※この作品はR-18です。

絶望転生   作:出目金

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今回はエッチ控えめ、ローグ達の修行と周りの反応回になります。エッチな回も多くする様に致しますが出来るだけ早くリーリャとアイシャの救出に向かわせたいです。

アイシャとの本番行為は先になりますが、シルフィの様にしたいと考えていますが、小悪魔メイドアイシャの反撃も期待してください。


強化レッスンと歓迎される英雄

「んぅ?」

 

ローグは差し込む日差しに目を覚まし、両脇では静かに寝息を立てながら眠る2人の母の寝顔に癒やされ、もう1人の恋人の寝顔を見ようと顔を向けると、静かに息を押し殺し喘ぐエリスがいた。

 

「アッ…♥…ロディ、おは…よう……ン゙ン゙ン゙」ビクン

 

あまりに素晴らしい光景に寝起きで呆けていた頭が一気に覚醒した。同時にエリスのキツキツマンコの感触が伝わり射精してしまった。

 

「ン゙ン゙(やっべぇ、寝起きの射精…最高に気持ちいい)…悪いエリス、いったい何があったか聞いていいか」

 

「うっ!…アッ…イッ♥♥♥……うん、じちゅわね♥」

 

エリスが言うには少し前に急な快感に目を覚ましたらしく、俺の朝起ちチンコがエリスのマンコに挿入され、眠っていた俺達を起こさない様に今まで快感に耐えていたらしい。

 

「あぁ、悪かったなエリス」

 

「イィ…よぉ♥…私もぉ…ハヒィッ♥…キモチ良かったからぁぁぁぁん♥♥♥」

 

あまりにカワイイ反応に思わず笑いが溢れ、両脇の2人を起こさない様にエリスを抱き寄せて立ち上がる。

 

「ン゙ーーー♥」

 

所謂、駅弁スタイルになりエリスの奥に深く入る。体がより密着するので快感以上に温もりを感じる。

 

「アッ…イィ…ロディ、なんか優しい♥」

 

「昨夜は激しくしたからな…こういう甘いセックスも好きだろ…ンッ♥」

 

「ンッ♥」

 

触れるだけのフレンチキスをしながらエリスの腟内に再び射精した。まだ、エリスを抱きしめているとウトウト仕出し、昨夜の疲れが出てきてしまった。

 

「エリス…まだ少し早いからもう少し、眠りなよ」

 

「うん……ちょっと…寝るね」

 

穏やかな寝息でエリスは夢の中に旅立つ。残されたローグはエリスの寝顔を眺めながら、起こさない様にゼニスの胸とヒルダの尻の感触を堪能しながら、三人が目覚めるまでゆったりとした時間を過ごした。

 

 

 

 

「もう!…2人だけで朝から楽しむなんて…ズルいわよ!…でもエリスもすっかりロディの魅力にハマっちゃったわね」

 

「コレが若さかしら…もしかしたら孫が出来るのも案外、早いかもしれませんねエリス…フフ」

 

「うぅぅ///」

 

朝の湯浴みで、母2人から今朝の事で温かい視線を恥ずかしさで湯に沈んでいたエリスは話題を逸らすように顔をあげ早口で話すと風呂から退散していった。

 

「さっ!さぁて、今日からシャンドルに修行をつけてもらうから早く御飯食べて訓練所行かないとね!急げーー!」

 

娘の反応に顔を見合わせクスクスと笑いあっていたが、ゼニスが真剣な表情で話す。

 

「今回のロディの活躍で旅の資金や北神2世って最高の護衛も得られたけど、今後の方針も決めなきゃね」

 

「えぇ…ロディにばかり負担はかけられません。まずは紛争地帯を出る事が一番ですね。」

 

暫く、2人で話し後はロディやエリスとの相談で決めようと風呂を上がった。2人がホテルの食堂に向かうと多数の女性に囲まれ困惑するローグ、剣を抜き襲い掛からんとするエリス、そのエリスを羽交締めにして止める顔をアザだらけにするシャンドルと場は騒然としていた。

 

 

暫く前に戻る

 

 

 

ローグが風呂から上がり、三人を待っているとシャンドルが先に姿を見せた。

 

「やぁ、昨日はしっかり休めたかな」

 

「あぁ、おはよう…シャンドル、何か嬉しそうだな」

 

「まぁね、北神流を広める為に各地を巡りながら才ある者に指導をしているからね……君ほどの逸材に北神流を伝えられる…久しぶりに腕がなるよ」

 

「俺だけじゃなく、エリスもいるぞ…一応今まで修行をつけていた俺から見ても才能があるし、剣神流の王級剣士が家庭教師で修行をつけてたからな」

 

「それは楽しみだね!…でも、彼女は剣神流を基礎にしているようだね」

 

確かにと、ローグもそこを考えていた。エリスの戦闘の根幹は剣神流であり、無意識ながらギレーヌを意識した戦いになっている。ローグにより素手の戦術も仕込まれているが剣神流スタイルである事に変わりはない。

 

「まぁ、それは俺も考えてるんだよな……一応、素手の戦闘とか泥臭い戦法も教えてる」

 

「なら私が教えるのは剣士として基礎的な部分、後はひたすら実戦稽古で場数を踏ませる事かな…下手に北神流を教えてあの娘の良さを潰したくはないしね」

 

僅かな時間でエリスの特性を見抜く眼力にローグはシャンドルの指導者としての高い能力を見て縛りを結んで良かったと改めて感じた。

 

「それから、君に関してはどうする?」

 

「あぁ、俺の基本ベースは北神流だから技を中心に教えてくれ……それから不治瑕北神流もな」

 

「……分かった。もとより縛りが有るから断れないしね。でも、君の事についても色々教えて貰えるかな…そっちの方が指導方法とか色々考えられるからね」

 

ローグは内心でガッツポーズをしていた。原作ではあまり語られないが北神流の源流で魔王やベヒーモス、王竜王も倒した技をしれる。今後の戦いで必ず必要になる筈だと確信する。

 

「あぁ、エリス達が来るまで時間有りそうだし俺の事についても話して「「「「少し、宜しいでしょうか!」」」」はい?」

 

会話を遮る声に目をやると、其処には若い女達が揃っていて皆、容姿がよく美人揃いだ。タイプも様々で町娘から娼婦、金持ち令嬢、商人、傭兵と多種多様だ。居並ぶ美女達の後ろでミシェルが手を合わせて詫びのポーズを決めていた。

 

「朝から申し訳ありません。この宿に滞在していると聞きやってまいりました。私はこの街で商会をしているアミスと申します。良ければローグレス様と是非、お話を」

 

彼女の言葉を皮切りに集まる女性達の自己紹介が始まり、ローグとお近づきになりたいらしい。

 

「あぁ、ローグ私は向こうに行ってるよ!…彼女達の相手が終わったら声をかけてね」

 

面倒事は勘弁その場を離れるシャンドルに助けを求めるがシャンドルはにべもなく断った。

 

「前にも言ったけど、七大列強になればこの手の誘いは日常茶飯時さ…今のうちに自分でどうにかする手段を学びなさい。ただ女性関係は拗れると後が面倒になるから断るならキッチリ断りことだよ」

 

「おい!護衛だろ!何とかしろ」

 

「ヤバくなったら止めるよ…それまで自力で頑張って、コレも指導の一環だよ」

 

完全に助ける気のないシャンドルはその場を後にしてしまった。改めて女性達に向き直るとギラギラと輝く目に見つめられ女性には慣れている筈のローグでも腰が引けてしまう。

 

「えぇっと、俺に用があるって……何の用でしょうか」

 

「コホン…私は貴方と今後、取引をしたく…貴方も傭兵なのでしょ?ならば我が商会が装備や食料なども融通出来ます。如何です…それに、今なら私と一晩過ごせるオマケつきです」

 

金髪巻き毛のアミスはスリットから伸びる魅惑の太ももを晒し目配せをしてローグを誘い

 

「ワタシは、そこの成り金とは違って単純にアンタを誘いに来たのさ…紹介が遅れたがヨランダだよ…娼館を経営していてね!…どうだい、アンタなら無料で遊ばせて上げられるよ。ウチには若い女が山ほど居て選び放題さ、なんならワタシが相手でも構わいがね…ちょいと歳はいってるがワタシと寝た男は大金積んでワタシを求めてくるようになるからね。床の上なら七大列強相手でも満足させられるよ。」

 

アミスの隣から割り込む様に、煙管と鼻孔をくすぐる香水の匂いを纏うヨランダは夜の仕事らしく色気はあっても何処か品がある、胸元がパックり開いたドレスでペロりと蛇を思わせる長い舌を出す。

 

 

「わっ、私はシーラです!ウチ、食堂をやっていて…良ければ食べに来て下さい………いっ!今なら…私も……一緒に…召し上がって…頂け…ますが///」

 

服装は一番地味で白いエプロンをつけているシーラだが全体的細身で胸もこの世界の女性にしては小ぶりだが形は良く腰のくびれとピッチリした服装、なにより幼さを残す容姿は危ない性癖を刺激してくる。

 

「アッハハハ、こんな生娘が言ってんだ、オレも出すもん出さなきゃ出遅れちまうね!ローグレス、オレは傭兵をヤッてるグレタってもんだ、今度オレのチームに来ないかい…オレのチームは女ばかりで来てくれたらアンタのハーレムにできるぜ!」

 

豪快に笑いながら、傭兵らしい浅黒い肌と口調は荒くとも女と分かる巨乳に引き締まりプリッとした尻が堪らないグレタが自分と仲間を報酬として誘ってくる。

 

皆が薄着で胸や身体を強調する仕草でローグに擦り寄り、とうとう身体を密着させる者が現れた。

 

「はうぅぅ~!恥ずかしいよぉ///でも、お店を繁盛させる為に!……エイっ///」

 

一番大人しそうなシーラがローグの腕に抱きつく、そうすると彼女の慎ましいが確かな柔らかさを持つ胸がムニュっと形を変える。遅れて他の者達もローグに抱き着き耳元で囁いたり、シャツの中に手を入れ肌を撫で回したりする。

 

「如何ですかローグレス様…今晩私の寝室へ…鍵は空けてありますわ」

 

「へぇ~…流石は七大列強になるだけあって、良い身体してるね…それにミシェルから聞いたが未だ10歳なんだって♡ならワタシが女の良さを教えてやるよ…ホラ…ンッ♡どうだいまだまだ若い奴等に負けない柔らかさだよ」

 

ヨランダはローグの腕を取り自身の巨乳を揉ませ、続いてグレタはローグの膝に乗り自身の秘所をグリグリと擦り付けてくる。

 

「マジかよ、10歳ってまだガキじゃねぇか!……まぁ身体やコッチはシッカリと男みたいだがな♡へっへっズボン越しでもわかるぜ…中々のデカさじゃねぇかよ」

 

朝から食堂が怪しい空気になり周りの客達が遠巻きにしていると丁度食堂に入って来たエリスにガッツリと女性達と絡む姿を見られたローグは血の気が引くのを感じた。

 

「???……ロディ………!!!!ガアアアア」

 

一瞬呆気に取られたが、頭の血が瞬時に沸き立ち爆発したように剣を引き抜いたエリスが襲い掛かる。

 

「おっと、エリス…落ち着いて、コレはローグが自分で解決っっぶはあ!!」

 

エリスの一撃を容易くいなし、落ち着かせようとするが返す一撃がシャンドルの顔面を捉え鼻を潰す。だがそれで怯むシャンドルではなくエリスを羽交締めにして制圧するが動く手足や頭突きで顔にアザを作っいき、丁度良いタイミングでゼニスとヒルダが来て最悪の流血沙汰は回避された。

 

流石に不味いと思ったミシェルの一声で女達は解散させられ食堂内に静寂が戻るとエリスがローグにガッと抱き着いてきた。まさか絞め殺されるのかとビクついていたがエリスはローグの首筋や頬にキスをしたり自分の身体を擦り付けたりしてきた。

 

「えっ、なに、エリス」

 

「黙って……!」

 

スンスンと鼻を鳴らしローグの匂いを嗅ぎながら暫くしてようやくエリスが離れる。

 

「コレで良い…あのメス達の匂いが消えた」

 

「……エリス、怒ってないの?…俺に」

 

「?なんでロディに怒るのよ」

 

「だって…さっきは凄く怒ってたし」

 

キョトンとしていたがローグの言いたいことを察して顔を赤くしながらボソボソと話し出す。

 

「ロディには……怒ってない…あの集っていた連中はムカつくけど……それに、ロディのこと信じているから……ちゃんと…約束///……してくれたから♡」

 

エリスは昨晩の誓いの証である左手の薬指を愛おしそうに撫で、小さく微笑んでいた。コレにはシャンドルも驚いた、タダの子供の恋愛ではなくエリスからはローグに対する全幅の信頼と揺るがない愛情があったからだ。

 

「エリス」

 

ローグも彼女がここまで深い愛情を抱いているのは予想外であった。嬉しさのあまり、エリスを抱き上げ自らの膝に乗せ、これでもかと抱き締め身体を擦り付けていく。

 

「キャッ、ちょっ///ロディ」

 

「ゴメン…エリスが可愛すぎる♡…しばらくこのままにさせて」

 

「やっ///匂いかぐなぁ…アッ♡胸に顔グリグリ…ダメぇ///マッ…ヤァァァ」

 

10分ほど彼女の匂いや温もりを堪能したローグは満足気にエリスを離してあげたが、エリスは真っ赤になり恨めしげにローグを睨むが、何処か嬉しそうにしている。

 

「ハハハ、2人の仲の良さは理解したよ!…それじゃ、今後の修行方針と君達がどう行動するのか話し合いといこうか」

 

「そうね…さっきの彼女達がなんなのか…後でゆっくりと聞くとして、今は今後の話ね」

 

「ええ、ロディには後で話をする必要がありますが…今はこれからについてですね」

 

他2人の想い人からはギラリと光る目に睨まれ背筋がヒヤリとするがシャンドルに悟られまいと平静を保ち早速、今後の方針を決める会議が始まった。

 

「とりあえず、しばらくはラグサラの紛争が落ち着かないと此処から動くのは難しいよな。シャンドルはどう思う。俺達はアスラ王国のフィットア領に帰るのが今のところの目的なんだ。」

 

「そうだね、私や仮に護衛がローグ君1人なら紛争地帯を抜けるだけならわけないが……他3人を護衛しながらだと難しいね……護衛もそうだが単純に進む速さがね…私は紛争が激しい場所を避けながら周り道しても問題ないが周り道すると厳しい道のりは険しく、人里も少ない…食料問題も出てくる。」

 

「やっぱり、紛争が落ち着いて正規のルートを通る方が危険も少なく、結果的に最短で抜けられそうね。」

 

「すみません。私が足手まといになっているようで」

 

ある程度の自衛が出来る様になっているエリスや治癒魔術を使えるゼニスに比べ出来る事の少ないヒルダが申し訳なさそうにするがすかさずゼニスとエリスがフォローを入れ、ローグも助け舟を出す。

 

「気にしないで下さいヒルダさん…正直に言えば確かにヒルダさんの出来る事は少ない…でも紛争地帯を抜ければヒルダさんやエリスの存在はかなり重要になってきます。」

 

ヒルダ達の存在は大きく原作では触れられてはいないが貴族である2人の存在は重要でエリスを妾に迎えようとする描写があったり名門である2人は利用価値があり貴族達からしたら確保しておきたいカードであるはずだ。だがそれをはっきりとは伝えない様にしたが貴族出身であるゼニスやヒルダ、貴族の後ろ暗さを知るシャンドルはローグの言わんとする事を理解していた。

 

「……まぁ、色々問題はありますが、どちらにしても2人の捜索団が組織されているはずですから、それにゼニス師匠のご実家の事もあります」

 

「あっ、確かゼニスのご実家はミリスのラトレイア家」

 

「そうね……もしかしたらあり得る話かもね。」

 

実家を飛び出した身であるゼニスは複雑な気持ちだったが、それでも家族捜索の一助になるならと希望を持っていた。

 

「では、一番近くの国のシーローン王国を目指しましょう。捜索団が出来ているなら冒険者ギルドにメッセージや捜索依頼書があるはずです、ご家族の情報やフィットア領の情報も知れるはずですから」

 

「それが良いわね…でも、何時になればこの国を出られるのか」

 

「一応、王都に呼ばれているしその時に聞いてみた方が良いかもね」

 

「では、今しばらくはこの街に留まらないといけませんね。」

 

「……フィットア領にはまだ帰れないのね。お祖父様…ギレーヌ…ルーデウス…大丈夫よね」

 

エリスがポツリと呟き、自分と近しい3人の名を呼び、ローグに縋るように尋ねた。ローグはギレーヌなら無事であろうと思っていた。だがサウロスは既に処刑されている事を原作知識で知っていたし、ルーデウスもエリスがこちらにいて原作より不味い状況になっていないか一抹の不安はあるが今は下手な事を言えない。

 

「大丈夫だよ、ギレーヌが強いのはエリスも知っているだろ…ルーデウスの事は俺も良くは知らないけど話を聞く限りじゃ魔術なら多分俺より上じゃないか…サウロス様は現段階ではなんとも言えない……だけど信じよう。それに心配しているのは皆同じだ、俺達も皆の心配を一日でも晴らす為に必ず生き残ろう!……心配は要らないエリス、ヒルダ様、俺が2人を必ず故郷に送り届けるから」

 

強い決意の眼差しのローグの言葉でエリスとヒルダの不安は少しだけ晴れる。そして、あらかたの行動方針を固め、次にエリスとローグの修行に移っていった。

 

「さっき、ローグとも話したけどエリスは北神流は教えず、剣神流で強くなる方が良さそうだ。だが戦いの戦術や実戦の稽古でビシバシ鍛えていくからね」

 

「ふ〜ん、シャンドルは技とかは教えてくれないのね。」

 

「技に関しては俺がいくつか教えられるよ、光の太刀は無理だけど他の技はパウロ師匠のを見て覚えているからね」

 

ローグからも修行を受けられると聞きエリスは満足気に頷いた。

 

「そして、ローグレスには北神流の技と不治瑕北神流を教えていくよ。そして、エリス同様実戦稽古で技を高めてもらうよ」

 

「あぁ、それで良い…だけど今後の為に魔術の訓練も取り入れたい。正直、最近は剣の訓練ばかりで魔術の方が進んでいないからな」

 

「あぁ、私も魔術は勉強中でルーデウスから初級までしか習ってないのよね」

 

「あら!それなら私が教えてあげるわよ、ロディには教えられる事は教え終わっちゃったし」

 

「私は出来る事はないですが、何かサポートや手伝いが有れば言って下さい。出来ることは何でもしますから。」

 

「魔術か、生憎私は魔術は専門外だからな」

 

「それは大丈夫、色々考えていて独学で試しながら訓練していくよ。シャンドルには実戦での実験台になってほしくてね」

 

実験台と言ったロディに3人はサーッと青くなる。まさか、あの優しいロディが人を実験台に魔術を使うと言い出したのだ。だが当のシャンドル本人はあっけらかんとして了承した。

 

そのアッサリとした態度に3人はこれまたポカンとしていた。気づいたローグは慌ててフォローを入れた

 

「アッ!ゴメン、3人には言ってなかったけどシャンドルは不死魔族の血筋で切られても燃やされても死なないんだよ。傷も直ぐに治るんだよ。」

 

ホラと指先シャンドルを見て3人はある事に気がついた。

 

「傷が…鼻へし折るくらい思いっきり殴ったのに」

 

「本当に治癒なし…後も残らないのですね」

 

「不死魔族、文献やお話でしか聞いたことなかったわ…冒険者時代でも見たことなかったし」

 

皆、一様にシャンドルを見ていた。サラッと今後の剣の師匠になる相手に遠慮なく拳を振るうあたりエリスも肝が太い。

 

 

 

訓練所で木剣を持ち互いに向かい合う。

 

 

「じゃあ、先ずは2人の実際の実力を見せてもらうよ、1人ずつでも2人掛かりでも構わない…さぁ来なさい!」

 

言い終わると残像を残す勢いで赤い影が駆ける。

 

「ハアアアッ!」

 

剣神流の十八番である一撃必殺の勢いで突っ込んでいく、並の使い手ましてや上級剣士でも交わすのが難しい一撃を簡単にいなす。

 

「思いっきりは良い…だが交わされればスキが!」

 

態勢を崩されたエリスだが瞬時に身をよじり、さらなる勢いをつけた蹴りがシャンドルの足をめがけ飛ぶ。

 

「シッ!……チィッ!」

 

だがその攻撃もシャンドルは僅かな動きで交わしてみせた。それからも積極的に攻撃を続けるが全てを軽くいなされ、エリスは体力を削られていった。

 

「ハァハァハァ」

 

「…だいたい分かった。終わりにしよう」

 

そう言うのと同時に放たれた横薙ぎの一撃がエリスの腹に決まり訓練所の端まで飛ばされた。即座にロディの風魔術でクッションを作り余計な怪我を防いだが、完全に気絶していた。ヒルダが心配そうに見守る中ゼニスの治癒で傷を治していた。

 

「安心しなさい。アザが出来る程度のダメージさ……それじゃあ、君の実力見せてもらうよ」

 

エリスとやった時より数段圧力が増していき、ローグも格上との戦いに死神と戦った時以上に神経を研ぎ澄ませる。互いに向き合う静寂を切り裂く様にローグが斬りかかる。

 

「シッ!」

 

鋭い一閃もシャンドルは防ぎきり、エリスの時とは違い剣を弾くとローグに一撃をみまう。だがローグも負けじと流による受け流しでカウンターを食らわせた。

 

「水神流もいけるのか、剣神流の技も知っている様だし器用なものだ。」

 

ローグの攻撃はシャンドルの腕を砕くが即座に再生され、ダメージにならない。そこからはひたすら打ち合いが続き決定打にならず、膠着状態が続いたがローグの得意とする奇抜派の技が事態を動かす。

 

「プッ!」

 

驚異的な肺活量で繰り出された礫がシャンドルの左眼を潰した。すかさず死角となった左側に回り込んだローグが足を斬り、膝をつかせると未だ回復しきれず閉じられた左側から頭を潰し行動不能にしようと、大上段の構えから振り下ろした。

 

 

「…ディ…ディ…ロディ!」

 

「……ンッ…アァ…あれ、なんだ」

 

誰かの呼ぶ声に目を開けるとエリスが心配そうにローグの名を叫んでいた。未だフラつく頭を起こすとゼニスやヒルダも側にいて、シャンドルが剣を肩に担ぎ確認する様に質問してくる。

 

「ローグ…此処はどこで、何をしていたか覚えているかい」

 

「えっ…訓練場で…シャンドルと訓練を……!あぁ、そうか…クソッ…悪いシャンドル、剣を振り上げた先から記憶がない…俺はどうなったんだ」

 

「あぁ、君は」

 

 

 

「ハアアア!!」

 

ローグの渾身の一撃がシャンドルに決まる……ローグや遠巻きに見ていたゼニス達も勝ちを確信したが気づいた時にはローグの溝内にシャンドルの突きが決まりローグが力なく沈んだ。

 

「えっ?」

 

「なっ!…何故…ロディが勝ったと思ったら」

 

「ロディ!!」

 

途中から目覚め、ローグとシャンドルの勝負を見守っていたエリスが飛び出し、ローグを抱き起こす。

 

「エリス…気絶している…無理に起こさず、膝を貸して寝かせて上げなさい…ゼニスさん、骨なんかは折れてはいないと思うが一応、治癒を頼みます。ヒルダさんはホテルから飲み物を貰ってきてもらえますか」

 

そして、暫くしてローグが目を覚まし今に至る事を説明された。だが何故自分が負けたのか分からず、シャンドルに説明を求めた。ヒルダが持ってきた飲み物で一息つき、2人の今後の課題と訓練の話をした。

 

「先ずはエリス…君には矢張り剣神流を鍛えた方が良い…下手な北神流は君の良さを潰す、だが剣の基礎と北神流相手の立ち回り方、魔物や対人での戦い方の違いを教えるよ。やる事が多く厳しくいくつもりだが、訓練を乗り切れば聖級剣士並みの実力になるのは保証するよ」

 

「上等よ!聖級なんて言わず、王級剣士に勝てるようになってみせるんだから」

 

「そのいきだ!…でも油断や慢心はダメだよ…まぁ、体が成長しきっていないから、頭打ちになる時は来るけど技や戦い方は実戦形式で鍛えるから体格や力で勝る相手にも対抗出来る様になるよ」

 

「要はさっきみたいに沢山試合をしながら覚えれば良いってことね!」

 

「まぁ、そうだね…それとローグだが、はっきり言って戦い方は奇抜派を基準にしているが純粋な剣の技量も高いし、今回は見られなかったが魔術や体術も使えるなら、特別な訓練は要らない、技の指導と不治瑕北神流の伝授、後はエリス同様、実戦での稽古になる」

 

「それは了解だが、なぁシャンドル…俺はさっきの試合どうやって負けたんだ」

 

「……さっきの試合だが、まさに君の弱点が露呈していたよ」

 

「弱点?」

 

シャンドルが言うにはさっきの試合で俺が目を潰して来た時からシャンドルの仕掛けが始まっていて、足を斬られ膝をついて頭の位置を低くしてワザと俺の攻撃を誘ったらしい。

 

「でも俺が頭を狙う保証なんて無いだろ」

 

「いいや…君は私が不死魔族だと知っているし、殺せないなら戦闘不能にする必要がある…ならば頭を潰す…君はそう考えていたんじゃないか」

 

シャンドルの考察はまさに、ローグの思考を読み取っていた。シャンドル曰く、俺の戦い方は効率的で僅かなスキすら見逃さす、相手を殺すやり方に特化されていて、場数を踏んでいる手練れなら簡単に動きを予想出来るらしい。

 

「先程の戦いも私の目が見えない場所から、トドメを差しに来た。あの時、私の目は回復していてね…それに気づかれないよう目を閉じていた…案の定君は一撃で決めようとスキを晒し、ガラ空きの胴に一撃を決めて気絶させたんだよ」

 

「それに君はランドルフとの戦いでも、彼の策略に絡め取られ深手を負った……分かるかい、君に足りないのは格上との戦いと経験だ。どんな才能も厳しい環境で鍛えなければ簡単に折れてしまう。」

 

シャンドルの一言一言にローグやエリスも膝を付き、真剣に聞き入っていた。自分に足りない物や知識を吸収する様に、その貪欲に強さを求める姿勢、僅かな不安を抱きシャンドルは問うた。

 

「君達の強さを求める姿勢は立派だ……だが、何が其処まで君等を動かすのか…修行に入る前に聞かせてほしい」

 

「守る為よ!……もう、失わない…奪われない…その為の強さ!……それが私の求めるモノよ」

 

「俺もエリスとだいたい同じだ…でも付け加えるなら…未来を描く為だ。俺が求める幸せには力が必須になる……だから、俺や俺の守りたい人達の未来を作る為に強くなる。」

 

2人の答えは、シャンドルの危惧するモノではなくかつての名声や栄光を求めた自分や英雄への憧れを求め続ける息子とも違い、嬉しそうに胸を撫で下ろした。

 

「(ただ大切な人の為にか……ローグ、君はそれほどの才能がありながら)…フフ、2人共…良い答えだ。では今日より修行に入る…責任を持って君等を強くしてみせるよ」

 

その日は、丸一日シャンドルとの実戦稽古でローグとエリスはひたすらにボコボコにされた。流石は北神2世で経験と実力が段違いで2人はあしらわれしまっていた。

 

 

 

 

ミリス首都ミリシオン・冒険者ギルド本部

 

ギルドの一室でフィットア領捜索団の指揮を取るパウロの元に一つの情報が上がって来ていた。

 

「この情報は、確かなのか」

 

「はい…ですが、石碑が変わったのは確かですが何処の誰かとは、はっきりした事はいまだ」

 

「……そうか…ご苦労だった、下がってくれ」

 

報告を上げに来たギルド職員を退室させ、1人になったパウロは顔を覆い、深く息を吐いた。そして、手にした報告書を読み今まで見つからなかった家族の情報に安堵した。

 

「最初は何がなんだか分からなかったが……無事で良かったぜ…ロディ!それに、この情報も確かならゼニス達も無事って事だよな」

 

七大列強の石碑の情報の他に、最近中央大陸南部で囁かれる吟遊詩人の詩で日ノ神に関する詩の中に見目麗しい2人の美女と美少女の話があり、パウロはゼニスやリーリャ、アイシャの事ではと思っていた。

 

だが詩ではローグが死神を倒したという曖昧な情報だけで何処にいるのかは未だに特定出来てはいなかった。だからパウロは南部の冒険者ギルドに伝言を送る事にした。コレなら皆が気づいてくれるだろうと。

 

「ハハハ、ロディ!お前は自慢の弟子だ……再会出来たらノルンやアイシャとの婚約、マジで考えないとな。」

 

久方ぶりの朗報にパウロはノルンの待つ自室へと帰った。いずれ会えるであろう家族の無事を話す為に。

 

 

 

アスラ王国・王城

 

「アリエル様…本当なんですか!この石碑の名前」

 

「はい、石碑の名前はその者が戦いに敗れたり、死んだりしたら変わるようなので……コチラに新たに記されたローグレスという方は、少なくとも死んではいないと思われます」

 

アリエルの自室にて白髪のエルフの従者は報告書を読み涙を流す。アリエルはそんな彼女をそっと抱きしめ背中を擦ってあげた。

 

「良かったですね……シルフィ」

 

「ゔん、ゔん」

 

暫く泣き腫らしたシルフィは何処にいるのかアリエルに聞いたがアリエルも居場所の詳細な情報は掴めていないとし話を終えて、今日はもう休むようにとシルフィを下がらせる。部屋にアリエルと守護騎士のルークだけになるとルークが訝しみながら尋ねた。

 

「良かったのですか?」

 

「何がです…ルーク」

 

「シルフィに本当の事を伝えなくても良かったのですか……大凡の場所は掴めているのでしょう」

 

「フフ、まるで私がシルフィに嘘をついたような言い草ね、確かに大凡の場所の見当はついていますが…はっきりとした確証はありません。それに、場所が場所だけに今シルフィが飛び出して行ったとしても無事では済まないでしょう」

 

「納得しました…それに、今シルフィにいなくなられるのはコチラとしても困りますから」

 

「大変心苦しいですが、今の私達には1人でも信頼出来る仲間が必要です。それに、シルフィが言うにはローグレスさん本来ならラノア魔法大学にいく予定であったようですし、それならいずれ会えるでしょう。」

 

現在の王位争いでアリエルの立場は苦しく、何度も暗殺の危機にさらされていた、その為に国外への脱出と王位争いの為の人脈作り、自らの陣営に加わる人材探しの為にラノア魔法大学に向かう計画を立てていた。

 

「そして、あわよくば我らの陣営に引き込むおつもりですか?」

 

「ええ、近年は形骸化しているとはいえ強者の称号でもある七大列強に位置づけられる方なら、心強いと思いませんか」

 

「……アリエル様の決定なら従います」

 

「何か不満がありそうねルーク……言いたいことは言って下さい。その方が私も助かります。」

 

「ならはっきり言わせていただきますが、ローグレスと言う輩は信用ならないと言うのが俺の意見です。」

 

ルーク曰く、シルフィと同じ歳の奴が七大列強を下したなどありえない、何かの間違いか死神が弱っていたり真っ当に戦って勝ったわけではないのではないかと云うのがルークの考えでだ。

 

「……確かに、冷静に見ればそれが真っ当な考えですね……ですが、もしも本当に実力で死神を下し勝ったとすれば」

 

「……素性の知れぬ相手です」

 

「はい…ですが、私は信じているのはシルフィです。彼女が信頼する相手なら一度くらい会って話をするのも良いのではないですか……ねぇ、ルーク…貴方もシルフィの事なら信じてあげられるのではないですか」

 

ルークもここ数ヶ月でシルフィに助けられた事は多く、自分を含めたアリエルの数少ない仲間だと信じていた。そんな仲間の名を出されたら信じるしかなかった。そんなルークの様子をアリエルは悪戯っぽく笑い

 

「フフフ、納得して頂けてなによりです……出会える日を楽しみにしていますね、ローグレス・クレイブスタッド」

 

 

 

 

 




シルフィは原作通りアスラ王国にいます。しかも原作と違い、強さが数段上にいて現在は聖級相手に粘り足止めが出来ます。

原作開始では聖級クラス、王級相手でも逃げ切れる実力になります。

これによりアリエル陣営の被害は原作より軽くなります。ちなみに、ルークは最初シルフィに手を出そうとしましたがローグがいるからとキッパリ断っています。

原作とは違い、ロリ美乳シルフィに食指が動きましたが恩人でありアリエル陣営の最高戦力なので無理に迫りませんでした。
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