影山晶は前回の「遊び」で得た歪んだ満足感の余韻が薄れ始めるのを感じ、新たな渇きを覚えていた。
彼はもはや、単独の獲物をじっくりと嬲るだけでは満たされなくなっていた。
もっと複雑で、もっと残酷な状況設定。
人間の関係性が崩壊していく様を神の視点から眺めたいという欲求が鎌首をもたげていた。
彼はインターネットの掲示板に巧妙な罠を仕掛けた。
「個人制作のプロモーションビデオ撮影。女性モデル二名募集。拘束半日、報酬各十万円。友人同士での応募歓迎」。
簡単なアルバイトとしては破格の報酬だった。
金に困った女子大生あたりが飛びついてくるだろうと影山は予測していた。
彼の狙いは絆で結ばれた二人組を絶望の淵に突き落とし、その絆そのものを破壊することにあった。
数日のうちに狙い通り複数の応募があった。
その中から影山は都内の私立大学に通うという智美と由香のペアを選んだ。
プロフィールに添付された写真は二人でピースサインをして屈託なく笑っている、どこにでもいるような女子大生だった。
その無垢な笑顔が影山の嗜虐心を強く刺激した。
彼は当たり障りのない事務的なメールを数回やり取りし、週末に撮影を行う約束を取り付けた。
もちろん、撮影場所は「郊外の貸しスタジオ」とだけ伝えてある。
当日、影山は指定した駅のロータリーに高級セダンを停め、期待に胸を膨らませて現れた二人を待った。
やがて、少しお洒落をした智美と由香が、楽しそうにお喋りしながらこちらへやってくるのが見えた。
「はじめまして、佐藤です。今日はよろしくお願いします」
人の良さそうな笑顔を完璧に作り上げ、影山は車から降りて挨拶した。
「わ、すごい車! よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
智美と由香は目を輝かせ、緊張と興奮が入り混じった様子で後部座席に乗り込んだ。
車内では、十万円の使い道について楽しそうに語り合っている。
ブランドのバッグを買うだの、旅行に行くんだのと、彼女たちの未来は希望に満ちていた。
影山は穏やかに相槌を打ちながら、バックミラーに映るその無邪気な顔を冷ややかに見つめていた。
お前たちのその笑顔が、間もなく絶望と屈辱に歪むことになるのだ、と。
車は高速道路を降り、次第に人気のない山道へと入っていく。
「あの、スタジオってこんな山の中にあるんですか?」
少し不安そうな由香の問いに影山はにこやかに答えた。
「うん、自然光が綺麗に入る、特別なスタジオなんだよ。もうすぐ着くから」
やがて車は森の中にぽつんと建つ、倉庫のような無機質な建物の前で停まった。
これがスタジオだと言われ、二人は顔を見合わせたが、プロの現場とはこういうものなのだろうと無理に納得した。
影山に促されるまま建物の中に入ると、そこはがらんとしたコンクリート打ちっぱなしの空間だった。
撮影機材はおろか家具一つない。
その異様な光景に二人が警戒心を抱いた瞬間、背後でガチャン、と重い金属音が響いた。
影山が入り口の鉄製のドアに鍵をかけた音だった。
「え……佐藤さん? なんで鍵を……」
智美が震える声で尋ねる。
影山はゆっくりと振り返った。
その顔からは、先ほどまでの人の好い笑みは完全に消え失せ、氷のように冷たい無表情が浮かんでいた。
「撮影なんて嘘だ。お前らは今日、俺の玩具になってもらう」
「な、何言ってるんですか……! 冗談はやめてください!」
「冗談?」
影山は心底おかしそうに鼻で笑うと、ポケットからスタンガンを取り出して見せた。
青白い火花がバチバチと音を立てる。
二人の顔からさっと血の気が引いた。
「これからちょっとしたゲームをしてもらう。俺の言う通りにすれば報酬は払ってやるし、無事に帰してやる。だが、逆らったり、騒いだりしたら……どうなるか分かるよな?」
影山は壁際に置いてあったボストンバッグを蹴り倒した。
中から転がり出てきたのはピンク色のノズルが特徴的な見慣れた箱。いちじく浣腸だった。
それが十数個、無造作に床に散らばった。
「まず、どっちが浣腸を『する役』で、どっちが『される役』か、お前らで決めろ。一分やる。決められないなら、二人まとめてこの床に顔を擦り付けてやるからな」
突然突きつけられた、あまりにも非現実的で屈辱的な選択。
智美と由香は呆然と立ち尽くし、互いの顔を見つめることしかできなかった。
「や、やだ……なんなの、これ……」
由香が泣きそうな声で呟く。
智美は恐怖に震えながらも、どうにか状況を打開しようと頭を働かせていた。
しかし、鍵のかかった密室、武器を持つ男。
抵抗は不可能だと悟るのに時間はかからなかった。
「……由香、ごめん。やるしかないみたい」
「でも、そんな……!」
「私たちが決めるしかないんだよ! 早くしないと、殴られる……!」
二人は顔を寄せ合い、必死に囁き合った。
どちらも屈辱的な役割から逃れたい。
しかし、時間だけが刻一刻と過ぎていく。
結局、押し黙ってしまった由香を見かねて、智美が苦渋の決断を下した。
「……私が、やるから。由香が、受けて」
「……仕方ない……よね……」
由香は泣きじゃくりながら
「決まったようだな」
影山は満足げに頷くと、床に転がった浣腸の中から十個を指さした。
「そこの女。お前の友達のケツに、それを全部入れろ。友達が漏らさずに全部受けきれたら、お前らの勝ちだ。約束通り、金も払うし解放してやる」
それは絶望の中に差し込まれた、僅かな希望の光だった。
耐えきれば帰れる。
その一心で、二人は
由香は震える手でスカートと下着を下ろし、コンクリートの冷たい床に四つん這いになった。
羞恥心で顔は真っ赤に染まっている。
智美もまた、震える指で浣腸の箱を一つ手に取った。
「……ごめんね、由香」
「……うん」
智美は親友の白く滑らかな尻の間に、ためらいがちにノズルを差し込み、中の液体をゆっくりと注入した。
ひんやりとした液体が体内に入ってくる感覚に、由香の肩がびくりと跳ねる。
一つ、また一つと、浣腸は順調に続けられていった。
しかし、五個目の液体が注ぎ込まれたあたりから、由香の様子が明らかにおかしくなった。
「ん……っ、うぅ……」
腹の底から突き上げてくるような強い便意に彼女は必死で顔をしかめ、肛門を固く締める。
額には脂汗が滲み、全身が小刻みに震えていた。
「由香、頑張って……! 大丈夫だから!」
智美は励ますが、それはもはや気休めにもならなかった。
それでも、帰りたい一心で二人はゲームを続けた。
六個、七個、そして八個目。
由香の腹は浣腸液でパンパンに膨れ上がり、いつ決壊してもおかしくない状態だった。
「すごいじゃん、由香! あと二つだよ!」
智美が希望を込めて声をかけた、まさにその時だった。
由香の意思の限界を超えた生理現象が全てを破壊した。
ぶびびびびっ! ぶりゅっ、びちゃびちゃびちゃっ!
凄まじい音と共に、抑え込まれていたものが一気に噴出した。
茶褐色の汚物と浣腸液が混ざり合った奔流が、彼女の足元に大きな水たまりを作り、強烈な悪臭が部屋に満ちる。
由香は「ああ……」と力なく声を漏らし、床に崩れ落ちた。
「……失敗、だな」
影山が氷のように冷たい声で言い放った。
その言葉は僅かな希望にすがっていた二人の心を粉々に打ち砕いた。
絶望に泣き崩れる二人を影山は冷酷に見下ろしている。
「まあ、泣くなよ。もう一度チャンスをやる」
影山の言葉に、二人は顔を上げた。
「今度は交代だ。さっき浣腸してた方、お前が今度はされる番だ。お前の友達が、お前のケツに浣腸をしろ」
断ればどうなるか。
その場の重苦しい空気が何よりも雄弁に物語っていた。
二人は無言で頷くしかなかった。
影山は床から浣腸を六個拾い上げ、智美の前に転がした。
「俺の慈悲だ。今回は六個で許してやる。その代わり、一つでも漏らせば……分かるな?」
しかし、その六個のうち二つは影山が事前に中身をただのグリセリン溶液から、強力な下剤効果を持つ高濃度の塩化マグネシウム溶液に入れ替えた、特製の爆弾だった。
さっきまであれだけの汚物を撒き散らした由香は、まだ腹の調子が落ち着かず、顔面蒼白で時折腹を押さえていた。
それでも彼女は、今度は自分が「する側」になるべく、震える手でいちじく浣腸を一つ手に取った。
智美は覚悟を決め、パンツを下ろして尻を突き出す。
今度は自分が耐え抜く番だ。
親友を、自分を、この地獄から救うために。
一つ目、二つ目が注入される。
由香とは違い、智美はまだ余裕を見せていた。
しかし、由香が三つ目の浣腸を手に取り、その中身を注入した瞬間、智美の表情が凍りついた。
(……痛いッ!? なに、これ……!?)
ただの便意ではない。
腸を直接焼かれているかのような、猛烈な灼熱感と激痛。
内臓を強引に捻り上げられるような尋常ではない排泄感が彼女を襲った。
由香が引き当てたのは塩化マグネシウムの爆弾だった。
「ぐっ……ううううううっ!」
まだ三つしか入っていないのに、もう限界寸前だった。
全身の筋肉を硬直させ、必死に肛門を締める。
脂汗が滝のように流れ落ちた。
「智美……? どうしたの、大丈夫……?」
由香が心配そうに声をかけながら、四つ目の浣腸を手に取る。
智美は首を振って「やめて」と伝えたかったが、声が出ない。
そして、四つ目の浣腸液が注入された刺激が最後の引き金となった。
ぶりゅっ! じょろろろろろっ!
智美の堪え性は、あっけなく砕け散った。
激しい水様便が制御不能のまま噴き出す。
それを見ていた由香の心に、安堵でも同情でもなく、どす黒い憤りが湧き上がった。
(なんで……? 私は八個も耐えたのに……! なんであんたは、たった四個で漏らすのよ……!)
自分が耐えた苦しみを親友はいとも簡単に投げ出した。
その裏切られたような感情が恐怖よりも強く彼女の心を支配した。
「はーあ。お前ら、二人とも失敗だな。約束は約束だ。罰が必要だよな?」
影山は心底楽しそうに笑うと、親友に怒りの表情を向けはじめていた由香に近づいた。
そして、塩化マグネシウム入りの浣腸を掴むと、抵抗する彼女を力で押さえつけ、その尻にノズルを無理やりねじ込んだ。
「あああっ! やめ、やめてぇっ!」
浣腸液が再び注入され、由香は絶叫する。
影山は満足げにその姿を眺めると、自らのズボンのジッパーを下ろし、硬くそそり立った肉棒を取り出した。
そして、浣腸液の刺激で濡れそぼった由香の膣内に、それを容赦なく突き立てた。
「いぎぃっ! いやああああああっ!!」
腹からは制御不能の奔流が流れ続け、下半身は未知の男に貫かれる。
肉体的な痛みと、極限の屈辱。
由香の瞳からは涙が止めどなく溢れた。
「いいぜ、最高だ。漏らしながら犯される気分はどうだ?」
影山は獣のように腰を振り、由香の中で欲望を解放した。
その間、影山の背後では、もう一つの地獄が繰り広げられていた。
智美はまだ、塩化マグネシウム入りの浣腸の効果で、腹の激痛に耐えかねていたのだ。
彼女は床にうずくまり、「うぅ……んんんっ……」と息み続け、汚れた床にさらなる汚物を広げていた。
射精を終えた影山は、ぐったりと動かなくなった由香から肉棒を引き抜くと、今度は息み続けている智美に向き直った。
彼女の肛門は、繰り返されるいきみのせいでだらしなく開いたままになっている。
影山はバッグから黒々とした男根型のディルドを取り出すと、その無防備な穴に躊躇なく突き刺した。
「ひっ……!? あ、あううううっ!」
汚物でぬるついた粘膜は極度に敏感になっていた。
そこに加えられる異物の侵入と、強引な抜き差し。
その直接的な刺激は智美の体に不本意な快感をもたらした。
「あ……ん、んんっ……いや、あっ、ああああああッ!」
屈辱と快感がぐちゃぐちゃに混ざり合い、彼女の理性を破壊する。
智美は自分の意思とは無関係に、長い絶頂の叫び声を上げた。
影山は、糞尿を撒き散らし、快楽の残滓に震えながら床に倒れ伏す二人の女を満足げに見下ろした。
もはや彼女たちに人間としての尊厳は欠片も残っていなかった。
彼は何も言わず、散らかった浣腸のゴミには目もくれずに部屋を出ていく。
ガチャンと鍵の開く音が響き、二人だけが、地獄のような静寂と悪臭の中に置き去りにされた。