※この作品はR-18です。

俺を好きな【悪霊】が、美少女に【憑依】してくれる話。さっそく【銀髪美少女】を寝取ります。   作:BIBI

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第17話 好きな人の為に、婚約破棄。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「…………。あなた方をこの地に呼んだのは、調査の為です。何分、結界が張られたのは二百年も昔の話ですから、神がどれほどの力を持っているのか見当もつかない。結界が強力過ぎるが故の弊害ですね。外側から観測できる力には限りがあるので……」

 

 

 

 アミは山の方へ向き、薄く大規模に張られた結界を見つめた。

 

 

「それなら既に調査済みよ」

 

 

「「――――ッ」」

 

 

 リリの言葉に、アミとナギとヤチヨが驚く。「…………」ハジメはこの距離から神の気配を辿り、大した相手じゃないと興味が失せていた。

 

 

「結論から言うと、神は恐らく私とシャーロット=ヒルが居れば、十分に祓える程度の力ね……」

 

 

 目を伏せ、困った様な笑顔で端的に告げた。

 

 

「…………ほ、本当に⁉」

 

 

「…………」

 

 

 ナギとヤチヨが少しだけ淡い希望を抱き、目を見開く。

 

 

「でも、無傷じゃ済まないし、此方にもリスクもある。何より、この近隣の町が消え去る危険だって十分にあるわ。申し訳ないけど、私達じゃ力になれないわね」

 

 

 あまりにも残酷な回答だった。突き放す様な言い方にせず、リリはできるだけ優しく断る旨と伝えた。しかし――。

 

 

「…………ッ。そんな……」

 

 

 あまりにも呆気なく希望が断たれ、ナギの表情には失望が浮かぶ。覚悟はしていたであろうヤチヨは目を伏せて、「仕方ないよ……」と一言呟く。

 

 

 

「まだ調査は続けるわ。穏便に神を鎮める方法が見つかるかも知れないし……。一応聞くけど、子供はもう作っているのよね?」

 

 

 

 リリは少し大きめの藍色のコートを着ており、大きなマフラーを巻いて暖かそうな見た目。少し雪がパラパラと降る中、マフラーをズラしながらヤチヨの方に問いかける。

 

 

 

「…………えっとぉ」

 

 

「…………それは、まだ、ですね」

 

 

 気まずそうに頬を掻くヤチヨの代わりに、アミが目を伏せて答えた。なんだか傍から見る限り、リリの方が修祓院で上司みたいだった。

 

 

 リリが実力差をナチュラルに見せつけてくる所為で、どうにもアミからは弱腰でタジタジな印象を受ける。

 

 

「…………? 二十歳まで猶予があるといえ、霊媒師なんていつ死ぬか分からないんだから、産める年齢になったらすぐ産むべきなんじゃない?」

 

 

 

「……それはそうですけど、事情があるんです」

 

 

 リリの疑問に、アミは返事をしつつヤチヨの方へ視線を向けた。

 

 

「男の人の前で言うの、恥ずかしいんだけど……! ワタシ……、と、その……、エッチしたら、呪いが伝播しちゃうんだよねぇ……。だから今は、心中してくれる彼氏募集中! って感じ……」

 

 

 

 顔を赤くしながらヤチヨはモジモジとしていた。チラチラとハジメの方に視線を向けつつ、少し恥ずかしそうにしている。

 

 

 

「そんなの適当に死刑囚でも見繕えば良いでしょ。もしくは呪いのことを教えず、適当な男に孕ませてもらったらいいじゃない」

 

 

 

 意地悪そうに不敵な笑みを浮かべ、リリは口元に指を当てながらクスクスと笑い声を漏らした。答えは分かり切っているが一応の確認なのだろう。

 

 

「…………ッ! そんなこと冗談でも言わないで……! ヤチヨは――」

 

 

「岩瀬さん。落ち着いてください。本来、霊媒師としての意見なら、リリさんが真っ当な訳ですから。私が単に甘いというだけで……、自由恋愛を当たり前だと思わないように」

 

 

 

 憤るナギを遮って、アミが霊媒師の常識を説いて制止を促した。

 

 

 

「私も本気で言ってる訳じゃないわ。あくまでそういう手段だってあるでしょと提示しただけだもの。無理強いは駄目よね? 勿論、分かってるわ」

 

 

 クスクスと笑い、ホントか嘘か分からない様なことを言うリリ。「…………ッ」まだ何か不満げなナギだが、肝心のヤチヨは「…………。私は……、それもアリかなって思ってる」と意外にも前向きな返答を口にした。

 

 

 

「「…………⁉」」

 

 

 アミとナギが驚愕し、「…………」リリも少しだけ驚いた様に目を丸くしていた。

 

 

 

「ヤチヨ、一体何を言って……」

 

 

 アミは婚約者に裏切られた自身の境遇から、純粋な恋愛を重視している。だから好きでもない赤の他人に体を許すなんて理解できなかった。

 

 

 

「だって好きな人を呪いに巻き込むなんて、私はしたくないから……」

 

 

 優しそうな、悲しそうな微笑だった。彼女は残酷な死の運命を突き付けられているのにも拘らず、大切な人の幸せを考えていた。

 

 

 

 好きでもない男に体を好きにされ、子を孕むなんて本当は嫌だろうに、彼女はどうしようもなく優しい少女だった。

 

 

「…………ッ」

 

 

 ヤチヨより親友のナギの方がずっと辛そうに歯噛みしていた。だけど何も言えない。ヤチヨが本心から、幼馴染に惚れ込んでいると知っているから。

 

 

 

「という訳で、婚約は解消してくれないかな……? 丁度いい機会だしさ。神様を倒せないことは分かったし、ケイタをこれ以上縛れないよ。後、それにさ、こういうのは早い方が後腐れないだろうから……!」

 

 

 

 まだリリの調査が終わっていないというのに、もうヤチヨは諦めてしまっている。ケイタという幼馴染を思い浮かべ、彼の幸せを考えていた。

 

 

 

 その笑顔は無理して作っていると、周囲の誰もが察している。

 

 

 

 特にナギは自分が修祓院に助けてもらえなかった経験から、「…………! 私と違ってヤチヨは何も悪い事してないのに、何でヤチヨばかり……!」と、本当に辛そうに拳を固めていた。

 

 

 

「分かりました……。修祓院の方には、私が話を通しておきます」

 

 

 

 アミにとっても、ヤチヨは年下の幼馴染で大切な友人だった。修祓院の高い地位にいて、大人びた雰囲気を漂わせる彼女も、未だ非情に振る舞うことに慣れ切っている訳じゃない。

 

 

 彼女の表情からも、苦悩も重さが伝わる様だった。

 

 

 

 




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