俺の仕事は工場勤務。コンクリートを型枠に流し、暗い洞窟のようなところに一晩入れておいて固める。勤務時間は八~十七時まで。昼休み一時間と、午前十時と午後十五時に十五分ずつ休憩がある。
過酷な労働だから休憩はこの仕事をしたことがある社長の配慮で多めにとってある。俺としては、昼休憩だけでいいのだが。働いた分だけ給料になるなら、そんなに休憩はいらない。お金が大好きな俺の本音だ。性行為に負けないくらい、金も好き。金さえあれば何だってできる。女も買えるし、好きな物や好きな食べ物も買える。
俺は将来、会社を立ち上げようと考えている。どんな会社かと言うと、風俗だ。北海道の札幌市のすすきの辺りにしようかと目論んでいる。そのために今は働いて資金を貯めている際中だ。
この話しはまだ誰にも話していない。でも、英子には話そうかと思っている。風俗の店員として働いてもらおうと考えているから。彼女はまるで俺の駒のような扱いだ。そこで、金を儲けて沖縄に別荘を建てようかと計画している。
将来は働かないで生活しようと考えている。収入源は風俗でだ。女は商品だと思っている。店の駒だ駒。
仕事を終えて、事務所に行ってタイムカードで退勤した。そこに事務員の清美が近づいてきた。そして、話し出した。
「今夜はどう? 夕食のことだけれど」
俺は即答した。
「ああ、いいよ。支度できたらLINEするわ」
「わかった、待ってるね」
若い従業員は男女合わせて四~五人くらいしかいない。その他は、年輩の従業員ばかり。
でかい会社だが、若い従業員が少ない。なぜ、もっと若いやつらを雇わないのだろう。そう思ってこのまえ清美に訊いてみた。彼女は、ずっと事務所にいるからそういった話しも聞いているかもしれないと思って。
だが、知らないらしい。でも、清美も同じ事を考えていたようだ。年輩ばかりじゃ、肉体労働のこの仕事にそぐわないのではないかと思う。でも、仕事がきついせいなのか、この前十六歳の若い男が一ヶ月で辞めてしまった。そいつは高校を中退して、しばらく家にいて親に、
「学校辞めたんだから、働け!」
と強い口調で言われたらしい。本人から聞いた話し。それと、
「日本は憲法で、勤労の義務というのがあるんだぞ」
とも言われたらしい。高校をなぜ辞めたかは、どうやらいじめにあっていて、嫌になって退学したようだ。それに対して親は反対しなかったらしい。厳しいのか、甘いのかよくわからない親だ。