絶歌~destrudo~ 作:柳川 秀@尾上 愛‗VTuber
ボクは彼女を愛していた。
そして、ボクは彼女の愛を独り占めしたかった。
彼女の愛が向かう先をボクだけに限定したかった。
そうすることで本当に彼女の愛を信じたかった。
だから、ボクは彼女に何でも求めた。
ボクを癒してくれることを求めた。
ボクと触れ合ってくれることを求めた。
ボクを抱擁してくれることを求めた。
ボクの感情を受け止めることを求めた。
ボクを恋人にしてくれることを求めた。
ボクに尽くしてくれることを求めた。
ボクを嫌わないことを求めた。
ボクに全てを差し出すことを求めた。
永遠にボクだけの存在になることを求めた。
でも、いつしかボクの中で彼女は彼女ではなくなっていた。
「マザー」というボク自身を守るための存在、ボクがボクのことを大切にするために利用するツールとしてボクは彼女を見るようになっていた。
彼女に初めて拒否され、逃げ出したのは昨日のこと。
彼女の身体を弄んで自慰することを覚えてから数週間してのこと。
彼女が初めてボクの部屋に来た時のことだった。
男の部屋に上がる、付き合っている恋人の部屋に来るのなら、それなりの覚悟や決心をしているのだろうと思っていた。
何をしても許されると、彼女ならボクが犯そうとしても微笑んで受け入れてくれると思い込んでいた。
だから押し倒した。
整えられたベッドシーツの上に、乱暴に押し倒した。
そのまま服を剥ぎ取っていった。
自分の服も全て脱ぎ散らかして、彼女の裸体を包み込むように自分の身を重ねた。
彼女はちょっと驚いたようだけど、まだ微笑んでいた。
だから指を押し入れた。
彼女の中に、秘部に、ボクはボクの中指を初めて入れ込んだ。
ひゃっという短い声が彼女から漏れた。
彼女をもっと喘がせたくなって、もっと辱めたくなって、ボクは彼女の口に舌を侵入させながら指を動かした。
彼女は涙目になって塞がれた口を開けようとはしていたけど、まだボクを抱き締めていた。
だから彼女と一つになろうとした。
避妊具も付けないまま、今その手で濡らしてきた彼女の中に、自らの欲動を押し込もうとした。
待って、と小さな悲鳴が聞こえた。
でも、イヤ、といういつも愛撫している時にも聞く喘ぎと同じようなものだと思って無視していた。
彼女の声に耳を貸さず、ボクはキュッと閉じている門を抉じ開けようと何度もそこをなぞった。
なぞりながら彼女のことを益々濡らしていった。
ダメ、と短く声が上がった。
それさえもボクにとっては自らを欲情させる要因の一つでしかなかった。
抵抗して暴れようとする手を押さえつけて、それを彼女が雰囲気を盛り上げるための演技だと見なした。
入れさせまいと抗い続ける腰を制して、それも彼女が焦らすためにやっているのだと思い込んだ。
泣きじゃくるのも、やめて! と喚くのも、キスさせてくれないのも、ボクのSな面を曝け出させてくれているのだと、彼女のMな面を見せてくれているのだと、全て都合の良いように解釈した。
その気持ちの何もかもを蔑ろにして、ただ動物としての本能のままにボクの陰茎が彼女の処女膜を生で破ろうとする、その瞬間。
耳をつんざくような叫び声と同時にボクの頬は叩かれた。
ボクの手から逃れた彼女の右手で、思いっ切りボクは叩かれた。
「──ボクのこと、受け入れてくれるって言った」
痛みを無視して腰を押し進める。
「ボクを愛してくれるって言った」
無理矢理処女を奪われる痛みを味わわせようとする。
「ボクを信じさせてくれるって言ったじゃないか」
一番奥まで捻じ込むように下腹部同士を密着させていく。
「ボクを受け入れてよ」
破瓜の血の中で膣の締め付けを感じようとする。
「ボクのことを拒まないでよ」
ボクの性器の全てが彼女のそれに収まっていく。
「キミが人を癒すと言うのなら──」
それでも満足できなくて、ボクは彼女の首を絞めながら乱暴に腰を突き動かす。
「なら……ならボクのことも助けてよ!」
一瞬の痙攣と、固まる身体と、小さな叫び声。
一息落ち着くことさえ許さないとでも言うように、首を捕らえた手に力が込められる。
初めて人の中で絶頂を迎え、膣内に全てを吐精したその時。
ボクの目に映っていたのは涙で汚れ怯え苦しんでいる彼女の、「マザー」と呼ぶには余りにも相応しくない表情だった。