夕陽が教室の窓を斜めに染め、机の列が長い影を落としている。周りには誰もおらず、時間だけがゆっくりと溶けていくようだった。
私と夏希は友達以上の関係、だと私は思っている。クラスであまり目立たない私と違って夏希はいつもクラスの中心にいる、そんな子だった。
こんな地味な私に、話しかけてくれて、まだ思いは伝えていないが夏希もきっと同じ気持ちだと私は思う。
ただ、この気持ちを伝えたらもし拒絶されたら。
そう思うと、なにも言えなかった私。
夏希はいつもより少しだけ背筋を伸ばして座り、私を見る目が穏やかで、でもどこか揺るがない光を帯びている。
夏希は隣でくすりと笑い、私の手をそっと取る。指先が触れ合うと、小さな電流のように胸の奥が温かくなった。
「ここにいると、世界が小さくなるね」
夏希は軽く囁く。言葉は柔らかく、私の肩の力をするりと抜いた。
(ずっとこうしていたい)
夏希はその言葉を受けて頭を預け、二人だけの静けさが深まる。その佇まいには、普段の冗談っぽさとは違う、大人びた落ち着きが滲んでいた。机の角に置かれた紅茶が入ったペットボトルの縁に夕陽が反射して、小さな光の破片が揺れた。
外の廊下からは遠い足音が一つ、二つ。教室の空気は、確かに「私たちだけのもの」だった。
そのとき、入り口の方の空間に、ふと違う気配が流れた。視界の端に誰かがいるような――気のせいかもしれない。私は振り向きかけてやめる。
夏希は微かに眉を寄せるが、口元には柔らかな笑みを残した。手がぎゅっと強くなり、私はその圧に安心を覚えた。
(なんか……気配がした気がする。でも、夏希が隣にいるから平気だよね?)
扉の陰で、誰かが口元をわずかに歪ませたように見えた。しかしその瞬間、私にとって最も現実的だったのは、夏希の体温と指先のぬくもりだけだった。
夏希は目の端で私を見守りながらも、外の出来事を冷静に見極める目を持っていた。
◇◇◇
静かな時間に割って入るように、教室の扉が開いた。
見慣れた作業着、穏やかな顔つきの用務員さんがゆっくりと現れる。笑いは穏やかで、動きは無駄がない。
彼は会釈して近づき、ポケットから光る小さな矩形を取り出した。それは画面の明かりを弱く放っている。
「ちょっとおもしろいものを見せてあげようか」
彼の声は低く、悪意があるわけではなく、どこか静かな確信に満ちていた。
夏希の表情が一瞬変わったのを、私は見逃さない。
一瞬だけ瞳が鋭く光り、周囲を測るような冷静さが浮かんだ。
その後すぐに、私を安心させる優しい表情に戻る。どこか胸がざわつくのを覚えた。何となく、ここにあるものをただ受け入れてしまったらどうなるのか、というおそれと好奇が交差する。
用務員さんは画面を軽く振るように見せ、キイイイイイインと言う音とぼんやりとした光の動きを意識させる仕草をする。強い言葉はない。ただ、視線を集めるその所作だけで、周囲の空気が変わった。
夏希はすんなりと画面に視線を落とし、まるで何度も見慣れたものを見るように静かに息を吐いた。その様子は、まるで既にこの力を理解し、受け入れているかのようだった。私は逃れようと小さく顔を背けるが、視線は無意識に引き戻される。
(目が離せない……それに、声が出ない……)
声に出そうとした瞬間、喉元に妙な重さを感じる。言葉が喉の奥で潰れ、肌の下を冷たい静けさが走った。夏希は苦しげな様子もなく、落ち着いた口調で私に寄り添いながら言う。
「大丈夫。安心して。ちょっとだけ、ここにいようね」
言葉の柔らかさだけでなく、微かな覚悟の色が混じっていて、私はその両面性に胸を打たれる。
私は戸惑いと恐れを抱えつつも、夏希の声に従ってわずかにうなずいた。用務員さんは動作を変えず、ゆっくりと周囲を見回した。次の所作は穏やかで、しかし不可逆的だ。
夏希は小声で促す。
「唯、ここに入っててくれる?」
私は一瞬躊躇する。だが、夏希の瞳の中に見える平静と優しさに、どうしてか従ってしまう。
その瞳の奥には、私を守る意志と、力に対する知識が隠されているのが感じられた。
ロッカーの横まで歩み、狭い空間へと身を折りたたむ。扉が閉まると、金属の音が小さく響く。外側からはもう、私の声は届かない。
(閉められる……出られない……でも、夏希が言ったから)
扉の向こうで、夏希の声がかすかにする。用務員さんの落ち着いた囁きと、夏希の小さな返事。私は暗闇の中で手を握り締め、息を整えようとするが、胸の中の不安は消えない。
ただ、目の前の光が消えていっただけなのに、世界の輪郭がどこか変わってしまったように感じられた。
◇◇◇
用務員さんと二人きりになった夏希は向かい合うように立っていた。
「おじさま❤」
思わず耳をすませる。普段の夏希なら絶対に見せない声……甘くて、奔放で。
私はロッカーの中で、ただ固まったまま、その声を聞くしかなかった。
理解が、追いつかない。夏希が、目の前で、誰かを愛おしそうに呼んでいる——それが私に届くなんて、想像もしていなかった。
「ふっふっふ、長かったなー。まさかこんなに催眠が効きにくいとは思わなかったぞ。だが、ここまでくればなぁ……」
用務員さんはそう言うと生唾をごくりと飲み込んだ。
夏希の身体をねっとりとした視点で上から下まで舐めるように観察し、ニヤニヤと笑う用務員。
心底、気持ちが悪かった。いつもの夏希だったら頬を叩くなどしてもおかしくないが今は明らかに様子が違っていた。
まるで見られているのが嬉しいと言ったような表情。その表情すらもいつもの夏希からは想像すらできなかった。
「おじさま❤️ちゅー❤️ちゅーしよ❤️」
「おうおう夏希。まぁ待て待て。スマホを立ち上げてっと……」
用務員はスマホを操作するとピロリと言う音が鳴った。あの音はたしか動画を撮影する時になる音だったはず……
「よし、準備できた。こい、夏希」
「うん❤️」
夏希はそう言うとまるで恋人同士のように首に手を回し、キスをし始めた。ありえないありえないありえないありえない。
そうこうしていると、二人のキスはどんどん激しくなっていった。最初は触れるだけだったのに、口内で舌を絡めあい、唾液を交換し合い、飲み込む。
誰がどう見たって異常だった。
そこから十分以上経っただろうか。キスしながらも次のフェーズに移ったかのように互いの身体を衣服の上から弄りあうようにしていた。
それも落ち着くと、夏希は用務員の腰に回していた手をするすると下半身に移動させ、ズボンの上から愛撫し始めた。用務員さんも、片手で撮影しながらもう片方の手で夏希のスカートの上から揉みしだくように触っていた。
「よし、夏希。次、ナニすればいいかわかるな?」
「うん❤️」
そう言うと、夏希は膝を地面に落とし、慣れた手つきで用務員さんのベルトを外していく。チャックを下ろすと、下着状態でも大きくなっているのがわかった。
夏希はそのまま、下着越しに鼻をつけ、微動だにしなかった。いやよく見ると、深呼吸しているようにも見えた。
「ッスー、ハー❤️おじさまの、すっごくくさい❤️」
「今日は特に汗をかかされたからな。におい嗅ぐだけでいいのか?ん?」
「はーい❤️でももう少し嗅がせて、あーくっさ❤️だけどなぜか離れられないんだけど❤️」
ひとしきり嗅ぎ終え、満足したのか下着をずるりと下ろすと用務員のそれがぶるんと立ち上がった。
異性のそれを見たことはお風呂でお父さんのそれしかないけど、用務員のそれは明らかに大きかった。
先端は膨らみ、太い幹のような部分との落差が激しい。恍惚した表情をする夏希は、愛おしそうに見つめる。
「いつものようにやってくれ」
「はーい❤️」
夏希は、用務員さんのそれの先端に躊躇なくキスをした。愛おしそうに、啄むように、何度も何度も何度も。
膝をついていた姿勢はいつの間にかいつか授業で習った蹲踞の姿勢になり、左手はゴルフボールより大きなたまを優しくなでていた。
「いいぞ……汗ばんでるから綺麗にしてくれ」
「うん❤️」
大きくなった幹の部分を上から下まで丹念に舐め上げる。夏希の口でも咥えきれずに弄んでいるのがわかった。
それでも、夏希はジュプッジュポッと水音を口から出しながら丹念に綺麗にしていった。
「これでいい?」
「あぁ、次は咥えてくれ」
「うん❤️」
チュポチュポッという水音が教室に響き渡る。まるで二人きりの世界かのように見えた。まるで私の存在なんてこの世にないかのようにも見えた。
「おう、いいぞ。だけど……もうすこしっと!」
そう言うと用務員さんは右手で夏希の後頭部を髪ごと掴み、己の股間に押さえつけた。いきなりの行動だったので、夏希もむせ上げるように息が漏れる音が聞こえる。
(やめて……夏希が苦しそう……)
止めることもできない自分が嫌になってしまう。
側から見ているとそれは恋人同士の逢瀬などではなく、ただの性欲を処理しているようにしか見えなかった。リノリウムの床は、夏希の口からこぼれた色々な液体が汚しているのがわかる。
そうしていると、夏希の右手が下着のクロッチの部分を上下になぞっているのがわかった。
(……もしかして夏希、感じてる?)
まるで自慰をするかのように右手は蠕いていた。横からしか見えないけど、夏希のあんな顔、見たことがなかった。
「あーっ、やばいやばい。もう出るぞ夏希」
そう言うと用務員さんは激しく腰を振り、何度も何度も夏希の顔に下半身を打ちつけた。ビュルルッという音がここまで聞こえてくるかのようだった。
「あ゛ー気持ちええ……夏希、口あけてこっち見ろ」
そう言われた夏希は両手を添えるようにして口を開いた。用務員さんはスマホを掲げ、口腔内に製液を詰めた夏希をカメラに収めた。
「よし、いいぞ。のみこめ」
そう言われた夏希は首を縦に振り、言われた通りにした。飲み込みにくいのか、口の中で何度も何度も噛み、なんとかして飲み込んでいった。
「のみこんだか?確認してやるから口をあけろ」
夏希は口を開け、舌を出してすべて飲み込んだことを証明していた。その様子をスマホのカメラに収めると、用務員さんは空いている右手で、まるで愛犬を愛で撫でるかのように撫でた。
夏希の表情はとても幸せそうだった。私の前ではそんな表情はしたことがなかった。
「あの、おじさま……その……」
「ん?どうした?」
「その……そろそろほしいです❤️」
「ほしい?なにを?」
「その、それを……」
「……だったらその姿勢はないだろ?どうすればいいかわかるか」
「……わかりません」
「いいか、そういうときはな……」
用務員さんは夏希の耳に近づき、何かをささやいた。しばらく悩んでいた夏希だったが、首を縦に振り制服を脱ぎ始めた。制服を脱ぎ、綺麗に折りたたみ、整列させる。
残ったのは、トップレスのワイシャツとネクタイ、下はソックスだけという格好だった。
夕方から夜に落ちかける陽の色に夏希の身体は染められていた。同性の私から見ても、惚れ惚れするような出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる、美しい身体だった。
畳まれた服の真ん中に、夏希は正座し、頭を垂れ、まるで土下座をするかのようにも見えた。側から見ても上下関係はあきらかだった。
「おじさま❤️おじさまのそれを私に挿れてください❤️おねがいします❤️」
「それ?それってどれだ?」
「その、おちんちんを、私に挿れてください❤️」
すると、用務員さんは土下座している夏希に近づき、お尻をパチンッと叩いた。突然の行動に驚いた夏希は、なにも言えずただただ黙っていた。
その様子すらも用務員さんはカメラを回し続け、映像をスマホに収める。
「しかたねぇな……おら、仰向けになれ夏希」
「はい❤️」
夏希は返事をすると、脚を広げる。両手の指で性器を割るように拡げて無防備な姿を晒した。その様子すら、用務員さんはスマホに収める。
スマホのケースを、立てかけるようにして固定し、定位置に収めた。
まるでのしかかるかのように、夏希に覆い被さると陰茎をピトッと入り口につけるとゆっくりと挿入していった。
(やめてやめて夏希拒んで)
「あっ❤️」
挿入された瞬間、夏希からまた知らない声が聞こえた。
ヌプププと言う音と共に肉同士がぶつかる音が教室に響き渡る。
何度も何度も抽送をされるたびに夏希の嬌声が耳にいやに残る。グチュグチュと言う音が混じり始めると、抽送はなお激しくなっていった。
「あん❤️あん❤️きもっち、いい❤️おじ、さま……ちゅーして❤️」
まるで一つの肉の塊かのように混じり合う二人。その様子を見ていると私の心がぐずぐずに崩れていくのがわかる。二人の唇の間に湿った糸が一筋キラキラと光ってるようにも見えた。
「っぷはー……あ゛ー、いいぞー。そろそろでる!」
(えっ……でるって……今、生でしてるから……っ、だめだめ押しのけて夏希!)
「出して❤️おじさま❤️今日、あぶない日だけど出して❤️」
「あー出る出る!出すぞー夏希っ!」
抽送はなお激しく繰り返される。リノリウムの床はもうどちらかからはみ出した液なのかはもうわからない。
用務員さんの身体が一際激しくぶるんと震えた。
「あっ❤️」
その瞬間、二人がつながっている結合部から入りきれなかったのであろう粘液があふれ出すのが見てとれた。そこから出し終えるまでに十秒ほど体重をかけ、まるで夏希を押し潰すかのように用務員さんは身体を重ねた。
聞こえるのは、二人の息遣いと私ひとりの息遣いだけだった。
挿入されたものを抜くと、夏希の性器からどろりとした液体が溢れ出てきた。それをみていた用務員さんは、人差し指と中指を二本挿入し、抽送した。激しく、出し入れすると夏希の性器から勢いよく噴水のようなものが噴き出た。リノリウムの床は、水浸しだった。
「いちおう、カタチとして残しておかないとなっと……」
そう言うと、用務員さんはスマホを手にし、己の性器を夏希の顔に近づけ、まるで目隠しをするように顔につけた。そうしてそれをカシャっとシャッターが下りる音が拡がった。
何回かシャッターを下ろし、満足すると用務員さんの正規はなおも大きくなっていくのがわかった。
「あと、何発かだしておくかっと……おい、起きろ。夏希。きれいにしろ。お前ので汚れてるんだからな……」
夏希の意思とは無関係に、まるで玩具のように扱う用務員さんをみて、あまりにも収められない感情で意識がフラッとした。
足がロッカーの扉にあたり、音が鳴る。すると、その音で気付いた用務員さんはこちらに近づいてきてスマホの画面を向ける。
「いいか、このことは記憶から消せ」
キイイイイイインと言う音と共に私は首を縦に振る。頭がふわふわとする感覚に陥るのがわかる。
「いちおう、こいつの携帯の連絡先追加しておくか……そっちの方が……」
用務員さんは何か言っていたが、私には分からなかった。ただ、意識はぼんやりとしていながらも気づいたら家の自室のベッドに横になっていた。
◇◇◇
翌日、夏希は学校に来なかった。
後日、用務員さんからその日の夜の二人の逢瀬の映像や画像が私の元に送られてきた。
あのあと、教室だけじゃなく別の場所に移動して一日中交わり続けたらしい。最後の方の写真は何度も何度も出されたのか、夏希の性器からは溢れ出した精液がカラカラに乾いているのがわかった。
後日、夏希は学校を自主退学した。どうやらあの日、あたったらしい。知らないうちに妊娠して、誰の子かもわからないうちにお腹が目立ち始め、下ろせなくなったらしい。
周りはありもしない噂を立てたけどしばらくしたらそれも消えてしまった。
あれから、夏希とは連絡が取れていない。私も、夏希のことは、意識の端に納めるようにしていたけどある日、誰かから肩をポンと叩かれた。
振り返ると、用務員のおじさんだった。
「ちょっとおもしろいものを見せてあげようか」