※この作品はR-18です。

少女X家庭教師X依存   作:霧里

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やくそく

 

悪寒に背筋が震え上がる。

 

冷えた血液が全身を巡っても、肌の熱は冷めやらない。

お尻を撫でていた先生の手が、下着の隙間を押しのけて中へと潜り込んできた。

衣擦れの音と共に、素肌が晒されていくのを止められない。

 

先生の顔を盗み見ようとして、でも出来なかった。

 

今、私を手籠めにしようとしてるこの人は、一体何なんだろう?

もしも、そこにあるはずの優しい笑顔が歪んで見えてしまったら。私が好きになった先生は、こんな人じゃなかったはずだ。

 

最初はただ、守ってほしかっただけ。それでも、日を追うごとに欲が出る。

先生と生徒じゃイヤ。男と女。いつか、恋人同士になれたらと。お互いに愛し合えたなら、それはきっと素敵なことなんだろうって。

 

「……っ!?」

 

葛藤に視線が泳ぐ。そうしてる間にも、太ももの内側にまで手のひらが滑り込んできた。大きな男の人の手。筋肉質で、角張った指先。自分の指とは似ても似つかない。

 

先生の指が私に触れそうになって、思わず逃げてしまった。

忌避感につま先が伸びる。今更それが何になるわけもないのに、逃げ出したい気持ちが飛び出しそうだった。

 

吐息が揺れる気配がする。

 

くつくつ……と、愉悦の浮かぶ笑顔が脳裏をよぎった。

 

愛情からくるものじゃない。藻掻く羽虫を愛でるような視線に、肌を舐め回されている気分だ。身を捩った。少しでもその視線から逃れようとする私を、先生は意にも返さない。無遠慮に肌を撫で回していた手のひらが、更に奥へと入り込んでくる。

 

喜べば良いのか、悲しめば良いのか。

 

無防備にお尻を突き出した私は、身動きの一つも出来なかった。

空耳に心が震えてしまう。それ以上進んで欲しくなくて、寄せた肌に力が入る。

聞かせないで欲しい。聞こえないで欲しい。お願いだから、溢れてしまわないで。

 

くちゅり……。

 

太ももの奥に抱え込んだ僅かな水気。先生の愛撫に当てられて敏感になった肌は、自身の興奮を気取ってしまう。触れられてもいないのに、どうしてこんなにも……。緊張で体が強張った。先生が私に触れる瞬間を思うと、どうしても。

 

凝り固まった太ももを揉みほぐすように、指先が這い回る。

あと少し、もう少しで……。閉ざされた柔肉の隙間から抜け出るその直前。

何を思ったのか、昇り詰めていた手のひらは踵を返し、膝の方へと抜けていく。

 

先延ばしにされたんだ。

 

そうと分かっていても、正直ホッとしてしまう。

強く緊張していた分だけ体が弛緩する。膝の頭から下着がすり抜け、ふくらはぎを撫で落ちる。それも、先生が太ももを堪能している間だけ。脱げた下着が床へと広がるまでの僅かな猶予でしかない。

 

おぼろげに浮かぶ情事の記憶。

 

下腹に焼き付いた違和感が、奪われたモノを匂わせる。

 

取り返さなきゃいけない。たとえ、失くしたものが戻らなくてもいい。

今、自分を守って見せないと、今までと何も変わらない。変えられない。

今度は先生の言いなりになるだけだ。イヤなことは、ちゃんとイヤって言おう。

勇気を出して。そうすれば、きっと先生とだって上手くいくはずだから。

 

「ふふっ、おねだりでもしているのかい?」

 

でも、からかうような声に泣きたくなった。

違う。そんなつもりじゃなかったのに。現実の私は声を上げるどころか、ゆらゆらと腰を揺らして、もじもじと太ももをすり合わせただけ。言葉が声にならない。

体に力が入らない。お母さんも、先生だって、自分の守り方なんて教えてくれなかった。

 

「なぜ?」「どうして?」と、無意味に責め立てくるだけの母。

先生は私を可愛がってくれたけれど、向けられた感情は よく言っても愛玩動物だ。二人して何も知らない私から、散々にもっていくばかり。

 

何かがおかしい。やっぱり怖い。

 

それに気づいた後も、先生の手を払う勇気なんて出ない。一人で家を飛び出して、私にどうしろっていうの。母に支配され続け、先生に手懐けられた私にとって、底抜けの自由は 落とし穴となんにも変わらなかった。

 

……悠真。

 

唯一、私の隣にいてくれたのは彼だけだ。

 

それで、今度は彼に縋るんだ。自分の弱さに泣いちゃいそう。

その時の私もきっと、彼に嫌われないように必死になるんだろう。一瞬、思い浮かんだ顔と名前も、すぐに霞んで消えていく。首を振ってしまえば、影も形も残らない。彼との思い出は、確かに一時の気休めにはなったけど。今はそれが余計に辛かった。

 

信じきれない。

 

八つ当たりが、喉元までせり上がってくる。

 

私がこんな目にあってる間にも、彼は誰かと楽しく過ごしているんだろう。

今だってきっとそう。テスト勉強がダルいとか、進路が決まらないだとか。

贅沢に悩んでみたりして。

 

それに、彼だって私と同じだ。ただの学生に何かできるはずもない。いまさら頼られたって、困らせるだけ。同じ班を作ったり、勉強を教えてほしいって頼むのとは違うんだ。それどころか、今の私を見たら先生と同じようになるかもしれない……。

 

ああ、違う。

 

こんな私を、彼にだけは見られたくなかった。

 

失望の眼差しを向けられるのが怖い。欲に塗れた視線で視姦されるのもイヤ。

せめて彼との思い出だけは、綺麗なままであって欲しい。

 

「ぁっ……」

 

思わず、口元を抑えてしまった。

恥ずかしかった訳じゃない。背筋を伝う怖気に震えた訳でも。もっと単純なこと。

「いや……」飛び出しかけた言葉に唇が震えだす。

 

「いけない子だ。こんなに濡らして……。そんなにコレが欲しかったのかい?」

 

くちゅり……。

 

今度は空耳じゃなかった。確かな水音が部屋に響く。

熱くて、固い。指先とは違うモノが私に触れたその瞬間。雫が一つこぼれ落ちた。

頬を伝い、太もも伝い、それはゆっくりと中に挿ってくる。慌てて足を閉じても、もうどうにもならなかった。

 

葛藤に惑う事も許されない。

 

選択肢が一つずつ取り上げられていく。幸せに繋がっていたはずの道が、また一つと閉ざされていった。

 

「っ、ぁ……ぅぅっ……」

 

前のめりになった体で藻掻く。机の上に散らばった問題集を掻き分けながら、前に、前に……。でも、一歩だって進まない。自分の足で立っていられなかった。

 

机が邪魔。お腹が圧されて苦しい。

 

床を蹴ったつま先が、脱げた下着を踏みつけた。

 

それでもと、顔を上げれば部屋の壁に目が塞がれる。

 

逃げ場なんて何処にもなかった。

 

「ただいまっ、お母さん♪」

 

ああ、もうそんな時間なんだ。

 

傾き始めた陽の光が差し込む窓の外。私の知らない世界から聞こえてくる楽しげな親子の会話。温かい。そう思った。無意識に伸ばした手のひらが陽に晒されて、少しだけ熱を持つ。

 

「ほら、もう先っぽが埋まってしまったよ?」

 

けれど、その声を聞いた瞬間に指先まで冷えきった。

伸ばしていた手が押さえつけられて、机の上に縫い付けられる。手首が痛い。

体が軋む。慣れることのない違和感が、ジクジクと下腹を覆っていった。

 

その時だった。

 

コンコンコンっ……!

 

「ひっ……!?」

 

反射的に悲鳴を上げそうになる。扉を叩く音。たったそれだけなのに。

刻みつけられた恐怖が私を縛った。もう、聞かなくなってどれだけ経つか。

先生と一緒の時は、その存在さえ忘れていたのに。

 

心臓がバクバクと音を立てている

 

忘れていたはずの恐怖に、体が竦んで動けない。

 

扉の向こうに母の気配がした。こんな所を見られるわけにはいかない。

今は先生が庇ってくれるかもしれないけれど、二人きりになった後でどうなるか。

叩かれるだけならきっとまだ良いほうだ。

 

「どうする彩花ちゃん? 今ならまだ、僕に襲われたって言い訳もできると思うけど? お母さんに助けてって言ってごらん? そうすれば君は自由だよ」

「ぇ、ぁ……ぇと、でも……」

 

急に手綱を離された。

 

手首の痛みが和らぐと同時に、腰を浮かせていた圧が緩む。

自由。その言葉の意味が分からない。逃げろって言われても、行き場がない。

窓の外には空しか見えず、扉の向こうは母の気配に満ちている。先生だって分かっているはずだ。私が母に助けを求めたところで、そこに自由があるはずもない。

 

怖い、怖い、怖い……よ。

 

助けて……誰か。

 

ゆう……っ。

 

「っ……ぁ……」

 

扉越しのやりとり。母の苛立たしげな雰囲気を感じた私は、肩をすくめて縮こまる。会話の内容は頭に入ってこない。声を上げないようにするのに必死だった。

震える唇を強引に引き結ぶ。早く何処かに言ってと、ただ願う。少しでも気を緩めたら、彼の名前を呼んでしまいそう。泣いて、叫んで、絶対に我慢ができなくなる。

 

母の相手も片手間に、先生は私を弄るように腰を揺らめかせていた。

先端は咥えこまされたまま。見られても良いんだろうか? 気のない会話に痺れを切らした母が、いつ扉を開けるとも限らないのに。

 

「やめて」たった一言すら声にならない。

 

「助けて」なんて言えるはずもない。

 

もしも、それが母の耳に届いたら。「お前がさそったんだろう」そういって、私を詰る母の姿は容易に想像ができた。目を瞑って、耳を塞いで、息を殺してただ耐える。許されたのは子供のように首を振るだけ。

 

「ゃっ……♥ ぁ、んっ……ふぅ……まっ。せん、せ……だめっ」

 

静止の声も息詰まる。不規則だった先生の動きが、一様に変わっていくのに気づいてしまった。たった少し吐息が漏れただけ。ほんの少し腰が浮いてしまっただけ。我慢しきれなかった。私の僅かな変化を感じ取った先生は、そこを執拗に責め立ててくる。

 

不意に乳首を摘まれて、慌てて口元を手で抑える。「ふぅ……っ」荒い吐息が指の隙間から溢れ出した。跳ね返ってきた自分の吐息が顔に吹き掛かる。ニチニチと、足の間から聞こえてくる水音に顔から火が出そう。

 

結局……最後まで私は動けなかった。

 

普段より大きな足音を立てて、母の気配が遠ざかる。永遠に感じていた時間がようやく終わり、やっと大きく息を吐きだせた。すっかりと涎に塗れた指先が濡れ光る。自身の興奮をまざまざと見せつけられているようだ。つぅっと糸を引くその有り様は、太ももを濡らす愛液と同じに映る。

 

笑われたって仕方がない。

 

ストンっと何かが胸に落ちた。

 

繋がれた首輪。鎖の先に落ちた杭のよう。私はもう、そこから動けない。

諦めがついたのか。開き直ってしまったからか。胸が切なくなる。何でもするから、言うことを聞くから。お願いだから……もう許して。苦しいの、辛いの、もうイヤなの。何も考えたくない。だから、だから……もう終わりにしてほしい。

 

ヌルリ……。

 

失せていた気配が強くなると同時に、沈みかかっていた腰がまた浮き上がる。

前のめりになっていた体が引きずられ、指先が机の上を撫でた。

 

「ぃっ……ぁ、ぃゃ、あ、はっ……はぁっ……!?」

 

まだ2回目だ。ううん、ほとんど初めてと言って良い。

力の抜き方なんて分かるわけがない。痛みに眉根を寄せるみたいに、下腹が力んでしまう。侵入してくる異物に対する恐怖。ジクジクと下腹に広がる痛みが寄せては返し、次第に熱を持ち始める。

 

頭が沸騰しそうだった。

 

ただ流されただけ。されるがままの私に覚悟なんてあるわけがない。

 

恥ずかしい。それよりも痛みと恐怖、嫌悪感の方がずっと強い。奥の奥まで開かれていく。閉ざされた秘所を目いっぱいに。カチカチと歯がなった。

視界が滲んで揺れ始める。肉の塊が真っ直ぐに進んでくるんだ。指よりも太くて、熱いの。浮かんだ冷や汗が、悪戯に背筋を撫でた。まるで、指先でなぞられるような刺激に、体がブルっと震えてしまう。

 

気持ちよかったのか。

 

気持ち悪かったのか。

 

それすら分からない。熱に浮かされた時のよう。意識は朦朧とし始めていた。

敏感になった肌に何かが触れるたび、それがイヤに気にかかる。

太くなったカリ首。凸凹と血管の浮かんだ表面。間近で見た先生の形がそのまま私の中に挿っている。膣のヒダを一枚、一枚と掻き分けられるみたい。

自分でも知らなかった私の形。侵入が深くなるほどに、それを思い知らされる。

 

分かるんだ。

 

ゆっくりと、オヘソの下にまで近づいてくるのが。

 

少しずつ、先生の形に変えられていくのが。

 

下腹が少し膨らんじゃってる。隙間なんて無いはずなのに、滲む愛液は涎のように溢れ出す。挿るわけがないと思っていても、割れ目の入口は自分で思ったよりも大きく開いて、先生のを受け入れてしまっていた。

 

ぴちゃ……ぴちゃっ……。

 

聞こえてくる水音に、耳の先まで熱くなる

 

「ぁ、はっ……んふっ……ふぅ……っ」

 

少しだけ声が漏れた。

 

お腹の奥から体を押し上げられて、つま先が丸くなる。床に広がっていた下着が、指の隙間に丸め込まれる。ゴミになった問題集の角に、手のひらを引っかかれた。

 

おヘソの下に、焼け付くような違和感を孕む。

ジクジクとして、ゾクゾクとさせられて。そこに何も残っていなくても、今度こそ私は大事な何かを失くしてしまった。

 

初めての感覚に打ち震える。

 

そのはずなのに、先生を受け入れた私の中は 寄り添うように形を変えていた。

まるで、愛された記憶を思い返すみたい。初めて自分を慰めてみたときからそう。

勉強は出来ないくせに、こんなことはすぐに覚えて。

 

「どうだい? 今度はハッキリと分かるだろう? 僕のがさ、ここに挿っているんだよ?」

 

下腹を撫でられただけで身を捩ってしまう。熱の籠もった吐息が漏れた。

ざわめく腟内が健気に揺れる。根本から先端へと向かって、快感が波を打つかのようだ。

 

「ずっと、こうされたかったんだろう? どうせあの後だって僕のことを考えながらさ、一晩中耽っていたんじゃないかい?」

「ちがっ……そんなっ……ぁぁっ♥」

 

言わないで。

 

考えなかった訳じゃない。

 

記憶を掘り返そうとするたび、体は疼いて指先が伸びる。

撫でた肌に熱が宿って、下腹に残った傷痕がズキリと痛んだ。何も、出来るわけがない。失くしたものが大きすぎる。

 

「逃げなかったくせに、何が違うんだ? そんなに嫌なら抜いてしまおうか?」

「え、あっ……。それ、は……ぁゃっ♥」

 

下腹を埋めていた肉棒がズルっと引き抜かれた。そこから一気に熱が広がって、頭の裏側に火花が飛び散る。言い訳も言葉にならない。それも、先生の言う通りだ。

 

逃げなかった私が悪い。

 

気まぐれに与えられた愛情が、欲しくて欲しくて、仕方がなかった。

 

まだ口内に残る精の味と匂いが、媚薬のように私を侵す。

重ねられた愛撫に体が疼き、触れられた肌に熱が灯る。まるで、擦れたマッチみたい。もう辛抱たまらない。繰り返される抽挿が、残った理性にまで火を付けた。

 

「ぁひっ……♥」

 

首筋が伸びて、いよいよと変な声が上がってしまう。

中をかき回されるそのたびに、甘い痺れが私を襲う。大きく、大きく、赤い風船が膨らむよう。先生の指がお尻に食い込み、体が机に押し付けられる。

貪るように犯された。次第に快感を受け入れていく私の体。心は痺れて、現実との境を見失う。先生が私に夢中になってくれている。夢にまだ見た光景だ。それが、だんだんと嬉しくなって……。

 

「まっ、まってっ……まってくだ、さぃ。せんせ、やくそく……やくそく、して? おねが、おねがいだから。私だけ、わたしにだけ……。こういうこと、するの……なんでも、私が、するから……していいから。おねがい、おねがいだから……せんせい……れい、じ、せんせ……」

 

息も絶え絶えだった。

 

朦朧とした頭で、何を口走っていたのかも定かじゃない。

 

残っていたせめての願い。都合の良いおまじない。おもちゃでも、ペットでも、それでもいいから。私だけにしてくれるなら、私はなんでも頑張れるから。

 

明らかに気配が変わった。

 

荒くなった先生の吐息が、首筋に吹き掛かる。

逃さないとでも言うように、強く抱きすくめられた。擦れたあった肌が熱を持つ。

抉るような刺激が、何度も、何度も、奥に突き刺さる。膨れ上がった精の気配は、今にも爆発しそうになっていた。私の汗と、愛液の匂いが漂う部屋の中。

それはきっとケーキのように甘く感じて、先生の男を誘うには十分だったんだろう。

 

「やだっ、やだぁっ。やくそくっ、やくそくしてからぁっ。それから、ならっ、そうだったら……いいからっ! しても、だしても、いいからぁぁ……っ」

「うるさいなぁ。最後くらい気持ちよく出させろよ? 何でもするんだろ?」

「さい……ご? うそ、なんで? なに、が……?」

 

たった一つの言葉に頭を殴りつけられたようだ。

射精のことを言っている、きっとそのはずだ。なのに、頭が揺れてしょうがない。

膨れ上がった不安が、感情が、抑えられない。

 

「さいごやだっ、さいごじゃやだっ……。先生がっ、せんせいがぁ。私をこんなにして……なのにっ。ごめんなさい、ごめんなさいっ! ゆるしてっ、私をっ……一人にしないで」

 

頭を撫でられた。

 

一瞬、心が緩む。

 

本当に一瞬だ。すぐに後ろ髪を掴まれて体を起こされた。

 

「図々しいな、彩花ちゃんは。君は僕のなんだっていうんだい?」

「それ、は……そんなの」

「でも、いいよ。許してあげる。彩花ちゃんがいい子にするならね」

 

頷いた。頷くしかなかった。

 

一度抱かれたくらいで調子に乗った私が悪い。

これは躾だ。私が本当に先生のものになるための大切なコミュニケーション。

 

「さあ、言ってごらん? 彩花ちゃんは僕にどうしてほしいの? どうされたいんだい?」

 

深く響く先生の声は、優しく導くようだった。揺れる視界に映る横顔は、勉強を教えてもらっていた時と何も変わらない。楽しみになっていたはずの毎日は、だけどこんなにも違ってしまった。

 

イヤだ。もうやめて。いつもの先生に戻ってください。

 

思いつく言葉の全部が、指をすり抜けていく。

この時間を早く終わらせたかった。先生の望む言葉を選ぶ。少しでも関心を買って、私を高く売りつけたい。

 

「えと、その……あの。あ、ぁぁ……。せんせいの、おちん……ちん? 私の、奥で、一番奥に……その、射精、ですっ。精液……全部だして、ください」

 

物足りないだろう。多分そうなんだと思う。

けれど、私の持ってる知識ではこれを言うのが精一杯だ。

「違うな」言われて泣きそうになる。恥ずかしいのも、悲しいのも、悔しいのも、全部我慢したのに。たった一言で否定されてしまった。

 

そんなの、私はどうしたら良いの?

 

先生こそ私をどうしたいの? 私になんて言わせたいの?

「お願いします、だろ? ほら……」目の前にぶら下げられた答えに飛びついた。

その言葉の意味を考えることもなく。

 

「あ、はぃ……。おねがい、します」

 

何かが折れた気がした。もう、ダメなんだと分かる。

全部が台無しになった後。たった一つ残った未来の先には、歪んだ幸福が散らばっていた。

 

「いい子だ。彩花ちゃん……」

 

膨れ上がった性欲のままに、何度も、何度も、先生は私を犯す。

男の人の大きな体と、机に挟まれて潰れてしまいそう。たださえ狭い腟内が余計に押されて、膨らんだカリ首が容赦なく腟壁を削ってくる。

 

ゴリっと、音がするようだ。

 

メリっと、体が軋みを上げる。

 

中で暴れるだけだった肉棒が、次第に狙いすますかのような動きに変わる。

掻き乱される腟内で、唯一最後まで口をつぐんでいた場所。私の奥の奥へとつながる一本道。イヤでも気づく。そこがなんなのか。その先がどうなるのか。

 

「ふぅっ、ふぅっ……! はぁ、あ、ぃっ。ま、せんせい……そこ、は」

 

言えなかった。

 

言えるわけがない

 

だって、私に言えるのはたった一つだ。

 

お願いします。

 

「きて、せんせい……だして、中。わた、わたしに……全部、受け止めるから、だから……ん、ふぅっ、あぁ。おねがい、しますっ……んぁっ♥」

 

先生の笑い声が降り注ぐ。

 

また、いい子だって頭を撫でてくれた。

 

「それじゃあ……そろそろ、僕も、さっ……はぁっ。ほら、いくよっ……んっ、くぅっ!!」

 

下腹に滾った熱が私を丸呑みにした。指が食い込むくらい深く腰を掴まれて動かせない。グリグリと押し付けられた先端が、子宮の入口をこじ開けた。

 

抵抗なんて、もう。

 

私はただ、諦めたように首を振っただけ。机にしがみついたまま、腰を持ち上げられる。床を引っ掻いたつま先が、丸まった下着を机の下に押しやった。

入口と奥まで一直線に、肉棒が先生と私を繋ぐ。

強く突き上げられると同時に、大きく震え上がった。目の前が真っ白になる。何も考えられない。

 

ドクンっ、ドクンっ……!

 

暗い、暗い、恍惚だった。快感とすらも呼べはしない。

脈動にあせて鼓動が高鳴る。熱い精の塊を注がれるたび、波を打った腟内はきゅぅっと縮んで……弾けた。

 

呆然として、朦朧としながら、壊れていく自分の心をただ眺める。

綺麗だなって思う。壊れていく私の心。そこにある純心がキラキラと輝いて。

 

出てる。

 

出されちゃってる。

 

ほんとうに……私、もう。

 

気持ちがいい。

 

幸せだった。下腹に抱えた熱さも。鳴り止まない胸の鼓動も全部が遠のくほどに。

 

母親のサンドバックから、先生のおもちゃに成り下がる。

少なくとも殴られるよりは、よっぽど良い。詰られるのも。罵倒されるのも、もう こりごりだ。これからは、先生の言う通り。いつも通り。言われるまま、何にも考えない。

 

私、なんでもするから……ね? だから、お願いだから。

 

「ふぅ……よかったよ、彩花ちゃん。よく頑張ったね? えらいえらい」

 

褒められた。褒められちゃった。嬉しい。ただ頭を撫でられて、それだけで今までの全部が報われた気がする。

 

「はぁっ……はぁっ、んぁ♥ せん、せ? また、してくれますか?」

「違うだろう、彩花ちゃん? そこはさ……っ」

 

残った精の全部を吐き出すように、先生は腰を震わせた。

どぷんっと、勢いのなくなった精液を抱え込んだ下腹が、また一つ重たく揺れる。

 

「ぁっ……はぁぁっ♥ はい、ごめんなさい。おねがい、します。また、してください。私と、私を使って、せんせい……おねがいします」

「ああ、約束だよ彩花ちゃん。僕が、君をつかってあげるから」

 

ズルいんだ。

 

ここで約束なんて言われたら、私はもう先生から離れないのに。

紫がかった窓ガラス。そこに映る少女は泣いていた。泣きながら、薄ら笑いを浮かべて見えた。

 




これが、この瞬間が見たかった。最高に可哀想で可愛い。感情移入しすぎて泣けてくる。

ここまで御覧いただきありがとうございました。
よろしければ、いいね、高評価等、宜しくお願いします。

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