俺を好きな【悪霊】が、美少女に【憑依】してくれる話。さっそく【銀髪美少女】を寝取ります。 作:BIBI
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ケイタの生まれは霊媒師の名家ではなく、一般家庭だった。幼い頃に自身の力に気づいた彼は、修祓院に相談して、そのまま霊媒師となった。
7歳くらいの時だった、ヤチヨが彼と出会ったのは。
同じ歳ということもあり、将来を有望視されている二人は自然と仲良くなった。そして二年が過ぎた頃、修祓院の上層部から婚約の案内が届く。
その候補の中にいたケイタを選んだ時、ヤチヨは自分の行いの重さに気づいていなかったそうだ。
自分と婚約した相手も死ぬ。その知識はあっても、単に好きな人と添い遂げたいという気持ちだけで婚約してしまったらしい。
だが年々自分の愚かさに、彼女は苦しむことになった。
幼い頃から惚れ込んでいる男の子が、自分と結ばれた所為で死ぬ。自分が殺している様なものだと、毎夜の様に寝付けないほど苦悩する。
だが、どうせ死ぬなら、良い人生だと思いたい。見ず知らずの人に体を許し、子供まで孕んでしまう暗い未来を、年頃の少女が簡単に受け入れられる訳もない。
ケイタが望んでいるなら、悪いことじゃない。そんな甘言が頭に思い浮かぶ。しかし流されてはならないと、彼女は自分に言い聞かせていた。
優しい人の優しさに甘えてはいけない。それはきっと、他人の弱みにつけいるに等しい行為だから――。
そうヤチヨは自分に厳しく言い聞かせていた。
「……ご飯食べられそう?」
電気を付けず、少し薄暗い部屋。遮光カーテンで閉じられているとはいえ、隙間から入る光で暗すぎる程ではない。
ドサッとテーブルに買い物袋を置いて、ナギはヤチヨの方を見た。
「うん……、大丈夫。いつもごめんね? 私、料理下手だから……」
脱いだコートを椅子に掛けながら、困った様に微笑む。
「大丈夫。私、料理好きだし、頼ってくれて嬉しいよ?」
いつも仏頂面なナギが、励ます様に無理して笑い「それじゃあ早速――」と言いかけた時だった。
「「――――ッ⁉」」
急激な緊張が二人の体を貫く。血の気が引くような思いで、ダラダラと流れる嫌な汗。ベランダ側へと視線を向けた。
「待チクタビレタゾ……」
広いリビングの中央。四ツ目の鹿の様な神――呪難が姿を現した。カーテンの隙間から漏れる日差しが逆光となり、その存在がより禍々しく見える。
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「……霊符なら、多少は弱らせることは可能みたいね」
山奥。リリは札を木に貼り付け、効力を確かめている。
「この結界、確かに俺でも侵入は無理そうだな」
ハジメは手を伸ばし、結界に触れるが入れなかった。
「この中に入れるのは今の所、呪い持ちのヤチヨさんだけです。呪いを持たない方は拒絶されます」
アミが白い吐息を吐きながら、説明してくれた。先程の話で出なかったが、どうやら結界に難なく入れるらしい。
「……呪い持ちが入れるなんて、変な仕組みの結界だなぁ。いや、それが普通なのか?」
「珍しいに決まってるでしょ? こんな野蛮な結界。これはね、結界内に入り、命を捧げることで結界の効力を維持させる仕組みなの」
霊媒師として素人同然の俺に、リリがクスクスと笑い楽しそうに話す。どうにも彼女にはこの結界が面白くて仕方がないらしい。
「外から命を捧げる仕組みにした方が良くないか? 結界内に入って神に食われたら、命を結界に捧げられないだろ」
ハジメとしては不思議な話だった。結界に命を捧げるだけなら、直接触れるだけでも可能な様にも思えるのに、何故しないのか。
「そういうリスク込みで、この強力な結界は維持されてるのよ。何でもかんでも安全を優先させていたら、強力な結界や呪いは扱えないわ」
さも当然の話の様にリリは語る。恐らく霊媒師からすれば普通の話なのだろう。
もしかしたら有名な話なのかも知れない。映画なんかでも、霊媒師を題材にした作品は数多く存在する。
素人でも知っている人は多い。そんな類の知識の可能性は十分にあった。
「そういうもんか……」
「……〈因果応報〉と言うでしょう? これは霊媒師にとっての基礎的な価値観です。しっかり頭に入れておいた方がいいと思います、貴方ほどの才能ある方なら特に」
アミの特殊能力は、あくまで纏う霊力を可視化するだけ。相手の力の底を看破する能力ではない。
近くにいるとはいえ、彼女の目ではハジメの力の底は暴けない。
「……因果応報って、悪いことをしたら報いを受けるって意味ですよね?」
因果応報が嫌いな言葉というのもあるが、ハジメはアミの発言に引っ掛かる。単純に因果応報という言葉が、当て嵌まる様な話に思えなかったからだ。
「身の丈に合わない術を行使する。これは本来悪いことなんですよ、霊媒師にとって。だから相応のリスクが発生してしまう」
真剣な眼差しだった。その瞳には説得力がある。彼女はハジメより二つ年上というだけだが、霊媒師として多くの経験をしてきたのだろう。
身の丈に合わない術を行使した末路を、散々見てきたというのは、その眼差しからも明らかだった。
「……リリ。ヤチヨの呪いを解けるってさっき言ってたよな? それって――」
「察しが良いわね。そうよ、当然、呪いを解くことにもリスクはあるわ。特に神を封じる様な結界だからね、その代償として背負った呪いは当然、生半可なものじゃないわ」
ハジメの嫌な予感に、リリは口元を押さえクスクスと笑った。相変わらずのメスガキ具合というか、意地の悪い態度だ。
人の不幸や無様な人々を見ると、心の底から面白いらしい。
「そっか……。ノーリスクなら俺がヤチヨの次の婚約者に名乗り上げようと思ったんだけど……、駄目そうだな」
ハジメもハジメで、相変わらずの様だ。状況にかこつけて、ヤチヨと子作りを考えていたらしい。少し残念そうに肩を竦めていた。
「ホントにハジメ君って優しいのね。でも止めておいた方がいいわ。ハジメ君でも、あんな強力な呪いを背負ったら、死に等しい呪いは避けられないもの」
言いながらリリは微笑を浮かべ、木々に囲まれた曇り空を見上げていた。掌で舞い落ちる雪を受け止めながら、ふらふらと歩き冬を楽しんでいる。
呑気に話す二人を見て、「…………」アミは少し苛立ちを覚える。しかし、その苛立ちは逆恨みというか、筋違いだ。それは彼女自身も分かっている。
あくまでハジメとリリは部外者で、ヤチヨとも今日が初対面なんだと、自分に言い聞かせていた。
とはいえアミにとって、ヤチヨは幼い頃からの友人で、ケイタとも浅くない関係だ。二人の幼馴染を失うかも知れないと、不安に思う状況で、どうしても神経質になってしまう。
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