※この作品はR-18です。

ここは八幡の藪知らず   作:スナエ

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加州清光

 審神者である彼女は、神に生涯純潔であることを誓った巫女であった。

 名を、八幡森詠子(やわたのもりよみこ)という。

 刀剣男士たちには、詠子とだけ名乗っている。

 年齢不詳だが、年若い乙女のように見えた。

 

「ようこそ、我が本丸、八幡城へ」

 

 新たに顕現した刀剣男士に、詠子は穏やかな笑みで告げる。

 

「この本丸の決まり事は、たったひとつですわ」

 

 微笑みはそのまま、声色が狂気じみたものを帯びた。

 

「わたくしを愛しなさい。それが掟です」

 

 詠子は、聖女のように輝いている。

 

◆◆◆

 

「本日の近侍は貴方ですね、加州清光」

「うん。可愛くして待ってたよ」

 

 詠子の近侍は、日替わりである。近頃は、随分と順番待ちが長くなった。

 

「まあ。貴方は、本当に可愛いですわね」

「主は、まだ俺のこと好き?」

「ええ、もちろん」

 

 加州清光は、詠子の初期刀である。

 

「俺は、主のことを愛してるよ。ずっと」

「ありがとうございますね」

 

 詠子は、清光の頭を撫でた。

 清光は、ほんのりと頬を染めて、嬉しそうに笑う。

 

「ねぇ、俺が近侍ってことは、今夜は————」

「清光」

 

 人差し指を唇に当てる審神者。

 

「あ、ごめん……」

「今は駄目ですよ、そのことは」

「……うん」

 

 その夜。清光は、主の寝所である私室に呼ばれた。

 

「主……」

「よくいらっしゃいましたね、清光」

「うん」

「では、着物を脱いで布団の上に寝てくださいましね」

 

 清光は、言われた通りにする。

 

「うふふ。可愛いですねぇ。わたくしの清光」

 

 着物を一切脱がず、詠子は清光に覆い被さるような姿勢になった。

 

「主、もっと可愛がって……」

「いいですよ。貴方は良い刀ですからね」

 

 そう甘く囁くと、詠子は指に白い粘性のある液体を塗り、清光の後孔に挿し入れる。

 

「ひっ♡ あ、あるじ♡」

「すっかり溶けた顔をするようになりましたね。可愛いらしいこと」

「あっ♡ 俺、可愛い?」

「はい」

 

 詠子は、指を動かし、清光の情欲を掻き立て続けた。

 

「あるじ♡ だいすき♡」

「わたくしも貴方が大好きですよ」

「うん♡ うん、嬉しい♡」

「もっと気持ちよくしてあげますからね」

「ああっ♡ や、あ♡」

 

 清光の呼吸も、思考も乱れ、快楽が全身を犯す。

 

「あるじ♡ きす、して♡」

「それはいけません。わたくしは、清らかでなくてはなりませんのよ」

「うん、分かった……」

「口付けなどなくても、貴方をきちんと昂らせて差し上げますからね」

「うん♡」

 

 愛する主と繋がることは叶わないが、加州清光は幸せだった。

 詠子の指による愛撫は、清光が絶頂するまで続く。

 

「いつまでもわたくしのものですよ、清光」

 

 八幡森詠子は、支配者であり、愛を求めるが決して返さない人間だった。

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