木曽義仲に便女が巴御前含めて三人もいるせいで、欲求不満な巴御前が自慰をしたり、下女に慰めてもらう話です。
夜の帳が屋敷を包み、外の虫の音さえ遠く感じられる。
巴御前は一人、薄暗い灯の中で膝を抱えて座っていた。
義仲の寝所へ今宵呼ばれたのは自分ではなく、山吹御前――その現実が心臓をじりじりと焼き焦がす。
襖の向こう、遠く微かに聞こえる艶めいた声。耳を塞ごうとしたが、逆に意識が鋭敏になり、声の一つひとつが胸を抉るように響いてきた。
「……っ、義仲様……」
小さく吐息混じりに名を呼ぶ。膝に沿わせた指先が自分の太腿をなぞると、それだけで肉がびくりと跳ね、下腹部に熱が広がった。
戦場を駆け抜け、無数の矢や刃を潜り抜けてきた己の肉体は強靭であるはずなのに――今は指先の小さな刺激にさえ震えるほど敏感に堕ちていた。
(私の肌……こんなにも熱いのか……指の跡をなぞるだけで……胸の奥が焦げつく……)
唇を噛みしめ、躊躇いながらも手を股間へ滑らせる。
衣擦れの音すら、恥辱と興奮を混ぜ合わせて耳に響いた。衣の上から軽く押すと、秘所はすでにじんわりと熱を孕み、湿り気が布越しに伝わる。
「……はぁ……もう……濡れて……」
震える吐息とともに、巴御前は指を布の内側に潜らせた。指腹が柔らかい花弁を割り、粘つく蜜が糸を引く。そこを探るように撫でれば撫でるほど、腰がせり上がり、背筋が弓なりに反った。
(いや……止まらぬ……義仲様の手ではなく、自らの指で……なのに……あぁ……こんなにも……)
指先が中心の小さな突起――陰核に触れた瞬間、巴御前の体はびくりと震え、声が漏れた。
「あっ……はぁっ……そこ……!」
陰核は触れただけで熱く、硬く昂ぶっていた。巴御前は指を円を描くように撫で、時に強く、時に弱く圧をかける。そのたびに視界が白く弾け、胸の奥で痙攣が走る。
(あぁ……ここだ……ここを欲している……もっと……もっと強く……!)
腰が勝手に前へ突き出され、膝は震え、内腿が痙攣する。呼吸は乱れ、吐息の間から嬌声が洩れる。
「んっ……ふぁ……っ、だめ……いや……気持ちよすぎる……!」
指先で陰核を擦り上げると、快感が雷のように下腹から背骨を駆け上がる。胸の乳首も布越しに硬く立ち、擦れるたびに新たな快感の火花が散った。
(義仲様に……触れてほしい……でも今は……この指しか……私を慰めてはくれぬ……)
巴御前は涙を滲ませながら、指をさらに深く滑らせ、濡れそぼる割れ目を押し広げた。
ぬるりと蜜が溢れ、指を受け入れる肉が震える。陰核を弄りながら、中を掻くように動かすと、二重の刺激に体が弓なりになった。
「あぁぁっ……くぅ……だめ……もう……っ、果てる……!」
巴御前の体は次第に制御を失い、腰が小刻みに揺れ、背筋が反り返る。
手の動きに呼応して快感の波が押し寄せ、その度に喘ぎ声がこぼれた。
(止まらぬ……止められぬ……このまま果ててしまう……義仲様ぁ……っ!)
指先が陰核を強く押し潰した瞬間、背中が跳ね、全身の筋肉が痙攣する。声が堰を切ったように溢れ、夜の静寂を破った。
「あぁぁっ……あっ……はぁぁぁっ……!」
絶頂の波は幾度も巴御前を襲い、腰が震え、乳房が上下し、全身が震撼する。指は蜜で滑り、陰核を擦るたびに第二、第三の絶頂が容赦なく押し寄せた。
(また……果てる……あぁ……まだ終わらぬ……何度でも……!)
快感に溺れる巴御前の意識は白く塗り潰され、世界が一瞬溶けるように消えた。
やがて余韻の波が静かに引き、巴御前は膝を抱えたまま大きく息を吐いた。汗に濡れた髪が頬に張り付き、指先にはまだ己の蜜が残っている。
胸の鼓動は荒く、しかし次第に落ち着きを取り戻した。
「……ふぅ……これで……少しは……静まった……」
顔を手で覆い、深い吐息をつきながらも、胸の奥には消えぬ渇望が残る。
義仲のぬくもりではなく、自らの手で満たした虚しい充足。
それでも今夜を越えるには必要な逃げ道だった。
(明日は……今度こそ……義仲の隣に……)
翌晩、座敷で巴御前はただ一人、衣を正すふりをしながら、心の中で荒れ狂う渇望を抑え込んでいた。
昨夜、義仲のもとへ呼ばれたのは山吹御前――そして今夜は葵御前。
拳を膝に押しつけても、内から湧き上がる疼きは消えない。
(もう……我慢できぬ……義仲様の温もりを得られぬなら……せめて人肌を……)
巴御前はそっと障子を開け、控えていた若い下女を呼んだ。
「……おいで。今宵は、そなたの手を借りたい」
驚いたように目を見開く下女。しかし主の瞳に宿る熱を見て、逆らえずに座敷へと足を踏み入れた。
巴御前は下女の手を取り、自らの頬に押し当てる。体温が伝わった瞬間、胸の奥が爆ぜるように熱くなった。
「……そうだ……その温もりだ……私を慰めよ……」
下女の指先はおずおずと巴御前の首筋をなぞり、衣を解く仕草へと変わる。肌蹴た胸元に冷たい空気が触れると、乳首が硬く尖り、巴御前は小さく息を呑んだ。
「ひゃっ……あぁ……もっと……触れよ……」
(人の手だ……昨夜とは違う……義仲様ではない……けれど……それでも……)
下女は恐る恐る胸を揉み、指で尖った頂を弾く。巴御前の喉からは抑えきれぬ声が洩れ、腰が前へ突き出された。
「そこでは……足りぬ……下を……確かめよ」
巴御前は自ら衣をはだけ、濡れそぼる股間を露わにした。艶めく蜜が溢れて糸を引き、下女は息を呑む。
「……これほどまでに……」
下女の指が恐る恐る秘裂に触れると、巴御前の体はびくりと反応し、膝が崩れた。
「くぅっ……あぁっ……そこだ……もっと……突いて……擦れ……!」
(自らの指ではない……他の温もり……あぁ……熱が……欲望を……溶かしてゆく……)
下女は陰核を探り当て、親指でぐりぐりと擦り、同時に指を中へ差し込んだ。
蜜を吸い上げるような音が狭い座敷に響き、巴御前の背筋が弓なりに反る。
「あぁぁっ……そこだ……っ、そこを突けぇ……!」
指の律動に合わせて、巴御前の腰は勝手に揺れ、全身が汗で濡れていく。胸は大きく上下し、吐息は荒く、艶めいた声が止まらない。
(義仲様ぁ……見てくれ……私は……下女にすら……慰めを求めてしまうほど……そなたを渇望しておる……!)
陰核を強く擦り潰され、奥を突かれると、巴御前の体は痙攣し、絶頂が一気に駆け抜けた。
「あぁぁぁぁっ……はぁぁっ……っ!!」
腰が跳ね、背筋が大きく反り、全身の筋肉が震える。下女の手が止まらず、さらに二度、三度と波が押し寄せ、巴御前は声を上げながら快感に飲み込まれていった。
余韻に濡れながらも、巴御前は下女を抱き寄せ、肩に額を預ける。
「……すまぬ……そなたの手を……欲してしまった……」
下女は赤くなりながらも、黙って主の背を撫でた。
巴御前の胸には、虚しさと充足が入り混じる。
義仲への欲望は決して満たされないが、それでも人肌の温もりで今夜だけは耐えることができる――そう思いながら、巴御前は下女の細い体を強く抱き締めた。