 

「ほう、いいねえ。長い脚だ」

 

 アカネも負けじと立ち上がる。

 

「アカネは、こんなことできますぅ」

 

 ぴょんぴょんと跳ねる。豊満な胸が上下に揺れ、今にもバニースーツからこぼれそう。

 

「おお、柔らかそうだ」

 

 男の目が爛々と光る。

 

 私は──私は何をしている? 

 

 立ち上がり、中国の伝統的な礼をする。そのまま腰を深く落とすと、ハイレグカットから太ももが大きく露出する。

 

「私は五ヶ国語を話せます」

 

 各国語で「よろしく」と言いながら、優雅に腰を振る。チャイナボタンが胸元で揺れる。

 

「素晴らしい! 知的な女が、バニースーツで腰を振る……最高だね」

 

 男は手を叩いて喜ぶ。その手が、脂でべとついているのが見える。

 

「今日の一番は……」

 

 全員が息を呑む。

 

「まだ決められないな。もっと見たい」

 

 その夜、私たちは必死だった。

 なぜ必死なのか、分からないまま。

 

 

 

 

 

 ■ 3. 欲望の形 ■

 

 三日後。

 

 VIP様──いつの間にかそう呼んでいた──が来店する。

 

「やあ、可愛いバニーちゃんたち」

 

 その目は、獲物を見る肉食獣のよう。

 

「今日は少し違うゲームをしよう」

 

 彼は私たちを順番に立たせる。

 

「ひめ、回ってみて」

 

 くるりと回る。バニースーツの後ろ姿、お尻のラインが丸見えになる。

 

「いいねえ……知的な顔して、お尻は女そのものだ」

 

 顔が熱くなる。屈辱的。なのに──

 

「ムジナ、しゃがんでみて」

 

 ムジナがしゃがむと、バニースーツの股間部分が食い込む。

 

「ほう、モデルさんでも、そんな格好するんだ」

 

「アカネ、胸を寄せてみて」

 

 アカネが腕で胸を寄せる。谷間が深くなる。

 

「若い子の胸は、弾力が違うねえ」

 

 男は満足そうに私たちを眺める。まるで品定め。

 

「さて、今日の課題だ」

 

 課題? 

 

「私を『ご主人様』と呼んでみてくれ」

 

 は? 

 

「一番自然に言えた子が、今日の勝者だ」

 

 ムジナが最初に口を開く。

 

「ご主人様……」

 

 ぎこちない。

 

 アカネが甘えた声で言う。

 

「ご主人様ぁ 」

 

 わざとらしい。

 

 私の番。なぜか自然に出た。

 

「ご主人様」

 

「おお! ひめちゃん、完璧だ! まるで本当に私の所有物みたいだ」

 

 所有物。

 その言葉に、ゾッとする。

 でも同時に──

 

認められた

 

「でもまだまだだな。もっと心を込めて言えるはずだ」

 

 その日から、私たちは彼を「ご主人様」と呼ぶようになった。

 

 

 

 

 

 ■ 4. 競争の激化 ■

 

 一週間後。

 

 競争は醜いものになっていた。

 

「ご主人様、今日のひめ、どうですかぁ?」

 

 私は彼の隣に座り、太ももを押し付ける。バニースーツのハイレグから、網タイツの太ももが彼の脚に触れる。

 

「おお、積極的になったね」

 

 太い指が、私の太ももを撫でる。

 

気持ち悪い

 でも動かない。

 

 ムジナが割り込む。

 

「ご主人様、私の脚の方が長いですぅ」

 

 175センチの長い脚を、彼の前で組み直す。レオタードが食い込み、形が浮き出る。

 

「確かに長い。でも……」

 

 アカネが彼の腕を胸で挟む。

 

「ご主人様ぁ、柔らかいでしょ?」

 

 ピンクのバニースーツが変形するほど押し付ける。

 

「おお、これは……」

 

 VIP様は下品に笑う。

 

「三人とも必死だね。知的な女たちが、こんなに必死に媚びを売る……最高のショーだ」

 

 ショー。

 私たちは見世物。

 分かっている。

 

でも止められない

 

 その夜、家に帰って鏡を見る。

 バニースーツの跡が体に残っている。

 太ももには、VIP様の指の感触が。

 

 夫の写真が目に入る。

『ごめんね』

 心の中で謝る。

 

 でも明日も、同じことをするだろう。

 いや、もっと過激に。

 

これは仕事

これは狂気

 

 

 

 

 

 ■ 5. 堕落 ■

 

 二週間。

 

 VIP様の要求はエスカレートしていく。

 

「今日は、私の膝に座ってみてくれ」

 

 ムジナが最初に座る。長身なので、バランスが悪い。

 

「重いかな?」

 

「いや、ちょうどいい。でも君は背が高すぎるね」

 

 次にアカネ。小柄なので収まりがいい。

 

「ご主人様ぁ、アカネ軽いでしょ?」

 

「軽いね。でも子供みたいだ」

 

 私の番。

 

 膝に座ると、VIP様の腹が背中に当たる。温かくて、湿っている。

 

「ひめちゃんは、ちょうどいい」

 

 太い腕が腰に回される。バニースーツの細いウエストを掴む。

 

「このくびれ……たまらないね」

 

 指がレオタードの上から腰をなぞる。

 

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い

 

 でも動けない。

 いや──動きたくない? 

 

「ご主人様、私が一番ですか?」

 

 自分の声とは思えない。媚びた声。

 

「今日はね。でも明日は分からない」

 

 曖昧な答え。

 それが私たちを狂わせる。

 

 その日の帰り、ムジナと話す。

 

「もう、限界かも」

 

 でも次の瞬間──

 

「明日は、もっと密着してみる」

 

 アカネも同じ。

 

「気持ち悪いけど……負けたくない」

 

負けたくない負けたくない

 

 

 

 

 

 ■ 6. 本性を見せる夜 ■

 

 三週間目。

 

 VIP様が決定的な一言を放つ。

 

「君たち、どこまでできる?」

 

 どこまで? 

 

「私のために、どこまで自分を捨てられる?」

 

 ムジナが震え声で答える。

 

「ご主人様のためなら……何でも」

 

 嘘だ。でも言ってしまう。

 

 アカネも続く。

 

「アカネも、何でもします」

 

 私は? 

 

「私も……ご主人様のために」

 

 VIP様は醜く笑う。唾が飛ぶ。

 

「じゃあ、証明してもらおうか」

 

 彼は立ち上がる。150センチの低身長。私たちの方が高い。

 なのに、見下ろされている気分。

 

「まず、ムジナ」

 

「は、はい」

 

「四つん這いになって」

 

 は? 

 

 でもムジナは従う。紺色のバニースーツを着たまま、四つん這い。お尻が突き出される。

 

「いい眺めだ。モデルのプライドはどこへ行った?」

 

 ムジナの顔が真っ赤になる。

 

「アカネ」

 

「は、はい」

 

「私の靴を舐めてみて」

 

 アカネが膝をつく。でも──

 

「で、できません……」

 

「そう。じゃあ君は三番だね」

 

「え!? ま、待って!」

 

 アカネは震えながら、靴に顔を近づける。

 

「や、やります……」

 

「もういい。遅い」

 

 そして私を見る。

 

「ひめ」

 

「……はい」

 

「『私はご主人様の所有物です』と言ってみて」

 

 私の専門は心理学。

 これが何を意味するか分かる。

 自己のアイデンティティの放棄。

 

 でも──

 

「私は……」

 

声が震える

 

「私は、ご主人様の……」

 

視界がぼやける

 

「所有物です」

 

 言ってしまった。

 

「完璧だ! さすが知的な女は違う。自分が何を言っているか分かっているのに、言うんだから」

 

 そう。分かっている。

 分かっているのに、言った。

 

 私は心理学修士

 これは「支配」

 分かっている

 でも

 従ってしまう

 

 

 

 

 

 ■ 7. 狂宴 ■

 

 その夜、VIP様は宣言した。

 

「来週、最終選考をする」

 

 最終選考。

 

「一番になった子には、一千万円あげよう」

 

 一千万──夫の治療費が払える。

 

 違う。そうじゃない。

 お金が欲しいんじゃない。

 

認められたい

 

「ただし、条件がある」

 

 条件? 

 

「一週間、毎日私を満足させること。どんな要求にも応えること」

 

 ムジナが身を乗り出す。

 

「や、やります!」

 

 アカネも必死。

 

「アカネが一番頑張ります!」

 

 私は──

 

「ご主人様、私を選んでください」

 

 五ヶ国語で懇願する。

 中国語、英語、フランス語、スペイン語、韓国語。

 すべての言語で、自分を売る。

 

我是您的私はあなたのもの

Je suis à vous私はあなたのもの

I am yours私はあなたのもの

 

 知性も品格も全て捨てて。

 

 VIP様は恍惚の表情。

 

「素晴らしい……高学歴の女が、五ヶ国語で服従を誓う……おおっ」

 

 うれしい。

 

 

 

 

 

 ■ 8. 地獄の一週間 ■

 

 月曜日。

 

「今日は、犬の真似をしてもらおう」

 

 私たちは四つん這いになる。

 バニースーツのお尻が突き出る。

 

「ワン、と鳴いて」

 

「ワン……」

 

 屈辱的。でも──

 

 火曜日。

 

「お互いの悪口を言い合って」

 

「ムジナは年増」

「アカネはバカ」

「ひめは偽物」

 

 醜い争い。

 

 水曜日。

 

「私の足をマッサージして」

 

 三人で彼の足を揉む。

 臭い。でも我慢。

 

 木曜日。

 

「バニースーツのまま、ダンスを踊って」

 

 レオタードが食い込み、体のラインが全て見える。

 胸が揺れ、お尻が振れる。

 

 金曜日。

 

「私への愛を叫んで」

 

「愛してます!」

 嘘。

 でも叫ぶ。

 

 土曜日。

 

 VIP様は何も言わない。

 ただ、じっと見ている。

 

 私たちは勝手に媚びを売る。

 もう、命令されなくても。

 

壊れてる

  分かってる

    でも止まらない

 

 

 

 

 

 ■ 9. 審判の時 ■

 

 日曜日。

 

「さあ、決めよう」

 

 私たちは正座して待つ。

 バニースーツが膝に食い込む。

 

「一番は……」

 

震える

 

「……決められない」

 

 は? 

 

「だって、三人とも最高だった。だから──」

 

 VIP様は醜く笑う。

 

「来週も、再来週も、ずっと続けよう」

 

 騙された。

 最初から、決める気なんてなかった。

 

「ふざけないで!」

 

 アカネが叫ぶ。

 

 でもVIP様が指を鳴らすと──

 

思考が濁る

 

「はい、ご主人様」

 

 自動的に答える。

 

 ムジナも、私も。

 

「はい、ご主人様」

「はい、ご主人様」

 

 

 

 

 

 ■ 10. 囚われの身 ■

 

 あれから、さらに一週間。

 

 もう、私たちは人間じゃない。

 

 朝起きると、最初に考えるのはVIP様のこと。

夫のことは

もう

ほとんど

思い出さない

 

 ムーン・バニーに出勤。

 バニースーツに着替える。

 黒いレオタード、白い襟と袖口、兎の耳。

 網タイツを履き、ハイヒール。

 

 鏡に映る自分。

ひめVIP様の玩具

 

 ムジナとアカネも同じ。

 もう友人じゃない。

 ライバル。敵。

 

「今日こそ、一番になる」

「負けない」

「VIP様は私のもの」

 

 醜い争い。

 でも止められない。

 

 VIP様が来店する。

 

「やあ、可愛いバニーちゃんたち」

 

 私たちは犬のように駆け寄る。

 

「ご主人様!」

「ご主人様!」

「ご主人様!」

 

 誰が一番最初に声をかけられるか。

 誰が一番近くに座れるか。

 誰が一番触ってもらえるか。

 

 

競争内容私ムジナアカネ

 

媚び必死必死必死

 

プライドゼロゼロゼロ

 

人間性消えた消えた消えた

 

 

 

 

 

 ■ 11. 真実 ■

 

 ある夜、VIP様が言った。

 

「実はね、私は心理操作の専門家なんだ」

 

 は? 

 

「君たちは実験台。高学歴の女性が、どこまで堕ちるか」

 

 実験……? 

 

「最初から全部、計算づく。褒めて、けなして、競わせる」

 

「行動心理学の基本だよ。ひめちゃんなら分かるでしょ?」

 

 分かる。

 全部、教科書に載っている。

 オペラント条件付け。

 間欠強化スケジュール。

 社会的促進。

 

「でも、分かっても逃げられない。それが面白い」

 

 そう、逃げられない。

 今、真実を知っても──

 

「ご主人様、私を一番にしてください」

 

 変わらない。

 もう、手遅れ。

 

助けて

 でも、誰も助けてくれない。

 

逃げたい

 でも、足が動かない。

 

もう嫌

 でも、明日も来る。

 

 

 

 

 

 ■ 12. 終わらない夜 ■

 

 今夜も、銀座は美しい。

 

 イルミネーションが輝き、高級車が行き交う。

 その中で、ムーン・バニーは静かに客を待つ。

 

 私はバニースーツに身を包み、VIP様を待つ。

 

 ムジナも、アカネも同じ。

 

 三人とも、もう普通の生活には戻れない。

 VIP様に認められることが、生きる意味。

 

 愛してないのに

 好きじゃないのに

 気持ち悪いのに

 でも

 離れられない

 

 ドアが開く。

 

 VIP様が入ってくる。

 150センチの低身長。

 100キロ超の肥満体。

 脂ぎった顔。

 

 でも、私たちにとっては──

 

「ご主人様!」

 

 神様。

 

 今日も競争が始まる。

 誰が一番か。

 誰が選ばれるか。

 

 永遠に答えの出ない競争。

 

 でも、それでいい。

 もう、それしか知らない。

 

 バニースーツの中で、私たちは踊り続ける。

 VIP様の檻の中で。

 

 自由なのに、逃げられない。

 逃げられるのに、逃げない。

 

 なぜなら──

 

 ここが……私たちの……世界の……すべて……だから

 

 今夜も、明日も、明後日も。

 終わることのない、狂った夜が続く。

 

私は誰? 

  ここはどこ? 

    助けて

 

 でも、その声は誰にも届かない。

 

 バニーの耳だけが、虚しく揺れている。

 

 

 

 

 

おしまい




最後まで読んでくれてありがとう!
よかったら評価とお気に入りしてもらえると嬉しいです。
感想も大歓迎!(^o^)

次回はこのお話の男性視点を投稿します。お楽しみに!






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