※この作品はR-18です。

最終巻No.431の続きを、命削って全力で書いたらこうなった   作:練乳グラブジャムン

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No.481 二人のペース(R-18)

※SIDE 緑谷

 

 

麗日さんの気持ちは嬉しかった。

そりゃもう最高に、言葉にならないほど嬉しかった。

気持ちだけなら、したいに決まってる。

 

「でも今……ゴムとか、無いし……」

 

そう、これが最大の問題だった。

ここは旅館で、そういうホテルでもなくて。

当然、避妊具の備えなんて無い。

自分が持っていればよかったのかもしれないが、彼女もいないのに買ってどうするんだ、と思うと、今まで買う気にはならなかった。

……まあ、たとえ買っていたとしても、今日の旅行に持ってくることは無かったと思うけど。

 

 

「そう、だけど……」

もじもじと、腕の中の麗日さんが、言葉を紡ぐ。

 

「でも……デク君が、よかったら……」

真っ赤になった麗日さん。

 

「……今日、してほしい」

上目遣いで、たまらない提案をされる。

愛しさに胸が締め付けられ、はちきれそうなほど固くなった下腹部がビクンと跳ねる。

 

気持ちだけなら、返事は決まってる。

でも同時に、一貫している想いがある。

 

麗日さんを傷つけたくない。

 

だからこそ、悩んでしまう。

ここでしてしまうのと、何もしないのと、はたしてどっちが彼女を傷付けるのか。

 

 

「僕もしたいけど……でも……」

「私……今日が一番、幸せだったから……」

僕もそうだ。

こんな幸せな日は人生で初めてだった。

 

麗日さんが、さす、さす、と僕の下腹部をまさぐっている。

さっきから股間がはちきれそうだ。

 

「そ、外に出せば、大丈夫だと思うし……そのままで、いいから……」

本当なら、さっと服を着て、今すぐコンビニにでも走るべきだ。

でも、そうしたら、目の前にいる麗日さんが、消えていなくなってしまうんじゃないかという気がしてならない。

そのくらい、今日という一日が、夢のような時間に満ちていた。

 

 

離れたくない。

いま離れるのは、身を裂かれるほど辛い。

でも、一度離れないと、ゴムを買ってくることはできない。

 

「……でもやっぱり、無いのは……」

「待って!? やだ、行っちゃやだ!」

断腸の思いで、そっと身体を離そうとした瞬間、ぎゅっと抱き着かれた。

 

「いいから、そのままでいいから……!」

「でも……」

「お願い……ほんとにお願いだから、どこにも行かんといて……!」

 

 

今にも泣きそうな顔。

胸が痛いほど締め付けられる。

麗日さんに、そんな顔だけはしてほしくなくて。

 

「デク君、お願い、一緒にいて…………夢なら、覚めてほしくない……」

 

その一言で、躊躇っていた理性が壊された。

 

 

そう。

さっきから……何なら今日一日、ずっと感じていた。

 

これは夢じゃないのか? という感覚。

 

本当は自分は死にかけていて、今際の際に最愛の人と結ばれる夢を見ているんじゃないか。

死ぬ間際に脳が見せてくれている天国のような幻覚なんじゃないかと。

そうでもなければ、あまりにも不思議なことが多すぎる。

 

 

みんなとの旅行のはずだったのに、何故か来たのは僕と麗日さんだけ。

その麗日さんは見違えるほど綺麗になっていて。

街は平和そのもので、犯罪なんて起こる気配すら無くて。

二人で一日中デートして、一緒に映った写真をいっぱい撮って。

二つ買おうとしたクレープは一個しか買えず、仲良く半分こして、撮った写真は最高で。

宿に泊まったら、部屋から、最高の花火が観れて。

部屋に戻りたくないと麗日さんが涙を流して。

告白して、気持ちが通じ合えて、人生初のキスを交わして。

服を落とした麗日さんは、見た事もない天女のような姿をしていて。

そしていま、裸で抱き合って、結ばれようとしている。

 

 

こんなのどう考えたっておかしい。

もし過去の自分に会えたとして、こんな話をしても絶対に信じない。

妄想にしたって都合がよすぎる。

こうして麗日さんと触れあっていても、まだ現実だと信じられないほどだ。

 

夢なら覚めないでほしい。

これが夢なら、せめて最後まで見せてほしい。

 

それに、自分の身体や頭も何かおかしい。

熱に浮かされたようにクラクラして、性欲が爆発しそうなほどで、どうしても我慢できない。

一時も離れたくない。

 

なんか変なものでも食べたのか? と疑いたくなる。

 

 

「お願い、お願いだから、離さないで……どこにも行かんといて……?」

「わかった、離さない。どこにも行かない」

「ちゃんと……私のこと、もらってくれる……?」

「うん。大丈夫。安心して。ちゃんとするから」

優しく髪を撫でる。

表情が綻んで、安心してくれているのが分かる。

 

「じゃあ、このまま、いい……?」

ダメだと分かっているのに、口が勝手に動く。

 

「うん……して……お願い、このまま……」

とろん、とした顔で、布団の上に横たわる麗日さん。

たまらなく可愛い。

 

 

紐パンの結び目に手を添える。

「……これ、取るね」

「うん……お願い」

そっと引っ張ると、するすると簡単に解けた。

 

麗日さんを守ってくれていた最後の一枚を、宝箱を開けるかのように、そっと退かす。

控えめな薄い毛の下に、ぬらぬらと濡れて光る縦筋。

さっきまで触っていたけど、あらためて見ると感動する。

 

「あの……あんまり見ないで……ほ、本当に恥ずかしい……」

泣きそうなほど恥ずかしそうにしている麗日さん。

本当に、あんまり見られるのは嫌なのかな、と思って、顔に視線を移して、キスをした。

 

 

ちゅ、ちゅ、と口づけを交わしながら、麗日さんが脚を開いてくれる。

その間に、自分の身体を進める。

 

キスを中断して、そっと、入り口に当てがった。

くちゅ、という水音がして、僕たちが触れ合っていることが、音になって部屋に響く。

 

いよいよ結ばれるんだ。

一番特別な、大好きな女の子と。

 

胸が押しつぶされそうなほどの感動が押し寄せてくる。

 

……だけど。

麗日さんが、とても不安そうな顔をしているのが、気になった。

 

 

 

※SIDE 麗日

 

 

入らなかったら、どうしよう。

その不安がずっと頭にあった。

 

大丈夫、大丈夫、大丈夫。

赤ちゃんが出てくるところだ。

いくらおちんちんが太くても、入るはずだ。

 

そっと、膣口におちんちんが当てがわれる。

まだ挿入ってない。触れただけ。

いまから挿入ってくる。

まだ何も入ったことのない場所に。

 

 

自分が今から違うものにされるような、抗いがたい恐怖が襲って来る。

 

ぐっ、と、おちんちんの圧力が増した。

「――――っっっ!」

大きく息をのむ。

瞳をきつく閉じる。

 

ぐぐっ、と、ほんの少しだけ進んでこようとしてくる。

たぶん数ミリ。

膣の入り口が、上下左右に満遍なく、徐々に押し広げられる感覚。

「ふぅっっっ! ――――っ、はっっっ!」

シーツを固く握る。

手がぶるぶる震えた。

 

 

ふっ、と膣口から、触れ合った感触が消えた。

瞳を開けると、身体を離して、心配そうに私を覗き込むデク君の顔があった。

 

ああ……止められちゃった。

 

恐怖感は無くなったが、その代わりに別の不安が胸に広がってくる。

 

「デク君、だめ……お願い、やめないで……」

「でも、麗日さんが」

「頑張るから。我慢するから。だからお願い、やめないで……」

 

 

ずっと、ずっと、好きだった。

その想いを伝え合えた。

本当に嬉しかった。

 

今日一日で、人生最高の幸せが、何回更新されたか分からない。

 

だから今日、ここで結ばれたい。

 

いま結ばれなかったら、次がいつになるか分からない。

次なんか無いかもしれない。

すぐに飛び出して行っちゃう人だから。

 

もしこれが夢だったら、ここでやめたら、結ばれないまま終わってしまうかもしれない。

 

いや違う、こんな日はもう人生で二度とこない。

このまま結ばれなかったら、この先どんな日が来ても、永遠に結ばれない気がする。

 

 

痛くてもいい。

乱暴でも構わない。

怖くても我慢する。

 

あなたと結ばれたい。

私をもらってほしい。

この気持ちは嘘じゃない。

 

「お願い、デク君……やめないで……最後まで、して……」

やめてほしくない。

こんな日はもう二度と来ないから。

 

 

怖いけど、したい。

痛いかもしれないけど、もらってほしい。

我慢すればいいだけだ。

目尻に涙が浮かんできた。

 

「……わかったよ、麗日さん」

言葉とは裏腹に、横に寝転んで、そっと、優しく抱きしめられた。

 

「大丈夫、ちゃんとするよ……僕も麗日さんと、最後までしたい……だから、落ち着いて」

髪を撫でて、背中をぽんぽん、と優しく叩いてくれる。

 

 

「初めてだから、怖いんだよね……しょうがないよ。女の子は、痛いって聞くし……」

 

優しい手。優しい声。優しい表情。

誰よりも優しい人。

恐怖感から解放されて、安心して涙が出てくる。

 

強張っていた気持ちが緩んでいく。

溜め込んでいた息が吐き出され、腕から力が抜けていった。

 

「ちゃんと最後までする……けど、ゆっくりしよう? ちょっとずつ、時間かけて……ほら、僕も初めてだし。僕が下手なのかも」

「デク君……」

その心遣いが嬉しかった。

 

 

「ほら。手、繋ご? 手を握るだけで、心が和らぐんだよ」

そういって、指を絡めて、手を繋いでくれた。

 

貝殻繋ぎ。

安心する。

本当に落ち着いていくのが分かる。

抱き合った素肌から体温が伝わってきて、優しさが伝わってくる。

ふぅ、ふぅ、と呼吸を整える。

 

あぁ、優しい……本当に優しい。

この人を好きになってよかった。

心からそう思う。

 

 

「……ぐすっ……デク君、ごめんな……」

「麗日さんは何も悪くないよ。ゆっくりでいいから」

「ありがと……」

 

その優しさが愛しくて。

顔を近づけ、唇を触れ合わせる。

ちゅっ、ちゅっ、と、小さな、甘いキスを繰り返す。

裸で触れ合った肌が心地いい。

怖い気持ちが、少しずつ消えていく。

 

好き。

大好き。

本当に、本当に大好き。

この人がいい。

この人と結ばれたい。

ちゃんと受け入れて、心を重ねたい。

 

どうしようもなく、そう思う。

なのに、私の身体は、まだ準備ができてなくて……

 

 

抱きしめてもらったまま、視線を下腹部に向ける。

デクくんのおちんちんは、ガチガチになったままだった。

はやく入って、気持ちよくなりたいはずなのに。

私のために我慢してくれてるんだ、と思う。

 

そっと手を伸ばす。

「あっ……麗日さん……」

手を添えて、優しく、さすさすと撫でる。

 

ごめんね。

もうちょっとだけ、待っててね。

ちゃんと入れさせてあげるからね。

 

私の手の動きに合わせて、ぴくん、ぴくん、とおちんちんが小さく跳ねる。

 

「麗日さん……それ……」

「うん……我慢してくれとるから、ありがとう、って……」

「いやそれ、逆に我慢できなくなるから」

「え? そうなん?」

 

 

顔を見合わせる。

辛そうなデク君をみて、申し訳なさそうになる。

「ご、ごめんね」

「いや、触ってくれるのは嬉しいんだけど」

 

なんだか可笑しくて、お互いに笑いあった。

 

時間をかけて、ゆっくりと。

それは、経験のない私達に、ピッタリな気がして。

少しずつ、心を重ねていくみたいで。

 

もう何度目か分からないけど。

この人でよかった、と、心から思った。

 

 

―――― to be continued

 

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