運命の流転 作:れんしゅうくん1号
あれから数日経った。
桜は表面上は特に変わることない穏やかな生活を続けていた。胎に刻まれた刻印のことは誰にも言えないものの、目に見える害も無かったがために周囲に何かを気取られることもなく、ただただいつも通りの生活を。
だがたった一つだけ、変わったことがある。
「ん゛ん゛っ!!」
くちゅり、と愛液したたる蜜壺の奥へと指を挿入していく。
膣中で指を曲げて壁を擦ったり、同時に数本の指を挿入したり。思いつくままに自慰行為に耽る。枕に顔を押しつけて声を押し殺し、胸と膣をいじくりまわしてただひたすらに快楽を追い求める。自慰に耽ることで性感が高まり、絶頂へと意識を押し上げていく。そして絶頂を迎えるという予感を感じ取り、備える。
意を決し、クリトリスをぎゅっと摘まみ上げて、最大の刺激を体に与えた。そして絶頂を、迎えることが出来なかった。快感は覚えている。強い刺激で気をやりそうにもなる。しかし絶頂を迎えたというには節目を感じない。ただ自慰の快感がずっと継続的に続いているだけだ。
「フーっ、フーっ!」
鼻息荒く、いじくり続けるが絶頂出来ないことに変化はない。鍋に水を満たして火にかけて、しかし沸騰寸前でコントロールされているような感覚。下腹に刻まれた刻印が余剰の快感を吸い上げているように思えた。
そして桜はそれをされることで性欲を発散できずむらむらしたまま持て余していた。このままではどこかで自制心を失ってしまいそうで、しかし自慰を我慢できるほどの生易しい欲情では無かったために、今日もまた桜は自室で自慰に耽ってしまっていた。それが更なる欲求不満を積み重ねる呼び水となる行為であることも自覚したうえで。
「…………たりない」
欲情を満たすことが出来ず、ただ体力を使い果たしてベッドに突っ伏す。愛液に汚れたベッドを掃除する気すら起きず体を横たえた桜はそのまま眠りについた。
そうして眠った桜は夢の中でピンク色の照明に照らされた部屋の天蓋付きベッドで夢の中であるという自覚を持ったうえで意識を覚醒させる。まるでラブホテルのような部屋だと思いつつ部屋の入口の扉を見る。扉には鎖で何重にもガチガチに戒めが施されており外に出ることは出来なさそうだ。
(夢は深層心理の顕れというけど、この夢はどういう夢なんだろう)
明晰夢を見るようになってから、ずっとここにいる夢を見ていた。そして扉の向こうから何かが部屋の中に向かって語りかけている。その言葉もくぐもっており何を語りかけてきているかは見当もつかない。
ベッドの上で膝を抱えていた桜はふと自分の手が無意識に股に伸びかけていることに気が付きハッと手を止める。夢の中ですら性欲を自制することが出来ないのか、と自嘲してしまう。ただ、夢の中ならイくことが出来るんじゃないかという考えも頭に過ぎる。少しの逡巡の後、ショーツを少しだけずらしてクリトリスに触れる。
「んっ……」
最初は触れるか触れないかぐらいのソフトタッチから入り、クリトリスの周りをじっくり揉みほほぐしていく。短く小刻みに指を動かして刺激を得ていく。やがて膣から水音が漏れ出してきてくちゅくちゅと音をたてはじめる。
両手で入口を横に広げ、指を挿入する。ずぷぷ、と音を立てながら飲み込まれていく指。根本まで押し込んで指をぐりぐりと膣中を掻きまわす。指の関節が膣中を押し広げて気持ちよくなり足を蟹股に開いたまま腰が浮かぶ。
「せんぱい、せんぱいっ……!」
好いた人の名を呼びながら自慰に耽っていく。彼の手はこうやって自分を触ってくれるだろうか、彼はこうやって自分の胸を触ってくれるだろうか、彼なら、彼なら。そんな風に妄想を繰り返しながら。
耽って、溺れて、しかし桜はいくらやっても果てることが出来ないという現実と同じ結論を夢の中でも出さざるをえないと判断した。快感は感じても果てることは出来ない状況に、思わず脳裏にマキリの姿が過ぎる。あの男との邂逅からこうなったのだとしたら、彼に会えば解消できるのではないかと。だが同時にそれはきっと彼に身を差し出すことになることに他ならない。
息も絶え絶えに情欲を持て余したままベッドに倒れ伏した桜。火照った体に対して、発散できない状態がひどくストレスを感じている。だがそれを選ぶと大事な物を差し出さなければならなくなる。
「せん、ぱい……いぎっ!?」
うつ伏せで倒れていたところに、膣へと何かが押し込まれる感覚。振り向いて確認しようとするが頭を抑えつけられて体を勝手に使われていることに気が付く。
何とかはねのけようともがくが力づくで抑えられた自分の力でははねのけることが出来そうにない。カリ高の逸物がぞりぞりと背中側の膣壁を削り取るように動き始める。
「うご、かないでぇっ!?」
昂った体が与えられる衝撃を素直に受け取ってしまう。求めていたものを、不足していたものを埋めているということがどんなものにも勝る喜びとなって全身をひた走る。ぐちゃり、と胎に納まったものが引き抜かれていく。ああ、ここから何度も叩きつけられ、絶頂するのだろうなという未来が簡単に予測できる。
「あ、え……? なんで、動かない、の……?」
膣の入口で、ペニスの先端だけを入れた状態のまま覆いかぶさる誰かは動かなくなる。欠けたものを埋められた喜びが一度だけ満たされて、しかしその一歩手前で止められている。何故、と振り向こうとしたところで桜は自分の体が動かなくなっていることに気が付く。金縛りにでもあったようにベッドに押さえつけられたまま振り向くことすら出来ない。
時間は過ぎていく。
一分。
十分。
一時間。
それだけあれば今の感覚に慣れて、我慢できるようになる。そう思おうとしたが無理だった。自らの中に押し入ってきたものは一時間かけてようやく1㎝動くがどうかくらいの挿入を行ってきたのだ。
動かなければ期待を捨てられたのに、なまじ少しずつ挿入されていくせいで期待を捨てられずにいた。痒みを止めるために掻きむしることはあるが、桜はそのかきむしる行為を封じられている状態だった。
(はやくはやくおくまで、いれていれていれていれていれていれて!)
求めるものが目の前に吊り下げられ、しかし与えられることはなく、手を伸ばしても届かない。そんな状態に気が狂いそうになりそうなほど桜は求めてしまっていた。
「ああ、もうこんな時間か。ではまた次の夜に、桜」
最後の最後に残された声はあの若いマキリの声だった。
夢は途切れ、現実のベッドの上で目を覚ました桜は体を起こすと、自身の愛液で湿り切ったベッドの惨状を冷たい目で見る。自分の体はこんなにも淫らに墜ちてしまったのか。
ベッドから這い下りて服を脱ぎ捨てると下腹に刻印された紋章をさらけ出す。黒かった紋章は8割がた毒々しい赤色に染め上げられている。そこからマキリを求めるような衝動が叩きつけられ、その強さに頭が痛くなってくる。
――――――求めれば、気持ちよくなれるのに。
数日経った。何も変わらない日常が続く。
現実でも夢でも満たされることなく嬲られ続け、欲求不満だけを積み重ね続けて、しかしそれを解消することも出来ない。それをひた隠しにしながら桜は変わらない日常を続ける。終わりの見えない地獄に身を浸しているようでガリガリと精神が荒い目のやすりで削られて行っているように思える。幸い、先輩や姉にはまだ気取られていないように思う。時折、セイバーさんが興味深げな視線を向けてきているのが気になるところではあるが。
また数日経った。少しだけ日常が変わった。
気が付くと体を何かにこすりつけては刺激を求めるようになっていって、我慢が効かなくなってしまった。今はまだ一人で慰められているが、それでもどこか、いつかのタイミングで自制が効かなくなってしまう。そんな予感に包まれながらも桜は必死に歯を食いしばって耐えようとこらえていた。
ある日、帰りが遅くなり先輩の家に宿泊することになった。
なんてことはない、今までもたまにあった事だ。みんなで集まって、ご飯を食べて、なんてことはない話をして、眠りにつく。今までどおりだ、何も変わらない。
しかし、桜はその日だけはいつもと違う行動を取っていた。収まらない疼きをずっと抱え込んだまま、好いた男のそばに居ることで桜はふと夜に目を覚まして布団から抜け出した。ふらふらと覚束ない足取りで向かう先は、先輩の寝室。先輩ならこの欠損を埋めてくれるのではないかという何の根拠もない、
「士郎……ごめ、ちょっと休ませ……ひぃっ!?」
「ゴメン、遠坂。我慢できない」
まぐわう二つの影。
普段は凛とした格好いい実の姉の姿が、好いた先輩の下に組み敷かれ乱雑に犯されている。しかし姉はその扱いに浸っているようで自分が彼のモノであるという女の悦びが表情から見て取れる。
ぼたぼたと自分の股から女としての本能を垂れ流しながら桜は呆然とそれを見る。もう手の届かない相手であることは理解していたつもりだった。だがこうしてその結末を現実として直視させられて脳髄が焼けるような衝撃に晒される。しかもこともあろうに自分はそれを肴にして自慰行為を始めてしまった。布地を噛んで声を抑え込みながら血走った目でその光景を目に焼き付けながら、昂っていって――――――。
そして自分だけが置いて行かれる。
自分はイケないまま、眼前の二人は果てる。交わったまま果てた二人に、桜は自分の中の最後の箍が壊れた音が聞こえた気がした。先輩への操を言い訳にして、しかし先輩は女としての自分に振り向いてくれることなど無く、みじめに一人だけ取り残されてしまう。
(ああ、もういいか)
桜はそのまま家の暗がりへと姿を消していく。そして用事があるので先に帰るという旨の書き置きを残して衛宮邸から姿を消した。
日の出の時間が近いな、と桜は河川敷の土手の上を歩きながらぼんやりと思う。
胎に刻まれた刻印の欲求は頂点に達していた。もし現実で誰かと性行為の一つでもすれば即排卵して受精の体勢をとってしまうことだろうなと他人事の様に感じている。
「……おはようございます」
「ああ、サクラ。おはよう」
河川敷に設置された休憩所のベンチで品のいい英国紳士といった風情の見た目の男、マキリは気安く挨拶を返してきた。
「衛宮邸での宿泊、楽しかったかい?」
「見ていたんですか」
「さすがに中までは見てないがね、ただまあ経緯は君を見れば分かる」
膝を組み、その上に両手を組んだマキリは、さも名探偵でございとばかりの態度で組んだ手の人差し指をピンと立てる。
「大方、恋人同士である遠坂の当主と衛宮士郎くんが盛ってまぐわっていた。対して君はそこに割りこめもせず、陰に隠れて自慰に耽ったものの、満足できず逃げ出してきたといところかな」
「そう誘導した癖に」
「否定はしまい。だがおかげでこれまでの中で最大限の興奮をしているようだ」
懐から手鏡を取出し、こちらに渡してくる。受け取り、鏡面を覗き込む。
そこには顔を真っ赤にして女の顔を見せる自分の顔がある。どんよりと濁った眼の奥には情欲に狂った光がある。ここまで自分は墜ちていたかと驚き、しかし同時に納得もいった。
「このお腹の刻印は何ですか」
「絶頂のストックだ。君が絶頂をするたびに過剰な刺激の電気信号を脳に行く道中で横取りして貯めこむ。マキリの魔術は性的なものに関するものが多い。女を必要とした時篭絡するために使われるものだね」
「……ふふ、私も篭絡された、ってことですか」
「だねぇ。ちなみにそれは術者が絶頂させるたびに消費されそれまでの絶頂の累積を女に与える。数字で説明したほうが分かりやすいかな」
一度言葉を区切ったマキリは足を組み替えて語る。
「仮に一度の絶頂を1としよう、それを100度蓄積すれば、絶頂の貯蓄は100になる。そして術者が絶頂させれば100の絶頂を被術者側に与える。この時消費される蓄積は1。ここで面白いのが、与えられる絶頂はピークで維持されるという事だ。つまり、100の刺激を被術者に100度与えるという話になる」
「そんなの、壊れるんじゃ」
「だから使用は計画的にと継承者には訓示が伝えられる。だが君なら大丈夫だろうと見込んだ……その期待する顔を見れば、見誤っていなかったということだろう」
手にもっている鏡に再び目を落とせば、そこには期待に狂った女の顔。
埋められなかった物を、有り余るぐらい埋めてくれると宣言した彼の言葉に桜は喜悦を抑えきれなかった。スカートのホックを外し、下着も脱ぎ去り、地べたに這いつくばって性器を広げてマキリに向ける。
「はて、これはどういう意味かな」
「……っ……」
言え、と言外に言われている。
マキリの望みを自分はとうに聞いている。それに答えろ、とマキリは言外に告げているのだ。彼が望むのは次代の子へ継がせるための胎。つまりは桜そのものを彼に売り渡せと言う意味。
「わたしの……」
ごくりと唾をのむ。
最後の一歩、崖から転落する前の最後の一歩が目の前にある。だが墜ちることにもうためらいは無かった。
「私の全てを、頭からつま先、髪の毛一本、魂そのものまであなたに差し上げます。だから、私をあなたの女にしてください! そして私の女としての全てを使ってください!」
「……くく、くははは! ええ、ええ、イイでしょう! あなたの全ては、私の物だ!」
立ち上がったマキリが差し出される桜の前に立つ。ズボンのジッパーを下ろせばボロンと大きな逸物が桜の尻を強かに叩く。たったそれだけ、たったそれだけの接触で桜の全身にバチバチとした狂おしい衝撃が走る。動悸が早くなり、息を荒げ、だらだらと唾液を垂れ流しながらふりふりとマキリを誘惑するように腰を振る。
太い逸物が肌の上を滑り、先端を入口にあてがう。
ごくり、と息をのんでその時を待つ。
「入れますよ」
肉壁をかき分けて逸物が侵入し始める。
肉ヒダ一枚一枚が押しつぶされ、押しのけながら入ってくるそれは足りなかったものを容易に埋めてくれた。恍惚とした笑顔を浮かべながら桜は押し入ってくるそれを愛し、受け入れた。
受け入れてハッキリと分かる。マキリの魔術の次代を生む胎として仕立て上げられて桜の運命は彼にあったのだ。どうしようもない今から連れ出してくれる王子様、つまらない自分を愛してくれるもの。それを実感し、桜の下腹部の刻印が輝く。貯め込んだ絶頂の衝撃が
ぐるり、と余りの衝撃に震えながら桜は一度目の絶頂を迎える。
「お゛っっっ!!」
「おめでとう、一度目の絶頂だ。だがまだまだ貯蓄はあるぞ?」
嗜虐的な言葉を囁かれ、イってしまった体がぞくぞくと震えあがる。
奥を叩いた逸物を、今度はゆっくりと引き抜いていく。押しつぶされるような圧力が180度向きを変えて今度は内臓を掻きだすような衝撃をもたらしながら引き抜かれていく。カリ高の逸物が返しでひだをごりごりに削り込んでくる。たったそれだけの動きで桜は再び脳を焼かれるような絶頂を迎える。声もなく体を震わせて伸ばしていた足ががくがくと震えだして腰砕けになってしまいそうだ。
「おっと」
それを察したのか、マキリはがっしりと両足の太ももの付け根を捉えると桜の下半身を抱え上げる。
「まだたった二回だぞ? 力尽きるには早すぎる」
「で、でも……気持ち良すぎて……体バラバラになっちゃいそうで……」
「では今度はじっくり自分のペースで動いてもらいましょうか」
挿入されたまま持ち上げられ、向き合った状態でベンチに座る。
マキリの膝の上に体を置かれて両手両足ともに彼に絡みつけるように回されている。その状態で、どうぞ、と促され桜は少し戸惑いながらゆっくりと小さいストロークで腰を動かし始める。服の下に隠れている乳首もこすれた時のささやかな刺激がゆったりとした動きに花を添える。
「……んっ……」
先ほどのような激しい気持ちよさでは無いがじんわりとした快感は何日も感じていた物足りなさをじんわりと埋めていく。これだ、これが欲しかったのだと桜はその悦びに滂沱の涙をこぼしてのめり込んでいく。
「今度は一緒にいこう、サクラ」
「はいっ、はいっ!」
短いストロークのスピードを徐々に上げていく。
マキリも自分と呼吸を合わせて昂っていく。
バチバチとまたあの苛烈な絶頂が先に待っていることを感じ取り、しかし今度は共にイってくれる人が居るという安心感がないまぜになりながら自分の中で大きな衝撃に成長していく。
パン、パン、と肉がぶつかり合う音を河川敷に響かせながら桜は絶頂を迎える。
「――――――っっっ!!!!」
「中に出すぞ、サクラっ!」
獣のような悲鳴を上げながら、絶頂する桜。
対してマキリも大量の白濁を胎の中に吐き出す。自分の中にある次代の種一つ一つが自分が胎の中に隠しているイースターエッグを目掛けて泳いでいる。間違いなくこのうちのいくつかが自分の卵子の中に押し入ってマキリの色に染め上げるのだと桜は確信した。
「これ、ぜったいじゅせいしまひた……」
「ああ、ありがとうサクラ。私の子を孕んでくれて」
蕩けた自らの唇にマキリはキスを落とす。
あのねちっこく呼吸を断って追い詰めてくるキスではなく軽くついばむようなあっさりとしたキス。だがそれがとても嬉しく思い、桜は顔が離れるマキリを追って今度は自分から抱き着いて彼にキスをする。
「私の全部はあげます。だから一生あなたと、あなたのおちんぽと、あなたの人生の伴侶にしてください」
「もちろん。これ以上なく我が伴侶として染め上げよう」
ベンチに体を転がされる。
入れたままの逸物が、むくむくとサイズを大きくしているそれが次のラウンドの始まりを告げている。
「
「……!」
「あんっ!?」
腕を首に回して、男を求める言葉を囁けば、桜の望むことをマキリは己の欲望に従って始める。
全身を絡めあいながら、蜜壺に逸物を叩きつけられる。一叩きされるたびに焼けつくような絶頂を味わ合わせられマキリとの境界線があやふやになっていく。愛液と肉の音、女の嬌声を河川敷に響かせながら朝の日の光が二人を照らし出していく。
「出し、ますよ……!」
「あ゛あ゛ア゛あ゛ア゛っ♡」
弓の様に全身をしならせ、しかし男の力で抱きすくめられる。
再び自分の中に吐き出された精に喜悦を覚えながら桜の意識は飛んだ。
「桜、最近機嫌が良さそうね」
「え、そう見えますか?」
姉の凛からかけられた言葉に桜はきょとんとした表情で首をかしげる。
学校からの帰り道で、偶然出会った二人は街のカフェで向かい合っていた。紅茶とケーキを注文して食べる二人だったが、凛はどうやら最近の桜の様子に心配していたようだ。
「なんだかぼんやりしてたり思い込んだ顔してたり……士郎も心配してたわよ」
「そうですか、先輩にもですがご心配させてしまってすいません。ちょっと間桐の家について色々あって考えなきゃいけないことが多くて悩んでたんです」
「む、そう言われちゃあんまり深入り出来ないわね」
「魔術の家の事ですもんね。踏み込んでいいラインも曖昧だから下手に手出ししない方が安全でしょうし」
冬木のオーナーなら全貌を把握してなきゃいけないでしょうけどねぇ、と凛は面倒くさそうに頭に手を当ててため息を吐いた。それで、といって桜に向き直る。
「解決はしたの?」
「はい。おじいさまに限界が来て、兄さんも間桐の魔術に対する素養を持ってないので家系をさかのぼって分派した家から私が婿を取る形で決着しました」
「そう……ってはぁ!? ムッコ!?」
「はい。あ、当人とお会いしましたけどいい方でしたよ? 恋愛して結婚……というのにも憧れてましたけど、お見合いから始まる関係性もいいかなって思える程度には」
「そ、そう……けど、士郎はいいの?」
良いんです、と首を横に振る。
桜にとって士郎は諦めず、愚直に進み続ける、希望の星のような人だった。けれどその星は目の前の姉と惹かれあった。あの星は自分と引き合う事はもう無いだろうという一つの確信があった。それぐらい、あの人は一途であろうことは知っている。自分よりも可能性のあったセイバーも最近は少しずつ離れて行っているように見える。
「それに……」
そっと下腹に触れる。
「望まれる"次"を孕むのも、心の底から嬉しいんですよ?」
ベッドの上で、桜は舞う。
男の上で、男を悦ばせるために、男の欲求にこたえるために、全てを使って男に奉仕している。下腹にあった貯蓄はとうに無くなり、あの苛烈な絶頂はすでにない。
だが桜が不満に思うことなど無く、男の体に股を開いて最奥で逸物を受け止める。白濁した精を受け止めて女の愛欲に満たされた顔を晒す。
上下が入れ替わり、今度は男の下に組み敷かれ、大きな胸をいじくられながら蹂躙される。何度も何度も犯され続けて、やがて体力が尽きた桜は、桜吹雪が吹いた後の花弁の様に体を投げ出す。その顔は、失ったものを埋めあわせることが出来た喜びに打ち震えていた。
補足事項
・マキリ・ゾォルケン(旧)
間桐の老獪にして老害。
聖杯戦争以後、大聖杯の汚染が露呈し近いうちに時計塔から大聖杯の解体を行うためのロードが派遣されることを予見し、自らの理想(妄執)が果たされることはないと絶望。ものの見事にボケる。作中時間軸においては桜にすらボケを看破される程度には衰えていた。
マキリ(新)が間桐邸に踏み込み、紆余曲折の上で討たれた。が、蟲に残された一部から復活する可能性もあるためまだ油断はできないらしい。
・間桐慎二
ワカメ。
作中においては出番はなかった。桜が篭絡された後に家を乗っ取りに来たマキリ(新)に最初は抵抗したもののボケが進行したマキリ(旧)に侵入者と勘違いされ殺されかけたことで「こんなところに居られるか! 僕は安全なところに行く!」と死亡フラグ全開の捨て台詞を残して東京の有名大学に進学、上京して縁を切って生き残った。家に残した桜の事は内心心配しつつもマキリ(新)に懐く桜の姿に脳破壊された。
練習のために色々とリクエスト募集中
つきましては以下にお題箱を載せますので
(1)書いてほしいキャラクター
(2)書いてほしいシチュエーション・プレイ等
(3)参考資料になりそうな作品(商業・同人問わず)
を教えていただけると幸いです。
URL:https://odaibako.net/u/Rensyuukunnitigou
なお全部をお答えいただく必要はありません。