俺を好きな【悪霊】が、美少女に【憑依】してくれる話。さっそく【銀髪美少女】を寝取ります。 作:BIBI
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「――これ、壊れないか?」
ハジメが一言漏らす。その類稀な才覚は結界の知識がなくとも、術の綻びを感知していた。
「…………⁉ …………ッ‼ そんな、馬鹿なことが……!」
言われて初めて意識を集中させ、アミも違和感に気づく。普通は感知できない様な、微細な霊力を可視化できる彼女ですら、指摘が無ければ気づかない様な小さな綻びだった。
「そう……。やっぱりハジメ君は気づくのね」
リリは既に気づいていたらしい。だからこそハジメやアミをここに案内したのだろう。
「この結界……。もう限界みたいなのよ。恐らく二週間後、完全に決壊するわ」
あまりにも急な展開。結界が壊れたらヤチヨの死が確定するだけではなく、神の封印が解かれてしまうと話したばかりだというのに、リリは楽し気に笑っていた。
「――すみません。緊急事態です。少し良いですか?」
携帯を取り出し、すぐさまその場でアミは天草に連絡する。山のふもと近くだからか、ここなら携帯は使えるらしい。
もしくは緊急事態の際、携帯を使えるように予め環境を整えていたのかも知れない。
『あー、すまないけど、手短に頼むよ。こっちも立て込んでいてね。というか、できればこっちに救援が欲しいくらいなんだけど……』
音が所々割れていたが、会話には問題ないレベル。天草の疲れ切った声が携帯から聞こえていた。
「…………⁉ ……こちらは結界に細工をされました。こんな高度な技術、恐らく人間には難しい……。神の仕業で間違いないかと。結界は――もって2週間です」
端的に状況を伝えるアミ。事細かな情報は省いて要点を絞っていた。
『……なるほど。こっちも神の仕業で色々あってね。同じ霊媒師から命を狙われているんだよ。……今は場所を転々としながら、襲撃に備えているって訳。悪いけど、力になれそうにない。……因みに――僕は神から直接襲われた訳じゃないんだ。君の方はどうだい?』
これは暗に、アミの方へ火神が直接動いてくるかもしれないと警告する。それを「…………!」アミも理解し、固唾を呑んだ。
直接、火神の名を出さないのは、修祓院がどこまで火神の情報を握っているのか、ハジメやリリに悟らせない為だった。
勿論、電話越しの天草にはハジメやリリが近くにいる事は分からない。だが依頼の内容を把握している彼は、同行している前提で話をしている。
『…………! いえ、神が結界に細工したのは間違いありませんが、直接神に襲われた訳じゃないので……』
適当に返事をしつつ、無難に会話を進めるアミ。
『そうか。でも警戒はしておくに越した事はない。結界に意識を集中させ、君を真正面から叩きにくるかもしれないからね』
「随分と手が込んだ策ですね……。でも貴方の勘は当たりますから。きっと何かしらの襲撃は起きるんでしょう」
『僕の言う事も絶対という訳じゃないさ。あまり――〈信用〉されても困るけどね……。まぁとりあえず、話はここまでだ。今、僕はカケル君とヒヨリちゃんを守っている最中でね。あまり目を離す訳にもいかない……』
信用。それは上層部の中で隠語となっている使者を指す言葉。アミは天草から暗に『リリの存在から目を離すな』という指示を受け取った。
「…………」
電波が悪くなったと同時に、プツリと電話が切れる。アミは目を伏せ、数秒考える。
この状況で私が取るべき行動は……、自然とリリの傍に居続けること……。
「色々と修祓院は敵が多い様ね」
電話を衣嚢に入れたアミを見て、リリがクスクスと笑い話し掛けた。
「……えぇ、困ったことに」
「まさか偶然とか言わないわよね?」
リリは結界の綻びが呪難の仕業だと知っている。知った上で罪を擦り付けていた。そして都合の良い事に、天草は襲撃されている状況。
実際は只の偶然だが、アミは今の状況をただの偶然では片付けられなかった。彼女の視点ではリリの指摘通り、明らかに何者かが修祓院の要を排除しようとしている様に見えてしまうのだ。
火神が結界に細工をしたとしたら、恐らく狙いは――私、でしょうね。火神は恐らく強くないのだろう。もしくは他の神によって戦えないくらい酷い呪いを受けているはず……。
いえ……、人や霊を駒にして遊んでいるだけかも知れませんが……。
どっちにしても、天草が狙われていることを考えると、標的が私だと考えるのが妥当……。
「しばらく私は単独行動します……。リリはヤチヨやナギを護衛してもらえますか?」
本来なら自分と同行して欲しい所だが、とりあえず無難な頼みをしておく。リリと同行する理由付けは、後から自然と考えればいいと今は判断した。
だが――。
「そっちは私じゃなくて、ハジメ君がやってもらいましょ? 私がアミを護衛するわ」
リリの方から提案を口にした。
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