もう一度サッカー選手に生まれ変わったなら美女も世界一も掴み取りたい! 作:クズ吉
選手入場、国歌斉唱、握手等、試合開始に必要な事は全て済まして今はピッチで試合が始まるのを待っている。
ピーッ!
主審が笛を鳴らす。
親善試合
日本代表VSブラジル代表
KICK OFF!
日本ボールで始まる。
GK神山まで戻して…俺を目掛けてロングフィード!
ボンッ!
ボンッ!
俺は空中戦を制し、左SH向井にパスする。
向井はドリブルで左サイドを突破!
・・・しようとするも、ブラジル右SBダミーノに侵攻を防がれた。
ボールはタッチラインを割り日本ボールのスローインだ。
左SB中園のスローイン。左CB米谷に渡し、米谷は前線に高いボールを送る!
これまた相手DFと競り合って勝利した俺がヘディングで向井にスルーパス!
今度も縦にドリブルでボールを運ぶ向井、クロスを放つ!
ボンッ!
ボンッ!
それに合わせたのは右CF大杉!ダイレクトシュートだ!
が、これはゴールの枠をとらえきれず、ブラジルボールのゴールキックだ。
どうやら10番ネウィラウルJrは左SHではなく、トップ下で試合に入ったようだ。
11番オクラスが左SHの位置にいる。
さぁ、ブラジルのGKが前線にロングフィードを送る!
ボンッ!
ボンッ!
このボールは左CB米谷が跳ね返す!
相手ボランチがボールを回収、右SHウィニランにパス!
ウィニランはドリブルでカットイン!
中央まで行ったらネウィラウルJrにバックパス。
ネウィラウルJrはウィニランの空けたスペースに走りこむ右SBダミーノにパス!
ダミーノは日本DFを引きつけてから再びネウィラウルJrにボールを戻す。
ネウィラウルJrはCFとワン・ツーパスを交わし、ペナルティーエリアに侵入!
CB望岡とのマッチアップではネウィラウルJrが望岡をドリブルで翻弄する!
そして望岡の重心の逆をついてネウィラウルJrはシュートモーションに入った!
ボンッ!
ここは何とかCH白河がフォローに入りボールをピッチ外に弾き出す!
ブラジルボールのコーナーキックだ。
それにしてもネウィラウルJrのドリブルの滑らかさはすさまじいな。
まるでスケートリンクで滑ってるようだ。
その一つ一つの動作にしっかりフェイントがかかっていたり意味がある。
日本のDF陣が後手後手に回るのも仕方ない。
さぁそのネウィラウルJrがコーナーを蹴る。
ボンッ!
バシッ!
GK神山のパンチングでボールはペナルティーエリア外に出る。
しかしその先にはウィニラン!ミドルシュートを放つ!
バッ!
シュートブロックに入るのはCH立木!
体を張ってしっかりボールを止め、左SB中園が大きくクリアする!
・・・・・・・
前半20分頃
ここまで幾度もブラジルの攻撃を受けているが、ゴール寸前のところで防げている。
俺はと言うとあまり試合に入れてない。
クリアボールを追ってばかりいて、良い形でパスが回って来ないのだ。
ここは中盤に降りてボールを貰いに行こうか。
チーム最長身の俺がトップの位置からいなくなるのは効率的ではないかもしれないが、どうせボールが来ないんだ。
俺には高さだけでなく、ドリブルの推進力もパスの展開力もある。
それを発揮すればチームを助けることができるだろう。
今は日本ボールの最終ラインからのビルドアップの場面。
右CB望岡にボールが渡った時!
俺は中盤に降りて望岡から楔のパスを呼び込む!
パシッ!
ボールをトラップして…
グンッ!
一気に右サイドにドリブル、右SH星野にボールを渡す!
それと同時にワン・ツーパスを期待して右サイドに斜めのランニングをする!
ボンッ!
来た!星野からのスルーパスだ!
ペナルティーエリアに侵入しようとするが相対するのは左CBミナンザ!
俺は細かいタッチのドリブルから…縦方向にフェイントを入れてカットイン!
ペナルティーエリアに侵入してシュートを放つ!
ボンッ!
パシッ!
このシュートはブラジルGKが弾く!
しかし弾いた方には…
左SH向井がいる!
向井はドリブルで持ち運んで、2度3度シュートフェイントを入れてからシュートを放った!
ボンッ!
パサッ!
GOAL!
日本1-0ブラジル
ウオオオオ! ワアアアア! キャアアアア!
ブラジルの攻撃に長い時間耐え忍んでいた中での日本の先制点!
観客は大盛り上がりだ!
「向井さん!」
「大雅!」
ゴールパフォーマンスを行っている向井選手の下に俺はすぐさま駆け寄る!
「よくやった2人とも!」
「いいぞー!ブラジル相手に先制点!このまま2点目も取るぞ!」
俺達日本代表は喜び合って自陣に戻った。
・・・・・・・
前半35分頃
日本の攻撃。
引き続き俺は中盤をサポートすべくポジションを移動している。
もはやフォーメーションは4-4-2のツートップではなく、4-4-1-1もしくは4-2-3-1の俺がトップ下のように振る舞っている。
アビーネ監督が怒鳴ってる様子はないので今のところは黙認されている状況だ。
彼は結構選手の着想を大事にしてくれるタイプだと俺は勝手に思ってる。
さて日本のゴールキック。
これに関しては俺はターゲットとしてしっかり役割をこなさなければならない。
ボンッ!
神山のロングフィード!
スッ!
俺はボールを後ろに反らして大杉にヘディングパス!
大杉は後ろから左CBミナンザに押し潰されそうになりながらも懸命にポストプレー!
俺はすぐさま大杉の横へ走る!
そして大杉からパスをもらう!
グンッ!
スピードを一気に上げて…
ガツッ!
突如足に痛みとともに衝撃が走る。
俺は受け身を取って前方に倒れこんだ。
ピーッ!
主審の笛が鳴る音がする。
「痛ってー!」
そう言い、のたうち回るうちに状況を把握した。
どうやら後ろからスライディングタックルを受けたようだ。
スライディングをした相手DFはイエローカードを提示されている。
「レフェリー!レッドでしょう!?」
今日のゲームキャプテンである星野選手が主審に抗議しているのが聞こえる。
米谷選手も加勢しに来るのが見えた。
「大丈夫か?大雅?」
立木選手が真っ先に俺の下へ心配しに来てくれた。
続いて他の選手達が俺の下へ集まる。
「大丈夫っす。なんとか受け身は取れたんで。それよりも…」
星野選手、米谷選手がブラジルの選手達と少し衝突している。
ブラジルの選手達は主審から2人を遠ざけようと体を押したりしていた。
中園選手は2人がやり返そうとするのを必死に止めている。
遠くの方から神山選手も全速力でこちらに向かって来ているのが見えた。
ますます状況がややこしくなる気がしてならないので、俺は素早く立ち上がり混乱の方へ向かう。
「星野さん、米谷さん!怪我はなさそうです!まずは落ち着きましょう!」
「ネウィラウル!試合再開出来るように皆にポジションにつくよう言ってください!」
俺はまず星野選手と米谷選手に落ち着くよう言ってから、ブラジルのキャプテンであるネウィラウルJrにチームメンバーを落ち着かせるよう頼んだ。
「分かった」
ネウィラウルJrはそう言ってサムズアップした後にチームメイトに指示を出していく。
ブラジルの選手達はキャプテンの言葉を聞いてフリーキックの守備位置につく。
星野選手と米谷選手も相手が引いたなら突っかかる事はしない。
「大雅ー!大丈夫か!」
遅れて神山選手がやってくる。
「大丈夫です!良い位置でフリーキック取れたんで2点目いきましょう!」
「そうか!じゃあ戻るぞ!」
ふぅ…なんとか事が収まったようだ。
「大雅、お前本当に大丈夫か?」
星野選手がボールを持って俺に言った。
「まだちょっと痛いですけどプレーするには問題ないですよ!それよりもフリーキックどうします?」
「…そうか、あんま無理するなよ」
俺達日本代表もフリーキックについて話合って位置につく。
フリーキックのキッカーは星野。
ブラジルゴールから見て右斜め30m程の位置から蹴る。
ピーッ!
主審が笛を鳴らした。
ボンッ!
星野の左足!
クロスボールを右サイドの俺に向かって放つ!
ボンッ!
俺は折り返しのパスを中央に送る!
しかしこのボールはブラジルGKにキャッチされてしまった!
ペナルティーエリア外にはオクラス、ネウィラウルJr、ウィニランの3人が走り出している!
ブラジルGKはウィニランにオーバーハンドスローでボールを預ける!
中園VSウィニラン!
ウィニランはグングンと右サイドを駆け上がる!
圧倒的スピードだ!
ハーフウェイライン辺りでキュッ!と中央へ方向転換し、中園を引き剥がした!
そのままペナルティーエリア前までドリブルで駆け上がったウィニランから左サイドを走るオクラスへスルーパス!
オクラスへは右SB澤田がついている!
しかしオクラスはシュートフェイントを入れてからネウィラウルJrにパスをした!
ネウィラウルJrがゴール右隅へシュートを放つ!
ボンッ!
ネウィラウルJrは右CH白河が追っていたが、シュートブロックは届かず!
パサッ!
横っ跳びをしたGK神山も届かないままゴールネットにボールは突き刺さった。
GOAL!
まるで閃光のように速いカウンターゴールだった。
日本1-1ブラジル
アァァ… キャァァ…
同点に追いつかれて残念がる観客。
ゴールを決めたネウィラウルJrはすぐさまボールを回収し、自陣に戻っていく。
その姿は試合前の陽気な彼とは異なるキリッとした本気のムードを感じさせた。
ブラジルのゴールは見事だった。
でも星野選手のクロスボールを俺が折り返したヘディングパスがな…
もっと上手く処理出来なかっただろうか…
ただまだ同点だ。再びリードすることを目指そう。
・・・・・・・
前半45分頃
ピッ、ピッー!
前半終了の笛が鳴る。
スコアは…
日本1-1ブラジル
ブラジルが相手と思えばよくやってると言えるかもしれない。
だが今日俺はブラジルを倒す予定だ。
そのためには後半もっとギアを上げなければ!
さらなる高みへ!行くぞ日本!