※この作品はR-18です。

元非モテでアニヲタの僕が自作キャラで異世界転生   作:月狼

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登場ヒロイン

【Vtuber】
・白上フブキ

【ぼっち・ざ・ろっく!】
・伊知地虹夏


第23話

 緑に覆われた大地をネロで駆けていく。

 

【マスター、目的地まであと500mです】

「なら、あの見えてるやつがそうか」

 

 視線の先に見える木造の建築物を見て陽月がつぶやく。彼がここを訪れたのは先ほど引き受けた盗賊団の捕獲を完遂するため。その者たちは5人と数こそ多くはないものの、リーサルウェポンの存在によって多くの悪事を働いている。それが手に負えないということで、被害者一同からギルドに捕獲の依頼を出したのだ。

 

「じゃあ、行ってくるよ。僕が仕事してる間、キミは朱鳶さんにいつでもここに来れるように連絡しておいてくれるかな?」

【了解しました。マスター】

 

 走り去っていくネロを見送った後、盗賊団のアジトへむかい、扉の前に立つ。

 

Let´s do it(やろうか)

 

 そうつぶやいた後、扉を蹴破る。これによって盗賊団に気づかれるが、そうなること前提でやったことなので、陽月は気にせずアジトに入った。

 

「なんだおまえは!?ここがどこかわかってんのか!?」

「でも、めっちゃかわいい女の子ですよ頭!」

 

 一部のやつが陽月を女と勘違いしてるようだが、言われ慣れてるし盗賊団相手にツッコむ気にはなれないのでスルー。

 

「キミたちには捕獲依頼が出ている。大人しく捕まるならよし、抵抗するなら相応の対応を取らせてもらうけど、どうする?」

「いきなり来たかと思えば……そう言われて俺らが素直に“はい、わかりました”っていうと思ってんのか?そんなのに従うなら盗賊なんてやってないんだよ!おまえら、やっちまえ!」

 

 頭の指示で4人の子分が陽月を取り囲む。この状況は予想していたのでいいのだが、それよりも……。

 

「うへへぇ~近くで見るとますますかわいいなぁ~♡でも服が女の子っぽくないなぁ……キミにはそんな服よりこういう服が似合うよ♡着てみてよ♡ね?ね?」

 

 一部のやつの視線がものすごく不快だ。加えてフリフリのワンピースをこれ見よがしに見せつけてくるのが不快さにブーストをかけている。

 

「はぁ……」

 

 ため息をこぼしながら、陽月はレッドサンを召喚して構える。直後、頭の合図で武器を持って陽月に襲い掛かる子分たち。だが闇雲に攻撃してくるだけなので、避けるのは簡単だった。

 

「ふっ!」

 

 攻撃を避けた直後、カウンターを見舞う。といっても殺すわけにはいかないので、レッドサンの刃がついていない部分で殴って気絶させる程度に留めているが。

 

「かわい子ちゃ~ん♡これ着t―――♡」

「うるさいよ」

 

 ワンピースを携えながらルパンダイブしてきた子分にアッパーカットを喰らわす。そいつは数十メートル宙を舞った後、地面にたたきつけられた。あまりにも不快でつい本気で殴ってしまい陽月。そのせいで死んでしまわないか心配になったが、耐久力はそれなりにあるようで、目を回して気絶する程度で済んでいた。あの男は不快だが、この点だけは賞賛に値すべき点だろう。

 

「かわいい顔して少しはやるみたいだな」

「まだやるの?」

「もう勝った気でいるのか?俺にはまだリーサルウェポンがあるんだぜ!」

 

 そう言って、黒いボールをこれ見よがしに見せつけてくる。

 

「それはキミたちが悪さできる要因かな?」

「ああ、そうさ!これでおまえは、終わりだぁ!」

 

 頭から放り投げられた黒いボールが放物線を描きながら黒い閃光を放つ。それを搔い潜るように現れたのはティラノサウルスを模した黒い魔物。それは陽月の存在を確認すると、敵意を示すように猛々しい咆哮を上げた。

 

「さあ行け!ダークティラノ!邪魔者を喰らい尽くせ!」

 

 頭の指示に従うように咆哮をあげると、口から黒い火炎弾を吐き出す。それをジャンプして避けると、陽月はブルームーンを召喚。そこから魔力で生成された銃弾を放つが、それはライトティラノの鱗に弾かれた。

 

「無駄無駄!そんな攻撃じゃこのダークティラノに傷ひとつけられやしねぇよ!」

 

 ダークティラノから火炎弾が連続で放たれる。陽月はそれらをレッドサンで斬っていきながら、ダークティラノと距離を詰めていく。

 

「はあぁああっ!」

 

 距離を詰め、レッドサンを振り下ろす。だが陽月のその一撃も鱗に弾かれ、尻尾振りによるカウンターで返されてしまう。カウンターをまともに喰らった陽月の体は吹き飛んだ後、地面を転がる。

 

「無駄だって言っただろ!こいつの鱗は物理に高い耐性があんだよ!」

「物理耐性持ち、か……」

 

 レッドサンを杖代わりにしながら、陽月はゆっくり立ち上がる。

 

「本当に物理攻撃は効かないんだね?」

「ああ、そうだ!こいつに物理は絶対効かねぇよ!」

「……それなら」

 

 右手の甲に赤い竜の紋章を浮かばせ、陽月の全身を赤色のオーラが包み込む。その勢いに風が吹き荒び、頭の視界を滲ませる。

 

「なんだ!?」

「キミのペットが物理に対してどれほどの耐性を持っているか、試してあげるよ」

 

 オーラが陽月を覆いつくし、姿を隠す。なにが起きているかわからない頭だったが、直感で理解した。このまま放っておくと大変なことになる、と。

 

「やれ!ダークティラノ!」

 

 頭の指示でダークティラノから火炎弾が放たれる。それは陽月に直撃し、辺りが焼け野原となる。

 

「なにかするつもりだったんだろうが、これで―――なに!?」

 

 陽月を仕留めたと思った頭だったが、焼け野原から姿を現したのは陽月の焼死体ではない。竜を思わせる赤い鎧―――陽天の竜装(サンライト・ドラゴニック・ギア)をまとった陽月だった。先ほどのかわいらしい少女のような風貌とはあまりにかけ離れた変貌のしように困惑を隠せない頭。アレがなんなのかはわからないながらも、陽月の雰囲気からマズいことは理解したのだろう。ダークティラノに火炎弾を飛ばすよう指示をした。しかし……。

 

「!!??」

 

 火炎弾は直撃した。たしかに、確実に。だが、それは陽月に直撃したかと思えば、弾かれて消えたのだ。しかも陽月はそれを意に介することなく近づいてきている。

 

「撃て!撃ちまくれ!」

 

 頭の指示で火炎弾を連続で放つダークティラノ。だがそれらも全て弾かれ、ついにダークティラノは陽月の接近を許してしまう。

 

「言ったよね?キミの物理耐性を試すって」

 

 カムイの振り上げが命中した瞬間、ダークティラノの巨体が高く打ちあがる。数百kgはある巨体を軽々と打ち上げられたことに頭が面食らってる間、陽月は打ちあがったダークティラノを追うように大きくジャンプ。そしてダークティラノに追いつくと、カムイを振り下ろす。そうしたことで勢いがついたダークティラノが地面に落ちて砂埃が舞い上がる中、陽月が円を描くようにカムイを振り回すと、カムイが金色に輝きながら徐々に巨大化。それを両手に持ち、振り下ろしの体勢になりながら、ダークティラノめがけて降下していく。

 

燦然と輝く太陽(ブリリアント・サン)!!」

 

 巨大な斧の一撃が硬質な鱗を貫く。そのまま両断されたダークティラノの巨大はうめき声とともに霧散した。物理に耐性のあるダークティラノだったが、陽月はそれを上回る物理火力でそれを破壊したのだ。脳筋としか言いようのないごり押し、だがどこかロマンを感じる戦法を目の前で披露されたことで頭の思考は止まり、ただ茫然と立ち尽くす人形のようになっていた。

 

「陽月くん!」

 

 ジャストタイミングといった感じで朱鳶がやってきた。空にヘリが見えることから、それに乗ってきたのだろうと思いつつ、陽天の竜装を解く。

 

「ちょうどいいところに来てくれましたね。盗賊団のみなさんはご覧のとおりお休み中ですよ」

「ご苦労様です。これで依頼人も安心できるでしょう」

 

 ギルドの受付嬢の話だと盗賊団は脅し目的でダークティラノを使役していたらしいが、人の命を奪う可能性だって十分あった。今回はその前に対処することができたが、このようなことをする輩は盗賊団だけではない。それについては今後も警戒すべきだろう。

 

「彼らはこちらが責任を持って連行します。今回は本当にありがとうございました」

「お願いします」

 

 そうして、朱鳶に盗賊団を引き渡した陽月はネロを呼び出し、城下町へと帰るのだった。

 

 

―――――

 

 

「さて、依頼も終わったことだし、これからどうしようかな」

 

 依頼完了の報告を終え、陽月がギルドから出てくる。さっきまで依頼を完遂することを考えていたが、その後のことを考えていなかったので、スケジュールが白紙となってしまった。自宅に戻ってもやることないし、これは非常に困った事態だ。

 

「おや?そこにいらっしゃるのは陽月くんじゃないですか~」

 

適当に街でもぶらつこうかと思った矢先、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。振り返るとそこには狐の耳と尻尾を生やした初髪の少女もとい白上フブキがいた。

 

「やあフブキ、こんなところで会うなんて奇遇だね。仕事帰りかな?」

「はい。収録が終わって家に帰る途中なんですよ。陽月くんも仕事帰りですか?」

「たった今依頼が終わったところだよ。それでこれからどうしようか考えてたところなんだ」

「へぇ……そうなんですか。じゃあ白上たち、いっしょですね」

 

 ニコニコしながら陽月に歩み寄るフブキ。と思えば肉棒をつかんできた。もみもみとマッサージでもするかのように揉まれ、思わず変な声が出そうになるが、公衆の面前なので堪える陽月の耳にフブキは唇を寄せる。

 

「白上も夜の配信まで暇ですし、セックス……しましょ♡」

 

 どの女性もこうやって積極的なのは男性として嬉しい。だが、こういう場所でやられるとドギマギしてしまう。

 

「い、今から……!?」

「そうですよ?それとも陽月くんは白上とするの……嫌ですか……?」

 

 耳を垂らし、今にも泣きそうな顔で言うフブキ。異性にこんな顔をされて断れるわけなく、陽月は“そんなことない”と答えると、フブキの顔はぱぁっと華やいだ。

 

「じゃあ白上の家、行きましょうか♡」

「う、うん……」

 

 フブキに手を引かれながら、彼女の自宅へ。フブキは陽月同様1人暮らしなので、当然ここにフブキ以外の住人はいない。つまり、ここでどんな卑猥な行為をしたとしても誰にも邪魔されることはないというわけだ。

 

「ちょっ!?」

 

 フブキに導かれるがままリビングに向かうと、早速ベッドに押し倒された。積極的なのはいつものことだが、それにしたって急すぎだ。

 

「大丈夫です♡痛くしませんから♡」

「いや、そうじゃなくて!シャワーくらい浴びさせてほしいんだけど……」

 

 さっきまで体を動かしていたので汗をかいているのではないかと思い、申し訳なさそうにお願いする陽月。だが、フブキはガマンができないのか、首を横に振る。

 

「ダメです。このままでやりましょう♡」

「いやでも……」

「白上は気になりませんよ?陽月くんがどんな匂いを嗅いでいるのか興味ありますし……逆に陽月くんは白上の臭いが嫌なんですか?」

 

 上目遣いで涙目になりつつこちらを見るフブキ。陽月はそんな彼女を見て罪悪感が芽生えると同時に良心が痛んだ。フブキは決して悪いことをしているわけではないのに……。

 

「……わかった。でも、後悔しても知らないからね」

「ありがとうございます♡白上、いっぱいがんばりますね♡」

「いや、そこは普通にしてくれるだけでいいんだけど……」

 

 苦笑しながら陽月が指摘するもフブキは嬉しそうにするばかりで聞いていないようだった。フブキはそのまま陽月の下半身を脱がしていく。免疫がなくとも、男性の本能が女を求めてしまうのか、肉棒はすでに固くなっていた。

 

「あはっ♡もう大きくなってるんですね♡」

「これは、フブキが触ってくるから……」

「あはは~それは失敬でした♡そのお詫びに、気持ちよくしてあげますね♡」

 

 そう言ってフブキが肉棒をつかんで上下に擦っていく。柔らかな手に包まれたそれは熱を持ち始めると同時にさらに固くなり、しばらく続けられているうちに陽月の腰が跳ねた。フブキはそれに気づくと、手を止める。

 

「もしかして陽月くん、もうイキそうになってるんですか?」

「うん……」

 

 ここで嘘をついてもしかたないので正直に答えると、フブキは笑った。

 

「早いですね~♡まだ始めたばかりなのに♡でも嬉しいです♡じゃあ、もっと気持ちよくなってください♡」

 

 舌でチロっと亀頭を舐めた後、肉棒を口の中に含む。生暖かい感触が肉棒を包み込んだかと思うと、舌で絡められて舐め回されていく。その刺激に耐えきれず射精してしまうが、フブキはそれを飲み込みながらさらに強く吸い付いてきた。口を離されたときには大量の精液で満たされていたが、それでもまだ物足りないと言わんばかりに再度咥え込み、喉奥まで使って扱いてきた。

 

(ヤバっ……また出ちゃう……!)

 

 強烈すぎる快楽に陽月が悶絶していると、フブキが肉棒から口を離し、ペタン座りをするような格好でスカートをたくし上げた。

 

「陽月くんもイってばっかりじゃダメですよね?だから白上が入れてあげますね♡」

「え、もう!?」

「そうですよ?えいっ♡」

 

 躊躇なく陽月の肉棒を膣内に入れていくフブキ。肉棒が熱いぬかるみに包み込まれていくのを感じて陽月が快楽に悶えていると、フブキの尻尾が陽月の鼻あたりを撫でてくる。獣人族の尻尾の毛皮は非常に繊細かつ敏感な造りをしているため、彼女たちにとって尻尾は性感帯と同じ扱いとなっている。そのため、意図的に尻尾を性器以外の部位に接触させることは“あなたを受け入れています”とアピールすることになっているのだ。

 

「くぅっ……!」

 

 モフモフした毛並みが鼻を撫で回していくたびにくすぐったさとともにゾクゾクした感覚に襲われる。それと同時に興奮が湧き起こってきており、肉棒がさらに膨張していく。

 

「あっ……おっきくなりましたね……♡動きますよ?」

 

 フブキがゆっくりと腰を動かし始める。最初は緩慢な動作で刺激を与えていったが、次第に速度を増していき激しい動きに変わっていく。それに合わせて胸元の二つの山脈も大きく揺れ動く。

 

「すごっ♡まだ大きくなるんですね♡」

 

 射精欲が募っていく。しかしフブキの方はまだまだ余裕らしく、微笑みを見せると同時に体を密着させてくる。フブキは両手を広げながら陽月に体を預けるような姿勢になると、激しく動かして責め立てていく。お互いの腹部がぶつかり合う音が響き渡り、結合部からは愛液と我慢汁の混ざった液体が飛び散り続けていた。

 

「どうですか?白上のオマンコ気持ちいいですか?」

 

  問いかけに対し陽月はうなずく。そして次の瞬間には限界を迎えてしまい、欲望を解き放った。どぴゅっという音と共に放出される白濁液は全て膣内に注ぎ込まれていき、子宮の中へと流れ込んでいく。フブキはそれを全部受け止めると満足げな表情を浮かべた後、肉棒を引き抜いた。栓を失った穴からは入り切らなかったものが溢れ出してきており、床を濡らしていく。そんな彼女を見て興奮したのか、萎えることの無い肉棒を見てフブキは笑う。それはまるで子供が玩具を見つけた時のように純粋で無垢な笑顔だった。

 

「まだ、できますよね?」

 

 そう尋ねるフブキの瞳からはハートマークが浮かんでいるように見え、陽月はそれにドキッとしながらも頷いてしまう。そして再びフブキは陽月の上に乗ってきた。今度は正面からではなく背後からの体位となるうつ伏せ騎乗位だ。

 

「それではいきますよぉ……♡」

 

 陽月の腰の上に跨りながら、膣内に挿入していくフブキ。すでに十分すぎるほど濡れていることもあってか、抵抗もなくすんなり入っていく。根元まで入れると一度動きを止め、呼吸を整えるように深く息を吐くと、一気に動き出す。最初はゆっくりとした動きだったが段々早く激しくなっていき、それに合わせて乳房も激しく揺れ動くようになった。陽月は突かれる衝撃に喘ぎ声を漏らしながらも必死で耐えていた。何度も体を交わらせていたとはいえ、慣れない感覚に戸惑っているようだ。一方、フブキの方はと言えば完全にスイッチが入ったらしく、夢中で腰を振っている。陽月の腹に両手を添えて上下運動を繰り返すうちに徐々にスピードを上げていったかと思うと、フブキが突然身体を仰け反らせた。どうやら絶頂を迎えたようで、全身を小刻みに痙攣させているのがわかる。その際に膣壁が強く締まり肉棒を強く圧迫してきたことで陽月も限界に達し精液を流し込んでいった。2人はしばらくそのまま動けずにそのままの姿勢を保っていたが、やがて落ち着きを取り戻すとフブキは身体を起こして陽月を優しく抱きしめた。

 

「大好きですよ……陽月くん……♡」

 

 耳元で甘い声で囁かれて思わずドキリとする陽月だったが、すぐに自分も相手のことを抱き締め返す。するとフブキもそれに応えるように腕に力を込めてくれた。お互いの温もりを感じているうちに次第に心地よい眠気が襲ってくるのを感じたのでそのまま瞼を閉じ、眠りへと落ちていった。ちなみにこの後の夜の配信でフブキは寝坊して遅刻したと語った際、陽月との関係に気づいているすこん部たちはその経緯を一瞬で察したという。

 

 

―――――

 

 

「ねぇ~そこのお嬢さん」

 

 レディースセールの帰り。自宅を目指して歩いていると、陽日は男に声をかけられた。いかにもチャラいといった感じの男だ。

 

「はい、なんでしょうか?」

 

 と言うが、この手の男性が女性に声をかけてくる目的は大体決まっている。ナンパだ。

 

「今ヒマかな?もしよかったら僕と―――」

「すみません。これから帰って夕飯の支度をしなければならないので、あなたに使う時間などありません。それでは」

 

 冷え切った声で言うと、そのまま去っていく。ああいうタイプの男は隙を見せるとつけあがってどんどん迫ってくるので、陽日はそういう男に声をかけられたらこうして拒絶の意を示すことにしているのだ。

 

「はぁ……またナンパされちゃったよ」

 

 帰路をたどりながら陽日が呟く。彼女は先日ルイズマリーに作ってもらった飴玉を食べたことで習得した錬金術で性転換した陽月のもう1つの姿である。決して陽月が女装に目覚めたというわけではない。

 

「そんなにかわいいかな?」

 

 鏡で自分の顔を見る。あれから時折―――特にレディースセールが開催される日はこの姿になって外に出ているが、その時はほぼ確実と言っていいほどナンパに遭う。しかも相手は大体先ほどのようなチャラ男なので、正直辟易している。時間の無駄と言っても過言ではないほどに。

 

「うふっ」

 

 意味もなくウインクしてみる。自惚れと思うかもしれないが、こう見るとたしかにかわいい。

 

「あの、日向先輩!」

 

 翌日、学園に行くと男子生徒に声をかけられた。眼鏡をかけた大人しそうな外見をした1年の後輩だ。

 

「どうしたの?」

 

 いつもの愛想笑いをしながら答える。男子生徒は顔を赤くしてどもりながらも1つの手紙を差しだす。

 

「これ、読んでください!」

 

 手紙を受け取ると、男子生徒は“では!”と言って走り去っていった。これまでの一連の行動に手紙。中身を見なくても内容は察せられる。これは―――。

 

「なに?またもらったの?ラブレター」

 

 そう言って後ろから声をかけてきたのは伊地知虹夏。喜多が所属しているガールズバンド“結束バンド”のドラム担当で、普段はライブハウス“STARRY”でバイトをしている。

 

「うん。これで10通目だよ」

「どうする―――いや、聞くまでもないよね」

「もちろん、断るよ。私の正体を知らない人と付き合ったら面倒なことになるし」

「そうだね。でもあの子初恋っぽかったから、気の毒だなと思って」

 

 たしかに気の毒ではあるが、陽日もとい陽月に同性愛の趣味はない。故に男と付き合うなど考えられないのは当然と言えるだろう。仮に付き合ったとしても、正体を知れば彼は間違いなくショック死する。少なくとも、陽月が告白する側だったらそうなる自信がある。

 

「お待たせ」

 

 放課後、体育館裏へ。案の定、今朝渡されたのはラブレターで、放課後ここへ来るよう書かれていたのだ。

 

「待たせちゃったかな?」

「あ、いえ……僕も今来たところなので……」

 

 男子生徒は緊張した面持ちだった。昨日のようなチャラ男だったら躊躇なく断れるが、こういう真剣なタイプの人を振らないといけないのはしかたないとはいえ、心苦しい。でも、ここは心を鬼にしないといけない。彼の傷をできるだけ浅くするためにも。

 

「それで、私に話ってなに?」

「……僕は」

 

 しばらく間を空けた後、男子生徒は大きく口を開いた。

 

「日向先輩!僕は!あなたのことが好きです!だから、僕と付き合ってください!」

 

 前置きなしの告白をすると、男子生徒は頭を下げながら手を差しだす。シンプルなのは嫌いではないが、答えはラブレターをもらった時点で決まっている。

 

「ごめんなさい。あなたのその手は取れないよ」

「……そう……ですか……」

 

 男子生徒は声を震わせながら下げていた頭をあげ、差しだした手も引っこめる。顔は笑っているが、若干歪んでいることから、無理やり作っていることはひと目でわかった。

 

「お時間を取らせて、すみませんでした……」

 

 そう言ってもう一度頭を下げると、男子生徒はとぼとぼと帰っていった。彼はきっと帰ったら枕を涙でぬらすのだろうと想像しながら、陽日は彼を見送った後、家に帰るべく校門に行くと1人の少女がいた。虹夏だ。

 

「まだ帰ってなかったの?バイトは?」

「今日は休みだったから陽日を待ってたんだよ。……フッてきたの?」

「……うん」

 

 小さくうなずく。男子生徒のその後をまだ考えているのか、陽日の顔は暗かった。虹夏も陽日の表情からそれを察し、苦笑する。

 

「ここで立ち話もナンだから、歩きながら話さない?」

「……そうだね」

 

 虹夏に同意して、オレンジ色に染まった空の下を並んで歩く。

 

「さっきからなに暗い顔してんの?答えは朝の時点で決まってたんでしょ?」

「そうだけど、相手が相手だったからさ……」

 

 あの男子生徒は自分に真剣に恋をして、想いを伝えた。だが、自分はそれに応えることができなかった。今頃あの人は帰り路をたどりながら泣いている。そう思うと、妙な罪悪感を覚えてしまうのだ。前世で振られた経験があるなら、尚更。

 

「ああいうタイプに告白されるの、苦手なんだね」

「苦手というか……困るかな……?初恋だったなら、尚更傷つけることになるから……」

 

でも、自分にはどうすることもできない。もし、できることがあるとしたら、できるだけ早く立ち直ってくれるよう祈ることだけだろう。

 

「陽日は優しいね」

「え?」

「フッた相手のことでそこまで悩める陽日は優しいって言ったんだよ」

 

 と言われても、自分ではよくわからない。これはいちいち意識するようなことではないので、ムリもないことではあるが。

 

「自覚ないって顔だね。ふふっ、陽日らしいね」

 

 そう言って、虹夏が笑う。

 

「なんで笑うの……?」

「いや、あまりに陽日らしい反応だったら、うれしくなっちゃって」

「どういう意味……?」

「どういう意味もなにも、そのままの意味だよ。私が好きになったキミなら、そういう反応をするのはわかってたから」

 

 歩いていた虹夏の足が止まる。つられて陽日の足も止まる。

 

「虹夏?」

「でも、キミがいつまでも暗いままなのは心苦しい。だから、それから解放される方法を教えてあげるよ」

「解放される方法?なに、それ?」

「それは……」

 

 虹夏は陽日の前に来ると、腕を陽日の首に回す。

 

「セックス、だよ。セックスして気持ちよくなれば、今日のことだって忘れられるでしょ?」

 

 虹夏の顔が徐々に迫ってくる。それで虹夏がキスをしようとしていると察した陽日は唇と唇の間に人差し指を挟んだ。

 

「あ……」

「ごめん虹夏、それはできないよ」

「……どうして?私とするのが、イヤになった……?」

 

 不安げな顔になる虹夏。誤解を生まないためにも、これはちゃんと説明しないといけない。

 

「そういうわけじゃないよ。でも、あの人が苦しんでいるのに、私だけ逃げるようなことしちゃいけないと思うの。それに……」

「それに……?」

「セックスは愛を確かめ合うためにするのであって、逃げたり忘れるためにするものじゃないでしょ?」

「……そうだね」

 

 納得した虹夏が陽日から離れる。

 

「やっぱり、陽日は優しいね。流石私が好きになった(おとこ)だよ」

「……ごめん」

「謝らないで。私はキミのそういうところが好きなんだから」

 

 それからしばらく歩いていくと、虹夏の自宅前に着く。

「もう時間か。残念だけど、今日のところはお別れだね」

「ありがとう虹夏。虹夏と話したおかげで少しは気持ちが楽になったよ」

「役に立ったならなによりだよ。じゃあね!」

 

 別れの言葉を告げ、自宅に入っていく虹夏を見送ると、陽日は1人自宅への帰路をたどるのだった。

 

 

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