本日の近侍の一文字則宗は、詠子に言った。
「お前さん、随分と歪じゃないか?」
「歪? わたくしが?」
詠子は、きょとんとしている。
「巫女が、閨でこんなことをするのは、歪ではないかな?」
布団の上に押し倒された則宗は、詠子を見上げて問う。
「そうでしょうか? わたくしが支える神は、わたくしを罰しておりませんから、何も問題はありませんが」
「うははっ! 全く、主は面白いな。清いままで、他者の体を暴いて、それが矛盾しないと」
「ええ」
「さて。今宵は、僕をどうするのかな? 美しい主よ」
詠子は、「うふふ」と笑い、告げた。
「可愛がって差し上げますわ」
女の指先が、則宗の下腹部をなぞる。
則宗は、ぞくぞくとして、頬を紅潮させた。
詠子は、指に潤滑剤を塗ってから、彼の後孔に侵入する。
「んっ♡」
「貴方は、わたくしを歪だと言いましたが、そこは流しましょう。貴方は、わたくしを美しいとも言いましたわね。わたくしからすれば、貴方たちこそが美しいのですわ。だから……」
滅茶苦茶にしてしまいたいのです。
堕としてみたいのです。
「だから、こうして貴方たちが人の体であることを存分に味わわせたいのですわよ」
「ふっ♡ 趣味がいいな」
「あらあら。そのようなことを言える理性など、なくさせてあげますわ」
「ああっ♡」
詠子は、指で前立腺を刺激する。
「あるじ♡ ぼくは、あるじをけなしてるわけじゃ、ない」
「そうですの?」
「は、あ♡ ただ、いとしいとおもっているだけ、で。うあっ♡」
「うふふ。それはそれは。ありがとうございますね」
「うん♡ うん、それだけだ♡」
則宗は、強い快楽責めに喘ぎながら言った。
「わたくしも、貴方のことが好きですわよ。もっと気持ちよくして差し上げます」
「もっ、と……?」
詠子は、筒のような物を取り出し、そそり立つ則宗の陰茎を中に入れる。
「あ、う♡ あるじ、それ、は♡」
中がぬめる筒は、則宗に未知の快感を与えた。
「前も後ろも気持ちよくなりましたでしょう?」
「ひっ♡ あるじ♡ ぼく、は♡ あたまがまっしろになりそうだ♡」
「それでいいのですよ。わたくしがおりますから、好きなだけ快楽に溺れてくださいまし」
詠子は、責める手を止めない。
「ああっ♡ ぼくのあるじ♡ すき♡ すきだ♡」
「まあ、可愛いらしい」
女は、うっとりとした表情で則宗を見ている。
「んっ♡ あ、もう♡ ああっ♡」
則宗は、びくりと体を震わせて絶頂した。
「はあ♡ んっ♡」
「則宗。とても偉いですわね」
「僕が、偉い?」
「ええ。わたくし、貴方のそういう姿が見たかったのですわ。偉いですわねぇ」
詠子は、使っていない方の手で彼の頭を撫でる。
「はは。僕みたいなじじぃに、そんな……」
「年齢など些事です。貴方が好きだから、褒めたいだけですのよ」
「僕の主は、物の心を溶かすのが上手いな」
則宗は、ふ、と笑った。
その後。艶事の後始末をしてから、ふたりは共に布団に入る。
「僕の主……」
則宗は、そう呟き、寝入った詠子の頭を撫でた。