※この作品はR-18です。

ここは八幡の藪知らず   作:スナエ

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大包平

 大包平を見下ろす詠子の瞳に、自分が映っている。

 

「お前の目に、俺はどう見える?」

「美しい刀に見えますわよ」

「……そうか」

 

 大包平は、詠子の頬に片手を添えた。

 

「一番美しいか?」

「ええ。わたくしの刀は皆、一番ですわ」

 

 詠子は、大包平の手に手を重ねて言う。

 

「主らしいな」

「そろそろ始めますわよ」

「ああ……」

 

 審神者は、指に白い粘液を塗り、大包平の後孔に挿入した。

 

「んっ♡」

「うふふ。いつまで声を我慢出来ますかしら?」

 

 大包平は、喘ぐのを抑えているが、詠子の指使いによって、徐々に声が大きくなる。

 

「んんっ♡ あ、あ♡」

「もっと快楽に身を任せてくださいまし」

 

 詠子は、屹立した陰茎を滑る筒に挿入させて笑う。

 

「ああっ♡ あるじっ♡」

 

 男の手が、白い敷布をぎゅっと掴んだ。

 

「それはっ♡ だめだっ♡ ああっ♡」

「大丈夫ですわよ。貴方がどんな姿を晒そうとも、わたくしの可愛い刀であることは変わりませんもの」

 

 女は、攻めの手を止めない。

 

「おれ、はっ♡ ん、ああっ♡」

「ふふ。わたくしの可愛い大包平」

「あるじっ♡ おれのあるじっ♡」

「ええ。わたくしは、貴方の主ですわ」

 

 詠子は、空いている手の白い指を這わせ、大包平の指先に絡めた。

 

「すき、だ♡ あるじ♡ あいしてる♡」

「ありがとうございますね」

 

 女は、捧げられた愛を丸かじりして、満足する。

 

「あ、う♡ あるじっ♡ もうっ♡ ああっ♡」

 

 大包平は、びくりと体を震わせ、筒の中に射精した。体を弛緩させて、荒い呼吸をする。

 

「うふふ。上手に達せましたわね。偉いですわ」

「主……」

 

 少し掠れた声。

 

「一度、手を離してくださる?」

「あ、ああ」

 

 言われた通り、いつの間にか強く掴んでいた詠子の手を解放する。

 詠子は、手際よく後始末をして、身を清めて戻るように大包平に命じた。

 ひとりきりの浴場で、大包平は考える。

 主に、美しいと言われたこと。

 彼女の“一番”は、無数にいる。この本丸の刀剣男士全員が、詠子の博愛の元に平等だった。

 つまり彼女は、大包平を童子切安綱と並ぶ美しさだと思っているのである。

 その事実は、彼にとって嬉しかった。

 それでも。主の“本当の一番”になりたいと願うのは、欲深いことなのだろうか?

 大包平が寝所に戻ると、詠子は布団の側で正座をしていた。

 

「主、待たせたな」

「いえ、いいのですよ。さあ、こちらへ」

「ああ」

 

 ふたりは、共に布団に入る。そして、お互いを見つめた。

 

「主は、誰か一振りを選ぶことはないだろう?」

「ええ。そのようなことはいたしませんわ。わたくしは、皆の主ですもの」

「……そうだな」

 

 大包平は、詠子を抱き締めて囁く。

 

「俺の愛する主」

「まあ、嬉しいですわ」

 

 詠子は、大包平の首に腕を回した。

 

「わたくしの大包平」

 

 詠子の囁きは、甘い毒のように全身を侵していく。

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