親友の瑠璃が消えた。私が彰人と付き合い始めたことを告げた次の日のことだ。学校にも来ず家にも帰っていないらしい。心配だ。もしかしたら私と彰人のことで胸を痛めたからではないかそんな不安がよぎる。私たち3人はずっと一緒だった、これからもそうだと信じていた。
しかし少し前、彰人に告白された。ずっと好きだった、もちろん嬉しかった泣くほど嬉しかった。10年来の恋がやっと実る。私は二つ返事で了承してしまった。だけれど少しして冷静になって3人の関係が決定的に壊れてしまうのだと分かって悲しくなった。だけどやはり思いが通じた喜びの方が大きい。
私たち二人はだなっておく方が不誠実だという結論に至り、付き合って三日で彼女にそのことを告げた。優しく誠実な彼女は微笑んでおめでとうを言ってくれた。けれどもやっぱり彼女に傷を負わせてしまったと分かる悲しい笑顔だった。
たちの友情はもう戻らない、それは悲しいけれどだからと言って彰人と結ばれたという幸せを捨てることはしたくなかったし、そうまでして友情を優先するのも不健全だと思う。いやひょっとするそう思い込もうとしていただけなのかもしれない。
ともかく下校の道に着く私たち二人の脳裏には最悪の想像が渦巻いていた。
「見つかるよね……瑠璃……」
「大丈夫……大丈夫だよ」
私の漏らした不安に彰人は元気付ける言葉を掛けてくれる。だがその声にはいつもの力強さを感じなかった。
私たちが無言で歩いていると、私は不思議な寒気を感じてきた。何かいつもは見ない霧が周りに立ち込めている。
「……っ!?」
かすむ視界に求めていた人影を見た気がした。
「瑠璃……⁉」
私は制止する彰人の声を気にせずに前に進む。だがどれだけ走っても追いつけない。気づけば霧は濃くなって、自分がどこにいるのかすらわからなくなっていた。
「え?瑠璃!彰人!」
後ろを着いてきていると思っていた彰人の姿も見つからなくなっている。
「どこにいるの⁉」
私の胸を心細さが満たす。背筋を震わせる寒気も強くなってくる。私は、周りの異様な雰囲気に身をすくめ震えてしてしまう。
判然としない視界の中、該当のオレンジ色の光がぼんやりと周りを照らしている。
「ここだよ、明美」
聞きなれた声が後ろからして、私は反射的に振り返る。
「瑠璃?」
見えると思った彼女の姿を捉える前に目の前が真っ暗になる。薄れていく意識彼女の目が赤く光っているような気がした。
※
「……え?」
目が覚めた時、私は暗い部屋にいた。真上にあるライトが私の周りのみを照らしていてその円型の領域以外は、部屋の広さすらよくわからない。
私の両腕は左右に引き伸ばされて、天井から垂れる鎖に繋がれていた。無理やり立たされるぐらいの高さで釣り上げられている。
「な、なにこれ!なんなのよ!」
腕を動かそうとしてもジャラジャラと鎖がなるだけで、碌に動けない。
「誰かいないの!ねえ!」
私は恐怖でパニックになりながら、叫ぶ。
「大丈夫だよ、明美。落ち着いて」
後ろから声が聞こえる。首をひねるとずっと見たかった顔が見えた。
「瑠璃!無事なの⁉……これ外せる?」
私は安堵を感じながら、鎖を外すように瑠璃に頼む。
「残念だけどまだ無理。明美が身も心も完全にご主人様の者になるまでは、ね……」
「な、なんで⁉……もしかしてこれ瑠璃がやったの⁉」
瑠璃が言っていることの意味が分からず、私は叫ぶように問いただす。瑠璃は自分のように囚われているのではないのか。それどころか私がここに来る前、瑠璃に誘い込まれるようにしていたことを思いだし、最悪の推理が頭に浮かぶ。
「そうだよ……私が明美ちゃんをここに連れてきたの」
瑠璃は私の正面に回りながら言う。
「な、何でこんなこと!放してよ!何があったって言うの⁉」
私は、次々と湧いてくる疑問を、吐き出すように叫ぶ。
「だから落ち着て明美ちゃん……叫んだって暴れたって明美ちゃんにはどうすることもできないんだから」
瑠璃は笑みを浮かべて冷徹に私を突き放す言葉を掛けてくる。私は怒りを感じて、彼女の顔を睨む。そこで私は違和感を覚えた。確かに目の前にいるのは、見慣れた顔をして聞きなれた声を話す、立川瑠璃その人だ。しかし、何かが違う冷たくどこか色っぽい彼女の表情、そもそもメガネをしておらず、瞳の色まで違うようだ。
彼女はいつもやぼったい私服を着がちであるが、今はその抜群のスタイルを見せつけるような露出の多いドレスを着ている。そもそも以前からグラマラスだったのがより肉付きが良くなって、さらに煽情的なボディラインになっている。彼女はその妖艶な表情と合わせて、同性の自分でも震えてしまうほどの色気を放っている。以前までの彼女では考えられない姿だ。
「瑠璃……何があったの?」
瑠璃の変化もこの状況も、何もかもわからない。
「明美ちゃん、私、吸血鬼になっちゃったの」
彼女は、自分の唇をにぃっと引っ張る。そこには一対の鋭い牙が見えた。
「吸血鬼って……冗談止めてよ……」
そんな非現実的な存在はあり得ない、牙を見せられたところではいそうですかと納得できなかった。
「そうだよね、信じられないよね。でも大丈夫その身体で分かってもらうから」
「どういう……んむぅっ!?」
わたしの唇に冷たくて柔らかい感触がした。キスされている、それも付き合いたてのカップルがするような初々しい控えめなものではない。彼女はこちらの困惑に構うことなく、舌を入れてこちらの口内を舐め回す。下の感触にも驚いたが、それ以上に冷たさが気になった。密着しているはずなのに生気というものを全く感じない、死人に触れているようだ。
「……ぷはっ……ごちそうさま」
彼女はひとしきり私とのキスを堪能してから口を話す。私は困惑と恐怖で彼女の顔を見ていることしかできない。
「……初めてだった?」
彰人と付き合い始めてすぐに、瑠璃がいなくなってしまい恋人らしいことは何もできていない。こんな状況だが羞恥心を感じさせられる部分を弄られて、目をそらしてしまう。
「よかった、私が初めてなんだね。じゃあ、こっちの方も初めてだよね」
唐突に彼女は指を私の太腿に這わせてくる。
「ひゃっ!」
「ふふ、可愛い反応……♡明美ちゃんの処女、ご主人様に捧げられそうでよかった」
彼女は小悪魔のような笑みを浮かべながら、冷たい手で私の足の付け根あたりを撫で続ける。
「ちょ……止めて……」
「ダメ、もうあなたは私の思うがままなの。受け入れた方が、明美ちゃんも楽だよ」
「……本当に、吸血鬼になっちゃったの?」
余りに生気のない彼女の肌と、彼女のあまりの変わりように、目の前にいるものが人外であることに信憑性が出てくる。
「そうだよ?二人が私を一人にして傷ついてたところを、ご主人様に見つけてもらったの」
「……っ⁉」
私たちのせいなのか、私と彰人が彼女を一人にしたから彼女は変わってしまったのだろうか。
「でも気にしないで、そのおかげでご主人様に見つけてもらえたんだから、むしろ感謝してるぐらいなの。だから、明美ちゃんにこの幸せをおすそ分けしたくてここに連れてきた」
「私を吸血鬼にするつもりなの?」
「そうだよ。明美ちゃん美人だから、ご主人様もきっと気に入ってくれると思う」
瑠璃は当然のことのように言う。
「やめてよ。変なことしないで……」
「んふ、ダ~メ。明美ちゃんがご主人様の性奴隷になるのはもう決定事項なの」
「せいどれ……!?」
以前の彼女からは考えられない言葉が飛び出してくる。
「そう、せ・ど・れ・い♡ご主人様は可愛い女の子に目がないの。明美ちゃんをご主人様に捧げたらきっと私のことももっと好きになってくれる。二人一緒に可愛がってもらお。ね?」
性奴隷尊厳も人権もないようなあり方がとても幸せなものであるかのように彼女は語る。
「そんなものになりたくない!それに私は彰人のモノなの!」
「……うわ、ちょっと妬けちゃうセリフかも。でもいいよ、寝取るのもそれはそれでスパイスになるから」
瑠璃の声はこちらをあざ笑っているようだった。本当に彼女は変わってしまったのだ。何か邪悪なものに。
「戻ってよ……前の優しい瑠璃に……」
控えめながら、確かな優しさを持った瑠璃。私たちはそんな彼女が好きだった。
「残念だけど……前までの私はもういないの、ここにいるのはご主人様とご主人様とエッチなことをするのが大好きな私。明美ちゃんもそうなるんだよ」
「イ、 イヤ……」
目の前にいるのがもはや友達ではないと分かって絶望と恐怖が心を支配する。
「大丈夫、怖がらないで。私の調教が終わるころには、ご主人様と気持ちよくなることしか考えられなくなっちゃうから」
彼女は同性の私でもドキドキしてしまうような蠱惑的な笑みを浮かべる。こんな状況でもそう感じるのは、やはり彼女が魔性の何かに変わってしまったかだろうか。そう納得してしまうとともに私はもう逃げられないのだと本能で感じてしまった。
「今から、これを明美ちゃんに打ち込むね」
明美だったものは、アンプルのようなものを見せてくる。
「これにはね、私の血とエッチな気分になるお薬が入ってるの。これを使ってあなたをご主人様好みのエッチな吸血鬼にしてあげる♡」
助けて……彰人……。私は心の中で、愛しい人の名前を呼ぶことしかできなかった。瑠璃はそんな私の願いを気にも留めず、アンプルの針を私の首筋に突き立てる。
「あ……あぁ……」
首元から冷たい液体が入ってくる感じがする。得体のしれない何かが犯していくような気がする。怖い、恐い、コワイ……。
「明美ちゃん、力を抜いて……吸血鬼の血を受け入れて♡」
直ぐに頭がボーっとしてきてふわふわした気分になってくる。
「んちゅ♡れる、れろ、ぶちゅ♡」
瑠璃の舌がまた私の中に入ってくる。さっきより無遠慮に口の中を舐め回してくる。同性のはずなのに下腹部が疼いてゾクゾクする。ありえない、きっと錯覚だ。キスはやっぱり彰人としたい、そんな思いが胸に湧いてきて私は頭を振って瑠璃を振りほどこうとする。しかし彼女は冷たい両手で私の頭を捉えて消して放してくれない。どれどころか、より蹂躙するようなキスで私を犯してくる。
「ふーっ……明美ちゃんの顔もうトロトロ♡とってもエッチで素敵だよ」
こちらの息が苦しくなるほど長いキスの後、彼女はやっと解放してくれる。だが彼女の責めがやむことはなかった。
「んあ♡瑠璃……や、やめ……んうぅ♡」
彼女の両手が私の体を愛撫する。制服の上右手はから胸を、左手はまた太ももを、さっきの薬で敏感になっているのか私はこれまで感じたことがない感覚に襲われて、声を上げてしまう。
「本当に明美ちゃんは美人だよね、彰人が好きになっちゃうのも分かるなぁ……」
彰人の名を聞くたびに胸が痛くなる、私たちが下手に結ばれたりしなければこんなことにはならなかったのだろうか?
そんな私の思考も、絶え間ない愛撫の甘い刺激で溶けていく。
“ビリッ”
瑠璃は人外の爪と力で私のシャツをブラごと引き裂いた。
「ああっ♡」
露わになった上乳を瑠璃の指がなぞる。
「柔らかくて、形のいいおっぱい……♡乳首はどうかな?」
私が儚い抵抗として身体を揺らしたりしてみるが、瑠璃は全く許してくれない。
ブラをたくし上げ、乳輪と乳首をあらわにさせられる。手で身体を隠したいが鎖がそれをさせてくれない。
「きれいなピンク色♡しゃぶりつきたくなっちゃう♡」
「はうっ♡」
瑠璃は言葉通り、乳首を咥えて舌でころころと舐め始める。ピリピリじんじんした官能が私の脳を痺れさせる。
凌辱と言える激しい愛撫はさらに苛烈になる。
「あ!」
ついに瑠璃の指は、スカートの中に侵入してくる。ショーツを優しくなぞる指の感触が私のワレメに伝わってくる。
「あ、濡れてきた♡」
首から投与された媚毒は、愛撫の高揚に背を押されて全身に回ってしまっている。体中が熱くなって肌の上には汗が浮いてくる。頭ももっとボーっと熱に浮かされた感じになる指がショーツをなぞる度、染み出てくる愛液の湿っぽさが確かになってくる。
「瑠璃ぃ♡やめてぇ♡はうんっ♡」
「ふふ、色っぽいいい声♡もっと聞かせて♡」
「ああんっ♡ダメェ!」
指がパンツの中に侵入して、直接ワレメを撫でてくる。それだけではなく穿るように、さらに奥に入ろうとする。
「やっ!そこはらめぇ♡大切なところなのぉ!」
彰人にだって見せた事すらないのに。
「大丈夫、膜は破らないよ♡ご主人様のものだもん♡」
彼女の言葉に私への配慮はどこにもなく、すでにそのご主人様なる男の所有物扱いだ。
「ああ!ダメェ♡……ふむぅ♡」
下着の中に侵入した瑠璃の右手は、布の内側で蠢いて人差し指で中に侵入しながら、中指でくりをこねくり回してくる。
性感が一気に大きくなり、決壊が近づいてくる。
「我慢しないで、思いっきりイッちゃって♡」
瑠璃は畳みかけるように開いている左手のひらで乳房を揉み上げながら、私にキスしてくる。
「まっ……んちゅう♡れろる、じゅるじゅる♡らめっ♡ひっちゃ……♡」
あまりに激しいディープキスに私は軽い酸欠状態になる。
「んふふ♡じゅるれる♡ちゅるる♡……ひっけ♡(イっけ)」
「はあ゛ああっ♡イっくぅぅぅ!」
彼女の言葉で私は派手に絶頂してしまう。
「あ゛あああぁ♡」
普段碌に自慰すらしない私の体は、体験したことのない激しい快感に震えて、なかなか降りてこられない。
「うわっ♡潮吹くほどイっちゃってる♡明美ちゃんはエッチだね♡」
「ひわないれぇ♡」
真っ白になった頭で何とか言葉を紡ぐが、同時に脱力してへたり込んでしまう。しかし鎖がへたり込むことを許してくれない。
「そろそろ薬も血もいい感じに回ってきたよね!そろそろ次のステージに進もっか♡」
彼女は、心底楽しそうな声でそう言うと私から一歩距離を取った。
「明美ちゃん見て……」
彼女は大胆に露出した自らの胸元に爪を立て、横に線を引く。
“ツー”
白磁のような、白い肌に一筋の赤い線が描かれる。
鼻に鉄臭いにおいがただよってきた。
“ドクンッ”
その瞬間、心臓が大きくなる。頭が熱くなって何か強い衝動、飢えのようなモノが吹きあがってくる。
「あ、ああ……!」
「分かる?それが吸血鬼の衝動。順調に吸血鬼に近づけてるみたいだね。嬉しい♡」
「そんな……ああ!」
イヤだ、自分の中にある欲求を認めたくない。今自分は血を欲しがってしまっている。でもそんなのは人間じゃなくて化け物だ。そんなおぞましいものにはなりたくない。
私は目をつぶって、内なる衝動に耐えようとする。しかし刻一刻と欲は大きくなっていく。
「我慢しなくていいんだよ」
溺れてもがいているところに差し伸べられた救いのような言葉だった。私は思わず目を開け、滴る血を見てしまう。
「が、あああああ!」
とたんに視界が真っ赤になり飢えが、たまらなく大きくなる。よだれ口の外に流れ出ていく、むき出しの歯茎がすごく痛い。
「はーっ!はーっ!」
私は息を切らしながら前のめりになって、瑠璃に近づこうとする。しかし鎖は頑丈で、あっと一歩近づけない。
「ふふ、明美ちゃん凄い顔だよ。でも吸血鬼らしくていい感じ♪」
「は、ああ……!」
瑠璃の言葉で私は自分の様子を客観視する。まるでケダモノのようではないか。その事実に私は恐怖して、頭が急激に冷えていく。しかし、煮え立つような上は消えてくれない。
「いいんだよ、飲みたいって言えば飲ませてあげる」
飲みたい、その赤い液体を。私は嘘偽りなくそう望んでいた。でもそんなもの飲みたいと思うのは人間ではない。その嫌悪感で欲望を押さえつけようとするが、どれだけ抑えようとしても、飲みたいという願望は消え去ってくれない。
「飲まないの?自分で言うのもなんだけど甘くておいしいよ」
瑠璃は滴る血を指で得少しぬぐって、自ら舐める。その艶めかしい動作と香り立つ鉄の香りがまた私の官能を刺激してくる。全身と下腹部が熱を持って疼く。頬に熱いものが流れていく感覚を感じる。
「ほ、欲しい……のましぇて……」
呂律が回らない、自分が何を言っているかもわからない。ただ、瑠璃は私の願いを聞いてくれたようだ。
「そんなにボロボロ泣いちゃって……なんてかわいいの♡可愛くおねだりできた明美ちゃんにはご褒美を上げなくちゃね♡♡♡」
悪魔のように残酷な微笑みを浮かべた瑠璃は、私の頭を両手で包んで歩み寄ってくれる。
「んへ~♡れろん♡」
私はたまらず舌を伸ばし瑠璃の鎖骨の下あたりを流れる血をなめとった.
「……っ‼あ゛、ああ♡」
瞬間私の頭に雷に打たれたような衝撃が走る。甘く、豊潤で、どこまでも背徳的な味と香りが口から鼻へ突き抜ける。それと同時に下半身からもプッシュと潮を吹いてしまう。ああ、やってしまった……と私は思った。人として超えてはならない線を越え、這い上がることなどできない深淵に落ちていく。乾きが吹き飛んでいくようだった。なぜこんな当たり前に必要なものを私は拒もうとしていたのか、これは人間が食物を食べるのと同じ生物が生きる上でしなければいけない当然の行為で、しない選択肢などないはずなのだ。
そうでなくても、私はもうこの血なしには生きていけない。どんな麻薬でも得られないであろう多幸感が頭にこびりついてくる。この血を飲むことで得られる快楽のためならなんだってできる。私の価値観は一気に吸血鬼のそれに切り替わって、その事実に対する悪感すら湧いてこない。
「も、もっと~~~♡」
一度距離を開けってしまった彼女に私は媚びた雌犬のような声を上げる。
「みっともないな~~~♡」
瑠璃はあざけるような目で私を見る。
「そんなのどうだっていいから~~~」
「はいはい、この血の味を知っちゃったらそうなるよね」
彼女はまた私に近づいてくれる。
「はーむっ♡」
私はいつの間にか口に映えていた牙を彼女に付き立てた。その変化への疑問もわいてこない。生まれた時から私には牙があったように思える。
―ちゅーちゅー―
牙の中にある空洞から瑠璃の血が流れてくる。乾いた大地に雨が降って潤うように、あるべきものが体にいきわたっていく。美味しい、美味しい♡私の体は本格的に吸血鬼となっているようで、感覚が鋭敏になって臭いや味がより鮮明に分かる。そんな私を瑠璃は慈愛に満ちた顔で見守ってくれていた。
「んちゅ♡ぷはっ♡ふーっ、ふーっ」
しばらくして私は口を話す、天地上るような気分だった。私は涙やよだれを垂れ流し、その幸福を享受する。
「ようこそ明美ちゃん、吸血鬼の世界へ♡」
「はい~、吸血鬼にしてくれてありがとうございましゅ~♡」
彼女は、その細く綺麗な指で私の顎を撫でてくれる。私たちの間にはもはや友情はない。私たちをつなぐのは、主人と眷属という血のつながりだけだ。
「明美ちゃん分かってるよね。明美ちゃんの主人である私のご主人様は、明美ちゃんのご主人様でもあるの♪明美ちゃんもご主人様の性奴隷になりたいよね?」
「はい~、もちろんでしゅ~~~♡」
顔すら見たことがないはずの瑠璃のご主人様、だが私の血は瑠璃を通して絶対的に服従すべきお方の存在を感じていた。
「今すぐにでも処女捧げたいよね?」
「はい~♡」
考える前に私は返答していた。
「うふ♡」
瑠璃は私から離れて、道を開けるように横に退いた。彼女の背後の闇から大きな存在感を放つ人影が現われた。
涙で歪んだ視界はその姿をはっきり捉えることができなかったが彼が何者なのか私はすぐに分かった。
「ドレイクさま~♡」
聞いたこともないはずの彼の名前が口から出てくる。
「お前が、瑠璃からの捧げものか、ふふん、なかなかの上玉じゃないか。気に入ったぞ」
はっきりとしてきた彼の姿は、背の高い黒髪で鋭い雰囲気のイケメンだった。スーツを着こなす最上級な雄から褒められればそれだけですでに屈服しているメスは絶頂するほどの喜びを感じてしまうものだ。
「ひゃい~♡ありがとうございます~~~♡」
「瑠璃も良くやったな、褒美に後で二人まとめて抱きつぶしてやる」
彼は、明美にもねぎらいの言葉を掛ける。
「私の大切なお友達気にいってもらえたようでうれしいです♡期待して待っていますね」
そう言ってほほ笑んだ。
「そうだ瑠璃、例のモノの用意も済んでいるのだろうな?」
「はい、もちろんです」
ご主人様の問いかけに瑠璃は指を鳴らす。すると私の前に赤い肉の壁が現われた。その前面委は見慣れた人影が拘束されていた。
「彰人……」
恋人だった男が無様にも四肢を拘束されてさらし者にされているようだった。
「明美⁉無事なのか⁉くそどこだよここっ!なんだよこれっ⁉」
彰人は混乱のままに肉壁の拘束から逃れようとする。だが人間にそんなことが叶うわけがない。はっきり言って無様だった。
「ねぇ、彰人、私は大丈夫。私は今とっても幸せなの♡」
何も分かっていない憐れな負け犬に、現実を教えてあげることにした。
「な、何言ってるんだよ……明美……」
彰人は信じられないというような顔をする。客観的に見ればそうかもしれない。私は拘束され服を破られているのだから、凌辱されようとしているように見えるのだろう。というか実際そうなのだろう。私自身が心からそれを望み、享受しているということ以外は。
「彰人、お願いがあるの……私の『元』恋人として、私が処女奪われるとこ見届けて♡」
「は、何言ってんだよ!?」
ドレイク様が私の後ろに回る。後ろから私に密着し、胸を強い力で揉んでくれる。
「やん♡ゾクゾクしますぅ♡」
「誰だよお前!明美から離れろよ!」
彰人が気分の萎えることを言っていくる。しかし私の気分に反比例するように私を愛撫する手に熱が入る。ご主人様が喜んでくれるならこの状況も悪くないと思う。
「んんうぅ♡私たち短い間しか恋人じゃなかったから、セックスはしなかったよね♡初めてをご主人様に捧げられることになって嬉しいの♡」
「な、なんなんだよもう恋人じゃないって……⁉」
「あ、そっか、お別れまだ言ってなかったね♡私はこのドレイク様の性奴隷妻として生きていくことにしたからもうあなたの彼女じゃいられないの♪ごめんね♡あんっ♡」
「そういうこと♡彰人くんは恋人をすぐに寝取られちゃった負け雄らしくそこで無様に泣きわめいてて♡」
「る、瑠璃!ここにいたのか⁉頼む明美を助けてくれ!」
今になって瑠璃の存在に気づいたらしい。彰人は自由に動けそうに見える瑠璃に助けを求める。実際には瑠璃は私以上に見えない魂の鎖で縛られて、ご主人様に深く服従している。そうとも知らず憐れだった。
「助ける?何勘違いしてるの?明美は今人生……ううん……吸血鬼生で一番幸せな瞬間にいるんだから、じゃまするようなこと言っちゃダメだよ」
瑠璃が彰人の言葉をバッサリと切り捨てる。
「吸血鬼?」
「このの紅い目と牙がその証拠、明美と私はねご主人様の愛玩吸血鬼として永遠に幸せに過ごすの」
「そうそう、彰人はご主人様のスパイスとしてせいぜい無様を晒してご主人様を興奮させてね♡んふ♡」
「明美……」
理解できない中、もう自分にはどうしようもないという現実をだんだん飲み込み始めたのか、彰人が涙とともに絶望の表情を浮かべる。その様子がとてもそそる。これが愉悦というのだろうか、ご主人様という圧倒的力を持った雄が、虫けらのような負け犬を踏みつけにする。私もそんなご主人様の目線に立って彼を見下す。っとても気持ちよかった。
やがてご主人様が口を私のうなじに押し付けて興奮を伝えてくる。
「あ♡」
私の股間に硬いものが当たるのを感じてたまらず声を上げる。ショーツ越しでもそれが何かはっきりとわかる。
「あん♡はいぃ♡私のオマンコトロトロに濡れているのでぇ♡いつでもおチンポぶち込んでください~♡」
下品に媚びる言葉がつらつらと出てくる。きっとご主人様好みの吸血鬼に変えられている証拠だろう。恥ずかしさも感じたがそれ以上に嬉しかった。
―スルスル、ジュルジュル―
ショーツをずらし私のヴァギナに直接ご主人様の肉棒を擦り付けてくれる。私の垂れ流された愛液でいやらしい水音がなる。ついにその瞬間が近づき、止まってしまったはずの心臓が高鳴る。
「いくぞ、俺の眷属……」
ジュボボ♡ブチンッ♡
「い゛、あ゛あ゛あ゛あああぁぁぁ♡♡♡」
私は絶叫した。ご主人様のおチンポが膣内に侵入し、一気に処女膜を破り亀頭が子宮口を叩く。破瓜の痛みなど感じる間もなく、その衝撃だけで私は絶頂し盛大に潮を吹いてしまう。
「あ、明美……何で……」
彰人の呆然とした顔が視界に入る。
「あうんっ……♡彰人ぉもっとちゃんと見てぇ♡私がご主人様に寝取られるとこと見てぇ♡」
本当は彰人なんか意識に入れず、ご主人様の肉棒から与えられる快楽に身をゆだねていたかったが、寝取る過程を強調したほうがご主人様も興奮してくれると思って、頑張って彰人を煽る。それに反応したのか膣内で肉棒が熱くなってくる。
「ほら、目を背けちゃダ~メ♡大切な明美ちゃんの初めての瞬間なんだから♡」
見ていられないと俯いて目をつむる彰人を見て瑠璃が指を鳴らし、肉壁から触手を伸ばして頭を上げさせ、目も見開かせる。彰人は目を背けることも許されず悔しさと、喪失感で顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
「あ゛あ゛♡あうん♡」
ご主人様は腰を振って、私の何度も子宮口を叩きながら私の胸を揉みつぶしてくる。痛いほどの力だったが、それ以上の痺れるような快楽が胸の先から流れてきた。指で乳首をつまんでこねくり回してくれる。
「はぁ、はぁ……!」
「あうん♡やん♡」
私とご主人様の喘ぎ声がシンクロしていく。ぶっといおチンポが膣内を擦る度、電流が走ったみたいで腰がカクカクと動いちゃう。
「あ゛ああ……ビリビリくるぅ♡」
私は背を逸らしびくびく身体を痙攣させて快楽を甘受する。ご主人様も興奮しているのか肉棒を震わせている。
「ご主人様!射精してください!射精して私の子宮も心も魂まで、う゛うん♡そあなたで染め上げてください♡あ゛ああぁん♡」
私の望みに応えるように、片手を私の腰に回しご主人様はピストンを強める。解放された乳房がブルブルと揺れてしまうのが分かる。いやらしい水音が部屋の中に鳴り響いて私たち二人を頂きに高めてくれる。
「あはぁ♡あきとぉ~♡ちゃんと見ててね、あなたの彼女が寝取られてご主人様のモノになるところ~♡」
もう意識の内に入れるのすら億劫だったが、ご主人様に楽しんでもらうために彰人を煽る。
「うぅ……」
彰人は情けない泣き声を上げる。私は聞きたくもなかったが、ご主人様が喜んでくれているようだ。
「いくぞぁ!明美ぃ!」
「あぁん♡来てくださいぃ~~~♡」
ご主人様は、私の首筋を舐めあげて限界が近いと教えてくれる。
「おおっ!」
「お゛ああっ♡イッぐぅ~~~♡♡♡」
子宮口を叩いた亀頭からドプドプ、ビュルビュル、熱くて重い大量の精液が私の子宮をあふれるぐらいに満たし吸血鬼の魔力が私の全身を染め上げる。ジーンと子宮のあたりが熱を持つ、私のお腹に淫紋とご主人様の名前が刻まれているのが分かる。きっとピンクの卑猥な光を放っていることだろう。
「あ、ああ……」
私は長すぎる射精で全身が砂糖漬けになったような多幸感に包まれる。これからこんな快楽が永遠に続くんだ♡ご主人様の性奴隷妻になれてよかった……♡
「おめでとう、明美ちゃん♡私たち永遠にご主人様に愛でてもらえる棒姉妹になれたんだよ♡」
「はい~、ありがとうございます瑠璃さま♡頑張りましゅ♡」
瑠璃は涙を流して私がご主人様のモノになったことを喜んでくれる。
「……」
役目を終えた彰人が、壁に取り込まれていく。
「うふふ、普通オスは壁の養分にはなれないんだけど、役に立ってくれた彰人は特別に取り込んであげる」
彰人は絶望したのか虚ろな目でうめいて抵抗もしない、運命を受け入れているようだ。
「運が良ければ、彰人の栄養が明美ちゃんと一つになれるかもね」
壁になれるといっても女たちのように生かされるわけではない。完全に取り込まれ消化される。だがすぐに終われるだけましなのかもしれない。
「ああ~~~♡」
ご主人様は長い射精後の余韻を味わうように私の首に咬みつき、チューチューと血を吸ってくれる。比較的穏やかな快楽が私の精神を揺らす。私は消化される彰人を眺めながらその快楽に浸っていた。
感想評価よろしくお願いします。
キャラ・シュチュエーションのリクエストも受け付けています。