────ずちぃ♡ ねちぃ♡♡
既に日の落ちたクガマヤマ都市。そのスラム街に建つ建築物の中でも特に頑丈で防音性能に秀でる一室にて、粘性の高い液体を押し潰すように2人の肌が擦れ合う。
含水量も本来の水よりずっと低いその液体では、時間経過とともに蒸発して本来の使用用途には足らぬ存在になりかねないが、それは問題とはならない。
なぜならばその液体は今もなお少女の身体から常に分泌され、傷付けないようにと常に配慮しているからだ。
勿論、自分の為でもあるが、大半は相手の為だ。
「お、おっ♡ ……奥ぅ♡ グリグリだめぇ……っ♡♡」
「途中までは、余裕です、みたいな顔していたんだがな。……
結合部を隠すようにアキラの腰がナーシャの臀部を押し潰す。既に5分以上この状態でアキラは腰を前後ではなく静かに回してナーシャを攻め立てる。肌と肌が擦れ合い続ければ、流石に痛い。それを解決すべく、ナーシャの身体は防衛反応に多分の性欲を混ぜ合わせて愛液を溢れ出し続けていた。
──
────
最初は肌を合わせるところから始まり、アキラの愛撫で何度も絶頂。意識を失っては面白みが減ると、アキラは適当に切り上げ本番へ入った。しかしナーシャはアキラの大きなイチモツを見てもどこか冷めた様子を見せる。それを訝しんだアキラはナーシャに問うたが、返答は「何でもないです……」という簡素な物。
少し怪しんだアキラだったが、それでも屹立したイチモツをそのまま放置も出来ない。しっかり解したナーシャの膣内を抉るようにして挿入。しかし同時に気付いた。ナーシャの顔が少しばかり幻滅の色を映したことに。
一瞬「不感症か? 限定的に?」と考えたアキラは、「それでもまぁ他の部位は感じるのだ。喜ばせ方は無数にある」と一旦保留して再度腰を押し付けていった。所詮亀頭が入り口を押し開いた程度であり、アキラのイチモツの一部でしかない。竿の長さはまだまだあるのだからと、更に奥へと向かっていく。
そしてある程度進んだ時点でアキラは特異な抵抗感が無かったことに気付いた。
処女膜が無い。特段驚く事でもない。アスリートレベルに身体を酷使し続けていれば勝手に破れていることなどよくあること。同時にこれは健全なことで、ナーシャの住む区域はスラム街。健全など金を支払ってようやく手に入る生活水準だ。
アキラは何があったのかなど聞かない。彼女がどのような人生を送って来たかよりも、今後どのように成長していくかの方が大事だからだ。
だからこそここで男との、自分との情事は気持ちいいことだと教え込むようにして、まずは根元までイチモツを突っ込むことにした。
────どちゅっ♡
「──ッ!? お゛ぉぉぉぉ゛ぉ゛!?♡」
根元までは置いておき、取り敢えず彼女の膣内を踏破。子宮口へと鈴口で熱い接吻を交わした瞬間、ナーシャの悲しげな表情は一変。突如として全身を貫いた感覚に脳がバグったのか、寝室全体に悲鳴混じりの嬌声を上げた。
混乱するナーシャを置いて、アキラは理解する。「こいつの性感帯は奥の方に密集しているだけだ」と。深い場所に閉じこもっていただけ。今まではそこへ到達することなど無かったのだろう。だからこそ虚無感に苛まれていたのだろう、と。
ナーシャの常識を完全に練り潰すため、新しい常識を教え込むかのように、アキラは腰をグラインドさせながら膣奥を丹念に、ねちっこく攻めていった。
その度に上がる嬌声、止めどなく溢れ続ける愛液にアキラも気分を良くしていき、今後も愉しめるようにと奥の性感と全身の触れられている感覚を紐付けるように愛撫も加えていく。
脊髄から突き上げ続ける脳を焼かんとする程の快楽に、今までは無駄だと諦めていた快楽に対して未だ混乱状態から立ち直れていないナーシャ。彼女は、その間に与えられ続ける悦楽の波に抗うことなど出来なかった。
──
────
「流石はアキラです。彼女の悩みもこれで解決されました♡」
アキラと体面座位で向かい合うシェリルが濃密なキスの合間にナーシャの抱えていた当人の悩みを伝えてくる。
曰く、彼女はルシアが財布をスったことを起因とした問題事に、1人で解決に動くことが偶に起こっていたとのこと。当然ながら金を返すなど無理だ。それはルシアに気付かれるだけであり、返せる金があるならば最初からスリなどしない。そもそも当日には使っている為全額を返金するなど端から無理。
かと言ってルシアを突き出すなど論外。とった選択肢は単純だった。
金銭分働くのだ。女として。ベッドの上で。
スリの成功確率はルシアの才かそれとも運か、結構高かった。しかし失敗でなくとも、顔を見られたり後を
当然、顔も胸も尻も、そして女性器も犯された。
しかしどうにも性行為の本番に関しては嫌悪感以外のモノが湧いてこない。防衛本能からか愛液は出てくる。しかし粘膜の擦り合いで生じる筈の性感だけはどうしようもなく感じなかった。
それがこれまでに数度。結果としてナーシャは、女性としての幸せの享受は無理なのだと悟った。
どれだけ無理矢理な行為であっても気持ちよく感じることはあると知識で知っていただけあり、その諦念は確たるものとなってしまい、それを相談できる相手もいないことで強固になっていく。膣以外の場所では感じるのも、却ってそれを助長した。
しかし、それはアキラの手によって、今日完全に解決する。
先日のルシアがアキラの財布をスったことを起因としたシェリルからの提案。「本当に何でもするのか?」という問いに「命も惜しくない」と返って来たのだ。シェリルはその時点でアキラへの献上品として彼女を仕立てることに決めた。
その思惑により、ナーシャは何故か自分が優遇されることに違和感を覚えつつも、それを受け入れていく。日々の業務はアリシアの補助を言い渡され、能力不足からくる失態は記録し、修正を言い渡される。それが日中の仕事であり、夜はシェリルに呼び出され、女磨きを強制。
少し前、クズスハラ街遺跡外周部で建設される仮設基地近くで出したホットサンドの販売店にナーシャも参加していたこともあり、その髪ツヤや肌の状態もスラム街の少女と言われても一瞬訝しむ程度には良質。しかしシェリル視点では、アキラに提供することを前提とすれば足りないのだ。
自分もアリシアも準備など一切なしに抱かれたことで、アキラの前で差し出した最初は少々見すぼらしさがあった。だからと言ってナーシャもそれで抱かれろなど、シェリルは言わない。
ルシアの件やアキラとの最初の思い出ということを考慮するとナーシャに思うことはあれ、そもそも「ナーシャにどうこうしてやろう」という思いなど塵芥。アキラの喜ぶ姿が見たいがためにやっていることに、他者を貶めてやろうなどという考えは時間の無駄だ。
アキラが抱くに相応しい女を用意する。自分も含めて、シェリルはそう考えていた。
そしてあの一件から数日後、ナーシャはシェリルの思惑通りに彩られ、アキラへと
──
────
アキラはその日、ナーシャに今までの人生など、今日アキラに会うための準備期間でしか無かったと思えるほどに悦ばせ続けた。不感だった膣壁も、イチモツのエラでこそぎ落としていけば徐々に感じるようになってきたのか、挿入時ですら僅かに身体を震えさせる。
その内子宮口よりも手前で感じられるようになるだろう。アキラがそうするのだが。
3人が意識を飛ばす程に攻め立てた翌朝、右にアリシア、上にシェリル、左にナーシャを抱いて眠っていたアキラ。朝日を浴びて先に目を覚ましたアキラに遅れないようにと起床した少女たちの瞳にピンク色のハートマークを幻視し、口角を上げた。
ナーシャを堕としてから数日、アキラは居住スペースと同等の外観を持つ倉庫内での訓練と勉学に時間を使っていた。
以前のものよりも高性能な強化服はアルファから送られる大量の情報にも的確に対応し、アキラの身体にリアルな感触や衝撃を伝えてくる。アキラはそれを認識してとにかく学んでいく。銃の撃つ体勢や回避方法、それらの選択に至る過程。どの動きにどのような意味があるのかを脳と身体が正しく認識していくほど、アキラの動きは洗練され、そして訓練の難易度は向上していきアキラが疲労によりベッドへダイブしてから眠るまでの時間が短縮されていった。
──
────
そんな日々を送っていたアキラだが、情報端末に連絡が入った翌日、久しぶりに荒野で車を走らせていた。特に用向きなど無いと言わんばかりの運転。クガマヤマ都市周辺には随所で散見される朽ちた廃ビルへとアキラが車を入れる。
次の瞬間、何も無かったはずの場所でアキラの車が傾斜を上がるように斜めになり、そして少し前進した辺りで消えた。光学迷彩下に入った影響だ。
そのビルの内部は既に各部屋を隔てる壁はない。故に本来ならば入らないような大型の車両でも停車できるのだ。そこには大型の荒野仕様トレーラーが停まっていた。カツラギが使用している物よりも僅かに積載量の多いその中には、アキラの車両でさえも余裕で積み込める。
その後、人知れず光学迷彩で隠れた大型トレーラーは荒野を進んで行った。しかしその跡を追うことは出来ない。車輪の方も値段相応の高性能品。地面との接地面に力場を発生させてトレーラーの重力に負けない強度を一時的に発生させて、痕跡を残さないのだ。
流石に空を走ることは出来ないが、クガマヤマ都市周辺で使うような代物ではない。力場を発生させるために消耗するエネルギーの所為で、収支が合わなくなるからだ。相応の稼ぎが期待出来ない状況であれば。
──
────
車内で停車させたアキラが下車すると、近寄ってきていた少女がアキラへと抱き付いた。
「久しぶり!♡ アキラ!!♡」
「ああ、久しぶりだな」
胸元に飛び付いてきたレイナを抱き留めたアキラが感付いた。身体の動きが以前よりも滑らかで、ブレが無い。
「頑張ってるんだな」
「──っ! う、うん……♡」
アキラの感想を聞いたレイナは頬を更に綻ばせて背に回した腕に力を込めて密着してきた。アキラもそれに対して腕に力を込め、ついでとばかりに片手をレイナのお尻へと持っていけば、「んん……♡」という声を小さく上げる。
レイナの強化服は以前のものよりも非常に高性能な物となっていた。もはや比較することすら出来ない程度には高性能だろうと、そこまで装備に対して見識の無いアキラでも理解させてくる。そんな製品だ。
そこまで差があると、強化服という一括りで片付けるには難しすぎるほどに身体能力の強化率となる。ただ走るだけでも一瞬で明確な差が出来るほどに。急にそんな装備へ変更すれば脳の認識が追い付かず、真面な訓練に入るのは数日以上は掛かるだろう。
そして今はその数日程度の日。その上で走るという単純な動作でさえ見える身体操作技術の向上には、相応の訓練の結果が見て取れる。既にそれだけ密の高い訓練を行なえる時点で、レイナは既に強化服の身体強化率にある程度順応していると言っていい。
自分と一緒に居たいから。それだけを理由に女が自分磨きに精を出しているのだ。アキラも自尊心を満たされる。征服欲が刺激される。
しかしそれでもアキラの欲は留まるところを知らない。
「レイナ。口開けろ」
「? あー……──ッ!?」
アキラはレイナの口の中に自らの唾液を溜めていく。それに対してレイナは潤んだ瞳をゆっくり閉じて口内に広がるアキラの味を逃がさぬよう、一滴も溢さないと言わんばかりに受け止めていった。
レイナの口に注がれた液体にアキラは口角をニヤリと上げ、そのまま耳元に口を寄せる。
「目的地まで、そのままな」
その言葉にレイナは小さく首肯し、口をしっかりと閉じていた。強化服の機能か、それとも下に着ているインナーのおかげか、レイナの股下が洪水を起こすことはなかった。
そのまま2人はシオリ達が待っている運転席側へと歩いていく。
ただ、周りに目が無いという理由で、レイナはアキラの手を取って自らの臀部へと誘導し、弄って貰うことを懇願する。口を開けない分、しっかりと瞳に言葉を乗せて。
大型トレーラーの制御権をシオリから渡されたアキラは、一応の警戒として少しばかりの寄り道などをして偽装工作をしていた。
それらが功を奏したかは別として、アキラ達の索敵範囲内には別のハンターなどはいない。モンスターもだ。
「ここ、ですか」
「あぁ、と言っても下だけどな」
「地下ですか……」
そのシオリの言葉に関係のある2人が顔を少し曇らせた。
レイナを起因とした危機的状況。シオリはレイナの為と理由を付けてアキラを攻撃した。そしてアキラはそれに付き合う必要もないにも拘らず、逃げに徹することなくシオリに応戦したのだ。今考えてもシオリにはアキラへの感謝しか湧いてこない状況であり、同時に申し訳ないという気持ちも膨れ上がる。
その様子にアキラも気付く。
「今更だけどな。結果として今は良い関係になれたし」
そう言ってアキラがレイナやシオリに笑みを向ければ、彼女らの胸中に膨らみ始めていた不安感もどこへやら。表情は和らぎ、アキラへ微笑みを返した。
そうして少しの歓談を終え、本題へと戻る。
「それでシオリとカナエに聞きたいんだけどさ、この下にある遺跡って駅なんだよな。物流の主線の1つだし、効率化を図れないかと思うんだが……」
「……つまりは当時の商品を運んできた際に留め置く集積場が地下にある。そしてそこから運ぶ際には別の手段への積み替えを行なうはず」
「車両用の進入口がどっかにあるかもってことっすか」
「ああ。オレが以前入った時は客用の階段からだ。それでも良いんだけど、長いんだよな。4人で往復してると時間が掛かって仕方ない。
どうにか短縮できないかなって」
「では情報収集機器の索敵優先度を地面の中に集中させてみましょうか」
「力技だな」
アキラ達はそれで再度笑い合った後、各々の情報収集機器の取得データを車載の索敵機器の演算回路へと回していった。光学迷彩を展開可能な大型トレーラーに相応しい価格分、小型化された物を同じ体積分乗せるのだ。性能はアキラの車両などでは比較出来ないほどに高く、4人の情報収集機器から随時送られる膨大な取得データを余すことなく使用していた。
『因みになんだけどさ、アルファの方では見付けてたりするか?』
『アキラがそれを聞いて顔に出さない自信があれば、教えてあげても良いわよ?』
『つまりもう見付けてるのか……』
アキラが僅かに肩を下げる。そしてそれすらも
『そうね……、でもアキラが見つけられなくても仕方ない面もあると思うわよ?』
『慰めは要らないよ……』
『違うわ。アキラも気付いていると思うけど、レイナ達の装備はアキラの装備よりも数段上の性能を持っているの。勿論、情報収集機器の性能もこちらより上になるわ』
『連携させてるからそっちの取得データもアルファは使ってるってことか? でも俺の情報収集機器にだって送られてるんだぞ?』
『ソフト面を書き換えると言ってもハードが耐えられるかどうかは別なのよ。動かせば動かす程に熱は溜まるし、それを排出させなければならない。アキラの情報収集機器がソフト面だけ追い付いてもどうしようもない点はあるの』
『そういうもんか……』
『そうよ。でも私が居るのよ? そんな差なんて誤差、ひっくり返せる程度でしか無いって知ってるでしょ?』
ウインクと共に微笑むアルファを見てアキラも安堵の表情を浮かべる。
個人技量では絶対に勝ち目の無かったネリアにも、強化服を操作して貰うことで有利に戦闘を運べた。身体が勝手に動くことで脳が刺激され、加速していく時間間隔に認識が追い付き、その歪んだ時間の中で戦う感覚を掴めた。重装強化服を2機も沈めれたのはアルファのおかげ。それは間違いないのだ。
『今後とも頼りにしているよ。生活面も、ハンター稼業の面もな』
『ええ! 任せてちょうだい!!』
アルファが自身満々と言わんばかりに胸に手を添えた時、アキラの情報端末経由に連絡が入った。
「こっちに一際大きな空洞があったっすよ!」
高層ビル数十階分ぐらいは潜った辺りに、その通路の終わりがあった。大型トレーラーが容易に通れるだけあり、その先にあった扉は非常に大きく、頑丈さを視覚的にアキラ達へ伝える。
しかしこの場には万全な装備状態のシオリがいた。その両腰に携えた刀を握った次の瞬間、高速で振るわれた両腕とその先にある暗闇の中でも光る切っ先が扉を数度、一瞬で斬り裂き通行を可能とさせる。
アキラとレイナは流石に顔を引き攣らせた。クガマヤマ都市周辺で使用するには場違いな程に高性能な強化インナーから振るわれる一閃は常人には見えない。アキラは体感時間の操作を行ない目で追ったが、レイナはまだまだ認識が追い付いていない側。当然、呆気に取られてしまうだけだった。
「では行きましょうか」
慕うレイナと想うアキラに褒められたシオリは、生来持っていた庇護欲が刺激されてご満悦だ。
──
────
遺物の回収は非常にスムーズに終わった。シオリが用意していたトレーラーの中には自動で動く台車が用意されており、それを各々が一つずつ後ろに連れてそれぞれが情報共有しながら、高額で売却できそうな品を選出して積んでいく。
途中で見つけた旧世界製の箱なども使用用途は結構ある。そこらの擲弾の集中爆発程度であれば小破で済ますほどに強度が高いのだ。その構成要素や製造過程を研究する機関が求める場合が多い。ハンターが遺跡で見つけた際に店で買うよりも安価で頑丈だからという理由で市場に出回りにくい分、オークションで値が付くとのこと。
シオリやカナエの知識を頼り、時折りアルファからもどうしてそのような常識として根付いたのかの経緯を推測だけでも教えて貰いつつ、アキラ達の遺物収集は数時間で無事終了した。
──
────
アキラはシオリ達とヨノズカ駅遺跡から離れた位置で分かれ、今はミナカド遺跡の中で車を走らせていた。
『シオリ達のおかげで望外に遺物を回収出来たな』
『それでも全体の一割に届かないけどね』
『全くだ。流石は未発見の遺跡! その倉庫! 遺物の保存状態も店舗先に出てる奴よりもずっと良かったし、量に至ってはあれだけ大きいトレーラーがあってまだ足りない程っておかしいだろ! 流石に笑いを抑えられないぞ!!』
『そうね。だからこそ東部のハンターは未発見の遺跡を見付けて一発逆転を狙う者が絶えないのよ。アキラも気を付けないとね?』
『そうだな! でもまずは狙ってくるような奴をそもそも生み出さないように強く成ろう! 装備やハンターランクで明確な差があるやつ相手に喧嘩を売りたい奴なんていないだろうしな!』
アキラは現在、ミナカド遺跡内を車で走行しながら周囲に群がってくるモンスターを両手に握ったAAH突撃銃で撃ち貫き続けている。
両方とも以前よりも高威力且つ低反動、使用可能な弾薬類も更に多くなった上に、連射速度もミニガン系に届かないまでも、早いのは早い。
可能な限り通常弾を使用し、体感時間の操作を行なって車両の揺れを一瞬、感じないほどに停止させて狙いをつけて引き金を引く。それを長時間続ける訓練を続けていた。
『取り敢えずここでの偽装工作は済んだかな?』
『そうね……。討伐数は小型が482匹、中型以上が31匹。大型変異の暴食ワニが1体。充分だと思うわ。
個人的には暴食ワニにもAAH突撃銃だけで対処出来たのは高得点よ!』
『まぁ、これでも大分金掛けたしな。1挺2000万オーラムって……もう原型ないだろって感じするな……』
『形はAAHだから良いのよ。以前シズカから聞いたでしょ? AAH愛好家にも派閥があるって』
『どの派閥に入ろうか、なんて話はしてないけどな。
……もう情報収集機器にも索敵機器にも反応は無し。こっちから探しに行く必要もないし、帰るか』
『どうする? 私が運転しましょうか?』
『うーん。……そうだな。可能な限り誰にも見つからないように頼む』
『了解よ』
そうして自動運転で走行していた車両がアルファの操縦下に入る。瞬間、先程まで感じていた地面に走るヒビによる揺れも収まった。
(まだまだ運転技術も拙いってことか。自動運転に介入するにも意識を持っていかれて銃撃精度に響いてるしな……。
要訓練だ)
アキラが決心を新たにして後ろを見る。目の前には別途アキラの車両に積んだ大量の遺物が入った箱が鎮座していた。内容物は以前と変わらないが、質が違う。店に並んでいた時は陳列棚の保護機能が切れていたが、集積場は所謂の倉庫でもある。その分、非常用のエネルギーの供給が最低限行なわれており、それが遺物を保護していたのだった。
遺物の入った箱の先に見えるミナカド遺跡が離れていくのを見ていたアキラの情報端末へ、2件の通知が入る。
片方はシオリからで、既に都市に到着し遺物の卸し先の選定に入ること。鑑定など、シオリ達の伝手を使う分時間が掛かるが精度に関しては信用して欲しい。分配比率はアキラの意見に従うと書かれていた。
(……これ多分、オレが言ったことに反論を繰り返してこっちの交渉訓練相手になってくれるってことかな? まぁ、有り難いな)
そしてもう片方はシェリルからだ。
(原作通り靴を選ぶのに協力して欲しい……か。そういや結局衣服類の遺物は回収したけど靴とかはしてないんだよな……。ブーツにしたって限定的過ぎるし……、いやこれハンターとしての思考か? 衣服に防御力とか普通は考えないよな……。
でもやっぱり女性物の下着の方が個人差が広いから需要は高くなるんだよな……、オレもメンズサポーターを見付けたら同じ奴かどうか確認して回収してるし)
シェリルは先日アキラから贈られた衣類に合う靴を欲している。頭は最初にあった時に贈られた髪飾りがあるが、それ以外だと旧世界製の衣類が持つ異質な高級感に置いてけぼりになるのだ。
下手な違和感など交渉中の邪魔にしかならない。シェリルは今後、シェリルファミリーが中規模徒党に成り上がった際に起こる、他徒党との折衝を優位に進めるために最善を尽くしている。
アキラもそれを邪魔する気は無い。シェリルの持つ地位が盤石となれば、今後シェリルに遺物の販売店を開いてもらうことも容易となるのだ。
(遺物販売店や賞金首は起こって貰わないと困るしな……。さてどうするか…………)
アキラは今後の予定を立てつつ、クガマヤマ都市へと帰っていった。
暴食ワニ(というより合食系構築類)の分類について
・小型変異:原型に近く、遠距離武装などは基本的に無い。
・中型変異:原型に近いが、機銃などの遠距離武装や機械的装甲が目立つ。
・大型変異:原型を保っているが、大砲などの破壊力の高い遠距離武装に加えて体表面の大半がそこらの銃弾など跳ね返す装甲板のようになっている。”例、Web版246話に登場した個体など”
・特型変異:該当地域周辺に於いて賞金首に認定されるほどの変異を繰り返した種類。”例、過合成スネークなど”
特に気にしなくても良いです。個人的解釈でしか無いので。
文中に大型変異って書いたからなんぞ? と思った人用です。