※この作品はR-18です。

もう一度サッカー選手に生まれ変わったなら美女も世界一も掴み取りたい!   作:クズ吉

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117話

 ハーフタイム

 

 アビーネ監督はロッカールームで選手達に思いを伝える。

 

 「後半はタイガへのロングボールを積極的に使っていこう。相手のCBも背が高いがタイガなら収めてくれる!アルゼンチンは後半も10番メッティ、7番ディアニナを中心に攻めてくるだろう。危険だと思ったらすぐクリアだ!今日の試合はポゼッションを捨てていい。繋ごうなんて考えてたら前半のようにすぐに奪われてしまう。いいか。相手は世界3位のチームなんだ。綺麗なサッカーで勝とうなんて思ってはだめだ!」

 

 前半アルゼンチンの球際の激しさに翻弄された日本代表。

 

 メッティは置いとくとしても、気迫に溢れたアルゼンチンの守備は目を見張るものがあった。

 

 さぁ後半その守備を掻い潜ることは出来るのか。

 

 日本代表の底力が試される。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 ピーッ!

 

 ホイッスルの音が鳴り響く。

 

 日本代表VSアルゼンチン代表

 

 後半

 

 KICK OFF!

 

 日本ボールで始まる。

 

 GK新島までボールを戻して…一気に前線へ!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 俺は右WG星野にボールを落とす!

 

 星野の右サイドからのカットイン!

 

 それと同時に俺は右サイドに斜めのランニング!

 

 星野は俺を使った。コーナーエリア手前でボールを貰いゴールの方を向く。

 

 相手CBと左SBロコが俺のドリブルを警戒する。

 

 ここは右SBの澤田に戻そう…

 

 とする素振りを見せてからゴールラインギリギリまでボールを蹴る!

 

 折り返してゴールに向かうぞ!

 

 ドンッ!

 

 という所でロコがボールをゴールラインの外にスライディングで蹴り出した。

 

 まあいい、コーナーキックも半分狙ってたプレーだ。

 

 両チームのメンバーがペナルティーエリアにぞろぞろと入ってくる。

 

 さぁコーナーキック、星野が蹴る!

 

 ボンッ!

 

 俺はニアサイドに走る!しかしボールは中央へ!

 

 ボンッ!

 

 左CB米谷のヘディングシュート!

 

 

 

 ボールはゴール枠外へと飛んだ。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半5分頃

 

 アルゼンチンの攻撃

 

 左サイドハーフウェイライン辺りからスローイン。

 

 左SBロコからDMFマルテカート、左CB、右IHと繋がり、右IHはマルテカートにバックパス。

 

 マルテカートはセンターサークル付近から右サイド端にいる右WGメッティにボールをつける!

 

 ゆっくりと中央に向かってドリブルするメッティ…

 

 だがグンッと一気に加速し左IHディアニナとワン・ツーパス!

 

 DMF羽賀田がチェックに行くが、今度はCFアブウェモとワン・ツーパスを交わして逃れるメッティ!

 

 メッティはペナルティーエリアに侵入!米谷と対峙し、縦にボールを運んで一気に抜く!

 

 

 

 ・・・メッティが蹴ったボールはやや長くなり、ゴールラインを割った。

 

 日本ボールのゴールキックだ。

 

 なんとか事なきを得たか。

 

 

 ・・・・・・

 

 

 後半15分頃

 

 アルゼンチンの攻撃。

 

 DMFマルテカートから左SBロコ、ロコから左に流れたアブウェモにパス。

 

 アブウェモのカットイン!

 

 右IHへボールを渡す。右IHから右WGメッティに繋がった!

 

 またもメッティVS左SB中園の対決。

 

 メッティは右サイドを縦に突破!その途中でゴール方向へ方向転換する!

 

 ボンッ!

 

 左CB米谷のカバーで何とかボールをクリア。

 

 ボールはゴールラインを割りアルゼンチンボールのコーナーキックとなる。

 

 俺はペナルティーエリアに入り守備につく。

 

 しかし…

 

 「大雅!お前もう守備はいいからカウンター狙え!」

 

 俺は星野選手からペナルティーエリア外に出てカウンターを狙うよう言われる。

 

 「え?でも…」

 

 「守備は俺達で何とかする!監督には俺が指示したって言っとくから!」

 

 「分かりました!」

 

 確かに今のところ日本はアルゼンチンの守備に対して攻め手を欠いてる状況だ。

 

 この状況を打開するには俺の足の速さを活かすしかないのかもしれない。

 

 さぁコーナーキック。アルゼンチン7番ディアニナがボールを中央に送る!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガシッ! 

 

 GK新島がクロスボールをキャッチ!

 

 新島は流れるように敵味方をかき分け、パントキックで右サイドハーフウェイライン辺りにポジションを取った俺にパスする!

 

 俺はコーナーキックの守備で残っていたアルゼンチン右SBサダネラを背にして、自陣に向かって胸トラップ!

 

 後ろから強い力で押されても俺は倒れない!

 

 寧ろそれを勢いにして円を描くように中央に向かってドリブルする!

 

 中央にはDMFマルテカートも残っていた。

 

 マルテカートのスライディングタックル!

 

 俺は次に向かう左サイドに向かってボールを大きく浮かす!

 

 マルテカートを躱した!

 

 しかし今度は左サイドに転がるボールに向かってサダネラとかけっこ勝負だ!

 

 だが、俺はかけっこ勝負なら負けない!

 

 トンッ!トンッ!

 

 俺はサダネラより先にボールに触れて大きくドリブルをしてサダネラを徐々に引き離す!

 

 後はGKとの1対1だ!

 

 ペナルティーエリアに侵入するくらいでGKが飛び出してきたので、冷静に躱してガラ空きのゴールにシュート!

 

 ボンッ!

 

  

 パサッ!

 

 GOAL!

 

 日本2-2アルゼンチン

 

 ワアアアア!ウオオオオ!キャァァァ!

  

 どよめくスタジアム!

 

 よし、見たか観客よ!同点に追いついたぞ!

 

 俺はすぐさまゴール内に入ったボールを回収しセンターサークルに向かう!

 

 その途中でサダネラやマルテカートが腰に手を当て項垂れる姿が見れた。 

 

 メッティもチラッとこちらを見た。

 

 彼らにガッツポーズでもしてみたい気分だが、勿論心の中に留めておく。

 

 「やったな!」

 

 「よくやった!大雅!」

 

 日本代表の選手達には沢山褒められた。

 

 試合再開を待つ。この勢いのままもう1点だ!

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半30分頃

 

 アビーネ監督は交代カードを切る。2枚替えだ。

 

 1.OUT→背番号9大杉修人 (ドイツ)

 

 IN→背番号14向井頼明(むかいよりあき) (東京)

 

 2.OUT→背番号10金田修斗 (ドイツ)

 

 IN→背番号18及川倖男(おいかわゆきお) (ドイツ)

 

 「4-4-2でいく!」

 

 アビーネ監督は半端ない及川選手と俺をツートップにした4-4-2フォーメーションを試すようだ。

 

 2列目は左SH向井、左CH羽賀田、右CH白河、右SH星野だ。

 

 バックラインは変わらない。

 

 前回の代表戦と違い、今回は4-4-2フォーメーションを事前に練習してきた。

 

 少しは安心だが、アルゼンチン相手に通用するかどうか。

 

 いずれにせよカウンター狙いのサッカーをすることは間違いない。

 

 「大雅、俺が潰れ役になってでもボール届けるからハットトリック狙えよ!」

 

 交代でピッチに入ってきた半端ない及川選手が開口一番そう言った。

 

 「はい!狙います!チャンスでパスしないでも怒らないでくださいね」

 

 「ははっ、いいぞ!その意気だ!」

 

 さぁハットトリックを狙うのはいいが、アルゼンチンボールの攻撃で再開だ。  

 

 右サイドハーフウェイライン辺りでのスローイン。

 

 右SBサダネラは遠くのCFアブウェモにボールを投げる!

 

 アブウェモは右WGメッティに、メッティはポーンとボールを浮かして右サイドを縦に突破!

 

 日本の左SB中園が追いついた頃にメッティはカットイン!左IHディアニナにパスする!

 

 ディアニナはアブウェモにパス。

 

 アブウェモは反転してからもう一度ディアニナにスルーパスを送る!

 

 ディアニナはペナルティーエリアに侵入、ドリブル突破で縦に運ぶ!

 

 対応する日本DF、しかしディアニナがペナルティーエリア内で切り返した時!

 

 ガッ!

 

 日本DFの足がディアニナの足に当たってしまった!

 

 ピーッ!

 

 ディアニナは倒れ込み、主審は笛を鳴らす。

 

 ペナルティーキックだ。

 

 悔しがる日本DF陣。だが、GK新島の目は燃えている。

 

 PKを蹴るアルゼンチンの選手は…メッティだ。

 

 メッティがボールをペナルティーマークに置くと会場が一斉に静まる。

 

 それはまるで神聖な儀式を見るような…

 

 ピーッ!

 

 主審が笛を鳴らす。

 

 メッティは助走をすでに取っている。

 

 ボールに向かい…

 

 左隅に強いシュートを蹴った!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 新島はメッティのシュートと同じ方向へ飛んだが、ボールはゴールに突き刺さった。

 

 GOAL!

 

 日本2-3アルゼンチン

 

 ワアアアア!

 

 静まり返っていたはずの会場が、メッティのゴールで一気に熱狂に染まる!

 

 ホームのはずなのにまるで中立地で戦ってるみたいだ。

 

 これが神の子メッティの放つオーラ、世界一のサッカー選手を目にした観客の素直な反応なのか。

 

 それはあまりにも高い壁だ。

 

 でも怖気づいてる場合じゃない。

 

 俺もその高みに向かって飛び立たなければならない。

 

 まずは同点に追いつくぞ!

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半40分頃

 

 3-2になった後もアルゼンチンに攻められ続けた日本。

 

 何とか一矢報いたい。

 

 日本ボールのゴールキック。

 

 ボンッ!

 

 新島がロングフィードを前線に送る!

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 俺は相手DFとの競り合いに勝ち左SH向井にボールを渡す。

 

 向井は中央に切り込むドリブル!

 

 流れるようにポストプレーをする半端ない及川にボールをパス!

 

 及川は相手DFにかなり引っ張られ、体勢を崩しながらも右SH星野にパス。

 

 星野が見ているのは…俺だ!

 

 星野の左足クロス!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 俺はペナルティーエリアに侵入し、誰よりも高く飛びヘディングシュートを放った!

 

 ゴール右隅に向かうボールは…

 

 

 

 

 

 パシッ!

 

 なんと!?

 

 アルゼンチンGKが驚異的な跳躍を見せ、シュートの軌道をゴールの枠外に外してみせた!

 

 「マジか」

 

 俺は頭を抱える。

 

 「切り替えよう大雅!まだコーナーがあるぞ!」

 

 及川選手が俺を励ましてくれる。

 

 だが、その後俺達日本代表はアルゼンチンから得点を奪うことが出来なかった。

 

 

 ピッ、ピッ、ピーッ!

 

 試合終了の笛が鳴る。スコアは…

 

 日本2-3アルゼンチン

 

 勝てなかった…

 

 試合が終わって膝に手をついて落ち込んでいると、アルゼンチンの面々が次々に挨拶に来た。

 

 皆口々に今日2得点した俺の事を褒めてくれた。

 

 そして…

 

 メッティが俺に手を差し出し、握手を求めてくる。

 

 「映像で見た気になってたけど、実際に見ると君は本当にヘディングの打点が高いし、素晴らしいスピードを持ってるね」

 

 「ありがとうございます。あなたもピッチで見るとドリブルの緩急が凄まじい。日本の観客もあなたがボールを持つたびに喜んでましたよ」

 

 「ははっ、今日はいい試合ができた。日本代表は手強かったし、会場の観客もいい雰囲気を作ってくれたね。次に君と会う時は君はもっと強くなってるんだろうな」

 

 「次は絶対に負けません。また次にお会いする時はあなたを驚かせる程強くなっていますから」

 

 メッティは「それは楽しみだ」と言って去っていった。

 

 ユニフォーム交換はメッティには頼まなかった。

 

 本当は死ぬほど欲しかった。

 

 だけど俺は彼を越えて世界一になると決めたのだ。

 

 心の中で「メッティとユニフォーム交換をしてはダメだ!」と防衛機能が働いた。

 

 それをすると越えられない気がしたんだ。

 

 代わりといってはなんだが、ユニフォーム交換はアルゼンチンのDMFマルテカートとした。

 

 それでもものすごい価値のあるユニフォームを貰って、敗戦した事を忘れそうになるほど内心で喜ぶ俺だった。

 

 それはそれとしてアルゼンチン戦、後一歩、二歩、いやそれ以上かもしれない。

 

 チームとしても個人としてもそれだけ世界との差を感じた一戦だった。

 

 次はブラジル戦だ。またしても南米の強豪。

 

 それでも世界に少しでも近づけるようにやれることはやる!

 

 絶対勝利だ日本代表!

 

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