俺を好きな【悪霊】が、美少女に【憑依】してくれる話。さっそく【銀髪美少女】を寝取ります。 作:BIBI
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――中絶という選択はない。
霊媒師は基本、第一子しか親の才能を受け継げない。だからこそ、クオンは母に〈避妊の刻印〉を施されていた。
身籠ってしまったのなら、もう産むしかない。
何故なら産まない選択は霊媒師にとって罪であり、死で償わなければならないから。
「――ジャアナ、楽シカッタゾ、クオン」
そう言い残し、呪難はクオンの肉体を離れた。姿もなく、その場から気配も消えて、取り残されたクオン。
拍子抜け。あまりにも呆気ない。
肩の荷が下りたというより、災害の跡地で崩れた自分の家を見た時の様な、そういう喪失感を抱く。目の前の事に必死な時、耐えている時は、何も考えなくてよかった。
でも、それがなくなってしまえば考えざるを得ない、これからどうするのか。
涼しい風を浴びながら、彼女は夢から現実に引き戻された気分だった。
「――料理ができたから、そろそろ……。クオン?」
窓を開けて声を掛けるが、クオンの様子がおかしい事にハジメは気づく。呪難の気配が完全に消えている事を察し、大体何が起きたのかを理解した。
「――妊娠した……」
小さく声を漏らす。今まで何をしていたんだろうと、目を伏せた。ハジメの趣味に合わせて口や耳にピアスまで付け、服装も変えた。セックスに溺れ、子供を孕んでしまった。
これからどうするのか。考えたくもない。子供がいるのだから、カケルと結婚なんて望めないだろう。だからと言ってハジメと結婚したい訳でもない。
この一ヵ月で人生メチャクチャにされた。その現実がクオンに重くのしかかる。
「そりゃあ、まぁ、できるよな……。あれだけしてたら……」
頬を掻くハジメ。何を当たり前の事を言っているんだという様子。
「…………」
これにクオンは何も反論できない。今思えばハジメは〈避妊の刻印〉について何も触れていなかった。
霊力は少し離れているくらいなら気配が伝わる。肌を直接触れているなら、当然ハジメなら〈避妊の刻印〉に気づけたはず。
それなのに何も言ってこなかった。どころか妊娠の心配もしていた。この時点で気づくべきだった、〈避妊の刻印〉が既に消されていた事を。
気づこうと思えば気づけた違和感。気づいた所で禍津神相手に何もできなかっただろうが、滑稽な姿は晒さず済んだ。
せめて霊媒師としての誇りくらいは保てたはずだった。
「…………。ごめんなさい……。料理作ってくれた所悪いんだけど、帰っていいかしら……」
もう呪難が居ない以上
だから何も責める様な感情は湧かず、寧ろ申し訳なさすら感じていた。
「そりゃあ勿論。気にしなくていい」
余計な事は言わず、少し寂しそうに笑った。もうクオンを抱く事はないのは惜しいとは思いつつも、彼は新しい標的を待ち遠しく思っていた。
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「美味しいわね! これも!」
個室。鍋をつつきながら、シャーロットは目を輝かせていた。
「お嬢様。良いんですか? 早くいかなくて……」
紺色の髪を腰まで伸ばした長身の女――エヴィは、背筋を伸ばして食事が終わるのを待つ。
するとテーブルの上で折り畳みの携帯が鳴る。
手に取り、耳に当て「…………ッ!」は目を見開く。要件を聞き終え「引き続き、追跡してください」と一言。
通話を切り、再び携帯をテーブルに置いた。
「お嬢様。動きがあったそうです。クオン様がマンションを出て現在、タクシーで移動しています。恐らく自宅に向かっているのでしょう。拘束し、強制連行させますか?」
エヴィとしては乱暴な真似は気は進まないが、一応提案する。
「後で良いわ。私がやる。それより血生臭い事を先に終わらせましょうか」
少し半眼になって、悪い笑みを浮かべた。
シャーロットは生まれながらの強者故、弱者の気持ちが分からない。
その所為か、少し嗜虐趣味がある。殺した後は写真に残し、後でクオンに見せる事を楽しみにしていた。
「とりあえず、これを食べ終わったら――」
言い掛けた時、異質な気配を感じた。そう遠くないが微かに感じる。
「ちょっと、面白くなってきたわね……」
少しにやける。「先にクオンを連行しておいて。私は少し用事ができたから……」とシャーロットはクスクスと笑い、軽く握った拳で口元を少し隠す。
「何を言って……――」
エヴィは首を傾げ、訳が分からないという様子。だが、正面に座るシャーロットの目は真剣そのものだと気づく。
「承知しました。確保した際、連絡は必要ですか?」
席を立ち、エヴィは個室を出る間際に尋ねた。
「要らない。とりあえず屋敷に連行した後、丁重に扱いなさい。私も男を始末した後に帰るから。少し遅くなるかもだけど、気にしないで」
美味しそうに、鍋の残りをパクパクと急いで食べ始める。危険な存在が近くに居るというのに呑気なもので、彼女は勿体ない精神で食事を優先させていた。
「気を付けてくださいね」
背を向け個室を出て行くエヴィ。それにシャーロットは自信あり気に笑い、「私を誰だと思ってるの?」と呟いた。
異質な気配。その正体は勿論――
その力は凄まじく、日本の
だがイギリスの最強――シャーロット=ヒル。彼女は二年前、単独で禍津神を祓った経験がある現代唯一の霊媒師。
禍津神の力は個体差が激しいとはいえ、単独で祓う事は偉業に違いない。世界中の修祓院が震撼する程、あまりに彼女は強すぎた。
当然シャーロットは自分こそ最強の霊媒師だと自負している。だからこそ食事の後は、単独で禍津神の気配を辿る。
人気が少ない場所に誘い込まれていると知りながら、あえて気配を追い続ける。少しずつゆったりと堂々とした足取りで。
「…………ッ」
廃墟。シャーロットの目の前には、四ツ目の鹿がいた。かつて自分が祓った禍津神より小さい。見た目も気配も、遥かに小さいと感じた。
警戒して損をした。生まれたての禍津神かと、シャーロットは少し落胆した。
「私ヲ恐レナインダナ……」
馬鹿にした様な、嬉々とした声音。態度だけは圧倒的格上といった印象の呪難。ゆったりとした足取りでシャーロットに近づく。
「恐れる理由がないもの。私、最強だから。手加減してあげるから、掛かってきなさ――」
余裕綽々で喋っている途中、視界から呪難は消えてシャーロットは息を呑んだ。目を見開き周囲を警戒したと同時に、心臓がドクンと跳ねた。
「懐カシイナ……。カツテ、私モ自分ガ最強ダト、勘違イシテイタ」
一瞬で憑依に成功し、彼女の体で呪難は喋る。「良イカ? 私ノ存在ヲ誰ニモ悟ラセルナ……。仮ニ他言スレバ、オ前ダケデハナク、知人ヤ家族ヲ皆殺シニスル……」と続けた。
あまりにも呆気ない。〈憑依〉なんて格下にしか通用しない技だ。つまり戦いとすら思われていなかった。
シャーロットは人生で初めて敗北を味わった。
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禍津神に〈憑依〉された事に、有効な打開策は思いつかない。今はできるだけ〈憑依〉を気づかれない様に、平静を装う事が必要。
今後の事は先ずハジメを始末してから考えるべき。
そう思い、できるだけ冷静さを保とうと強がっていた。
しかし――。
「――私を満足させる事ができたら見逃してあげるわ。でも、満足できなかったら殺すから」
シャーロットの体を使い、呪難は服を脱ぎ始めた。
「さ、最高過ぎだろ……! 世界的に有名な美少女を抱けるなら、死ぬリスクくらい全く怖くねぇよ……!」