俺を好きな【悪霊】が、美少女に【憑依】してくれる話。さっそく【銀髪美少女】を寝取ります。 作:BIBI
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「まぁ私の存在を知られたら、子作りに影響でそうだからねぇ。苦労してるんだよ。あ、一応言っとくけど、私の存在を他言しちゃ駄目だよ? 人に言ったら君の家族や友人を皆殺しにしちゃうから! 分かった⁉」
呪難は恐ろしい程に元気な時のヤチヨそっくりだった。無駄にテンションが高くて、周囲にウザがられるくらいの元気っ子。神様とは到底思えない程の演技力だ。
「それは言われなくても分かってる。神様の機嫌を損ねるのは、もう懲り懲り……」
ナギは苦笑して答えた。記憶は朧気。だけど何か小さな神のシルエットの様なものは思い浮かぶ。そして、その時に感じた――恐怖も。
「…………? えっと? 私以外の神様と接触した経験あるの? もしかして……、あの神社に居た猫?」
コテンと首を傾げ、少し前屈みとなりナギの顔を覗き込むヤチヨ。少しウェーブの掛かった茶髪がふわりと揺れた。
「…………多分? それが……、私も思い出せないんだよね……。神様の姿だけじゃない……。凄く大切な人のことも、忘れていて……。私には、多分、彼氏? なのか、彼氏っぽい人が居たはずなんだけど……。その人のことも忘れてしまって……。凄く好きな人だったのは、何となく覚えてる」
ナギは「う~ん……。やっぱり思い出せない……」と首を捻り、「でもたま~に、些細なことが切っ掛けで少しずつ思い出せてもいてぇ……」と何だか要領を得ない。
「……彼氏君に未練があるからって、ハジメと子作りは嫌だって言っちゃ駄目だよ? ナギの霊媒体質も貴重なんだから、孕んでもらいたいからね」
「…………。霊媒体質……、か。アミさんにも言われたことがある。やっぱり、神様の狙いって私だったの? 私の所為で……、ヤチヨは……」
呪難が釘を刺すと、ナギは少し暗い顔で目を伏せた。罪の意識。自分の体質の所為で、ヤチヨを巻き込んでしまったのだと考えているのだろう。
「――逆かな。あの結界に最初は興味が湧いた。次にヤチヨに興味が湧いて、ちょっかいかけようとした時、偶然ナギを見つけたってだけ。ナギは巻き込まれた側だよ」
手際よく野菜を切り、調理を始めるヤチヨ。何気ない手捌きは既に料理人レベルで、凄まじい速さで正確にカットしていく。
「…………! そっか……。私が巻き込んだ訳じゃなくって、安心した……」
少し驚き、安堵した表情を浮かべるナギ。彼女は親の脛を齧っていた過去はあるが、もしかすると根は良い子なのかもしれない。
「…………。ところで、神様は何て名前なの?」
ふと湧いた疑問。そういえば聞いてなかったと、ナギは尋ねた。
「――呪難。今はそう名乗ってる」
別に勿体ぶることもなく、ただの日常会話の様に、料理を進めながら名乗った。呪難としては、別に名を知られた所で、何の損もないからだ。
「ハジメは呪難の存在を知ってるの?」
「教える訳ないじゃん? 教える意味ないもん。憑依して近づいて子作りすれば済む話なんだしさ」
ナギは何も考えず適当な質問をぶつけ、呆れた様にヤチヨが横目で視線を向けた。ヤチヨの手元にはフライパンがあり、既に麺と具材は絡んでいる。
「それはまぁ、そっか……。よく考えたら……、呪難の存在を知ってるなら、わざわざヤチヨの演技する必要ないのか……」
考えたら分かることかと自分に呆れつつ、ナギは素直に納得する。というより、そこまで気になることでもなかった。
やはり、ナギとしては「子作りってさ、……今回が初めてって訳じゃないでしょ?」子作りへの関心が強い。
「今のところは、クオン、シャーロット、リリ。あの三人だけだね。憑依してハジメに近づいて、ハーレム作ってるんだぁ」
別に隠す必要もないと言う判断。というかハジメの人間関係を知れば、明らかに呪難が関与していることは推測できてしまう。
だから嘘を吐く神と思われるより、正直に話してくれる神だと信頼された方が合理的だと呪難は判断したのだろう。
「……リリって、あの小さな子でしょ? あんな子にまで手を出してる訳……?」
顔が青ざめている。かなりドン引きした顔だ。
「……リリの年齢は君と一つしか変わらないよ?」
一応ハジメと自分の印象を良くするため、呪難はリリの表向きな年齢を伝える。
「…………え⁉ …………マジ?」
「リリは身長が低くて、胸が絶壁なだけ。小さな子って表現は不適切かなぁ。それにハジメの経験人数は三人だし。ナギが思っているほどの遊び人じゃないよ」
焼きそばを炒めながら、呪難はハジメが変態だと思われない様に補足を続けた。
「……駅で凄い人だかりできてたのに、意外と誠実なんだ」
「というより面食い? 私がクオンに憑依して近づくまで、ずっと童貞だったみたいだし。……私も苦労してるんだよ。ハジメの好みの女を見繕うのに。彼はそんじょそこらの美女程度には靡かないから」
意外と経験人数が少ない事にナギは驚き、呪難は苦労話をして大袈裟に肩を竦める。
「……呪難は何で自分の子が欲しいの?」
さっきから質問ばかりだと自覚しながらも、気になって仕方がないらしい。ナギは無遠慮に気になる疑問を投げかけた。
「…………神の気まぐれだよ。神らしく、人間で遊んでるだけ」
「…………」
呪難の不敵な笑み、それにナギは息を呑む。これ以上ない程の説得力。実に神らしい理由だと、ナギは少し怖気を覚える。
「恐れなくていいって……。見ての通り、暴力を嫌う温厚な神だよ、私は。よっぽど私に害を成さない限り、多少のことは許すほど寛容なんだ。少なくとも君達を全く助けてくれなかった修祓院の連中よりは、優しい存在だよ?」
火を消し、フライパンを持ち上げて用意していた皿二枚に焼きそばを盛り付け始めた。呪難としても良い香りであり、食欲をそそる出来栄えだった。
「…………それは、確かに、そうかも」
ナギも呪難の料理の腕に感心してるのか、「……ていうか、神様って料理上手いね」と何だか親近感が湧いてしまう。
以前であった神より、明らかに強くて恐ろしい神なのに、人間に近い態度で接してくれている。ナギの中で神様の印象が大きく変化しつつあった。
こんな優しそうな神様もいるんだ……。
自然とナギの口角が上がる。
「一応人並みの知性は持ってるつもりだよ。ただの焼きそばくらい作れて当然」
褒められて多少嬉しいのか、呪難は少しドヤッとしていた。