「皆、リンゴを切って来たよ!」
アストルフォが切ったリンゴを持って来た。アストルフォの声を聞いてヤヤコマ、アローラディグダ、アローラニャースが嬉しそうに駆け寄った。三匹とも、アストルフォにすり寄っていた。
「はいはい、慌てないの。君達の分はちゃんとあるから。はい」
アローラニャースに切ったリンゴを渡した。アローラニャースはそれを受け取ると、器用に食べていった。
「はい、君も」
アストルフォがしゃがんでアローラディグダに渡した。アローラディグダはアストルフォが手に持っているリンゴを食べていった。
「はい、君にもあげるよ」
アストルフォが手に乗せている四角く小さめに切ったリンゴをヤヤコマに差し出した。ヤヤコマはそれを嘴で摘まんで食べていった。三匹ともアストルフォがあげたリンゴを美味しそうに食べていた。
「皆、アストルフォに懐いてるね」
「えへへ、皆、大切な仲間だからね。大事にしてあげないと、ね♪」
アストルフォがアローラニャースとアローラディグダの頭を撫でた。撫でられて二匹のポケモンは喜んだ。
「えへへ♡」
アストルフォは微笑むとヤヤコマの頭を指で撫でた。アストルフォに撫でられてヤヤコマは喜んでいた。
「アストルフォ、愛情深く接してるから、ポケモン達も幸せだね」
「うん、そうだといいね」
「ポケモンに愛情深く接するとは、君はいいトレーナーだな」
そこへ一人の男が現れた。青いバンダナを巻いて黒のスーツを着た髭面の男が豪快に笑っていた。
「おじさんは誰?」
アストルフォが首をかしげて言うと男は名を名乗った。
「私はアオギリ、アクア団のボスだ。マツブサとどちらがアローラを好きにするかで決着をつけようとした所で時空の歪みに巻き込まれてこの世界に迷い込んだのだ」
「そうなんだ・・・」
(アオギリがこの世界に、もしかして・・・)
マサルは前世の記憶でアオギリがウルトラサンムーンの時空から来たアオギリではと考えた。
「この世界には人間はいないようだ。元の世界に帰れる保証もない。この世界で私が何をすべきか・・・」
アオギリが考えていると、何かが現れた。
「誰?」
「あれは、イワンコ?」
マサル達が見ると一匹のイワンコがやって来て吠えていた。
「よく見ると怪我をしているな」
アオギリが怪我をしている事に気付いた。
「だったら傷を治してあげないと」
マサルはイワンコの怪我を治した。
「マサル、優しいね」
「うむ、怪我を治すとは素晴らしいな」
「ああ、困っているポケモンがいたら助けてあげないとね」
「君も、この子と同じように素晴らしい心を持ったトレーナーだな」
マサルの優しさにアストルフォもアオギリも感心していた。怪我を治してもらったイワンコはマサルに笑顔で感謝した。
「なに、困った時はお互い様だよ」
マサルが地面に下ろすと、イワンコが吠えだした。
「あれ、どうしたんだ?」
「もしかして、付いて来てほしいのかな?」
「あのポケモンに何かあるのかもしれないな」
アストルフォとアオギリがこのポケモンに何かあったのではと言った。
「そうかもしれない、案内してくれるかな?」
マサルが言うとイワンコが走り出した。
「マサル、追いかけよう」
「ああ、行こう」
「待ってくれ」
マサルとアストルフォが行こうとするとアオギリが声をかけた。
「何ですか?」
「私も力を貸そう。困っているポケモンは放っておけないからな」
「あ、ありがとうございます・・・」
何か裏があるのではと思いつつも、戦力は多い方がいいと気持ちを切り替え、マサルはアオギリを同行させる事にした。そうしてアオギリを加えてマサル達はイワンコの後を追いかけていった。
「ここだね・・・」
イワンコに付いていってマサル達はイワンコの住処に辿り着いた。
「あいつ、あの時の!」
アストルフォが見ると、あの時のテッカグヤがイワンコ達を襲っているのが分かった。
「どうやらあのポケモンが原因のようだな・・・。私も力を貸そう!」
アオギリがサメハダーを繰り出した。
「マサル、僕達であいつ等からこの子の仲間を守ろう!」
アストルフォが剣を構えてヤヤコマ達と一緒に向かっていった。
「アストルフォ、ああ、俺も行こう!」
マサルもアローライシツブテとヨーテリーを向かわせて戦いを始めた。