毒親に虐げられた青年は宝籤で大金を手に入れたので母親に復讐する話 作:葛轍偲刳
翌日、俺たち二人は宗一郎が出してくれた金で飛行機に乗って、行ったこともねえ遠くに行く。そっから電車に乗って、さらに遠くへ。電車から降りて、今度はバス。山あいの、さほど有名でもない小さな温泉街。観光客よりは、湯治客とか、全国の温泉巡りとかが趣味の、いわゆる通とか言われる人間ぐらいしか訪れないようなところ。確かに、こういうところまで来ちまえばそうそう見つかることもねえだろうけど。
宿に入って服を脱いで、混浴の温泉に二人で入って。露天風呂から眺める山々の景色は壮観だった。都会の喧騒もお袋さんのことも遠い世界に置き去りにしてきたような気分になる。
「おお……すごいな」
「本当だね。こういう静かな場所もいいね」
湯船に浸かっている間、不思議と話す言葉も少なかった。ただひたすらに景色を眺めながら、互いの存在だけを感じていた。
部屋で飯を食って、布団に入る。
「……誠ちゃん」
「うん」
「遠くに来たね」
「だな」
電気を落して、暗くなった部屋で真由が小さく囁く。衣擦れの音がする。ゴソゴソと俺の布団に真由が入ってくる。
「おい」
「誠ちゃん、お願いがあるんだけど」
「なんだよ」
真由の手が俺の胸板を撫でる。裸の真由が俺に寄り添ってくる。真由は俺の腕の中に潜り込むようにして囁く。
「結婚しよ?」
「……」
プロポーズという意味なら、もう俺たちは婚約してる。だけど、これはきっとそういう意味じゃない。
「誠ちゃん」
真由が囁く。俺の目を覗き込む真由の目は潤んでいた。
「私、水城真由は――」
その健やかなるときも、病めるときも
喜びのときも、悲しみのときも
富めるときも、貧しいときも
河原誠二を愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け
その命ある限り、真心を尽くすことを誓います
「真由、お前……」
ああ、畜生。宗一郎、てめえ、真由に何を吹き込みやがった。
だけど、ここまで真由に言われたら俺は絶対に引き下がれなかった。
「誠ちゃん?」
真由が囁く。俺は深く息を吐いて、吸った。
「俺、河原誠二は――」
その健やかなるときも、病めるときも
喜びのときも、悲しみのときも
富めるときも、貧しいときも
水城真由を愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け
その命ある限り、真心を尽くすことを誓います
「誠ちゃん」
「真由」
俺は真由を引き寄せた。二人の唇が重なる。これまで同じように。だけどこれまでとは違う。夫婦になるための、誓いのキス。
ゆっくりと真由と体を入れ替え、布団の上に真由を横たえる。真由を組み敷く。
「これでもう私と誠ちゃんは夫婦だよ」
「そうだな」
「今日が初夜だね」
「そうなるな」
また、キスをする。真由の胸に手を添える。
「子作り、しよ?」
真由の声が甘く掠れる。ここまで自分から言っておいて、顔が真っ赤になっているのがわかる。真由が俺の右手に自分の左手を重ねた。
俺ももう躊躇しなかった。
二人で温泉に入った後なので体は清潔なまま。
「いいか? 真由」
念押しして尋ねると、真由が小さく頷いた。
「いいよ。誠ちゃんになら何されても」
今から行われる行為は夫婦の営みであり、真由はもう俺の妻であり、俺は真由の夫。この行為は子作りであり、真由は俺の子を孕むつもりでいる。真由は俺の子供を産むために俺に体を捧げている。
真由の胸に手を当てたまま、俺は上体を起こす。真由の身体全体を見る。細くて華奢だけど、キュッと締まった腰回りから下半身にかけてのラインは妙に艶めかしくて妖しい魅力がある。リハビリする俺の体を杖代わりに支えてくれたおかげか、足腰は鍛えられて張りがあって引き締まっている。普段の大人しく控えめな性格からは想像できないくらい色っぽい身体つき。
それに相反するように、胸元は控えめだ。真由自身はコンプレックスに思っているけれど、俺にとってはそれが逆に新鮮で美しい。乳房の膨らみと乳首の位置が絶妙のバランスで配置されていて芸術品のようだった。しかもその先端の蕾は淡く桃色がかっていて、真由自身が俺を誘うように膨らんで尖っている。
「誠ちゃん、私だけ見て。私だけ好きでいて」
そう囁く声を聴きながら俺はゆっくりと真由に覆い被さった。
「言ったろ、命ある限り、真心を尽くす、って」
真由を抱きしめる。
「愛してる、真由。お前だけを愛し続けるって、誓う」
真由は啜り泣いた。お袋さんに傷つけられた心が少しでも癒えてくれるよう祈りながら、俺は優しく真由の唇を啄む。
「誠ちゃん、お願い……私、誠ちゃんと一つになりたい」
真由の言葉に俺は頷いて答え、そっと右手を下腹部へと滑らせる。すでに真由の女陰は俺を求めてしっとりと潤っており、俺の指を待ち構えているかのようだった。
「ん……んん……誠ちゃん……」
真由が俺の背中に腕を回す。俺は優しく真由の花弁を開いた。既に充分に蜜を湛えたその蜜壷は早くも俺を受け入れる準備を整えていた。俺は真由の両腿の間へと腰を割り入れる。
「真由」
名を呼びながら俺は硬く張り詰めた亀頭を真由の秘裂へと導き入れた。最初は緩やかに挿入するつもりだったが真由が腰を突き出し求めてきたので一気に突き入れた。
「あああぁぁんっ!!」
「はぁ……っ」
奥まで根元まで深々と嵌める。熱い。凄く熱い。膣壁がきゅうっと締め付けてくる。子宮口まで達すると子宮が降りてきて迎えに来た。亀頭で子宮口を捏ね回すように突き上げると真由の背が仰け反り白い喉元が大きく晒された。
「ひゃうんっ……あ…あ……あぁっ……すご……誠ちゃん……すごい……熱いぃ……っ」
真由の内壁が絞り取るように蠢きながら吸い付き絡み付く。俺はたまらなかった。真由の体はあまりにも気持ち良すぎた。全身からどっと汗が噴き出す。俺は真由にしがみついた。真由も俺に縋り付いた。二人の体が密着する。一つになる。
「誠ちゃん、誠ちゃん、誠ちゃんっ」
真由が啼いた。破瓜の痛みだってあるだろうに、真由は泣きながら俺を呼ぶ。
「すごいの……私、初めてなのに、入れてもらっただけで、もうイッちゃってる……っ」
真由は俺に貫かれたまま腰をくねらせる。その度に真由の奥深くで俺のものが擦れ快感を与えていく。真由の女陰から溢れた蜜が俺の鼠蹊部を濡らした。
「真由」
「誠ちゃん」
俺たちは夢中で唇を重ね合わせた。舌を絡め貪り合った。互いの唾液が混じり合い交換される。真由の味を堪能するように俺は丹念に彼女の口腔内を探った。俺の愛撫に応えて真由も積極的に舌を伸ばしてくる。俺たちは一心不乱に求め合った。いつしか二人の身体の間にはもう隙間など無くなっていた。
「誠ちゃんの、すごい……太くて硬い……大きい……お腹の中いっぱいだよ……私、幸せ……」
真由が俺にしがみつきながら呟く。
「動いて……お願い……誠ちゃんの全部をちょうだい」
真由が俺を求める声に逆らえず腰を動かすと真由が嬉しそうに喘いだ。ゆっくりとした動きだったがそれでも真由は感じているようで甘い声を上げ続けた。真由の中はぬるぬるしていて柔らかくて温かくて気持ちよかった。締め付け具合もちょうどいい。俺の動きに合わせて真由も腰を動かしてきた。俺たちのリズムがシンクロする。息遣いも重なっていく。
「真由……好きだ……愛してる……」
「嬉しい……私も……好き……愛してる……誠ちゃんのことずっと大好きだった」
俺は真由を抱きしめたまま激しく抽送を開始する。真由の子宮口に亀頭を打ち付けるように強く押し込んでいくと真由がまた声を上げた。結合部からはグチュグチュという卑猥な音が響き渡っている。俺たちは互いに抱き合って溶け合うように交わり続けていた。
「あぁっ!誠ちゃん!もっと来て!私の奥まで!いっぱい突いて!欲しい!欲しいの!」
「真由……俺も……もう限界だ……」
射精感が高まる。もう出てしまう。もっと真由と抱き合っていたいのに。ずっと真由と一つになっていたいのに。名残惜しさと快楽の渦に翻弄されながらも俺はラストスパートをかけた。パンパンという肉同士がぶつかり合う音が室内に響く。それと同時に粘液が掻き混ぜられる水音と真由の喘ぎが合わさった。
「んんっ!あぁっ!誠ちゃんっ!出して!中に欲しい!あなたの精液で……私の子宮を満たして……!」
真由の言葉で理性が吹き飛び俺は思い切り腰を打ちつけた。瞬間、熱いものが迸り真由の胎内へと注がれる。真由も同じタイミングで達したらしい。痙攣するようにビクビクと全身を震わせながら背中を弓形にしならせている。
最高だった。真由とのセックスは最高に気持ち良かった。こんなに素晴らしいセックスが出来るのは、世界中を探したって真由だけだ。
「あ、あぁ……すっっっげぇ……真由、俺、こんなに気持ちいいの、マジで初めてだ……」
「あぁ……私も……」
真由の膣肉が俺のものを包み込むように締め付けてくる。俺はそれを味わうようにゆっくりと腰を動かした。真由もそれに合わせて腰を振る。二人の結合部分からは白濁した体液が溢れ出しシーツを汚していく。
「誠ちゃん……大好き……」
「真由」
真由は涙を流していた。俺は彼女の涙を拭うと再び唇を重ねた。今度は優しくて穏やかなキスだった。舌先で彼女の舌を誘い出すように絡めると真由は応えてくれた。俺たちはしばらくの間そうやって抱き合っていた。幸せだった。これ以上の幸福なんて他にないと思った。