※この作品はR-18です。

俺を好きな【悪霊】が、美少女に【憑依】してくれる話。さっそく【銀髪美少女】を寝取ります。   作:BIBI

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終章【神様を信じますか?】
第16話 どしたん? 話聞こか?


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 霊媒師にとって――『自業自得』だと突き放すのは、一般的な選択と言える。

 

 

 その仕事柄、碌でもない人間を何人も見てしまう所為だろう。だからどうしても負の感情が溜まりやすい。

 

 

 クズから助けを求められても、知らねぇよと突き放したくなる。自分で何とかしろと見捨てたくなる。

 

 

 

 だから岩瀬ナギが呪われた時も、修祓院は取り合わなかった。自ら神に近づき、祟られたなんて、自業自得だろと冷たく突き放した。

 

 

 そんな時――。

 

 

「どうした? 話を聞こうか?」

 

 

 彼女に声を掛けたのが、工藤ハジメというチャラい男だった。

 

 

 その結果として――。

 

 

「…………」

 

 

 岩瀬ナギを祟った神――眠リ猫。小さな、普通の猫に見えるそれは、血塗れで、砂利道に転がされていた。

 

 

 

「――不憫な猫だ。喧嘩を売ってきたくせして、あまりに弱すぎる。ここで息の根を止めるのも良い。でも、俺は優しいからな。償い次第で許してやるよ」

 

 

 月の光が目立つ夜空の下。猫を見下ろすのは、工藤ハジメだった。シガリロを片手に、爽やかな微笑を浮かべている。

 

 

 

 神扱いしてない。ただのか弱い小動物を見ている様な、優しい表情だった。その優しさが眠リ猫には本当に恐ろしくて、神より不気味な何かを感じさせた。

 

 

 

 これは半年前――。

 

 

 彼がまだ呪難と出会う前の出来事だ。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 寂れた町の端。みすぼらしい神社。其処には神が住んでいた。小さな猫の様な見た目の神――眠リ猫。

 

 

 それなりに神の中でも格が高く、人並みの知性を持つ。昔の傷は癒えて、今は心地良く寒空の下で涼んでいたのだが――。

 

 

 

 つい今しがた、心臓が痛くなる程の緊張を味わっていた。

 

 

「…………」

 

 

「…………ッ」

 

 

 ジッと見つめるハジメに、賽銭箱の上に居た眠リ猫は息を呑む。涙を浮かべ、怯えた様に眠リ猫は駆け出し、神社の奥に逃げてしまった。

 

 

 

 短い足で器用に埃を被った小さな箱を空けて、飛び込んで隠れる。こんな所に隠れても仕方がないのだが、それでも本能的な習性で狭い所が落ち着くのだろう。

 

 

 

「…………?」

 

 

 ナギは不思議そうに神社を見つめた。

 

 

「…………」

 

 

 アミは神が慌てて姿を消したことに違和感を抱く。明らかに眠リ猫は工藤ハジメを見つめていた。

 

 

「申し訳ありません……。本当は迎えに行こうかと思ったんですけど……、少し此方で用事があったので……」

 

 

 聞きたい事は幾つかあるが、とりあえずアミは軽く頭を下げた。

 

 

「いえ、現地集合の方が俺としては楽ですよ。ある程度、時間が融通ききますからね」

 

 

 ハジメのチャラい見た目では似合わないが、丁寧な口調で話す。

 

 

「そう言って頂けると助かります……。あの……、リリさんは何処に?」

 

 

 気遣われたのだと判断しつつ、アミは疑問に思っていたことを尋ねた。

 

 

「――ココよ」

 

 

「「…………ッ⁉」」

 

 

 いつの間にか近づいていたリリに、ハジメ以外の者が驚愕する。

 

 

 私が気配を察知できないだなんて……。

 

 

 特にアミは狼狽している。表情にはあまり出さないものの、霊媒師としてのプライドも傷つき、少し悔しい気持ちになっている。

 

 

 

「先に来ていたのよ。少し結界の方が気になってね」

 

 

 リリは横を向き、遠くの山の頂上を見つめる。

 

 

「……どうでした?」

 

 

 彼女と同じ方向をチラリと見て、アミが神妙な面持ちで尋ねた。

 

 

「私でも侵入は不可能ね。雨や雪みたいな魂を持たない物は入れるけど、私達みたいな魂ある存在は拒んでる。流石は神を封じる結界なだけはあるわ。壊すだけなら、まぁ簡単だけど……、侵入となると……、ね」

 

 

 バチバチと霊力が電流の様に音を立て、リリの指先に集まっていく。

 

 

「止めて下さい……! 神をこの地に封じる結界なんですから! 禍津神なんて解き放ったら、瞬く間に町が焼け野原になりますよ!」

 

 

 慌てた様子のアミ。冗談なのは察しているが、それでもリリなら気軽にやりかえないという懸念もあったので、気が気でない。

 

 

 

「えぇ……。あの結界って、人の手で壊せるの……?」

 

 

 焦げ茶色の髪を腰まで伸ばした少女――ヤチヨは、黒いコートの衣嚢に手を突っ込んで呆れた様に肩を竦めていた。

 

 

 彼女はリリの噂を聞いていたが、噂以上に無茶苦茶な力だと呆れているのだろう。

 

 

 

「君が、あの……」

 

 

「――彼女が朔衣ヤチヨ。今代の〈巫女〉です」

 

 

 察するハジメに、アミは頷いてヤチヨを紹介した。

 

 

「神を封じる様な強力な結界……。一体どんな代償で成立させたのか。少し気になっていたんだけど……、そういう事ね」

 

 

 ヤチヨの頭のてっぺんから足先まで見て、リリは不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「…………?」

 

 

 ハジメは状況についていけず首を傾げている。あくまで彼は霊媒師としては素人同然なので、話についていけないのも無理はない。

 

 

 

 そんな彼に対し、「彼女の先代は、強力な結界を成立させる対価として、呪いを背負ったのよ。そして呪いは代々、子供に受け継がれているわ」とリリが補足してくれた。

 

 

 

「要は供物とか、人柱の類か……。珍しくもない話だな」

 

 

 腑に落ちた様子で、ハジメは溜息を零す。そして「呪いって具体的に、どんなものなんだ?」と尋ねた。

 

 

「えーと……、まぁ、大した呪いじゃないよ? ただ余命が20年程度になるってくらい」

 

 

「くらいって……、そんな軽い話じゃないだろ……」

 

 

 頬を掻いて明るく苦笑するヤチヨに、ハジメは気まずくて少し引いていた。

 

 

「…………ッ」

 

 

 ナギが悔しそうに歯噛みする。それはきっと彼女がヤチヨを親友だと思っているからであり、無力な自分が許せないが故だろう。

 

 

「……呪いを解く方法はあんの?」

 

 

「あるにはあるわね」

 

 

「だったら……」

 

 

「それをしたら結界が崩れるのよ。言ったでしょう? あの結界は呪いを背負う代償を払うことで成立してるの。呪いを解いてしまったら、結界はいとも容易く崩れ去るわ。そうなれば――神が結界から解き放たれて、今まで封印されていた恨みを晴らそうと暴れ回るでしょうね」

 

 

 

 ハジメの問いに、リリは残酷な現実を告げる。これには周囲の者も暗い表情で黙り、数秒の沈黙が訪れた。

 

 

 





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