鎌倉での遊戯を終えた影山晶の心には、一時的な満足と、すぐにそれを上回る渇きが渦巻いていた。
衆人環視の中での屈辱は確かに甘美な蜜だったが、彼の歪んだ欲望はすでに次の、より倒錯的で個人的な舞台を求め始めていた。
新たな刺激を求めてインターネットの海を彷徨っていた彼の目に、ある映像が飛び込んできた。
それはアダルトビデオの一場面であり、女が木製の枷に首と両手を固定され、なすすべもなく晒されている光景だった。
「木製の手枷首枷拘束具……」
影山はその古風で、しかし究極的に無力化を体現する装置に心を奪われた。
フィクションの中でしか見たことのない、その非現実的な光景を自分の手で現実にしたいという衝動が、彼の内側からマグマのように突き上げてくる。
それはもはや単なる性的な興味ではなく、創造主としての独善的な愉悦への渇望だった。
既製品では駄目だ、自分の手で己の欲望の形を寸分違わず木材に刻み込みたい。
衝動はすぐに行動へと移された。
影山はホームセンターで分厚い木材の板、蝶番、南京錠、そして加工に必要な工具一式を買い揃えると、金の力に物を言わせて手に入れた情報をもとに、東北地方の山間部にひっそりと佇む古民家へと車を走らせた。
そこは携帯電話の電波も届きにくい、文明から切り離されたような場所であり、彼の歪んだ創作活動にはこれ以上ないほど最適なアトリエだった。
古民家のひんやりとした空気が、彼の熱に浮かされた頭を心地よく冷ましていくのを感じながら、影山はすぐに作業に取り掛かった。
ギィィン、という電動ノコギリの甲高い音が、静寂な山々に木霊する。
彼は設計図も引かず、ただ頭の中にある完成形だけを頼りに、一心不乱に木材を切り出し、削り、磨き上げていった。
女の華奢な首と手首がぴったりと収まるように、半円形の穴を慎重にくり抜いていく。
その作業はまるで、愛しい女のためにオーダーメイドのアクセサリーを作る職人のように、丁寧で、そして狂気に満ちていた。
数日にわたるDIYの合間には、近隣の鄙びた温泉に浸かり、次の手順を練り上げる。
湯けむりの中で目を閉じれば、完成した拘束具にはめられた女が、彼の前でなすすべもなく喘ぐ姿が鮮明に脳裏に浮かんだ。
そして数日後、その悪魔の装置はついに完成を迎えた。
二枚の分厚い板が蝶番で繋がれ、首と両手を固定するための三つの穴が不気味に口を開けている。
影山は完成したそれを古民家の広々とした庭の中央に設置し、まるで神聖な儀式の祭壇のように、大きな布で覆い隠した。
ひっそりとたたずむその塊は、これから始まる凌辱の宴の主役として、静かに出番を待っていた。
道具が完成すれば、次は主役となる女優を選ぶ番だ。
影山は古民家の縁側でノートパソコンを開き、SNSを丹念に調べ始めた。
条件は、この人里離れたアトリエからそう遠くない場所に住んでいること、そして誰にも邪魔されない一人暮らしの中年女性であること。
やがて彼の目に、一つのアカウントが留まった。
穏やかな笑みを浮かべた初老の女性が、手作りのケーキやハーブティーの写真を投稿している。
プロフィールには、小さなカフェを個人で細々と営んでいると記されていた。
店舗兼住宅、そしてSNSの投稿時間から推測するに、ほぼ間違いなく一人暮らしだろう。
影山は標的をこの女店主に定め、唇の端を歪めた。
カフェのSNSアカウントに記された定休日、影山は白昼堂々、その店の前に車を停めた。
木製の看板が可愛らしい、こぢんまりとした店舗兼住宅だ。
彼は何の躊躇もなく玄関のドアをノックする。
やがて中から「はい」という穏やかな声と共に、写真で見た通りの女が顔を覗かせた。
家事の途中だったのか、エプロン姿のまま、怪訝そうな顔で彼を見つめている。
「何か御用でしょうか?」
「少し、道を伺いたいのですが」
影山が柔和な笑みを浮かべたその瞬間、彼の右手には黒いスタンガンが握られていた。
女が警戒する間も与えず、彼はその先端を彼女の腹部に押し当てる。
バチッという乾いた放電音と共に、女の体は短い悲鳴を上げて崩れ落ちた。
影山は即座にその口に布を詰め込んでさるぐつわをし、抵抗で震える両手を背中で結束バンドできつく縛り上げる。
全ては一瞬の出来事だった。
彼はぐったりとした女を軽々と担ぎ上げると、まるで荷物のように車の後部座席に押し込み、何事もなかったかのようにその場を走り去った。
車が山道を進むにつれて、女の意識は徐々に戻り始めた。
恐怖と混乱で何が起きたのか理解できないまま、後部座席で身を固くする。
やがて車は古びた民家の前で止まり、彼女は影山によって引きずり下ろされた。
庭の中央に鎮座する、布で覆われた巨大な何かが、彼女の目に不気味に映る。
「あなたのための特別な舞台だ」
影山は恍惚とした表情でそう呟くと、装置を覆っていた布を乱暴に剥ぎ取った。
現れたのはアダルトビデオでしか見たことのない、木製の手枷首枷拘束具。
その禍々しい存在感を前にして、女はこれから自分の身に何が起ころうとしているのかを悟り、絶望に顔を歪めた。
影山は抵抗する彼女を力ずくで押さえつけ、その首と両手首を冷たい木の穴にはめ込むと、重々しい音を立てて上の板を閉じ、南京錠をかけた。
もはや彼女は生きたオブジェと化した。
「素晴らしい……実に素晴らしい眺めだ」
影山は完全に無力化された女の前に立つと、満足げに呟き、自らの硬く昂った肉棒を露わにした。
そして抵抗できない彼女の口元へそれを押し付け、さるぐつわを外すと、無理やり唇をこじ開けてその熱い塊を咥えさせた。
女は嗚咽を漏らしながら、屈辱に涙を流すしかなかった。
影山はしばらくその口内を弄ぶと、次に彼女が身に着けていたブラウスとスカートに手をかけ、バリバリと音を立てて引き裂いた。
あっという間にベージュの下着姿にされ、女の柔らかな肉体が白日の下に晒される。
「おや、もうこんなに濡らして。随分と感じやすい体なんだな」
影山は薄汚れたパンツの上から彼女の股間を執拗に手でこすりつけ、やがてじわりと滲み出してきたシミを指さして、大声でその事実を女に聞かせた。
屈辱に彼女の顔が真っ赤に染まるのを見て、彼はさらに愉悦を深める。
そして、懐から取り出した無骨なローターをパンツを穿かせたままの状態で、彼女の膣内へと強引にねじ込んだ。
「んんっ……!」
スイッチが入れられると、体内で暴れる振動に女の体がビクンと跳ねた。
拘束されたまま逃れることのできない刺激に、彼女は喘ぎ声を漏らし、身をよじる。
影山はその悶え苦しむ様を冷ややかに眺めながら、時折、その豊満な尻を力任せに平手で打ち据えた。
パンッ、という乾いた音が響き渡り、女の白い肌がみるみるうちに赤く腫れ上がっていく。
さらに彼は女のブラジャーを剥ぎ取ると、露わになった二つの乳首を、まるで洗濯物を干すかのように無造作に洗濯バサミで挟み込んだ。
「あああっ! いっ……たい!」
鋭い痛みに女が絶叫する。
振動による快感と乳首の痛みという相反する感覚が彼女の正気を少しずつ蝕んでいった。
どれくらいの時間が経っただろうか。
ローターの刺激に耐えきれなくなった彼女の体から、ついに力が抜けた。
だらしなく開かれた足の間から、じょろじょろと温かい液体が溢れ出し、パンツと太ももを濡らしていく。
決壊した膀胱は彼女の意思とは無関係に尿を垂れ流し続けた。
「おもちゃで感じて、お漏らしか。汚い女だ」
影山はうっ血して紫色になった乳首から無慈悲に洗濯バサミをむしり取ると、ぐっしょりと濡れたパンツを引きずり下ろし、膣内で蠢いていたローターを抜き去った。
そして、彼は一度女から離れ、古民家の中へと姿を消した。
突然刺激から解放されたことと、男がいなくなったことに、女は張り詰めていた緊張の糸が切れ、わずかな安堵を覚えた。
しかし、その安らぎは長くは続かない。
すぐに影山は薬の箱を抱えて戻ってきた。
箱の中には炭酸ガスを主成分とする下剤の坐剤が大量に詰め込まれている。
彼は無言のまま女の背後に回り込むと、その冷たい坐剤を一つ取り出し、躊躇なく彼女の尻の穴へとねじ込んでいった。
「ひっ……! な、何を……!」
女が悲鳴を上げるが影山は気にも留めない。
彼はただ淡々と、数分おきに、一つ、また一つと坐剤を彼女の体内に挿入し続けた。
坐剤が体温で溶け、内部で炭酸ガスが発生し始めると、女の腹は風船のように膨らんでいく。
やがて、その膨満感は耐え難い便意へと変わり、彼女は下腹部の激痛に顔を歪めた。
ブッ! ボボボッ! という下品で大きな音と共に、彼女の肛門からガスと混じり合った汚物が勢いよく噴出した。
拘束された体はなすすべもなく、排泄物は彼女の尻から太ももを伝い、地面へと汚らしい染みを作っていく。
強烈な悪臭が鼻をつき、女は自らが撒き散らした汚物と屈辱に、ただただ涙を流した。
排泄が一旦落ち着いたかと思うと、影山は再び冷たい坐剤を彼女の尻へと押し込んでくる。
何度も、何度も、排泄器官を玩具のように弄ばれる屈辱に、女の心は完全に打ち砕かれた。
涙で濡れた顔を上げると、満足げに自分を見下ろす影山の姿があった。
彼は再び自らの肉棒を露わにすると、汚物で汚れた彼女の股にそれを宛がった。
「手作りの道具というのは、何とも言えない味わいがあるものだな」
影山は恍惚とした表情で呟きながら、抵抗できない女の膣や肛門を、気の向くままに犯し続けた。
木製の拘束具が、女が身じろぎするたびにギシギシと軋む音が、彼の征服感を最高潮にまで高めていく。
それは彼にとって、自らが創造した舞台装置の上で、自らが選んだ女優を、自らの脚本通りに陵辱するという、完璧さを意味していた。
どれほどの時間が流れただろうか。
度重なる凌辱と、心身の限界を超えた苦痛に、女はついにぷっつりと意識を手放した。
ぐったりと首を垂れ、反応のなくなった女を見て、影山はようやく何かをやり遂げたかのような、深い達成感を覚えた。
彼は拘束具の南京錠を外し、汚物にまみれた女の体を解放すると、古民家の中に用意しておいた布団の上へと運び、乱暴に寝かせた。
そして、その汚れた芸術品にはもはや何の興味も示さず、彼は静かにその場を立ち去っていった。