無口な幼馴染の「お店ごっこ」で身も心も搾り取られる話 作:松木ユキ
「私の好きなところ、一つ言って……」
真衣はこちらに視線をくれないまま。静かに呟いた。好きなところ、なんていくらでも言えるのに。
「真衣」
「な、なに?」
名前を呼んだら、こちらを向いてくれた。何を言うべきだろう。たまに見せる優しい笑顔も、黙々と本を読む姿も、幸せそうにお菓子を頬張るところも、みんな好きなのに。
「……ひとつだけで、いいの?」
「!」
真衣は驚いたように目を丸くして、さらに顔を赤くした。予想外だったらしいな、可愛い。
「も、もっとあるの?」
「あるよ。真衣のこと、好きだから」
「~~!」
恥ずかしそうに視線をきょろきょろさせ、おどおどと戸惑う真衣。でも、敢えて一つに絞るなら――
「ずっと一緒にいてくれてるところ、かな」
「えっ?」
「俺なんか別に大した男じゃないのに、ずーっと一緒だからさ」
本音を言ったつもりだったのだけど、真衣はきょとんとしていた。……そんなに変なこと言ったかな?
「か、カズのばか!」
「なんで!?」
「うるさい! ちんちんおっきくしてるくせにっ!」
「!?」
真衣は真っ赤な顔で大きな声を上げ、頬を膨らませた。なんだよ、何に怒ってんだ? ってか、「料金」はこれでいいのかな。
「あ、あのさ」
「なに?」
「『料金』はこれでいいの?」
「!」
そう尋ねると、真衣はハッとしたようにこちらを見た。
「……ぬ、脱いでほしいの?」
「うん」
「……えっち」
自分でそういうオプションを作ったくせに、なんとも自分勝手なオーナーだなあ。なんて思っていると、ベッドに座ったまま、真衣は自らのTシャツに手をかけた。
「んしょ……」
ゆっくりと、真衣の柔らかそうなお腹が姿を現す。触らなくても分かるようなすべすべの素肌に、小さなおへそが見えて可愛らしい。そして――
「!」
真っ赤なレースのついたブラジャーに包まれた、二つの豊満な膨らみが姿を現した。めちゃくちゃ巨乳、というわけではないけど……しっかりと谷間もある。隙間に手を突っ込みたい。
「み、見すぎ……」
「真衣、意外とおっぱいおっきいんだな」
「こ、これっておっきいの?」
「なんで俺に聞くんだよ」
シャツを脱ぎ終わった真衣は、俯いたままぼそぼそと言葉を紡いでいた。そしていったんベッドを下りて、こちらに背中を向けた状態でズボンに手をかける。少しずつ、同じく赤い下着に隠されたお尻が見えてきた。……綺麗な曲線だなあ。
「あ、あんま見ないでってば」
「だめなの?」
「だめじゃ……ない……けど……」
やがてズボンを脱ぎ終えた真衣は、シャツと一緒にそれを畳んで、床に丁寧に置いた。こちらを向いたかと思えば、今度は片足をあげて靴下を脱ぎだす。
「んしょ……」
少し開いた股の部分が見えて、ドキリとしてしまう。な、中身が見えてしまうんじゃないかと心配しちゃうな。いや、別に見えたって……いいんだけど。
「な、なんでまたおっきくなってるの?」
「べ、別に!」
真衣が俺の竿を見て首をかしげていたので、慌てて誤魔化した。……って、真衣の立ち姿は本当に綺麗だな。足も長いし。
「……ふふっ」
「なに?」
「私も裸みたいになっちゃったから……」
照れ臭そうに笑う真衣が、ベッドに腰かけた。さっきは緊張しているようだったけど、今ので気持ちがほぐれてたのか、置いておいたローションの容器をいそいそと手に取っている。
「ごめんね、待たせて」
「い、いいけど」
真衣は俺の左隣に座ったまま、じっとこちらを見た。そして左手で容器の蓋を取り、右手にローションをたらす。……いよいよ始まるんだと思うと、心臓の動きが速くなる。
「じゃ、いい?」
ローションを握りしめるように、右手になじませる真衣。その手つきはまるで本職みたいだ。いや、本物の風俗なんか行ったことないけどさ。
「んしょ……」
そして、真衣はとろりとした液体に包まれた右手で――俺の竿に手をかけた。真衣の熱で温まったローションに包まれ、体がゾクゾクと震える。
「ま、真衣っ……!」
「気持ちいい?」
「う、うん……!」
「これ、剥いちゃうよ……?」
真衣はそのまま亀頭の方に手を動かしていき、指先で包皮をつまんだ。ローションで竿先を包み込むようにしながら、ゆっくりと皮を剥いていく。その感触が竿全体から伝わってきて、腰が浮きそうになる。
「ん……!」
「カズ、痛かったら言ってね」
そして、真衣は右手全体を使い、肉棒を上下にしごき始めた。亀頭の方を丹念に撫でまわしたあと、徐々に根元の方に手が下ろされる。自分でするのとは違って、力の入り方もテンポも新鮮に感じられた。
「ま、真衣……!」
「ごめん、『新人』だから下手だよね」
「いやっ、気持ちいいよ……!」
「本当?」
「う、うん……!」
辛うじてそう伝えると、真衣はポッと顔を赤くして、はにかんだ。褒められるとは思っていなかったんだろうな。実際にはちょっとつたないところもあるけど、幸せだと感じるくらいには気持ちが良かった。
真衣は徐々に手の動きを速めていく。ブラジャーに包まれた膨らみが微かに揺れて、思わず唾を飲みこむ。ローションが擦れてくちゅくちゅと音が鳴り、耳からも
「お、お客さん」
「ん?」
その時、じっとちんこの方に集中していた真衣が、俺の方を向いた。そういや「お店ごっこ」だったな、なんて思っていると――
「簡単なリクエストだったら、サービスしてあげるからね……」
一所懸命に肉棒をしごきながら、真衣は振り絞るように呟いた。手つきは少しぎこちないし、お客との会話も少ない。たしかに「新人」ではあるのだろうけど……それでも頑張って尽くそうとしているのは伝わってくるから、それが何より愛おしかった。
「じゃ、じゃあさ……」
「うん」
「おっぱい、触っていい?」
「そ、それはだめっ! オプションだからっ!」
真衣は空いた左手で胸を覆い隠し、むっと頬を膨らませる。ちえっ、ダメかあ。こんなものを見せつけておいて触れないなんて、生殺しにもほどがある。
「えっと、じゃあさ……」
「ん?」
「た、玉の方も触ってくれる?」
少し意外な提案だったのか、真衣はまたきょとんとしていた。しばらく考え込んで……やがて、静かにうなずく。竿に伸ばしていた右手が、ゆっくりと下の方に下りていくと……金玉の方から、電撃のように快感が走った。
「ッ!」
「こ、これがいいの?」
「うん……!」
「へっ、変なのっ」
竿をローションでぐちゅぐちゅにするより、金玉を軽く触る方が真衣にとっては恥ずかしいらしい。それでも、真衣は丁寧に玉をローションで包み込んでくれて……その快感で、ちんこが一段と硬くなった。
「カズのえっち……」
口ではぶつぶつ言いながら、真衣は丁寧に「サービス」してくれている。右手が乾いてきたかと思えば、左手で器用にローションの蓋を開け、また右手に垂らした。
真衣が、ずっと好きだった幼馴染が、俺を気持ちよくするためだけに頑張ってくれている。そのことがどれだけ幸せで、どれだけ嬉しいことか。もっと真衣に触ってほしい。もっと――真衣のことが知りたい。
「な、なあ」
「ん?」
「体勢、変えてもいいかな?」
「いいけど……どう変えるの?」
どうやら体勢を変えるのはオプションには入っていないらしく、サービスしてくれるみたいだな。……ちょっと恥ずかしいけど、今更だ。俺は後ろに手をついて、ゆっくりと身体を起こす。
「か、カズ? どうしたの?」
「真衣の顔、もっと近くで見たい」
「えっ?」
「……真衣、そっちで体育座りしてみて」
ベッドの向こうの端っこを指さし、そちらに移動するように促す。真衣は不思議そうな表情を浮かべながらも、黙って従ってくれた。
「んしょ……これでいい?」
ローションのついた右手を宙に浮かせたまま、体育座りする真衣。俺がその両膝を持つと、真衣は驚いて目を丸くした。
「な、何するの!?」
「真衣、足開いて……」
「やっ、やあっ……!」
左手で真っ赤な顔を覆い隠していたけど、真衣は抵抗することはなかった。M字開脚のようにして、真衣の股の部分を露わにしてやる。
「は、恥ずかしいってば……!」
真衣の秘部が目の前の真っ赤なパンツに隠されていると思うと、途端に想像を掻き立てられた。布の素材の脇から、僅かに縮れた毛が何本か姿を現していて――クロッチの部分には、五百円玉よりも大きい染みが出来ていた。
「真衣、これって……」
「見ないでえ……」
顔から火が出そうになっている真衣が……本当に可愛くて仕方がない。自分だけが気持ちよくなっていたから、申し訳なかったけど――真衣もしっかりと興奮していることが分かって、安心している自分がいた。
「真衣……」
こんなものを見せられたら、我慢なんか出来やしない。急かすように、求めるようにして真衣の方に寄っていき――俺も両足を開いて、至近距離で向かい合った。
「ち、近いよ……」
「だめかな?」
「だめじゃ……ない……」
そう言って、真衣はまた俺の竿先に手を伸ばした。さっきローションが足されたばかりだから、重めの感触がちんこを包み込んできて――骨の髄に染み渡るような、そんな快感を覚えた。
「んっ!」
「カズ、頑張るから……!」
照れ隠しのつもりか、真衣は両手で竿の周りに輪を作った。それをこすり上げるようにして、俺に快感を与えてくる。
「ま、真衣……!」
「これ、気持ちいい?」
「ん、うん……!」
なんだこれ、自分じゃやったこともない快感だ……! 真衣が無遠慮に手を加速させるものだから、股間から絶え間なく波が来るようで、苦しさすら覚える。
「あっ、それヤバっ……!」
目の前のおっぱいが、快感と同期してぷるぷると震える。赤い下着に出来ていた染みが、時間とともに大きくなっていく。真衣が息を切らし、「んっ」と小さな声を漏らす。
視覚と聴覚、そして触覚。多方面から集約された情報が、脳内でとりまとめられて……引き換えに快楽物質がばらまかれているような気分だった。
「ちょっ、真衣っ……!」
「で、出そう?」
「んっ……!」
その時、体の芯から一段と大きな衝撃を感じた。内からせりあがってくる快感そのものに、自らの身体が押し上げられそうになる。真衣は右の手で竿をいじめながら、左の手のひらで亀頭を撫でまわしていた。
「ごめっ、出そうっ……!」
「ん、うん……!」
「あっ、イくっ……!」
次の瞬間、奥深くから湧き上がってきた快感が身体を突き抜け、頭の方に抜けていった気がした。それと共に、竿の先に液体が走るのを感じて――見たこともない速さで、白濁液が飛び出てくる。
「やっ、あったかっ……!」
勢いそのままに、白い液体は真衣の腹部を汚していった。俺の体温を感じたのか、真衣は僅かに体を跳ねさせ、甘い声を漏らす。
「ごめっ、止まんなっ……!」
自らの奥深くから湧き出る生そのものをコントロール出来ず、ただただ快楽に身を任せる。お腹全体に精液がまとわりついた後、少しずつ射精の勢いが弱くなる。最後には、真衣の秘部を包む鮮やかな赤に白い線がついて、クロッチの染みと交わった。
「はあっ、はあっ……」
「か、カズ……」
俺たちは向かいあったまま、ただただ息を切らすばかりだった。真っ白になった頭の中に、徐々に色が戻ってきて、目の前の幼馴染の姿にハッとする。
お腹にかかった白濁液が、重力にしたがって垂れていき、下に敷かれたバスタオルに雫となって落ちていく。可愛いおへそにも白い液体が少しだけ溜まっていて、そこからさらに股間の方に向かって流れていた。
「ごっ、ごめんっ! そのっ、かけちゃって……」
「……」
真衣は俺の顔から目をそらし、無言を貫いていた。……何も聞かずに出しちゃったけど、まずかったかな。何も言ってくれないので、俺はなんだか不安になってしまう。
「ま、真衣?」
「……オプション」
「えっ?」
「おっ、オプションだったの! ……『ぶっかけ』って名前の」
やべっ、そうだったのか。……お金を払わずにオプションを使うなんて、いくらなんでもまずすぎる。本物の店だったら怖いお兄さんが出てくる場面だよな。
「ごめん、その……東京湾だけは勘弁して!」
「な、なんのこと?」
「えっ?」
困惑していると、真衣は俺の横をすり抜けるようにして、枕元にある箱ティッシュを手に取った。そしてそっぽを向きながら、俺に手渡してくる。
「その……りょ、料金を払ってくれればいいから」
「料金って?」
「……拭いて」
「えっ?」
「『ぶっかけ』の料金は、優しく拭いてくれること……だから」
そうか、なるほどな。自分で出したもんだもんな、自分で始末するのが当然か。
「分かった、拭くからちょっと待ってな」
「うん」
俺がティッシュを受け取ると、真衣は静かに目をつむった。適当に何枚か取って、真衣のお腹に当てる。
「んっ……」
真衣が微かに嬌声を漏らした。ぬるっとした精液を拭くたび、身体が小さく震える。……こんな刺激でビクビクしちゃうあたり、真衣も意外とむっつりさんなのかもしれないな。やっぱり、俺の幼馴染は可愛い。
お腹全体を拭いたあと、パンツについた精液もしっかりと拭き取った。何枚か追加でティッシュを取って、自分の竿についたローションも拭っていると、いつの間にか真衣がビニール袋を用意してくれていた。
「準備がいいな」
「お店……だから」
本当に、新人の割に気が利くなあ。なんて感心していると――タイマーの音がけたたましく鳴り響いた。
「「わっ!!」」
二人してびっくりした後、互いに目を丸くして顔を見合う。変なところで息が合うな。やっぱり、幼馴染だなあ――
「さ、サービス終わりだよ」
「えっ?」
「時間切れ。ほらカズ、早くお洋服着て帰って」
「!?」
急にシビアになったぞ!? そういや「お店ごっこ」だったけどさあ! いいじゃん、そこまで厳密に再現しなくても!
「そ、そんなあ……延長とかないの?」
「べ、別料金だけど」
「今度は何すればいいの?」
「十分で五千円」
「普通に金取るのかよ!?」
「冗談だよ、もー……」
真衣は女の子座りのまま、くすくすと笑った。あー、可愛い。下着姿も本当に可愛い。なんだかもう訳が分からないけど、ただただ可愛い。
「分かったよ、帰るって」
「うん。
その言葉にドキっとした。そうだっ、まだまだ解禁されてないオプションがいくつもあるんだ。……ってことは、
「ま、真衣」
「なに?」
「次は……どんなオプションをしてくれるんだ?」
「んー、秘密」
真衣は人差し指を口元にあてて、いたずらっぽく微笑んだ。秘密、か。まあ、楽しみは取っておくに限るなあ。そんなことを思いながら、脱衣かごから服を取り出していると――背後で、真衣が何やらこそこそと動いている。
「な、何してるの?」
振り向くと、真衣が例の料金表を手に持っていた。オプションの中で一番右の欄に貼ってある付箋をぺりぺりと剥がし、その部分を指で隠しながらこちらに見せてくる。
「『最後の』オプションだけ教えてあげる」
「えっ?」
そう言いながら、真衣はゆっくりと指を除けていく。そこに書いてある文字は、とても意外なもので――
「最後のオプションはね……」
俺に再びの来店を決意させるには、十分すぎるほどだった。
「『私がカズに告白の返事をすること』、だよ」