金がなかなか貯まらない。その理由は俺が風俗に行く機会が増えたから。友人の
彼は、俺と同じ職場にいる。仲もいいし、無下には出来ない。でも、風俗にまったく行かないことはなくても、頻度を減らさないと。俺はそう思っている。
今日は給料日。職場から帰る時、拓馬に声を掛けられた。
「なあ、元太。今夜、行かないか?」
例の風俗の話しだ。
「あー、今回は悪い。行けないわ」
拓馬の誘いを断ると、
「何でだよ」
表情が曇り、一気に不機嫌になった。
「ちょっと用事があってな」
「ちぇっ、わかったよ」
彼にも本当のことを話さないといけないかもしれない。このまま断り続けるのは悪いから。
「なあ、拓馬。ちょっと、話しがあるんだ。もうすぐ行くのか?」
「ああ、行くよ。どうしたんだよ」
「これからは、あまり風俗に行けないかも」
彼は眉間に皺を寄せた。どうやら怒らせてしまったようだ。
「何でだ? おれと行動するのが嫌になったのか?」
俺は鼻で笑った。
「それは大きな勘違いってやつだ。実はさ、俺、夢があるんだ」
拓馬は俺を凝視していて何も言わない。話しを続けた。
「それは何かって言うとだな、札幌に店を開きたいと考えてるんだ、風俗のな。そのために金を貯めて、さらに風俗で儲かったら沖縄に別荘を建てて一生働かないで暮らしていこうと考えてるんだ。もちろん、風俗の収入で暮らす」
一気に言うと拓馬は目を大きく見開き驚いたような表情になった。
「マジで言ってんのか?」
にわかに信じがたい様子だ。
「ああ。大マジだ」
「そうか。じゃあ、もう元太は誘わないぞ。いいんだろ?」
俺は少し焦った。
「いや、俺もたまには風俗行きたいから、今度からこっちから誘うわ」
これじゃあまるで俺の都合ばかりの話しだ。でも、拓馬はそのことには何も言ってこない。気付いていないのだろうか。いや、こいつに限ってそんなことはないだろう。言わないだけかもしれない。
「ああ、わかったよ」
こうして俺は夢に向かって本格的にスタートした。他に風俗などの多額な遊びに誘ってくるやつもいないし。今の俺にはちょうどいいし、都合もいい。だから、精一杯がんばろうと思う。
ちなみに清美の誘いもある。まずは飯を食いに行く。焼肉がいいなぁ。でも、そのあとラブホテルに連れて行くつもりだから腹いっぱいにはしない。もし、腹が減ったらラブホテルに設置してある冷蔵庫のなかにカップ麺があるのでそれを食べよう。そういう流れで清美と遊ぶつもりで彼女に言った。すると、
「え、ラブホテルに行くの?」
「ああ。もちろんだ。清美もそのつもりで俺を誘ったんだろ?」
「まあ、そうなるかな、とは思っていたけれど」
「だろ。じゃあ、話は決まりだ」
そして、俺と清美は焼肉店で食事を済ませたあと、ラブホテルに行った。英子にはバレていないはず。これでいいんだ。若いときにしかできないことだから。
了