※この作品はR-18です。

学園黙示録 覚醒のモブメガネ   作:上平 英

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第5話 事後のそのあと、

 カーテンが締め切られた薄暗いリビング。テーブルの上や床には缶ビールやチューハイの空き缶。テーブルには夕食兼酒のツマミが食べかけの状態で残されていて、テレビは電源が切られて画面は真っ暗。室内には暖房器具の音がうるさく鳴り響いている。

 

 そして、家の主であるボクは、現在まったく身動きがとれずにソファに座っていた。

 

 唯一動かせる首を動かして周りを見ると、

 

 右側に、ボクに体を預けるように寝ている麗さんが。

 

 左側の下のほうへ視線を向けると、ボクの股の間に顔を埋めてスヤスヤと寝ている静香さんが。

 

 正面を見ると、電源が切られて真っ暗になっているテレビ画面に、2人の美女を両腕に抱いている、メガネをかけたひ弱ようなリア充男がひとり……、

 

 ――いや、ボクがいた。

 

「あは……あははは……」

 

 真っ暗なテレビ画面を見つめながら、ボクは乾いた笑い声を漏らす。同時に、テレビ画面に映っているボクも口を開いたが、画面に映っているボクは笑っているようには全く見えなかった。

 

「じ、実は夢落ちだったりしないのかな?」

 

 このありえない状況は、本当に現実じゃなくて、すべてボクの内なる妄想が創りだした夢で、目を覚ましたら自室のベッドで、このリアルな感触も全部リカさんが悪戯してるからであって本物ではない……、

 

 ――と、思い込みたいのだけど……。

 

「夢じゃないんだよね……」

 

 酒の空き缶とは明らかに違う、栄養瓶サイズの瓶……静香さんが購入して僕らに飲ませた、外国製の媚薬の空き瓶や、麗さんのオマンコから漏れてヒザとソファの間に出来てる精液溜まり。太ももに当たっている静香さんの爆乳から伝わってる体温と感触に、リビングいっぱいに充満している臭いと、使いすぎでヒリヒリと痛いペニス。午前8時30分からいつの間にか午後3時まで進んだ時計などが、この状況が現実なのだと証明していた。

 

 現実だと確認したボクはその場で大きく息を吐く。

 

 臭いを無視して部屋の空気を吸い込み、ソファの背もたれに頭を預けて天井を見上げる。

 

 媚薬で理性が飛んで、自分が何をしたかは――意外とハッキリと覚えてた。

 

 麗さんと2度目となるセックスで火がついて……それから麗さんが意識飛ばしてても、気絶しても構わずに何回もして……アナルを犯そうとしたとき、静香さんにフェラチオされて、誘惑されて……。

 

 静香さんを横目で見ながら思い出していく。

 

 オマンコで……3回? パイズリでも2回したな。そのあとお掃除フェラもしてもらって1回……。

 

 途中でもう一瓶ずつ媚薬を飲んでしてると気絶していた麗さんが起きてきて……、

 

「3Pも……したのか……」 

 

 静香さんの隣に座った麗さん。ボクは麗さんのオマンコに指を突っ込んで、中に残ってる精液を擦り込むようにかき回しながら静香さんをバックから突きまくって射精して……すぐに麗さんのオマンコに突っ込んで、静香さんと一緒になって麗さんを犯して、そのあと麗さんと一緒に静香さんを犯して……、

 

「最後に、ボクが2人かがりで攻められて轟沈したんだった……」

 

 麗さんに上半身……口や乳首を攻められて、静香さんには下半身……ペニスや玉袋、お、お尻の穴まで攻められて、射精しながら気絶したんだった……。

 

 最後まで思い出して、目を瞑る。

 

 状況的にはかなり……いや、ものすごくマズい状況なのだけど、気分的にはかなりよかった。

 

 燃え尽きたと言ってもいいぐらい、今のボクの頭はスッキリしている。

 

 おそらく賢者モードに入っているんだろう。そうに違いない。

 

 このまま悟りが開けそうなぐらい、スッキリとしていて気分がいい。

 

「ふああぁ……あれ? カズ?」

 

「ん~……ん? あらあら? カズくんのオチンチン?」

 

 ……悟り、本当にこのまま開けないかな?

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 ザーッと流れ続けるシャワーの音。室内に充満する白い湯気。たっぷりとお湯が張られたバスタブにはボクと……女神がいた。

 

「あ、あんまりこっちを見ないでよ」

 

「ご、ゴメン……。でも、すごく綺麗だったから」

 

「綺麗って……うう……」

 

 ボクの正面には、胸を隠すように抱いて頬を赤らめる女神様……もとい麗さん。

 

 現在の麗さんはお風呂に入るために長い髪をアップに纏めていて、いつもはあまり見えないうなじが姿を現していた。

 

 ああ……またレアな麗さんが見れた。

 

「もうっ、ニヤニヤするんじゃないわよっ」

 

「ゴメン、麗さん」

 

「謝るんだったら顔、逸らしなさいよ」

 

「…………」

 

「コラ。無視しないの」

 

 そう言って麗さんは頬を膨らませる。ん~、本当にかわいいなぁ。数分前まで修羅場だったとは思えないよ。

 

 …………。

 

『あ、あれ!? なんで私裸……ッ!? って、鞠川先生も!? ……ああっ、そっ、そういえば……』

 

『あらあら~? 元気のないオチンチンねぇ。静香お姉さんが元気づけてあげましょうかぁ♪』

 

『し、静香さん……うっ、あ……』

 

『って、いきなり何咥えてるんですか、鞠川先生っ!』

 

『んふ? ぷはぁぁ……。何って、ナニだけどぉ?』

 

『カズは私のかっ……彼氏なんですよっ! それに、鞠川先生は教師でしょ! 教師が生徒に手を出していいんですか!?」

 

『ん~……でもぉ~、カズくんと私は教師と生徒になる前からの付き合いだからぁ。セーフじゃないの?』

 

『あっ、アウトですよっ!』

 

『そ、そんなぁ。……う、うう……うえええ~ん……カズく~ん、宮崎さんがイジめるぅ~』

 

『宮崎じゃなくて宮本ですっ。それに下手な泣きマネしながら咥えないでくださいよ……』

 

『あら? バレちゃってたの?』

 

『はぁ……。最初から、バレバレですよ……』

 

『し、静香さん。あの……酔ってます?』

 

『ん~……どうなのかしら? お酒はもう抜けたとは思うんだけどぉ……まだ子宮に精液が残ってるみたいだしねぇ』

 

『せ、精液って……。――っ! そ、そういえば私って……ま、鞠川先生とも……』

 

『うふふふ♪ 3人でするのもよかったわね、宮本さん♪』

 

『~~っ! あ、ううぅ……。か、カズぅ……』

 

『よ、よしよし……とりあえず落ち着こう。皆……。うん。落ち着こう。とりあえず静香さんも起き上がって』

 

『はぁい』

 

『……手コキも止めてください』

 

『ねえ、とりあえず皆でお風呂に入らない? ほら、体中ベトベトだし。精液のほうも早く処理しないと妊娠しちゃうかもしれないでしょ』

 

『ムッ……。それは……まあ、そうですね』

 

『静香さん、手を……。麗さんまで握らない……いえ、なんでもないです。……その、できれば少し力を緩めてもらえたら……うれしいです、ハイ』

 

『決まりね♪ じゃあ、皆でお風呂に行きましょう♪』

 

 ――と、まあ、こんな感じにお風呂場へと向かい、3人でお風呂に入っているわけだ。

 

 ちなみに、浴槽にある程度お湯が溜まるまでは洗い場でお互いを洗い合っていました。……まあ、洗い合っていたのは主に静香さんが麗さんを、だったけど。

 

 今は最後にまわった静香さんが洗い場で体を洗っているところで、先に体を洗い終えたボクと麗さんの2人は、浴槽に向かい合った状態で浸かっていた。

 

 麗さんとお風呂はものすごくうれしい、けど……。

 

「麗さん……あの……」

 

「……鞠川先生のこと、でしょ?」

 

「う、うん……」

 

 うなずいたボクを麗さんが正面からジッと見つめる。思わずその強い意思の込められた瞳に視線を逸らしそうになってしまうが、ボクは視線を正面から受け止めて言……、

 

「――いいわ」

 

「……え?」

 

 大きく息を吐いて、全身から力を抜いてバスタブによりかかる麗さん。横目でシャワーを浴びる静香さんを見ながらつぶやき始めた。

 

「元々……私が後だったわけだし……。鞠川先生やもうひとりのお姉さんについては目を瞑ってあげるわよ」

 

「え……め、目を瞑るって……」

 

「……エッチしてもいいって言ってるのよ」

 

 ボクの問いに、麗さんは視線を逸らしてそう小声で言い、体を寄せてきた。正面から抱きつくように体を寄せて、唇が重なりそうになるほど近くまで顔を近づけ、

 

「でも、ちゃんと避妊はすること。そして、2人以上に私ともその……エッチしなさい」

 

「れ、麗さん……?」

 

「そ、それが守れるなら、私は、2人のことについても、な、ないとは思うけど他に女を作っても何も言わないわ」

 

 ……キミは、いったい何を言って……?

 

 混乱するボクに、麗さんは指で作った銃をつきつける。その銃口は丁度谷間の間、ボクの心臓に向けられていて――、

 

「それで、カズ。――この約束、守れる?」

 

 し、死の恐怖をボクに感じさせた。

 

 ボクは麗さんから感じさせられている死の恐怖に耐えて、ハッキリとうなずく。

 

「ぜ、全力で守らせていただきます……」

 

「なら、いいわ。――でも、もしも約束を破って私を捨てたりしたら…………から」

 

「ボクが麗さんを捨てる!? そんなこと絶対しないよ!」

 

 ていうか、ハッキリと声には出さなかったけど、『カズを殺して私も死ぬから』ってつぶやいたよね!? それに一瞬、目がドロって濁ったような……。

 

「そう、信じてるわよ、カズ」

 

「……うん」

 

 うなずいたボクに、麗さんはうれしそうな笑みを浮かべて首に両手を回してくる。今の麗さんの状態を表すならツンデレのデレモードだけど……さっきの会話や態度を判断する限り、ヤンデレだよなぁ。それも、依存系の。

 

 う~ん……やっぱり留年とか家庭の問題とか、色んなストレスが原因なのかなぁ? 他の女とセックスしてもいいけど、自分を捨てないでっていうのは……。

 

 いや、でも……元々麗さんが相手に依存するタイプだったり?

 

 付き合いが短いからわからないなぁ。

 

 でもまあ、とりあえず……、

 

「ザバーン♪ ふふっ、お邪魔するわね♪」

 

「鞠川先生……」

 

「静香でいいわよ♪ それよりも話はまとまった?」

 

「じゃあ、私も麗でいいです。話のほうは一応まとまりました」

 

「そうなの、カズくん」

 

「と、とりあえずは……。って、静香さん、後ろから抱きつきながら触らないでください」

 

「え~……」

 

「言っておきますけど静香先せ……静香さん。カズは私の彼氏ですからね?」

 

「れ、麗さんまで……ちょっ、先端をいきなり握るのはさすがに……あうっ……」

 

「ごっ、ゴメンなさいっ。……大丈夫?」

 

「あらあら、オチンチンはやさしく触らないとダメよ、麗ちゃん」

 

「ううっ……本当にゴメンなさい、カズ」

 

「も、もう大丈夫だから、そんなに落ち込まないで、ね?」

 

「ふふっ、まだまだ麗ちゃんは男の子の扱いに慣れてないみたいねぇ。よかったら私がカズくんのイかせ方を教えてあげましょうか?」

 

「えっ!? か、カズのイかせ方……?」

 

「ええ、完全にマスターすれば3分もかからずに自分が思うままに射精させることができてぇ、カズくんをブタさんにみたいにできるのよぉ♪」

 

「ぶ、ブタ……?」

 

「麗さん、肉食獣みたいな目でボクを見ないで。静香さんも適当なことを言わないでください……」

 

「あらぁ? でも、3年ぐらいまでリカとするときのカズくんっていつも……」

 

「やめてっ! 静香さん、それはお願いですから言わないでください……ッ!」

 

「ん~……? 麗ちゃんに話しちゃダメなの?」

 

「あの、静香さん。私……聞いてみたいです」

 

「麗さん!?」

 

 ――とりあえず。2人は仲良くなって修羅場は回避したみたいだけど……。

 

「ええっ!? そんなにすごいんですか!?」

 

「そうなのよ、リカってすごく上手くてねぇ。カズくんったらあんまり気持ちいいから泣いちゃったりして、すっごくかわいかったわぁ♪」

 

 前と後ろ、麗さんと静香さんの肉体に挟まれながら、ボクの黒歴史ともいっていい、リカさんにやられたハードなプレイを初めて、たった先ほどできた彼女に聞かされ続けるという拷問を、話し手の静香さんがのぼせるまで受け続けた。

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 お風呂から上がり、長話ですっかりのぼせてしまった静香さんを汚れの少ないソファに寝かせる。寒くないように新しく布団を用意して静香さんの体にかけて、ボクはリビングの掃除を開始し始めた。

 

 とりあえずゴミ袋を用意して、そこらに転がっている空き缶から片付ける。ちなみに麗さんはバスタオルを体に巻いた状態で電話中。電話相手は自宅で、今度はボクの家の電話からではなく、自分の携帯電話から電話している。

 

「うん、6時ぐらいには帰るから。……うん、気分変えたかったから、友達の家で遊んでるだけ。心配しなくても大丈夫よ、うん。」

 

 ちなみに麗さんがバスタオル1枚なのは、服が汚れたから。引き剥がすように脱がせてその辺に放っていたから、精液や愛液とか、その他様々な体液でぐっしょり、下着まで汚れてしまったので、現在洗濯中なわけだ。

 

 ボクの服を貸せたらいいんだけど、いかんせん胸がね……。静香さんほどではないにしても……というかそもそも静香さんは元から着れないけど、麗さんがボクの服を着た場合、エロく……なるんだよね。胸がはちきれそうっていうか、なんというか。

 

 ――と、麗さんの電話が終わったみたいだ。

 

 麗さんは携帯電話を閉じてテーブルの上に置くと、ゴミ袋を手に取った。

 

「じゃあ、カズ。私はテーブルの上を片付けるわね。残ってる料理はどうするの?」

 

「うん、ありがと。料理のほうはまだ食べれるだろうし、キッチンのテーブルに置いてもらえれば……」

 

 言いかけて言葉を止めて麗さんのほうを見ると、麗さんはツマミとして空けた缶詰を手に取って無言で見つめていた。

 

「麗さん? どうしたの?」

 

 気になって麗さんが覗いてる缶詰を覗き込んで見て……。

 

「ゴメン。やっぱり食べられそうなヤツだけキッチンのテーブルに置いて、他は勿体無いけど処分してください」

 

「……あ、う、うん……そうするわね」

 

 さすがに自分のヤツは食べたりできねぇよ……。ソファで寝てる静香さんは……喜びそうだけど。

 

「…………」

 

「……麗さん?」

 

「……えっ!? ああ、うん。捨てる……わね。勿体無いけど……」

 

 独り言のように小声で麗さんはつぶやき、ゴミ袋に缶詰の中身を捨てる。それから次々に食べれなくなってる食べ物をゴミ袋に集めていくが……、

 

「ごくっ……」

 

 時々ゴミ袋を見ながら麗さんがゴクリと喉を鳴らしていた。

 

 ……まさか……ね……。そんなわけ、あるわけがないよ。

 

 それから1時間ほどでリビングの掃除を終え、洗濯も乾燥もほどなく終って、麗さんは元の制服姿に戻った。

 

 リビングでゆっくりと休み、ボクは先日を同じように麗さんを家まで無事に送り届けた。

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 自宅へ帰ったあと、ボクは洗濯機にかけておいた自分と静香さんの洗濯物を2階の部屋に干した。

 

 洗濯物を終えて2階から1階へと戻り、夕飯の準備を開始する。今日の夕飯は無事だった昨日のツマミとおかずに、帰り道でかったコンビニ弁当だ。

 

 ソファで眠っている静香さんに声をかけて起し、一緒に食べる。

 

「ん~……おいし♪」

 

「静香さん、それをうれしそうに食べないでください……」

 

「でも本当に美味しいのよ、これ。独特の味がプラスされててねぇ、ちょっと苦いんだけどそれがまた……」

 

 昨晩の残りである缶詰を食べながら味の解説を始める静香さん。……麗さん、思いっきりダメな缶詰が残ってましたよ。

 

「カズくんも試しに食べてみる?」

 

「さすがに自分から出たのは食べたくないです……」

 

「そぉ? なら私の食べてみる?」

 

 そう言って静香さんは誘惑するような瞳をボクに向け、爆乳を持上げる。陶器のような白い肌と、ピンク色で少し陥没気味の乳首がボクの食欲……というより性欲を刺激した。

 

「うふふ♪ 食べてもいいのよ、カズくん」

 

 僕に向かって微笑む静香さんだけど……、

 

「今は……いいです」

 

「あらぁ? いつもなら満面の笑みでしゃぶりついてくるのに。どうしたの、カズくん」

 

 心配そうに訊ねてくる静香さんに、ボクは正直に告白した。

 

「昼間のやりすぎで、まだ表面が痛いんですよ……」

 

「そうだったの? お薬塗ってあげましょうか?」

 

「いや、そこまでは……。というか、いい加減服を着たらどうですか、静香さん」

 

「え~」

 

「え~、じゃないですよ。下着もつけないで寒くないんですか?」

 

 正直目の毒だから何か服を着てほしいです。たぷたぷ揺れる爆乳とかムチムチの太ももとかに目が吸い寄せられるし、下半身も反応してしまうから。

 

 ボクの指摘を受けた静香さんは、割り箸を咥えて「む~」とかわいらしく頬を膨らましたあと、頭脳は大人、体は子供の某少年探偵よろしく、ピキーンと明暗を閃いた。

 

「そうよ、カズくんも裸になって抱き合うってのはどうかしら? それなら私も寒くないし、むしろ温かいんじゃない?」

 

「静香さん、閃いたことをそのまま言わないでください……」

 

「え~……名案だと思ったんだけどなぁ」

 

 残念そうにつぶやいて再び夕食を食べ始める静香さん。そんなことされたら確実にボクのほうが我慢できなくなりますよ……。

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 夕食後、ボクは自室のベッドに散乱させていた、静香さんともうひとりのお姉さんの衣服を片付け、麗さんにメールを打っていた。ちなみにアドレスは麗さんが自宅に電話する前に手に入れたものだ。

 

 メールを打ち終えて、携帯電話を閉じる。

 

 麗さんからの返信を読んで、了解メールとおやすみメールを送って、ベッドに仰向けに寝転がる。

 

「はぁ……明日は麗さんに会えないのかぁ」

 

 遠まわしに『明日も会えないかな?』とメールで訊ねてみたのだが、さすがに今頻繁に外出するのは両親を心配させるからと断わられた。

 

 麗さんから送られたメールの内容と、麗さんの身に起きていることを思い出しながら、ひとりで考える。

 

 紫藤議員の事件を追っているという、麗さんのお父さんで警察官。

 

 紫藤議員の息子で学年主任である紫藤先生が、麗さんの成績を操作して留年させようとしてる。

 

 おそらく麗さんを留年させようとしているのは、紫藤先生の背後にいる紫藤議員からの『警告』なんだろう。

 

 これ以上捜査を続けるつもりなら『本当に娘を留年させるぞ』という。

 

 最初に話を聞いたとき、はたして学年主任に生徒の成績を操作し、留年させようとする権力があるのか気になっていたが……。

 

「紫藤議員がうちの高校の理事長なら、ありえないこともないよなぁ」

 

 ボクの携帯画面に映し出されているのは紫藤議員のプロフィール。そのプロフィールには紫藤議員の経歴が簡単に紹介されていて、ウチの学校の理事であることも写真付きで紹介されていた。

 

 自分が理事を務める高校で、麗さんの学年の学年主任という立場には実の息子が座っている状況なら、生徒のひとりぐらい留年させるのもわけないか……。

 

 ボクは携帯電話を閉じて起き上がり、勉強机へと移動する。勉強机に置いたデスクトップのパソコンに電源を入れて椅子に座り、さらに考えを広めていく。

 

 ……今は冬休み直前。ちゃんとした成績表となって帰ってくるのがもう少しあとだから……今はまだ本当に『警告』の段階なんだろう。

 

 このまま麗さんのお父さんが『警告』を無視して捜査を続ければ、麗さんは留年。

 

 麗さんのお父さんが『警告』に屈すれば、捜査の打ち切りなどを引き換えに、紫藤議員は麗さんの留年を取り消すつもりだろうか?

 

 ボクはパソコン画面を操作して、紫藤議員についての情報をさらに集め始める。

 

 紫藤先生の実母で、紫藤議員の妻はすでに他界。

 

 別の女性との間にできた子供がいて……その子供は政治家志望?

 

 ……あれ? 死亡してる妻との間にできた、最初の子供である紫藤先生の情報があまりにも少なくないか? 浮気で作った子供のほうは結構情報があるのに。

 

 というより、紫藤議員と浮気で出来た子供のほうはずいぶん仲が良さそうだな? 支援団体の繋がりも紫藤議員とその子供ばかり目立っていて、紫藤先生のほうは……そもそも政治活動なんてしていない。

 

 うーん……ネットに書かれている紹介のページを読んだだけでも、何だが紫藤先生が冷遇されているように見えるな……。

 

「もしかして紫藤先生と紫藤議員の親子仲は悪いのか?」

 

 その辺りが気になったので、さらに探っていくと、ある記事を発見した。

 

 その記事は、紫藤先生の母親が酒が原因で死んだというものだ。なんでも紫藤議員が繰り返していた浮気が原因で、妻は無茶な飲酒を繰り返し、急性アルコール中毒で死亡したというものだった。

 

「この記事が本当なら、紫藤議員と紫藤先生の親子仲はかなり悪そうだけど……」

 

 実際に麗さんを留年させようと動いているところを見る限り、本当かどうかわからない。

 

 それにもうひとつ、紫藤先生が学校用のパソコンとは別の、ノートパソコンを持ち歩いていることに疑問を持った生徒がそのノートパソコンについて質問したところ、紫藤先生本人が『父親の仕事を少し手伝っていてね』などと答えた……らしい。

 

 まあその話は数日で自然消滅した噂話……単なる話題のひとつだったけど、今のボクには紫藤議員と紫藤先生の繋がりを示す貴重な情報だ。

 

 他に情報がないかもう少し調べたあと、パソコンの電源を切る。メガネを外して机の上に置き、ベッドに寝転ぶ。

 

 いつも見上げている天井を見上げ、ゆっくりと目を瞑り、考える。

 

 ……今の状況で、ボクが麗さんのためにできること。

 

 麗さんの留年を取り消させる方法。

 

 少なくとも年が明ける前に対策を講じないと正式な成績が出されて手遅れになる。

 

 あまり猶予は残っていない。残されてる時間は1週間ちょっとだ。

 

 その短い期間のなかでボクが切れる手札は……あるにはある。

 

 かなり危険で、確実に損害もでるし、失敗しようものなら逮捕の可能性も出てくる。おまけに不確定要素が多くて、成功したとしてもあとあと自分の身に危険が及ぶかもしれない。

 

 ――けど、

 

「麗さんと一緒に卒業したいし……」

 

 辛そうな麗さんを見たくない。

 

 普段は平々凡々に、背景の一部のように生きてるボクだけど、初めての彼女のためだったら……たまにだったら主人公になってもいいだろう。

 

「ボクはやるよ、麗さん」

 

 ――ガチャ。

 

「はあぁ……いいお湯だったわぁ♪」

 

「……静香さん、バスタオル1枚は服を着てることには入りませんからね? ていうか、湯冷めして本当に風邪引いちゃいますよ」

 

 それと空気を読んでください。できれば。無理でしょうけど……。

 

 小さくため息を吐いたボクだけど、静香さんは無視して無邪気な笑みを浮かべ、

 

「じゃあカズくんが私をあっためて♪」

 

 体に巻きつけていたバスタオルを両手で広げてきた。ベッドの上にいるボクに、静香さんは自身の裸体を見せつけるように近づき、上半身を屈めて笑いかけてきた。

 

 うわ……さすが爆乳。前かがみ+重力ですごいことになってる……。

 

「かぁ~ずくん♪」

 

 少ししゃべっただけでもふたつのおいしそうな爆乳は振り子のように揺れた。

 

「し、静香さん……いい加減にしないとボクにも我慢の限界というものが……」

 

「あらあら? 我慢なんて体に悪いわよ。麗ちゃんも公認なわけなんだし、ね? いいでしょ?」

 

「それは……でも、まだ表面がヒリヒリしてて……」

 

「なら、挿入はいいからイチャイチャしましょ♪」

 

「イチャイチャって……むぐっ」

 

 両手で頬を固定され、そのまま唇を重ねられる。プルプルと瑞々しい唇を重ねられつつ、静香さんの片手がボクの服へと移動し、脱がされ始めた。

 

「ちゅっ……んんっ……ほぉら、まずは脱ぎ脱ぎしましょうねぇ~」

 

「しずふぁさん……んぅ……」

 

 慣れた手つきで静香さんはボクを全裸すると、布団を捲って先にボクを寝かせ、自分も布団のなかへと潜り込んできた。

 

 布団に隠された内側で、静香さんはボクに体を寄せて密着させる。左腕をボクの背中へと回して、もう片方の手でボクの胸に触れる静香さん。

 

 静香さんは無邪気な笑みを浮かべてうれしそうにつぶやく。

 

「ほら、こうすればあったかいでしょ♪」

 

「――っ」

 

「あらあら? エッチはしないんじゃなかったの? 太ももに熱くて硬いのが当たってるわよ」

 

「……静香さん、ワザとやってません?」

 

 健全なる男子高校生が、美人で爆乳の持ち主であるお姉さんと全裸で、しかも布団のなかで抱き合ったら、どう反応するかわかるでしょう……。

 

「あらぁ、何のことかしら? 静香、全然検討がつかないわぁ」

 

 ニコニコ笑顔を浮べて惚ける静香さん。静香さんはススーッと胸に置いていた右手を下へと移動させ、

 

「あうっ……静香さんっ!?」

 

 ペニスを触ってきた!

 

 静香さんはニコニコ笑顔を浮べたまま、さらに体を密着させてくる。

 

 ボクの胸に静香さんの爆乳が押し付けられ、柔らかい爆乳が圧力によって横に広がり、幸せな感触と静香さんの体温も広がっていった。

 

「し、静香さん……っ」

 

 静香さんの手の中で、ペニスがさらに硬く、大きく勃起する。

 

 自然と体を丸めるボクに、静香さんは笑みを浮かべたまま言う。

 

「さあ、イチャイチャしましょ♪」

 

「い、イチャイチャって……ボク、まだ痛い……」

 

「大丈夫よ、挿入は我慢するから、ね? うふふふ……」

 

 右手でペニスを撫で回し、背中に回していた左手でボクのお尻を撫でる静香さん。

 

「ま、まさか……イチャイチャって……」

 

 冷や汗が流れる。静香さんは微笑んだまま、無言でうなずいた。

 

「や、やっぱり……。これは……生殺しってこと、なんですね……?」

 

「ええ、そうよ♪ 勝手に彼女を作っちゃった誰かさんにお仕置きするためのね♪」

 

 静香さんはボクのペニスを握り、先端の尿道口を人差し指で押す。

 

「だからぁ~挿入は絶対ダメよ? もしも私が『いい』って言わないのに挿入しちゃったらぁ……」

 

「し、しちゃったら……?」

 

「そぉねぇ~……う~ん……ああっ、結構前に録画した『女装男子カズちゃん、美女2人に緊縛調教される(3時間)』を麗ちゃんの前で上映しちゃいましょう♪ うん、そうしましょ」

 

「なっ!?」

 

 なんてことを考えるんだこの人はぁぁぁああああああああ~!?

 

「でもぉ、他にも『強気な近所のお姉さんをガチ調教』とかぁ、『高校の美人保険医をアナル奴隷に』、『監禁陵辱~2人はこのボクのもの~』にぃ……『美女2人にアナルを弄られる男子生徒』なんてのもいいわねぇ」

 

「しっ、静香さんっ! そ、それって全部ボクが主演(男優役)で……遊び(プレイ)で録画したヤツですよね!? しかも、とてつもなくヤバい」 

 

「ふふっ……どれもいつもとは違うシチュエーションばかりだったから盛り上がったのよねぇ」

 

「盛り上がりすぎて色々人様に見せられないものばかりじゃないですかぁー!」

 

「見られたらカズくんに対する見方が変わっちゃうかもしれないわね♪」

 

 変わるどころか通報されるわっ!

 

「お願いですからやめてくださいっ! なんでも……なんでもしますから!」

 

「あら、ほんとに?」

 

「はい! ブランド物のバックでもネックレスでもなんでもプレゼントしますから! それだけはどうか……」

 

「ん~……そんなにお願いするなら、そおねぇ……」

 

 ボクを見つめる静香さん。ゆっくりと両手をボクの頬に添えて――、

 

「だったら、朝まで私をかわいがってくれないかしら?」

 

 そう、つぶやいた。

 

「……え?」

 

 呆けるボクに、静香さんは頬を膨らませる。

 

「む~……私じゃやっぱり不満なの? かわいい彼女ができたら私やリカをポイするつもり?」

 

「そ、そんなつもりないですよ!」

 

 いったいどこからそんな……、あ……。

 

「もしかして……静香さん」

 

「ん~……?」

 

「麗さんに焼餅やいて……イエ、ナンデモナイデス。スミマセン」

 

 言いかけたところでペニスをギュっされかけた……。

 

 ま、まあ、とにかく……。

 

 静香さんは焼餅をやいている可能性が高い、ということだ。

 

「それで、カズくん。どうするの?」

 

「……朝まで、静香さんをかわいがらせていただきます……」

 

「ふぅん……でも愛情がないのは嫌よ。作業みたいなエッチは嫌なんだから」

 

「ええっと、その……愛情なんですけど……。静香さん」

 

「?」

 

「ボクは……静香さんも、リカさんも好きですよ」

 

「……へ?」

 

 キョトンとする静香さんに、ボクは今の気持ちを正直に伝える。

 

「ただ、静香さんとリカさんに向けてる『好き』という気持ちが女の子に、異性に向ける『好き』なのかまだハッキリとわからなくて……ですね……」

 

「…………」

 

「5年以上付き合ってるからか、静香さんやリカさんに向けてる『好き』という感情が、家族の……『お姉さん』に向ける『好き』かで結論が出なくて……でも、麗さんと同じぐらい2人のことも好きで……」

 

 そこで言葉を止めてしまったボクに、静香さんは無言で両腕を首に回してきた。

 

「静香さん? ――うわっ!?」

 

 静香さんの顔を覗き込んだ瞬間、静香さんが首に腕をかけたまま、体を動かして仰向けになる。ボクも首に回されている腕に引き寄せられる形で引っ張られ、静香さんの体に覆いかぶさった。

 

 ボクは静香さんに体重がかからないよう、すぐに両腕をベッドに立てて起き上がると、

 

「むぐっ!?」

 

 再び引き寄せられ、唇を重ねられた!

 

 そのままたっぷり数十秒ほどキスしたあと、静香さんはいつもの笑みとは違う、艶のある妖艶な笑みを浮かべ、

 

「だったら今夜で私を『女』として意識させてあげるわ」

 

 ――と、自身たっぷりにつぶやいてきた。

 

 …………。

 

 ……どうやらボクのペニスに休息はないらしい。

 

「どうか、お手柔らかに頼みます……」

 

「ふふっ、ダーメ♪」

 

 静香さんは悪戯っ子のような笑みでつぶやき、唇を重ねてきた。

 

 ……お願いだからボクのペニス、頼むから今夜1日は耐えてくれ……。

 

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