とある青年呪具屋の性遊戯記録《ドスケベレコード》 作:サマーオイル悟
「よーっし。無事、元の姿に戻ったことだし……」
『仲良しエッチ、だよね?』
「イチャラブね」
『言い方がキモいんだよね〜……まぁ慣れたけど』
「ふふっ……」
マコの肩を抱き寄せるなり頬に軽くキス。彼女はそれを溜め息混じりに受け止め、ジロリと少しだけ睨みを効かせるが、彼はニコニコとそれを真っ直ぐ受け止めた。
その程度の睨み、怖くも何ともないよ──などと言わんばかりの、嫌味なほどのニコニコ顔だ。
いつもの
生意気なマコも、彼の笑顔につい毒気が抜かれ、今度は呆れの意味で大きな溜め息を零してしまう。
「なんだよ、そんな溜め息ばっかついて」
『いやぁ別に? ご主人って、ほ〜んとマコのこと好きなんだなぁ〜♡……って思った、だ・け!』
「ふふっ、まぁ俺好みの式神に育ってくれたから。それなのにマコのこと可愛がるなって方が無理あるでしょ?」
よしよしよしよし、とわざとらしく口に出して、マコの頭をやたら執拗に撫で回す。頭の翼まで指で優しく撫で、手のひらで包み込んで、親鳥が雛鳥に羽繕いをするかのように慈しみを込めて撫でる。
普段のマコなら「うッざいなぁ!」などと言って彼のその手を跳ね除けただろう。しかし今だけは、そんな無粋な真似はしない。
そうやって春夏のされるがままになりながらも、わざと不貞腐れたように唇を尖らせ、嫌味を返す。
『ふーん? そんな事言ってるけど、最初の方は、マコのこと苦手とか嫌いとか言ってなかった?』
「あの時は、俺もまだメンタル的に幼かったんだ。マコのことが、自分が一番嫌っている自分の内面を映し出した鏡みたいに見えてたんだよ。──自分の悪い所、嫌いな所を、受け止めきれていなかった。だから、マコのことは、自分の負の面の権化にしか見えていなかったし、正直そのせいで嫌いだった。でも魔虚羅という激強な式神だったから、マコラとセットで手元に置いとくか、くらいの感覚だった」
『ッ……』
「正直さ、マコだって自分でも分かってるでしょ? 口を開けばすぐ生意気、挑発、見下し、侮辱発言。逆に、ドMですらない俺から好かれる要素、ある? ぶっちゃけ、嫌われる要素の塊じゃなかった?」
『……ん』
「殴るし蹴るし、なんなら剣で刺す事もあったね。ツッコミとしては暴力的すぎるよね。平成初期頃のアニメでよく見られた暴力系ヒロインかな?」
『う……』
「でも、死滅回游あたりからかな。俺の中にある、かつて羅喜の過ちによってうっかり作られたらしいメスガキっぽいクッソ生意気な部分も──なんか、ふと、受け入れられるようになったんだ。生意気な部分も、なんだかんだで俺の一部なんだ、ってね。なんか……そう思えるようになったんだ」
『そうだとしたら、マコがご主人好みに成長したんじゃなくて、ご主人の方が成長したんじゃないの。精神的にさ』
「……そうかもしれないね」
『ッ!』
「でも、そんなの別にどっちでもいいでしょ。俺が成長したにせよ、マコが俺好みに成長したにせよ、どっちにしても、今の俺にはマコも愛おしく思える存在の1人なのは嘘じゃないから」
『っ……都合よすぎでしょ、バカぁッ……!』
目元に涙を滲ませ、今度はマコが彼に抱きつく。溢れる涙を隠そうとせず、声を押し殺す事もせず、わんわんと声を上げて泣き続ける。
──しばらくの間そうやって泣き続け、ようやくマコは泣きやみ、先程より酷く泣き腫らした目で、真っ直ぐに彼を見上げる。
『ほんとにマコのこと、好き?』
「好きだよ。生意気なマコも、そういうしおらしいマコも……どちらも、可愛いマコの一部だから」
『ほんとのほんとに?』
「ほんとのほんとに」
ツン、とテントを張っている彼の股間に指1本で優しく触れる。
『ナマイキなマコの事わからせたいから、ご主人のおちんちん、大きくなってるだけじゃないの?』
「違うよ。今のマコ、生意気じゃないじゃん」
『そーかもだけどさっ……』
額をくっつけ、鼻の頭もくっつけ、互いの息すら熱く感じられるような超至近距離で見つめ合って、そんな事を囁き合う。
すると、マコはゆっくり目を閉じて、唇を小さく窄ませる。それに言葉でなく行動で答えるように、春夏は彼女の頬に手を添え……再び、唇を重ねた。
『ご主人っ……♡』
「!」
そのキスを合図にマコは彼に飛び付くようにして彼を押し倒す。マウントポジションを取り、上から彼を押さえ付けた。
これじゃいつも通りの展開だ──と押し倒された春夏は目を見開くが、彼を押し倒したマコの顔は、生意気さを前面に出した、いつも通りのメスガキな表情ではなく……。
喜び、しかし隠しきれぬ照れが僅かに混じった、幼く愛らしい少女の、はにかむような笑顔だった。
『マコも、ご主人のこと、大好きなんだからっ!』
純粋な笑顔だけでなく、口調まで、それほどマコらしくない。しかしあれから一度も適応していないあたり、これは演技ではないように思えた。
加えて、マコから彼を抱き締め、ぷるぷるの唇を押し付けるように重ねてくれた。
嗚呼、このキスの重み──確かにマコの感触だ。
演技かどうか疑うまでもないと思い知らされて、春夏はそのキスを優しく受け止めた。本気で抱けば小枝のように軽く折れてしまいそうな小さな背中を抱き締め返すと、唇の柔らかさを堪能するように、ゆっくり、ゆっくり、目を閉じた。
『……このチューも……案外、イイかもね……?』
「密着感あるよね」
『うん。でも、やっぱり、マコが好きなのは……』
「コッチ、でしょ?」
『ん♡』
唇を浅く重ねる。僅かに開かれた2人の唇からは赤色に近い濃い桃色の触手が、トロトロに糸を引く粘液を厚く纏いながら、恥も外聞もなく2人の唇の境界で優しく触れ合う。
ツン。ツンツン、れろん……にゅる……ちゅぷ。
舌先で相手の舌に触れる。熱くてぬるぬると滑る感触を楽しむように、ゆっくりと舌を滑らせる。
『んちゅ、ぢゅる……んふ、んっ……はぁ……♡』
ほんの僅かに存在する2人の唇の隙間からは──両者の舌では纏いきれなかった分の唾液が境界にて混じり、ネットリ太い糸を引きながら、または彼の頬を伝い、ぽた、ぽと、と不定期にシーツに垂れ、シーツに中々染み込まない小さな水溜まりを作る。
2人の興奮はこれまでに無いほど高まっていた。唾液も普段より粘性が強く、舌を触れ合わせる度に何本もの糸を引いていた。
『ぢゅるッ……じゅぞっ、じゅるるるるっ♡♡』
「ン……」
マコは彼の舌を吸ってご満悦だ。自分の口内に、愛する彼の一回りも二回りも大きい舌を引き込み、甘い甘い唾液の波を真上から浴びせる。
そうしてやる事で、彼の次の行動を、マコの舌を吸い返すのではなく口内を蹂躙する方向へと誘導。
スイーツやフルーツでは味わえない
『んッ♡ んぁ、あぁ♡ はぁ、ン……んぁぁ♡』
「! ……はぁ、ふぅ……ッ……」
くちゅ、ぐちゅっ、ちゅるっ、じゅるるるるっ。
2人は執拗に舌を絡め続ける。体勢は依然としてマコが彼に跨るマウントポジションだった。しかし彼女は、尚もキスを続けながら遂に動きを見せる。
春夏を抱き締める手を離して、愛液の溢れる股を彼の太ももに押し付けるようにしつつ、ベッド上にズリ落ちる。
そして、とうの昔に透明でトロトロのカウパーを垂れ流し始めていた肉棒へと、小さな手を伸ばす。
『えへへ♡ ごしゅちん、マコに
ちゅっ、とわざとらしく音を立ててキスを終えたマコは、溢れるカウパーをローションの代わりに、ゆっくりとしたスロー手コキを開始。
幼女らしいプニプニの柔らかさと肉厚さを存分に肉棒に味わわせるように、繊細に力を調整しつつ、上下に手を動かす。
『ご主人も……おまんこ、触って……?』
「……すごい濡れてる」
マコの秘部が愛液を垂らすほど濡れているのは、太ももに股を押し付けられた時点で分かっていた。ぬるり、にゅるっ……と滑る感触があったから。
いざ指で触ると、太ももで感じるのとはまた違う濡れ具合を感じることができた。まるで、無造作にテキトーにローションをぶっかけたような、そんな凄まじい愛液の洪水を起こしていた。
『んっ♡ 早くごしゅちん挿れて♡ 早くキてぇ♡
って、マコのおまんこ、ヨダレ垂らしちゃってる♡
もう、挿れたい? にゅぷぷ〜って、ごしゅちんでマコのこと、深く貫いちゃいたいでしょ……♡』
「だめ?」
『ダ〜メ……♡ ガマンはスパイス、でしょ?』
「それもそうではあるけど……」
『おっぱいも、触っていーよ♡ 弾いて、揉んで、摘んで、舐めて、転がして──あぁ、やっぱダメ。マコのおっぱい、舐めるの禁止ね?』
ピンッと可愛らしく存在を主張する、ほんのりと赤みを帯びたマコの小さくて可愛らしい桃色乳首。
花の蜜に吸い寄せられる虫のように、彼女の紡ぐ言葉のまま乳首に吸い付こうとするも、心変わりを起こしたマコは、乳首に吸い寄せられた春夏の顔を押し退けて、枕に後頭部を押し付けてしまう。
「な、えっ、なんで……?」
『だって、ご主人がおっぱい、舐めちゃったらさ? ご主人と、ちゅー、できなくなっちゃうじゃん♡』
にへら、と可愛らしく表情を緩ませる。
あまりに予想外のキス要求&デレ発言に、もはや射精寸前なほどに、普段よりも濃縮された精液が、尿道の中を全速力で駆け上がってきていた。
『ごしゅちん、パッツパツに膨らんじゃったっ♡♡ ご主人、ちゅー好き過ぎっ♡』
「そうなるでしょ……そんなこと言われたら……」
『そんなに好きなの? マコのお口は、どんな味? ちゅーしながら、マコに教えてちょーだい……♡』
れぇ〜……と舌を出しながら、キスをせがむ。
乳首は舐めたい。けれども口は1つしかないし、舌も1枚しかない。キスと乳首舐めではキスの方が圧倒的に好きだ──と、0秒にも等しい短い刹那のうちに決断を下した春夏は。
蜜のように唾液が舌先に集まった、瑞々しくってぷるぷるの幼女の舌に、全力でむしゃぶりついた。
『んぁ♡ あっ、んはぁ♡ あっ、ひゅわれてぅ♡ んんっ、あはぁ♡ ああ゙ぁぁ〜っ……♡♡』
今度は、彼がマコの舌を吸う番だった。そして、マコも彼ならそうすると既に読んでいたのだろう。彼の口内に強引に引き込まれた彼女の舌は、小さく幼い舌とは思えないほど柔軟に、軟体動物のようにれろれろ、ぢゅるぢゅるッ、ズルルルッ♡──と、所狭しと春夏の舌と同じように暴れ回り始めた。
「ッ♡ っ、んッ♡ んぐ♡」
『!!』
繰り返しになるが、春夏はキス魔だ。キス魔で、キスフェチだ。更に彼の口内は、男としては異常と言えるほど性感帯として完璧な成長を遂げている。
スローな手コキでも既にイキそうだというのに、キス大好きな彼に暴力的なまでのキスを浴びせたら一体どうなるか。そう、挿入する前に────。
『だめっ♡
「!? 〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」
ズプンッッ──彼が暴発させそうな気配を感じたマコは、腰を浮かせ瞬時に狙いを定め、手も使わず完璧な挿入を果たした。
その衝撃で彼のダムは遂に完全に決壊。
最奥への到達と全く同時に、ガマンの上に更なるガマンを重ねられた事により生まれた、普段の倍に濃縮された普段の倍の量の精液が、極狭の蜜壺へ、爆発的な勢いで注がれ始まった……。
『んおッ♡ 出てりゅ♡ ごしゅちんからっ、濃い精液♡ マコの子宮に、びゅーびゅー掛かってる♡ 止まんにゃいぃ〜っ……あひぃぃっ……♡♡』
「っっ、っ……っ……!!」
キスにキスを重ねて、ガマンにガマンを重ねた。そうして溜められ遂に解き放たれた精液はまさに、留まる所を知らない噴火したてホヤホヤの火山から溢れ出す鉄をも溶かす溶岩のよう。
このたった一度の射精で、何度、大津波のような快楽の波が春夏とマコを襲ったことか。
『んああぁ……ウソでしょ、
ドプ、ドプッ……ゴプッ、ビュル、ビュルルッ。
押し寄せる快楽の波は、五度の射精を経ても尚、収まる気配をまるで見せない。射精している本人はその強すぎる快楽のあまり、射精を開始してから、ただの一度すらも声を発していない。
呻き声すら出ないほど、この射精に、意識も魂も全てを持っていかれていた。
一方マコは、子宮の許容量を遥かに超える精液を射精されたものの、その全てを受け止めてやらんと法陣を回転させ、子宮の容積を拡大してやる事で、彼の「全て」を幼き子宮にて受け止めていた。
『っ、やっと収まったね♡ 7回? くらいかな? もうっ、
「ッッ……ふぅ……や、やば、身体が震える……」
『す〜っごく、気持ち良かったねっ♡ もちろん、まだまだ終わらせたりしないけどさ〜……んっ♡』
「うっ……」
精液の津波は遂に終わりを告げた。マコは僅かに硬度を落とした肉棒を、ポンッ、と極狭の膣口から抜き出す。
するとそれに引っ張られてか、容積を拡大させた子宮にすら収まりきらなかったらしい特濃精液が、ボタボタと塊のようになって膣口から溢れ出した。
あまりにも濃すぎて、粘性が高い唾液より遥かにシーツに染み込まない。もはや、素手で掴み取って片付けられるのではと思ってしまうほど、ゼリーに似た質感を伴って、その精液は垂れ落ちてきた。
『っ♡ 何なの、この精液♡ もうゼリーみたい♡ 特濃ザーメンにも程があるよ? マコが人間なら、絶対に今の1発で孕まされてたよね……♡♡』
「孕ッ……」
『──あは♡ ウソでしょ? ごしゅちん、今ので復活しちゃった……?』
「……」
『妊娠はできないけど、それくらい濃いエッチは、何回だってシてあげられるよ。幾らでも。だって、マコの体力は無限なんだから……♡』
「ッ」
『人間と違って水分も要らない。休憩も要らない♡ どんなに過激なプレイだって自由。ガコン1つで、ぜ〜んぶ、ご主人の思いのまま♡』
「……っ」
『だからね、ご主人?』
未だ息も絶え絶えな様子の彼の頭を、そっと軽く抱き寄せ……ぽそっ、と吐息混じりに耳元で囁く。
『妊娠できないマコが、孕んじゃうくらいにさ──い〜〜〜〜っぱい、イチャラブしちゃお……♡♡』
マコは既に、彼の「囁き好き」にも適応済みだ。死滅回游に向かう道中のホテルで、その属性にまで適応を済ませている。
それを活用して、熱い吐息を混ぜたとびきり甘いお誘いボイスを耳元で聞かせてやる事により、彼の性欲の権化を瞬時にガチガチに武装させてしまう。
「マコッ……!」
『んぁッ♡ そんなに強く抱かれたら苦しいよぉ♡ 人間のロリだったら、窒息しちゃうよ……♡』
「マコは大丈夫だからっ。全力で抱き締める。もう離さないっ……」
『ふふ♡ なんか、あんま見たことない反応だね? 今日はかなり、マコへのラブが高まってる感じ?』
「……ん……」
『そっか♡ マコもそう♡ ご主人が、ナマイキなマコの事も受け入れてくれたから──なのかなぁ? いつもより、おまんこ熱くて……トロトロなの♡』
「っ」
にちゃ、クチュ……と狭い陰部を自ら掻き回す。
その度にピクピクと表情を変化させ、短いが甘い声を漏れさせる。春夏に強く抱き締められつつも、クチュクチュとオナニーを開始したらしい。
しかも本人の言う通りかなり濡れているらしく、ポタポタと熱い愛液が垂れ落ちてくる感覚がある。
肌で感じるだけではなく、実際に見たい──と、マコを抱き締める腕の力を緩めると。
『ふふ、ご主人ってば、ホントにえっち♡』
「あっ!?」
『マコのトロトロおまんこが見たかったんでしょ? ご主人には、特等席で見せてあげるんだから♡』
彼の腰に跨り、M字開脚。そこで「くぱっ♡」と自ら指を使ってスジのように細く狭い膣口を開く。マコの薄ピンク色の蜜壺は、彼の到来を今か今かと待ち受けるように──鳥が親からの餌を待ち受けるように、パクパクと忙しなく開閉している。
幼女特有の、ぷにぷにの恥丘。自分で指を使って開かないと、膣口の存在を目で確認できないほど。
『……そろそろ、
「ん……」
彼の臨戦態勢の肉棒に優しく手を添え、ゆっくりゆっくりその上に腰を下ろす。
『んッ♡ あっ……』
ちゅぷ…………ツプ……ちゅぷっ……。
あまりにも敏感な、下の口同士での優しいキス。カウパーとラブジュースが混ざり、腰を浮かすと、ネットリとイヤらしい糸を引くのが分かる。
下からそれを見上げている春夏に、わざとらしく見せ付けてやると──今度こそ、愛液溢れる極狭の蜜壺に、彼の性愛の象徴を迎え入れる。
『あっ、くっ♡ あん♡ はあぁ゙ッ……♡♡』
亀頭さえ挿入してしまえば後は大丈夫だと言わんばかりに、じゅぷんっ♡……と一息に腰を落とす。
あまりの勢いの良さのせいで、彼の肉棒の根元に生まれた愛液の水溜まりにマコ自ら腰を打ち付けたことで、ぴちゃ、と彼の顔にまで愛液の雫が飛ぶ。
『はぁ……はぁ……♡
「ん……」
『ヘンだよね? マコとご主人、もう何回も何回もえっちしてる、ハズなのにさ。ハジメテみたいに、なんか緊張するし……ドキドキ、してる……♡』
ハロウィンでの渋谷事変で、マコを迎え入れた。そして現在、高専卒業から数ヶ月が経過している。まだ日数は短いが、春夏の性欲の強さも相まって、身体を重ねた回数は決して少なくない。なんなら、日数に対して多すぎると言えるほどだ。
ここに来てようやく本当の意味で打ち解け合った2人は、まるで、初めて交わる恋人同士のように、互いを愛おしく、大事に想い合い始めていた。
「ヘンじゃないよ。……俺もそうだもの」
『マコとご主人、どっちもヘンなだけかもじゃん♡ どうしようね、もしマコラ姉に聞いたら、ヘンって言われるかもよ?』
「なら、それでもいいよ」
幼女型とはいえ、術者と式神が性行為する時点で既におかしいが、その大前提は抜けているらしい。普段の彼なら、自虐的にその事を口にしただろう。
しかし、並外れた性欲よりもマコへの想いが酷く高まっている今──春夏は既に、彼女を式神として認識していない。
1人の異性、幼き恋人。そのような認識だった。
「多分……それが、好きって気持ちなんだと思う」
『!』
「これまでは、性欲でしか繋がってなかったよね。でも今日はさ、性欲はあるけど、それはそれとしてなんか……なんかさ、違うじゃない?」
『なんか違うって? 語彙力どーなってんのさ♪』
「上手くは言えないし、クサい言い方になるけど。やっと……マコと通じ合えたような気がしたんだ」
『…………うん。マコも、そう思った♡』
「!」
『だから、挿れただけでこんなキモチイイのかも♡ まだ1回も、パチュパチュッて動いてないのにさ? なんだか妙に気持ちよくって──マコのおまんこ、きゅんきゅんって、ごしゅちん締め付けてるの♡』
そう、挿入してからまだ一度も動いてはいない。お互いの内心を吐露して、身体だけでなく心でまで深く繋がれたことを、今、やっと認識できたのだ。
『もっと……気持ち良くなっちゃおっか♡』
「うん……!」
『あはっ♡ すっごく嬉しそうな顔するじゃんっ♡ そんなカワイイ顔されたら……張り切っちゃう♡』
彼の腹に手を置き、ズプ、ジュプッ、ズプ──とピストンを開始。動く度にマコの極狭の秘部は彼の肉棒を肉厚なヒダで優しく撫でて、擦り上げる。
彼女の膣内は、包み込む柔らかい感覚よりかは、キツく締め上げるような感覚が強い。
しかし今は、普段よりも濡れているからなのか、それとも想いが深く通じ合っているからなのか──1つ1つのヒダが、上下のピストンに応じて肉棒を優しく撫で回しているように、彼には感じられた。
「ま、マコ……」
『くすっ♡ そうだったね。ご主人はえっちの時、手を繋ぐのが好きなんだよね……♡』
マコの幼女らしさ溢れる柔らかな肌の幼き手指。そこに、成人男性の手掌としては少し小さめな彼の手が重なり、するりと、指を絡め合う。
俗に言う恋人繋ぎで両手を握り合い、マコは更にピストンを速めた。
『あん♡ あ♡ んぁあっ♡ イイよ、これぇ♡♡ ご主人と、色んなトコ、繋がってりゅ♡ カンジ♡ マコ、これ好きっ♡ あっ♡ はぁあんっ♡♡』
「マコ、激しっ……っ゙、待って……♡」
『や〜だ、待たないっ♡ 絶倫ご主人は、何回でもイケるんだからさっ♡ 何回でも、何万回でもっ♡ マコの
「くっ、うっ、ううぅっ……」
『あ♡ んぁ♡ ……もうっ、強情だなぁ……♡』
「!?」
彼が意地でも射精を我慢するつもりだと見るや、マコはクスッと小さな笑みを零し。
恋人繋ぎもピストンの速度も維持しつつ、器用に彼に顔を近付けると。
『ね、ご主人♡……ちゅー♡』
そう言うと、唾液を纏わせた小さな舌を見せる。こうすれば無条件で彼は食いつくと、知っている。
『ん♡』
「────っっ♡♡♡」
舌と舌がチュルッと触れ合ったその瞬間、マコは一気に膣内を締め上げて、腰を強めに打ち付ける。
瞬間、我慢は崩壊。先程に比べるなら少ないが、それでもかなりの量をマコに注いだ。
『っ♡……
「ちゅ……ちゅーは反則だってぇ……♡」
『反則って〜? マコ、ご主人とちゅ〜したかっただけなんだけどなぁ〜♡……ん、おいしっ♡』
「ッ……可愛すぎるよ、マコ……!」
『きゃっ♡ ちょっ、体位変えたいなら言って──んぐぅっ♡♡』
体格は小さめでも、彼だって成人男性ではある。
肉棒を抜いて、溢れ出した精液を指で掬い取って舐めているマコを抱き締めて、騎乗位から正常位へ瞬時に体位を変える事など、造作もない。
マコを押し倒し、今度は自分が上になり主導権を握る。マコが苦笑しつつ強制的に体位を変えられたことに反応したその時には──既に、下の口同士はキスを終えて、挿入に至っていた。
『も、もー……興奮しすぎだってば……♡』
「うるさいっ、マコが可愛いのがいけないんだっ! こんなにっ、可愛いのにっ! デレても生意気でもマコは可愛いんだっ! 興奮しすぎるのだってっ、しょうがないでしょっ……!」
『んっ♡ あッ♡ はぁ、んぐっ♡ ふぅ、あん♡ ご主人ってば、まさか♡ オーバーヒート、した? ピストン……んッ♡ いつもより浅いよ♡♡』
「イッたばっかで敏感なの! まだイキやすいの! んぐっ……ふ、深く、突けないのっ……!」
『マコ、おまんこの深ぁ〜いトコで、ごしゅちん、感じたいな〜……♡♡』
「〜〜〜〜〜〜ッッ、んああぁっもうっっ!!!」
流石、春夏という人間そのものに適応したマコは言う事が違う。的確に彼の性癖を把握しているので性欲への煽り文句は彼にとって効果テキメンだ。
絶頂直後の敏感な時間帯は、休息の期間であり、敢えてスローセックスをすることで、過剰な快楽に慣れることができる期間でもある。
────そんなもの知るか。絶頂直後で敏感なら好都合。敏感ということは、気持ち良くなりやすいという事でもある。この期を逃す手は無い。今よりもっと、快楽に溺れさせることができるのだから。
……と、マコはそのように考えている。
『んあ゙ぁッ♡ ああぁあ゙ッ♡ そこ、イイよぉ♡ ごしゅちん、深いぃ♡ キてりゅのぉっ♡♡』
「コツコツ当たってるっ、これ、子宮口だよねっ♡ 中出し──膣じゃない、子宮に直接、流し込むっ♡ マコ、子宮で受け止めてっ……♡」
『うんっ♡ ぜんぶ、マコが受け止めりゅからぁ♡ ご主人のエッチな精液♡ マコにちょーだいっ♡♡ 吸収しきれないくらい、たっぷたぷにしてぇっ♡♡ マコの子宮、ご主人の精液タンクにしてぇっ♡♡』
「うっくっ、ううぅ♡
『んあ、あぐっ♡ あああぁぁ〜〜〜〜っっ♡♡』
彼女の腰を握り、ゴリュッ──と硬めの子宮口に亀頭を押し付け、敏感すぎる感覚が途切れぬ隙に、何度目かの射精……。
ごくん、ごくん、と子宮が精液を飲むような音が聞こえる。果たしてこれは彼の高まり過ぎた鼓動が耳に響いているだけなのか、それともマコの子宮が本当に精液を飲んでいるのか……。
「……ッ」
全身を小刻みにピク付かせて、ヨダレを垂らして悦びに悶えるマコを見ると、幾らでも射精力が復活できるように思えるから不思議だった。
『んぉ゙ッ♡♡』
それでも肉棒を抜いたのは、射精力はあっても、休憩はしたいから──ではなく。
彼女の未発達で幼い膣に種付けした「証拠」を、しっかり己の目に焼き付けたいという、そんな到底口に出せない、精液の色に反してドス黒い欲望が故なのだろう。
『んっ……顔まで飛んできたし……♡』
肉棒の勃起は、未だ収まらず。あまりに上向きに勃起し続けているので、抜いた瞬間、肉棒に付いた精液がマコの顔にまで飛んでしまった。
射精した量がかなり多かったからだろう、まるで顔射したように彼女の顔を精液で汚してしまった。
マコはそれを舐められる範囲で舐め、ご満悦だ。
『マコのちっちゃい子宮……もう、たっぷたぷ♡』
自分の腹の上──およそ子宮の真上辺りだろう、そこで両手でハートマークを作り、ぺろりと精液を乗せた舌をチラ見せさせる……。
その発言、その行為、そのポーズ。マコの全てが春夏の性欲をこの上なくグサグサと刺激していた。伏魔御廚子で切り刻まれた渋谷の街並みのように、春夏の理性は一瞬のうちに微塵切りにされ、そして爆発的に燃え上がった──。
「マコッ♡♡」
『やんっ♡ ちょっと休憩、シよっ? せっかくのご主人の精液、吸収しきれてな……んい゙ぃっ♡』
「構わない! もっと注ぐっ♡ もっと流し込む♡ 術式解放して、射精力を強化するまでもないほど、コーフンしてるっ、からっ♡♡」
『んッ♡ はぁ、あぁん♡ やばい、でしょっ♡♡ ご主人は、人間っ、なんだから♡ 少し、くらい♡ んぐっ……きゅ、休憩、しなよねっ♡♡』
「いい! 俺も、自作の呪物、食べたんだからっ♡ 人間らしい、生活なんかっ捨てるっ♡ 今はただ、はぁ……はぁっ……マコと、エッチ、するっ♡♡」
『もっ、もぉ〜っ……ん♡ 煽り過ぎた、かな?』
「もうっ、痛いくらいだけど♡ マコと、ならっ♡ キモチイイに、できる、からっ♡」
普段は、これほど連続で行為に及ぶことはない。多少の休憩は挟むし、休憩の暇すら惜しい時には、霊装呪法にて身体強化する事で対応している。
しかし今は、休憩もしていなければ、術式も解放していない。ひたすら純粋に、マコへの興奮だけで成立している。
危ういほどの興奮。春夏の脳の血管がハチ切れる可能性すらも脳裏に過ぎるマコだったが、それほど猛烈に彼を煽ったのは自分だったな……と自省。
恐らくマコラであれば、手刀にて気絶させたり、言葉巧みに彼を宥め、強引に休憩を挟んだだろう。
いや、マコラでなくとも、普段のマコでもきっとそうしていたに違いない。
『ふふっ……ご主人のえっち……♡』
マコもまた、想いが通じ合ったことで興奮し──そして浮かれていた。
だから、普段の自分だったらこうしただろうな、という冷静な思考は巡らせつつ、休憩を挟むことで昂ぶりに昂った想いと興奮などが冷めてしまうのが嫌で──春夏が踏み込みつつあるデッドゾーンに、マコまで自分から飛び込んでいくことにした。
『お喋り休憩おしまいっ♡ もっと、ちゅーしよ♡ イクとこまでイッちゃお♡ 喉乾いても、おしっこシたくなっても♡ ぜ〜ったい、休ませないよ♡』
「っ! ちゅー、するっ……!」
ちゅ、と唇を尖らせるマコ。春夏は条件反射的に唇を押し付ける。そしてマコは唇を開き、舌で彼の唇をなぞり、彼に開門を要求。
春夏は笑顔で彼女を受け入れて、唇の境界にて、もう何度目かの、とろとろのキスに至る。
舌を交わしつつの真上からの種付けプレス、もう彼は己の理性で身体を動かしてはいない。
ただひたすらに、マコの唾液を貪り・喉を潤し、柔らかく弾力があり、幼女そのものの丸みを帯びた頬を撫で、ほんのりとした膨らみのある胸を揉み、または固くなった乳首を指で弄る。
全身で彼女を感じ、全身で彼女を愛していた。
もう、ナマイキな笑顔を見せる時にチラ見えする八重歯すらも愛おしい。舌で歯の裏をなぞるように舐め、ツンツンと尖る八重歯の存在を舌で感じる。
『んーん……んむっ♡』
「ふ……」
そればかりしていると、不満そうに声を漏らして彼の舌を自分の舌の方に引き寄せ、ぴちゃぴちゃ、れろ、ちゅるっ……と、舌をこれでもかと絡める。
もう少し2人の舌が長ければ、解けなくなるほど複雑に絡まってしまったかもしれない。
人間的な、絡まりようがない長さで良かった──脳内に執拗にこだまする唾液の水音に溺れながら、2人は、全く同じことを想った。
春夏という人間に適応し、こうして身体を重ね、回数を経て、想いと行為を共に深めていくうち──マコもまた、彼と同様にキスが好きになっていた。
これまで「キス」とは春夏の性欲を煽る為の手段でしかなく、マコ本人はキスする事について、特になんとも思っていなかった。
しかし想いが通じてからというもの、何故だか、キスをする度に、セックスと同等か、下手をすればそれ以上に、胸が締め付けられるような甘い痛みに襲われていた。
嗚呼──と、やんわり目を開き、舌を絡めに来る春夏の頬を、彼と同じようにそっと撫でてみる。
マコラは時折、影から出て、春夏にキスだけしてすぐに戻ってくるという謎の行動をする。これまでマコは、疑問に思いながら、どうでもいいか──と軽く考えていた。
しかしここに至って、マコラが彼にそうしている理由が、マコにもやっと分かったような気がした。
セックスが両者による愛情を確認し合う行為だとするなら、キスとは愛情表現だと言える。だから、それを春夏にアピールする為に、マコラは……。
『んっ♡ ごひゅりん……しゅき♡ しゅきぃ♡』
「ん……」
ちゅむ、と唾液まみれの唇を押し付け、やはり、再び舌を絡ませる。
上の口は2人の唾液で、下の口は愛液と精液で、極めてヌルヌル、とろとろに溶け合っていた……。
「っく……んんっ……♡」
『んんんっ♡♡ んぅぅ〜〜〜ッ……♡♡』
もう何度目になるだろう。しかし絶頂しながらもピストンは止めないし、ましてやキスすらも止める気配が無かった。
ゴプッ、ビュルッ、ドプッ、とピストンする度に射精された精液が泡立ち、溢れ、彼女の肛門の上を通り越してシーツに流れ落ちるが、そんな事も全く意に介さず、2人は蛇の交尾のようにネットリ──ズップリ、深く深く絡み合っていた……。
◆
2人の行為は真っ昼間に始まり、日付が変わってそこから月が沈みかける頃まで続いた。休憩など、全く挟まなかった。水分補給はマコのおしっこで、空腹はそもそも感じなかった。
外が明るくなってきた頃、口内射精されたマコが精液の中に血の味を感じた事で、ようやく休憩──というより、行為の強制終了に至った。
『ったく。精液に血が混ざるくらいって、どんだけ無理してたのさ』
「無理なんてしてないよ」
『嘘はやめて。無理してなかったら、こんな事にはならなかったでしょ』
「嘘なんかじゃないよ。それだけマコが可愛くて、エロ可愛かったから。今日は術式も使ってないのにこんなに続けられたのは、マコのことが好きで──マコが可愛かったから。無理なんかしてないんだ」
『…………バカ。ほんとにバカだよ、ご主人……』
「俺をこんなにバカにしたのは、マコの誘惑だよ? あのほら、アレだよアレ。お腹の上でハートマーク作ってたヤツ……。あれはね、エロ可愛すぎた」
『えー? じゃ、もうやらな〜い』
「えっ!?」
『アレのせいでご主人が無理するなら、やらない。エッチはいっぱいシたいけど、ご主人に痛い思いをさせるくらいなら、もういいもん』
「ごめんて。これからは、痛くなったら言うから。だからまたアレやって? アレすごく好きなんだ。顔にも精液掛かってたからかな、やたらエロくて」
『……無理しないって、約束する?』
「する!」
『無理しないって「縛り」……結ぶ?』
「……」
『無理する気マンマンじゃんっ! ダメじゃん!』
「あぁもう分かったよ、縛りでもなんでも結ぶよ! 無理しない、神にも仏にも誓うよっ! だからまた俺のことエロポーズで誘惑してくださいっ!!」
『──はぁ〜〜〜〜ッ。ほんと、ドスケベだよね。マコがエロポーズしたらさぁ、ご主人は無理しない程度のエッチの他に、マコに何をくれるワケ?』
「え……エロポーズのお返しに、ってこと?」
『まさか、エッチだけじゃないでしょう?』
「ん、と…………プロポーズ……とか?」
『……………………ほぇ??』
「いや、スマン、エロポーズとプロポーズで地味に語感が似……」
『は、早すぎるでしょ!? ま、マコ達、出会ってまだ半年ちょいだもんっ! 電撃結婚すぎでしょ! いくら好き合ってるとは言っても、半年は……』
「え」
予想外。もう「イチャラブエッチ」の時間など、とうに終わっている。
つまり、もう普段の生意気なマコに戻ってもいい頃合いだった。だから返答は「式神と結婚だって♡ キッモ〜♡」など、いつものように、小馬鹿にするセリフが返ってくると思っていた。
しかし現実は、春夏の予想をキレイに裏切った。どもり、そして顔を真っ赤にさせて照れながらも、彼の「プロポーズ」を受け入れる方向らしかった。
拒否する理由は「早すぎる」だけ。なんともまぁ可愛らしい、乙女な反応だった。
「マコ……」
『全く。電撃結婚OKするほど甘くないんだから! もう少ししたら、結婚──という名の「縛り」で、ご主人を雁字搦めに縛ってあげるんだからっ♡』
「は? 今、なんて──」
結婚という名の縛りだって? ──と質問しようと口を開こうとした、その時。
『ダメダメダメぇ〜〜〜っっ!! マコより先に、マコラがご主人と結婚するのっ!!』
「マコラ!?」
『マコラ姉!?』
『黙って聞いてれば好き勝手に言って! マコラが先にご主人のとこに来たんだからっ、マコラが先にご主人と
「『縛り合う』って何? 結婚の類語?」
『どっちが先とかあるの? ていうか聞いてたの? マコとご主人とのエッチ? そうなら、マコラ姉、エッチすぎでしょ♡』
『ご主人が何度も何度も死にかけるからでしょっ! エッチし過ぎて死にかけるなんて初めて聞いたし、初めて見たよっ!』
『腹上死っての? マコが何回も回復させてたからあんまり問題ありませーん♡』
「回復させてくれてたのか……なのに血出たの?」
『マコが回復させるの忘れてエッチしてるからっ、マコラもこっそり回復させてたんだよ! 2人共、エッチにハマるのはいいけど加減は考えるように! それができるまでマコとご主人は
「いや、だから、縛り合うって何……」
『わかった!?』
「『は、はい……』」
マコラは珍しく怒っていた。普段、大人しい人が怒ると怖いという言説があるが、これは、式神にも当てはまるようだ。
ちなみにマコやマコラの言う「結婚」とは、籍を入れたりするのではなく、術師と何かしらの縛りを互いに結び合う事を指す──らしい。
春夏にとってはよく分からない概念ではあるが、籍を入れ婚姻関係に至るのも縛りの一種ではある。そう考えれば、式神であるマコやマコラと結婚するなんて事も、現実的に見て不可能では無さそうだ。
「……結婚、か……」
春夏──現在19歳。死滅回游の最中に、人間の許嫁の存在が判明してしまったものの……。
呪術的な意味での「結婚」なら、法律的な意味で重婚罪になることはないんだろうな──と、未だにアップテンポな鼓動を刻むマコの胸に顔を埋めて、しばしの休息を得ることにした──。
今回の話、春夏の口調が妙に柔らかかったですね。
何なら態度も柔らかかったと思います。少なくとも作者はそういうつもりで描写してみました。
これが、素の春夏です。
本編で、回想以外で春夏が素の姿を見せることは、きっと無いです。春夏はいつも自分を騙し、そして周囲の人間を騙しながら生きています。
なので、ここで素の彼を出しておきました。
態度や口調が違いすぎるあまり、春夏の言動として違和感があれば、むしろ、それが正解です。
普段の彼との違いが、少しでも伝われば幸いです。