ゴミ捨て場に捨てられていたエッチなフィギュア直したら、女神様にチート能力もろた 作:パコール・レオンハート
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気がつくと、俺はまたどこかの自室のベッドに寝ていた。前の世界と寸分違わぬ、見慣れた安アパートの一室だ。
「……今度はどんな世界なんだ?」
体を起こし、恐る恐る頭の中に浮かんでくるであろう世界の名前を待つ。
──『ここは異世界、ハードコア』
「ハードコア……」
名前からして不穏な響きだ。ハードコアってあれだろ。なんかこう、過激なやつ。前の二つの世界がアレだっただけに、全く安心できない。
俺はため息をつきながらベッドから降りた。窓の外は快晴。蝉の声がやかましく鳴り響いている。どうやら季節は夏のようだ。
「……見た感じは、普通なんだが」
街並みはごく普通の日本のそれだ。人々も普通に歩いている。フェラチオを強要する女もいなければ、クンニをねだる女もいない。
「よしよし。今度こそまともな世界かもしれないぞ」
淡い期待を胸に、俺は情報収集のため外に出ることにした。まずは腹ごしらえだ。近所の定食屋に入る。
「いらっしゃいませー!」
威勢のいい声で迎えてくれたのは、人の良さそうなおばちゃんだった。
「生姜焼き定食一つ」
「はいよ!」
出てきた定食はボリューム満点で美味かった。うん、普通だ。実に普通だ。
会計を済ませて店を出ようとした時だった。俺より先に会計をしていたガテン系のあんちゃんが、おばちゃんに威勢よく言った。
「おう、ごっそさん! うまかったぜ!」
「あら、ありがとね!」
おばちゃんは嬉しそうに笑った。ここまでは良かった。問題はその後だ。
あんちゃんはおばちゃんの腕をぐいと掴むと、そのまま店の奥に引きずり込んでいった。
「ちょっ、何すんだよ!?」
俺は驚いて止めようとした。だが、他の客は誰一人として騒がない。それどころか「いい食いっぷりだったもんな」「そりゃ礼の一つもしたくなるわな」などと微笑ましいものを見るような目でその様子を眺めている。
店の奥から、おばちゃんの苦しそうな、それでいてどこか嬉しそうな悲鳴が聞こえてくる。
「いやぁん! あんた、そんなに激しくしたら……!」
「うるせえ! こんだけ美味い飯食わせてもらったんだ! これくらいさせろ!」
ドッタンバッタンと激しい物音が響く。間違いない。中でとんでもないことが行われている。レイプだ。
俺はあまりのことに呆然と立ち尽くした。
しばらくして、あんちゃんがズボンのベルトを締めながら出てきた。満足そうな顔をしている。
「じゃあな、また来るぜ!」
「……ええ。またおいで」
奥から出てきたおばちゃんは、着物がはだけて髪も乱れていたが、その表情はどこか晴れやかだった。
「……な、なんなんだ……今の……」
俺は混乱しながら店を飛び出した。まさかとは思うが、この世界では感謝の気持ちを伝える時、相手をレイプするのが常識なのだろうか。
「いやいや、そんな馬鹿な……」
俺は自分の考えを打ち消そうとした。だが、その後も街を歩いていると、同様の光景を何度も目にすることになった。
横断歩道で老婆の荷物を持ってあげた青年が、その場で老婆を押し倒す。
道を教えてもらったサラリーマンが、女子高生を路地裏に引きずり込む。
そのどれもが、感謝の表明として行われているようだった。そして、レイプされる側も、それを当然のこととして受け入れている。むしろ、感謝されずにスルーされることの方が屈辱、といった雰囲気すらある。
俺は頭がクラクラしてきた。
「ハードコアってそういう意味かよ!」
とんでもない世界に来てしまった。俺が好きなのはお互いの同意の上で、愛情を確かめ合うようなイチャラブエッチだ。こんな暴力的な性行為は断じて受け入れられない。
俺はこの世界に早々に見切りをつけ、転移することにした。
だが、その前に一つ問題があった。所持金が心もとない。次の世界に行く前に少しばかり蓄えが欲しかった。幸い、この世界の俺はちゃんと会社に勤めているようだった。俺は観念して、数日間だけ働くことにした。
オフィスもやはり地獄だった。
営業成績トップの男が、サポートしてくれた女性社員に「今期も助かった。ありがとう」と言って、会議室で犯している。女性社員の悲鳴を聞きながら、他の社員は「よかったな、鈴木さん。山田さんにあんなに感謝されて」「ええ、光栄ですわ」なんて会話を交わしている。
狂ってる。全員狂ってる。
俺は誰とも目を合わせず、ひたすら息を潜めて仕事をこなした。誰かに感謝されるようなヘマは絶対にしない。そして、誰にも感謝しない。幸い、俺は目立たない部署の平社員だったので、誰かに感謝されることも、することもほとんどなかった。
そして数日が経ち、ようやく給料日になった。これでこのクソみたいな世界からおさらばできる。
俺は会社の帰りにコンビニに寄った。気分転換にタバコでも吸おうと思ったのだ。
「43番、一つ」
「はい」
無愛想な若い女の店員が、タバコをカウンターに置いた。俺は金を払い、商品を受け取る。
そして、長年の習慣というのは恐ろしいものだ。俺は無意識のうちに、口を開いていた。
「どうも」
言ってしまった。
その瞬間、店員の女の目がカッと見開かれた。
「……え?」
「え?」
俺と店員、お互いに固まる。
次の瞬間、店員はレジカウンターを乗り越えて、俺に掴みかかってきた。
「今! 今ありがとうって言ったわね!? 私を犯す気でしょう!?」
絶叫だった。店内にいた他の客たちの視線が一斉に俺に突き刺さる。
「ち、違う! そんなつもりは……!」
俺は必死に否定した。だが、それがさらなる火に油を注ぐことになった。
「は? お礼言っといて犯さない気なの?」
「感謝の気持ちを踏みにじるつもりかよ、このクズが」
「うわ……やば……今の時代にそんな奴いるんだ……」
周りの客たちが口々に俺を非難し始めた。スマホを向け、カシャカシャとシャッターを切り始める者もいる。
「違うんだ! 俺はただ、癖で……!」
俺の弁明など誰も聞きやしない。店員の女はわなわなと震えながら、涙目で俺を睨みつけていた。
「最低……! 人の感謝の気持ちを弄んで……! あんたみたいなのがいるから、男はみんなそうだと思われるのよ!」
論点が完全にすり替わっている!
俺はパニックになり、その場から逃げ出した。背後から「おい待てゴルァ!」「警察呼べ!」という怒声が飛んでくる。
俺はアパートまで全力で走り、部屋に飛び込むと同時に鍵をかけた。心臓が今にも張り裂けそうだった。
「はぁ……はぁ……なんなんだよ、もう……」
その夜、俺はまとめサイトをみて、さらに絶望することになった。
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【衝撃動画】コンビニ店員に感謝のレイプをすると見せかけ何もしない鬼畜男現る
そんなタイトルの付いた動画が、大手動画サイトで急上昇ランキング一位になっていた。もちろん、俺が映っている。
コメント欄は案の定、俺への罵詈雑言で埋め尽くされていた。
『こいつの顔と名前、職場特定したわ』
『レイプしないとか男の風上にも置けねえな』
『感謝の気持ちもねえのかよ。親の顔が見てみたい』
『こういう奴は社会的に抹殺すべき』
俺の個人情報は瞬く間に特定され、SNSで拡散されていた。いわゆる炎上というやつだ。だが、その理由が「お礼を言ったのにレイプしなかったから」なのだから、もう笑うしかない。
「……もうだめだ」
俺はベッドに倒れ込んだ。
「こんな世界、一秒だっていられるか!」
俺は最後の力を振り絞り、心の中で叫んだ。
「転移だ! 転移! 今すぐだあああああっ!」
ぐにゃりと視界が歪む。眩い光が俺の体を包み込んでいく。
(頼む……! 次こそは……! 次こそは、普通の、平和で、ただただ女の子とイチャイチャできる世界でありますように……!)
そうして俺の意識は、切実な祈りと共に闇の中へ落ちていった。