※この作品はR-18です。

もう一度サッカー選手に生まれ変わったなら美女も世界一も掴み取りたい!   作:クズ吉

148 / 190
148話

 ハーフタイム。

 

 「後半はタイガへもっとボールを集めよう。高さを活かしてもいいし、速さを活かしてもいい。タイガももっと自分で強引に行ってくれ。チームの中では元気がある方だろ?そして攻撃を活性化するために後半はじめから2人交代する…」

 

 アビーネ監督は方針を説明すると共に選手交代を告げた。

 

 1.OUT→背番号9大杉修人 (ドイツ)

 

 IN→背番号18碇珠生(いかりたまき) (ドイツ)

 

 2.OUT→背番号7榎本山彦 (ピエルナ大阪)

 

 IN→背番号20白河凱(しらかわがい) (鹿島)

 

 碇珠生選手は前世の2018W杯でセネガル戦、ベルギー戦と得点を挙げた、ドリブラータイプのFWだ。

 

 スペインリーグに挑戦した数少ない日本人選手の中では、かなり活躍した選手でもある。

 

 さぁ後半から選手交代で元気な選手が出てくる。

 

 それを活かしてオーストラリア撃破だ!

 

 

 ・・・・・・・ 

 

 

 ピーッ!

 

 主審が笛を鳴らした。

 

 オーストラリア代表VS日本代表

 

 後半

 

 KICK OFF!

 

 日本ボールで始まる。

 

 オーストラリア代表は選手交代はないようだ。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半5分頃

 

 オーストラリアの攻撃。

 

 右WGからCFケーフィムへのグラウンダークロス!

 

 ケーフィムはペナルティーエリア内でトラップして…シュート!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 バシッ!

 

 GK神山がボールを弾く!

 

 コーナーキックだ。

 

 両チームのメンバーがペナルティーエリア内にぞろぞろと入ってくる。

 

 ボンッ!

 

 オーストラリアの選手がコーナーエリアからクロスを上げる!

 

 

 

 

 

 バシッ!

 

 GK神山が飛び出してパンチング!ボールの行方は…

 

 ペナルティーエリア外の左WG碇の元へ転がっている!

 

 これは…カウンターのチャンスだ!

 

 俺はぐんぐんとドリブルで進む碇を見ながら、全速力で前線へ向かう!

 

 そしてハーフウェイラインくらいのところで、左サイドから中央にいる碇を追い抜く!

 

 そしてオフサイドラインギリギリの飛び出しで碇からボールを貰う!

 

 グンッ!

 

 パスを受けた俺は大きなドリブルを一度入れて加速する!

 

 オーストラリアDFは追いつけない!

 

 GKとの1対1に持っていく!

 

 最後にどっしり構えてた相手GKの右脇をシュートで打ち抜いて…

 

 ドンッ!

 

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 俺の放ったシュートがゴールネットを揺らす。

 

 GOAL!

 

 オーストラリア0-1日本

 

 ウオオオオ!

 

 アウェイオーストラリアの地に駆けつけた日本代表サポーターが吠える!

 

 しかし俺はというと…

 

 「・・・・・」

 

 今日の試合、ゴールパフォーマンスはしないことに決めた。

 

 サッカーではクラブチーム同士の対戦で、古巣相手にゴールした時喜びを表さない事がある。

 

 オーストラリアは古巣ではないが、俺にとって特別な関係を持つ国だ。

 

 だからせめてゴールパフォーマンスを控える事で、俺のゴールでオーストラリアの人々を悲しませる事を許して欲しい。

 

 そんな思いがある。

 

 俺は浅ましいだろうか。

 

 きっとそうなんだろう。

 

 日本代表を選び、日本代表として戦ってるくせにオーストラリアの人々に配慮する。

 

 こんな自分が嫌になる。

 

 だけど…

 

 「大雅!ナイスゴール!どうした?大丈夫か?」

 

 「大雅はほらオーストラリアの…」

 

 「そうだったな。だけどお前は日本代表だろ〜!まぁしゃーないな」

 

 「パフォーマンスしないのはいいけど、まだまだ点取ってもらわないと困るぞ!」

 

 日本代表の皆は俺のオーストラリアに対する姿勢を許してくれた。

 

 俺は日本代表として間違った振る舞いをしている。

 

 俺はそう認識しているのに…

 

 これは彼らの優しさに甘えてるだけだ。

 

 それを自覚するとますます自分が嫌になってきた。

 

 俺はいつもそうだ。両親にも、彼女達にも、甘えてばかりだ。

 

 俺は誰かとぶつかってでも自分の欲求を優先してきたし、それが許されてきた。

 

 今回だって俺はオーストラリアの人々に嫌われたくないという欲求を押し通し、日本代表の皆に許してもらった。

 

 だけど今はそれが酷く傲慢であるとも思える。

 

 ・・・そうか、俺は傲慢だったんだな。

 

 傲慢…傲慢か。そう考え直すと悪くないな。

 

 ストライカーとして必須な要素だし、それがあれば俺はどこまでも強くなれる。

 

 よし!まだまだ得点を取るぞ!

 

 日本代表としての役割を果たして日本の人々を喜ばせ、オーストラリアの人々への配慮も示す。

 

 両方を得るのが傲慢な俺らしい!

 

 

 ・・・・・・・

 

  

 後半15分頃

 

 日本の攻撃。

 

 右CB望岡から中盤に降りた俺に楔のパス!

 

 俺は右IH白河にボールをはたき、前線に戻る。

 

 白河は右WG星野へ、星野はタメを作ってからオーバーラップした右SB澤田にスルーパス!

 

 澤田から高く速いスピードのクロスが中央へ供給される!

 

 それに合わせるのは…

 

 

 俺だぁぁ!

 

 

 ドンッ!

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 俺の放ったヘディングシュートはゴール左隅に決まった。

 

 GOAL!

 

 オーストラリア0-2日本

 

 ワアアアア!

 

 熱狂する日本サポーター!

 

 「・・・・・」

 

 俺は今回もゴールパフォーマンスを控え、チームの皆とのハイタッチだけに留める。

 

 「大雅よくやった!」

 

 「大雅絶好調だな!」

 

 まだだ。まだ足りない。

 

 いっそのことオーストラリアの人々に日本が羨ましいと思われる程、俺が結果を出すのはどうだろうか。

 

 そうすればまた別の感情でオーストラリアの人々の心を塗り替えることが出来る。

 

 うん、いいかもしれない。

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半25分頃

 

 オーストラリアはケーフィムが下がり、ケリーが途中交代で入ってきた。

 

 来たなケリー。

 

 オーストラリアはケーフィムからケリーへ変わったことで、CFへの高さのある攻撃が可能になる。

 

 日本の守備陣はまた違った怖さを味わうことになるだろう。

 

 俺は守備陣のためにも追加点を奪わねば。

 

 日本は最後の交代カードを切った。

 

 3.OUT→背番号10金田修斗 (ドイツ)

 

 IN→背番号15立木貴也(たちきたかや) (名古屋)

 

 さぁ、現在はオーストラリアの攻撃。

 

 日本ゴールから右斜め40m程の所からのフリーキックだ。

 

 高さに関してはオーストラリアに分がある。

 

 気をつけなければならない。

 

 ボンッ!

 

 フリーキックを蹴るオーストラリア選手!

 

 ボールが向かう先は…

 

 

 

 

 

 CFケリーだ!

 

 俺もボールに競りにいくが…

 

 ケリーはペナルティエリア内右に侵入し折り返しのヘディングパスを中央に送る!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 そのパスに合わせた長身の相手CB!ヘディングシュートを放った!

 

 ドンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 シュートはGK神山の手の届かないゴール左隅に決まった。

 

 GOAL!

 

 オーストラリア1-2日本

 

 イエェェェーイ!

 

 ホームオーストラリアサポーターが待ってましたと今日の試合一番の声を上げる!

 

 やはりオーストラリアの高さによる攻撃は恐怖だな。

 

 だがこのままやられるわけにはいかない。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半30分頃

 

 日本ボールのゴールキック。

 

 神山はCFの俺にロングフィードを放つ!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 俺は相手DFとの競り合いに勝ち、左IH立木にボールを落とす!

 

 立木は左サイドに張った左WG碇にパス、そしてすぐさま前線に走り出す!

 

 碇はシンプルに立木を使う!

 

 パスを受けドリブルをするも、左サイド端に寄せられた立木。

 

 そこへ碇がタッチラインギリギリを走りボールを受けに行く!

 

 立木はちょん!と前方にパスを出す!

 

 碇はコーナーエリア付近でほぼ直角に方向転換、ゴールラインギリギリをドリブルする!

 

 そして最後に碇は中央へクロスを上げた!

 

 俺はそのクロスに合わせて…

 

 オーバーヘッドシュート!

 

 ズドンッ!

 

 

 

 

 パサッ!

 

 勢いあるそのシュートに相手GKは手も足もでなかった。

 

 GOAL!

 

 オーストラリア1-3日本

 

 ウオオオオ!ワアアアア!キャアアア!

 

 俺の見せたアクロバティックなゴールに日本サポーターは興奮状態だ!

 

 俺は受け身をしっかり取った後、コーナーエリアに向かう!

 

 本当は!本当は凄くタイガーポーズをやりたい!

 

 自分を誇示したい!

 

 だけど…

 

 「・・・・・」

 

 この試合はゴールパフォーマンスはしないと決めたんだ。

 

 それを貫かねば中途半端になってしまう。

 

 「大雅すげえよ!あんな綺麗なバイシクルシュート見たことねえぞ!」

 

 立木選手が一番に駆け寄って俺を褒めてくれる。

 

 「ヒュー!最高のゴールだ!」

 

 「なんとか突き放したな!ナイスだ大雅!」

 

 チームメンバーの皆にもみくちゃにされて内心は嬉しい俺だった。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 ピッ、ピッ、ピーッ!

 

 試合終了の笛が鳴る。

 

 最終スコアは…

 

 オーストラリア1-3日本

 

 後半最後のオーストラリアのパワープレイをしのぎ、日本が勝利した。

 

 俺はハットトリックを記録した。

 

 結果的にオーストラリアの人々を悲しませる事にはなったが…

 

 エースの俺にハットトリックを決められたなら逆に清々しいとか思ってくれないだろうか?

 

 どうだろう、他人の心は分かんないや。

 

 試合後俺はオーストラリア代表の面々と握手を交わしていく。そして…

 

 「ケリー!」

 

 「タイガー…」

 

 ガシッ

 

 ケリーとも熱く握手を交わす。

 

 「ねぇユニフォーム交換しようよ!」

 

 「そうだな、しようか」

 

 俺達はユニフォーム交換をしながら今日の試合について話す。

 

 「まったく、ハットトリックを決められるとはな。改めてタイガーの凄さを思い知ったよ」

 

 「覚悟しといてよって試合前に言ったでしょ?」

 

 「ハハハ、それにしたってなぁ」

 

 「ケリーも日本代表にとって物凄い脅威だったよ」

 

 よし、ケリーのオーストラリア代表ユニフォームゲット!

 

 これは記念になるぞ〜。

 

 「そうかい。でもタイガーは味方だと頼もしいのに、敵だと本当に恐ろしいよ。これは言ってはいけないのかもしれないけど、君がオーストラリア代表だったらなぁ。ケーフィムがトップ下で俺とタイガーがツートップの3-5-2フォーメーションなんてどうだい?」

 

 「ハハハ、それは強そうな布陣だね。俺もオーストラリア代表を選んでいたらどうだっただろうって今日考えてた。でも俺は日本代表を選んだし、これからも日本代表であり続ける。改めてそれを再認識した試合だったよ」

 

 「日本代表、これからさらに強くなるだろうな。元チームメイトとして応援するよ」

 

 「ありがとう!オーストラリア代表はライバルだけど、戦わない時は俺も応援してるよ」

 

 その後俺とケリーは再び会うことを約束して別れた。

 

 オーストラリア代表を準決勝で下した日本代表。

 

 2015アジア杯最後の試合、決勝戦は韓国代表が相手だ。

好きなヒロインは?

  • 神田紗那(かんださな):幼なじみ
  • 五十嵐望結(いがらしみゆ):同級生
  • 神田茉那(かんだまな):紗那の妹
  • 二山夕梨(ふたやまゆうり):女子アナ
  • 新名凛華(にいなりんか):アイドル
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。