大包平を見下ろす詠子の瞳に、自分が映っている。
「お前の目に、俺はどう見える?」
「美しい刀に見えますわよ」
「……そうか」
大包平は、詠子の頬に片手を添えた。
「一番美しいか?」
「ええ。わたくしの刀は皆、一番ですわ」
詠子は、大包平の手に手を重ねて言う。
「主らしいな」
「そろそろ始めますわよ」
「ああ……」
審神者は、指に白い粘液を塗り、大包平の後孔に挿入した。
「んっ♡」
「うふふ。いつまで声を我慢出来ますかしら?」
大包平は、喘ぐのを抑えているが、詠子の指使いによって、徐々に声が大きくなる。
「んんっ♡ あ、あ♡」
「もっと快楽に身を任せてくださいまし」
詠子は、屹立した陰茎を滑る筒に挿入させて笑う。
「ああっ♡ あるじっ♡」
男の手が、白い敷布をぎゅっと掴んだ。
「それはっ♡ だめだっ♡ ああっ♡」
「大丈夫ですわよ。貴方がどんな姿を晒そうとも、わたくしの可愛い刀であることは変わりませんもの」
女は、攻めの手を止めない。
「おれ、はっ♡ ん、ああっ♡」
「ふふ。わたくしの可愛い大包平」
「あるじっ♡ おれのあるじっ♡」
「ええ。わたくしは、貴方の主ですわ」
詠子は、空いている手の白い指を這わせ、大包平の指先に絡めた。
「すき、だ♡ あるじ♡ あいしてる♡」
「ありがとうございますね」
女は、捧げられた愛を丸かじりして、満足する。
「あ、う♡ あるじっ♡ もうっ♡ ああっ♡」
大包平は、びくりと体を震わせ、筒の中に射精した。体を弛緩させて、荒い呼吸をする。
「うふふ。上手に達せましたわね。偉いですわ」
「主……」
少し掠れた声。
「一度、手を離してくださる?」
「あ、ああ」
言われた通り、いつの間にか強く掴んでいた詠子の手を解放する。
詠子は、手際よく後始末をして、身を清めて戻るように大包平に命じた。
ひとりきりの浴場で、大包平は考える。
主に、美しいと言われたこと。
彼女の“一番”は、無数にいる。この本丸の刀剣男士全員が、詠子の博愛の元に平等だった。
つまり彼女は、大包平を童子切安綱と並ぶ美しさだと思っているのである。
その事実は、彼にとって嬉しかった。
それでも。主の“本当の一番”になりたいと願うのは、欲深いことなのだろうか?
大包平が寝所に戻ると、詠子は布団の側で正座をしていた。
「主、待たせたな」
「いえ、いいのですよ。さあ、こちらへ」
「ああ」
ふたりは、共に布団に入る。そして、お互いを見つめた。
「主は、誰か一振りを選ぶことはないだろう?」
「ええ。そのようなことはいたしませんわ。わたくしは、皆の主ですもの」
「……そうだな」
大包平は、詠子を抱き締めて囁く。
「俺の愛する主」
「まあ、嬉しいですわ」
詠子は、大包平の首に腕を回した。
「わたくしの大包平」
詠子の囁きは、甘い毒のように全身を侵していく。