※この作品はR-18です。

ここは八幡の藪知らず   作:スナエ

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長曽祢虎徹

 夜半。詠子の寝所にて、長曽祢虎徹の膝上に審神者が座っている。

 詠子は、着物をはだけさせ、指先を長曽祢の胸から下腹部まで滑らせた。

 

「主……」

「どうかしましたか? わたくしの可愛い長曽祢」

「おれみたいなのを可愛いなんて言って……あんたは変わり者だな…………」

 

 言葉とは裏腹に、長曽祢は詠子を愛しそうに見つめている。

 

「だって、事実ですもの。わたくしのものは、皆、可愛いくてよ」

「……そうか」

「ふふ」

 

 詠子は、長曽祢の下腹部を押した。

 

「主っ…………」

 

 長曽祢は、頬を赤らめる。

 

「うふふ。ぞくぞくしますか?」

「やめっ…………♡」

「可愛い顔。もっと見せてくださいまし」

 

 女は、美しく微笑んだ。

 

「滅茶苦茶にしてしまいたいですわ」

 

 長曽祢を押し倒し、潤滑液を塗った指を後孔に挿入する。

 

「あ、あるじ♡」

 

 開発されきったそこは、容易く女の指を受け入れ、きゅうきゅうと締め付けた。

 

「可愛いですわねぇ。わたくし、そういう貴方のことが好きでしてよ」

「すき……?」

「ええ。ですから、ずっとわたくしを愛しなさい」

「わ、分かった♡」

 

 詠子と長曽祢の想いは、同じではない。審神者は、好意的にはなるが、愛することはしない。

 主による愛撫は続き、やがて、長曽祢は、びくりと体を震わせて絶頂した。

 

「は、あ♡」

 

 情欲に濡れた瞳で、詠子を見つめる長曽祢。

 女は、指を抜き、息を荒くして寝そべる長曽祢の頭の横に座る。

 

「可愛い、可愛いわたくしの刀」

 

 詠子は、利き手ではない方で長曽祢の頭を撫でた。

 

「主、おれは…………」

「その話は、もう聞き飽きました。贋作であることなんて、わたくしには関係ありませんのよ。貴方が貴方である限り、わたくしを愛する限り、貴方はそのままが良いのです」

「…………」

 

 長曽祢は、目を閉じて詠子の台詞を反芻しながら、彼女の手で撫でられるのを甘受する。

 その後。身を清めさせてから、詠子と長曽祢は同じ布団で寝た。

 愛を貪り終えた女は、長曽祢の頭を、母が子供にするように、胸に抱き締めて眠りにつく。

 主は、自分より小さな身体をしているのというのに、とても大きな存在だ。と、長曽祢は思う。

 長曽祢は、そっと彼女の腰に腕を回した。

 翌朝。

 

「おはようございます」

「おはよう、主」

 

 詠子たちは、上半身を起こし、挨拶を交わす。

 

「よく眠れましたか?」

「ああ」

「それは、重畳ですわね。ふふ」

 

 朝の光に照らされて、審神者は微笑んだ。

 そして詠子は、長曽祢を正面から抱き締める。

 長曽祢も、詠子を抱き締め返した。

 

「今日も、わたくしを愛していますね? 長曽祢虎徹」

「愛してる」

「ありがとうございますわ」

 

 詠子は、満足そうに笑い、長曽祢の後頭部を撫でる。

 長曽祢は、主の唯一になれるとは思っていないが、それでも今だけは、彼女を独り占めしたいと思った。

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