毒親に虐げられた青年は宝籤で大金を手に入れたので母親に復讐する話 作:葛轍偲刳
数日が過ぎた。美和子は宗一郎の愛人としての生活に慣れ始めていた。愛人――その言葉が持つはずの退廃や刺激はどこにもない。毎日が奇妙なほど平坦だった。
朝、宗一郎を起こして朝食を作り、コーヒーを入れる。宗一郎は黙々と食べながら、時折「美味い」と一言だけ告げる。洗濯機を回し、掃除機をかけ、部屋の空気を入れ換える。宗一郎は部屋でジグソーパズルをしたり、クロスワードを解いたりしている。昼食は自分で勝手にカップ麺を啜っていることもあれば、美和子が用意したものを食べることもある。
時には親友だという青年が訪ねてくる。親友には幼馴染みで恋人で、現在は婚約者という親しい女性もいるらしい。彼が一緒の時だけは、ふざけたり笑ったりと宗一郎も普通の若者のように見える。しかし、親友が帰った後は何事もなかったように静かな生活に戻る。
夜。そして寝る前に風呂に入る。同じように身を清めた美和子を裸にする。裸の体をじっくりと見る。そして寝台の中に招き入れる。裸の美和子を腕に抱き締める。そのまま何もせずに寝る。ふと夜中に起きると、美和子の方が宗一郎の腕枕で寝ていることもある。今夜も宗一郎の腕の中で目を開けると、そこには安らかな寝顔がある。その頬を指先でそっと撫でながら思う。
――彼にとって私は何なのだろう?
愛人として求められるならそれでも構わない。肉体の関係だって持てる。むしろその方がまだわかりやすい。だが――
宗一郎が求めているものは違うような気がした。肉体でも精神でもない何か。あるいは、どちらでもいいような曖昧なもの。
「叔母さん」
突然呼ばれて身を竦ませた。宗一郎が薄目を開けてこちらを見ている。
「……まだ起きてたの?」
「少し」
美和子は微笑んだ。宗一郎の胸に額を押し付ける。
「今日も寒いわね」
「うん」
彼は答えると毛布を引き上げた。二人の体が更に密着する。乳房が宗一郎の胸板に押し付けられる。違う。意識して、押し付けていた。擦り付けていた。美和子は自嘲した。これではまるで娼婦のようだ。だが――
宗一郎の手が美和子の腰に回った。引き寄せられる。二人の唇が近づいた。美和子は瞼を閉じた。そして――
何も起きなかった。
――またか。
いつもこうだ。ようやくかと思って、覚悟して、結局は裏切られる。契約は結ばれたのに何も始まらない。肉体関係は皆無だ。自分はこんなにも期待して――期待、して――?
「……」
目を開ける。目の前にある宗一郎の寝顔を見る。自分は、いま、何を考えた?
甥を? 宗一郎を? 欲しいと思ったのか。女として。宗一郎に、自分を抱いて欲しいと。求められていないからこそ求めて欲しいと。
「叔母さん?」
宗一郎が目を覚ました。美和子は慌てて体を離した。だが宗一郎の手は離れなかった。
「どうしたの?」
「ううん……何も」
嘘だ。だが宗一郎は追及してこなかった。代わりに美和子の肩を抱いた。その手は温かかった。ただそれだけだ。
「寒い?」
「少しね」
嘘ではない。裸でいると、未明から早朝にかけては少し肌寒い。だが保温性の高い羽毛布団と、何より抱き合っている宗一郎の体温で十分に温もっている。それでも――
「そっか」
宗一郎は美和子を抱き寄せた。それはいつもと同じようで、いつもとは少し違った。
背中に回された男の手の感触。腰を撫でる男の手の温かさ。嫌悪ではなく安堵。恐怖ではなく歓喜。羞恥ではなく誇り。美和子は息を詰めた。
かつての夫との夫婦の営みとは違う。似ているようで全く違う。
「宗一郎?」
「うん」
男の手が腰から尻に回る。ゆっくりと尻を撫でられる。たったそれだけのことが、どうしてこんなにも嬉しいのか。心地よいのか。美和子は目を閉じた。
――これは愛人契約だ。叔母と甥の関係じゃない。ただの契約上のつながりだ。
なのに。どうして。自分は。こんなにも。
涙が溢れた。嗚咽が漏れそうになる。宗一郎は気づいていないのか。気づいたとしても黙っている。あるいは――
「叔母さん」
唇が重なる。美和子は瞼を閉じた。柔らかく唇を食まれる。舌が入ってくる。唾液が混ざる。甘い香りが漂う。脳が蕩けそうになる。
宗一郎の手が乳房に回される。揉みしだかれる。乳首を摘まれる。捏ね回される。
「あっ……あ…」
漏れる吐息が熱い。男の手のひらの温度と汗の湿り気が心地よい。
――いけない。こんな関係はいけない。
だが宗一郎はやめない。止まらない。
唇から舌を抜かれる。乳房を放される。腰を抱く。臀部に手を這わせる。太腿を開かれる。
美和子は抗わなかった。むしろ自ら脚を開いた。大きく。これ以上ないほどに。
「叔母さん」
囁く声。男の声が熱を帯びていた。美和子は息を呑んだ。男の指が浅く出入りする。ぬかるんだ隘路に埋まる。
「あ……」
宗一郎の指が動く。中を探る。壁を擦る。奥を探る。膣口が震える。
――ダメよ。
「叔母さん」
声にならない叫びを堪えながら美和子は瞼を開けた。
宗一郎が見下ろしていた。美和子の脚の間に体を入れている。男の昂ぶりが、女の花園に触れていた。
――ダメ。こんなの。
「叔母さん」
唇が塞がれる。舌が絡む。唾液が混ざる。
「くっ……ん…!」
甥の剛直が美和子の膣内に挿し入れられる。子宮口を穿つ。美和子は喉を仰け反らせる。
「あぁぁっ!!」
衝撃が全身を駆け巡る。美和子は宗一郎にしがみつく。男の腰が動く。抽挿が始まる。
「あぁんっ!」
美和子は悶える。甥の陰茎が更に深く入る。子宮口を叩く。美和子は絶叫する。
「ああっ! んあぁあッ!!」
美和子は甥の背に爪を立てる。宗一郎の背中には美和子の爪痕が刻まれる。
それでも宗一郎は止まらない。腰の動きを加速させる。美和子は甥の唇を求める。宗一郎が唇を奪う。舌を絡め取る。唾液を交換する。
「宗一郎ッ……もっと! あぁあッ!!」
美和子の体が弓なりになる。宗一郎の雄が子宮口を抉る。
甥の精液が放たれる瞬間が来る。叔母の中に。宗一郎の子種汁が。美和子の胎内に。膣内に。
「あぁあああアアアーーッ!!」
美和子は絶頂する。甥の精を受け入れる。甥の胤汁を膣内で受け止める。
宗一郎の体液が叔母の中へ染みわたる。
甥と叔母の結合液が混じり合う。
叔母と甥の交合音だけが部屋に響く。
本当の意味で愛人契約が完了した瞬間だった。