王都メルツィスカ
その大通りから逸れた小道からさらに逸れた道
城の影になりあまり人の住む家の少ない路地裏を奇妙な2人が歩いていた
そしてその2人を見下ろす梟の様な漆黒の鳥が一羽
その2人を静かに見下ろしていた。
「深淵狩りさんに買われたかぁ、なんか面白くなりそうだね」
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ご主人様の家に向かうまでの道で、彼はお買い物をたくさんしていました。
私はご主人様の仕事を手伝う事で少しでも私の扱いを良くしようと考えていました。
ですが、荷物を運ぶのを手伝おうとするとご主人様が言いました。
「それは、お前の仕事ではない」と
その声はとても低く、常に身に付けていられる仮面でくぐもって聞こえる事でどこか恐ろしげに聞こえました。
思えばご主人様の声を聞いたのはこの時が初めてでしたが、その時の私はご主人様からお叱りを受けたと思い込んでいてそれどころではありませんでした。
ああ、私は間違えてしまった
この方に見放されてしまえば、私の命は風前の灯よりも儚く
路肩に並ぶ小石よりも軽くその命を終わらせられてしまうでしょう。
ここまで私は少しでも嫌われない様にご主人様に私の目を見せない様に俯き続けていました。
この顔を上げた瞬間にまたご主人様と目があってしまえばすぐにでもまたあの場所に戻されてしまうのではないかという思いがなくならなかったのです。
でも、それでも
私は生き残るという気持ちを完全に捨て去ってはいませんでした。
私には孤児院で学んだ退魔の護符や水を生み出す魔法の力があります。
私はこれまで学んできたその力で必ず自分の命の価値を証明できると信じていました。
ですがそれもご主人様のお家に着くまでの事でした。
新たなご主人様のお家は遠見で見たことのある貴族の家よりは小さいですが、その実ご主人様によって魔改造を施されたある意味『魔の家』とも言うべき物件になっていました。
彼の帰りを迎える『お疲れ様でした』という謎の音声、それは玄関横に立つ騎士像から発せられていました。
それに合わせて勝手に沸き立つポットと自然に光量を上げるランプ
普通の家ではあり得ない光景に私は悲鳴をあげたり、部屋をキョロキョロと見回すばかりで何も出来ませんでした。
私のこれまでの人生で一生懸命覚えた技や力は、全て彼の家の道具や家具が悉く上回っていました。
そう、ご主人様は何も必要としていなかったのです。
貴族の様な豪邸でもないご主人様の家は、ともすれば未だ見ないご主人様の更なる道具によって家事も何もかもに人手を必要としない可能性もありました。
それは私にとってはさらなる絶望でした。
その瞬間ふと孤児院での生活で見た、あの女貴族に買われていった孤児院の仲間たちの姿を思い出しました。
あの黒い触手にズポズポと何かを植え付けられていった彼女達の姿は、未だに夢に出てくるぐらいには私の中に焼きついていました。
私が孤児院で学んだ技術はそこまで多くはありませんでしたが、その中には誰かを喜ばせるに足るある技術がありました。
それは性技、房中術の類です。
かつては何故この様なものを覚えなければいけないのか疑問でしたが。
今ならばわかります。
あの院長先生は子供達に役立つ技術を教え、そして売るという人身売買ビジネスのためにあの孤児院を作り上げたのでしょう。
恨みを持つべき相手ではありましたが、彼女の教えた技術は確かです。
私は先手必勝で、私の覚えた技術をご主人様にぶつける事を決意しました。
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晴天の霹靂
驚天動地
天地をも揺るがす衝撃的な光景でした。
場所はご主人様の家のお風呂場
何と、ご主人様は貴族でもないのに自宅にお風呂場を作り上げていました。孤児院では共用浴場を使う贅沢すらした事はありませんでした。
ですが今驚くべきはそこだけではありません。
まず私のこの薄汚れた体を洗うと言って、ご主人様は私をここに案内しました。
それは私にとってもチャンスではありました。
ご主人様もその軽装とも言える様な鎧を外し、私を洗うために一緒に入るというのですから。
ですがそこで見たのは
「....えっ、あ」
「......どうした?」
均整の取れた体、その下にぶら下がっているのはなんだ?
.............え?うそ。
あれは、もしかしてオチンポ様?
『貴方達には見覚えがないかもしれません』
『ですが、これをしっかりと覚えておく様に』
『いつか、そう....もしかしたら』
『貴方達が奉仕する存在になるかもしれないのですから』
院長先生のそんな言葉を思い出す。
彼女はこれの事を、オチンポ様と
そう呼んで孤児院の授業で取り扱っていた。
その性技の授業では、ほとんどは女性に対しての実践形式での授業であった。
その度に孤児院では何人かが院長先生に気絶までさせられていたが
その中でも数少ない特殊な授業があった。
このオチンポ様へのご奉仕の授業だ。
『皆さんも、ご奉仕が出来るように頑張るのですよ』
『それは女としての幸せにも繋がってきます』
『まあ、その可能性は限りなく低いですが』
彼女はオチンポ様を模ったという模型を幾人かに配りました。
『それは絶対に乱暴に扱わないように、一つ一つが違う大きさで作られています』
『時折、貴族の享楽によって配られたり。販売されたりしますがあまり出回る事はありません』
『では、エマさん。今夜部屋に来るように、そこで処女を卒業しましょうか』
『え“っ?』
何故か私は部屋にも呼ばれず、処女という言葉の意味もあまり理解する事はありませんでした。
その授業では特に舌や唇、手を使った奉仕術を教わりましたが
他の孤児院の仲間が木型だったりした中で、私だけ鹿だったり馬から切り取った実物を使わされたのは未だに根に持っています。
中からなんか出てきたり、とっても臭かったのです。
だけど、そもそも私はそんな生き物と生涯で出会う事はないだろうと思っていた。
全て院長先生の気まぐれか、はたまた遊びのためか。
実際その授業の後から深夜に院長先生の部屋の前を通ると孤児院の仲間の嬌声が聞こえることもありました。
馬のオチンポ様だったり鹿のオチンポ様だったりを見ていると思いました。人の体にこんなものがついてるわけない。
孤児院のみんなと川で一斉に水浴びしたり、部屋で体を拭く時だって、彼女達の股ぐらはツルツルとしていて。
男の人ってこんな大きくて長いものをぶら下げているのは大変ね。
なんて考えたりして、実際に目の前にするなんて思ってもいませんでした。
まさかご主人様が男性だっただなんて。
だって、
彼はそんな私を不思議そうに見つめていました。
その髪は正教に伝わる女神様の様に白く
その瞳は精霊を愛すると伝わる、森人族の神秘だと言われる青い瞳と同じでした。
私と真反対
万人に愛されるであろうその容姿
しかし、でも
私は止まるわけにはいきませんでした。
彼のその美しくもしなやかな筋肉に包まれた体は、しっかりと男の象徴とも言われるオチンポ様がついていて
私は服を脱ぎ去ったご主人様のオチンポに飛びつくのでした