※この作品はR-18です。

もう一度サッカー選手に生まれ変わったなら美女も世界一も掴み取りたい!   作:クズ吉

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162話

 ハーフタイム

 

 「ドイツ相手に前半で2-0!これは本当にすごいことだ。だが浮かれてはいけない。W杯本番でももしかしたら強豪相手にこんな展開があるかもしれない。そのためにも今日の試合でテストしておこう。後半は5バックでいくぞ!」

 

 アビーネ監督が方針を話す。

 

 後半は羽賀田キャプテンがCBに落ちる5-4-1でドイツを封じ込める作戦のようだ。

 

 強豪相手に2-0でリードする展開といえば、前世の2018W杯のベルギー戦を思い出す。

 

 日本は2-0のリードから最終的に2-3で大逆転敗北を喫した試合。

 

 あの試合で5バックにしていたらもしかしたら勝てたかもしれないと、2018W杯日本代表のコーチだった現広島監督が言ってたそうだが…

 

 どうだったんだろうな。

 

 あのチームは現名古屋監督の二階堂新太が2カ月で築いた急造チームだ。

 

 どの選手を活かせば勝てるかという勝ちパターンも蓄積されてなかった。

 

 その後日本代表監督に就任した現広島監督はその反省を活かしてか、5バック(3バック)で次々と強豪を倒す長期政権となった。

 

 まぁ5バック(3バック)は元々彼の監督としての武器ではあったが。

 

 ところで今更だが、前世の日本サッカー連盟はコロコロ監督を変えすぎだったと思う。

 

 監督が変わったら使う選手の選定も、使う戦術も、何もかも変わる。

 

 それは代表チームの経験の蓄積、連続性がリセットされるということだ。

 

 二階堂監督はよく2カ月でチームをベスト16に導いたが、例のあの人が率いた2018W杯も結果が出るかどうか確認してみたかった。

 

 彼のサッカーは面白くはないが、彼のやり方でどこまで行けるか知りたかったのだ。

 

 それを知る術は今はもうない。

 

 今世ではアビーネ監督が続投することになったからな。

 

 アビーネ監督の下で経験を積んだ日本代表が結果を出せるかどうか。

 

 今フォーカスすべきはそれだ。

 

 そのためには親善試合であろうと、勝ちパターンを蓄積して日本代表の経験値を高める必要があるだろう。

 

 5-4-1フォーメーションは去年の9月にやったウルグアイ戦でも用いた、対強豪の守備固め戦術といった感じだ。

 

 ドイツ代表にも通用するのか、確かめてやる!

 

 ・・・・・・・

 

 

 ピーッ!

 

 主審の笛が鳴る。

 

 ドイツ代表VS日本代表

 

 後半

 

 KICK OFF!

 

 日本ボールで始まった。

 

 日本は左CB米谷にボールを渡す。

 

 ドイツは積極的なプレスで前半の失態を挽回しようとする!

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半5分後

 

 ドイツの攻撃。

 

 5-4-1の守備ブロックを作る日本に対して、前半に引き続き3-1-4-2フォーメーションで崩そうとしている。

 

 ツートップのロウィクとゲッチェは身長がそこまで高くないので、足元で日本を攻略するつもりだろう。

 

 スリーバックのパス回しから左WBへボールが渡る。

 

 左WBは左IHギュルボアンとワン・ツーパスを狙う!

 

 パシッ!

 

 しかし右WB澤田にインターセプトされる!

 

 澤田はすぐさま俺にパスを送る!

 

 俺はボールキープして味方の上がりを待とう…

 

 と考えていたが、俺にボールが到達する前にDMFケヴィナにボールを奪われた。

 

 前がかりになろうとしていた場面でのネガティブトランジション!

 

 日本代表はケヴィナのドリブルでの持ち上がりに対応が遅れる!

 ケヴィナは左IHギュルボアンとワン・ツーパスを交わし、ペナルティーエリア前まで侵入!

 

 日本の3CBの間をすり抜けたFWロウィクにスルーパスを送る!

 

 ロウィクのダイレクトシュート!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ

 

 ボールが日本ゴールに突き刺さる。

 

 ワアアアア!

 

 スタジアムのドイツサポーターが一斉に沸き立つ!

 

 ゴールか…

 

 

 

 

 

 

 と思いきや。

 

 ピーッ!

 

 主審が笛を鳴らす。

 

 副審の方を見るとオフサイドフラッグを上げていた。

 

 ロウィクのオフサイドをとったようだ。 

 

 パチパチ!

 

 俺は日本DF陣に拍手を送る。

 

 中央CBに入った羽賀田キャプテンも合わせてさすがの連帯感だ。

 

 アジア杯で積んだ経験は伊達じゃない!

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半15分頃

 

 ドイツの攻撃。

 

 ここまでドイツにポゼッション率で上回られる展開。

 

 やはりドイツ代表のテクニックは凄まじい。

 

 だが日本代表もよく耐えている。

 

 ドイツはワイドに横へパスを回していく。

 

 右サイドに張った右WBが右IHエディムにパス、ワン・ツーを狙う!

 

 しかしエディムはDMFケヴィナにパスする。

 

 ケヴィナはボールを受けに来たロウィクに楔のパス!

 

 ロウィクはワンタッチパスでエディムにボールを渡す!

 

 エディムはカットイン!からのミドルシュート!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 バシッ!

 

 GK神山がシュートを弾いた!

 

 しかしボールの行く先には…

 

 FWゲッチェだ!

 

 こぼれ球に反応し、シュートを放つ!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 シュートはゴール右隅に決まった。

 

 GOAL!

 

 ドイツ1-2日本

 

 ウオオオオ!イエェェェーイ!ワアアアア!

 

 フラストレーションが溜まりまくっていたドイツ代表サポーターが一斉に叫ぶ!

 

 ドイツ代表の面々は喜びながらも、ゴールからボールを取って足早に自陣に戻る。

 

 うーん日本代表はちょっと守備的になりすぎな気もするな。

 

 5-4-1フォーメーションだからしょうがないのだろうか。

 

 でももうちょっと攻撃にリスクを取らないと守備に徹するばかりだ。

 

 ちょっと言ってみるか。

 

 「もう少し攻撃の比重を高くしてください!このままだと守備を崩されて追い付かれます!その前に追加点奪いましょう!」

 

 俺はチームメイトを集めて自分の考えを伝える。

 

 「確かにそうだな。守備は俺達3人のCBと(柳下)にある程度任せて、他の皆は大雅をもう少し助けてやってくれ」

 

 羽賀田キャプテンが同意してくれた。

 

 もう一度得点を狙いに行く。

 

 その事で合意した俺達は試合再開のためピッチに散った。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半25分頃

 

 ドイツ代表はWB2枚とDMFをすでに交代しているが、ツートップも代えるようだ。

 

 背番号10のルーハム・ポゾフツキがツートップの一角に入る。

 

 前世ではNリーグヴィクトナウス神戸に来てくれた強力ストライカーだ。

 

 ちなみに今日の試合は親善試合なので交代は6人まで可能だ。

 

 日本の交代メンバーは今のところ…

 

 1.OUT→背番号9大杉修人 (ドイツ)

 

 IN→背番号18碇珠生(いかりたまき) (ドイツ)

 

 2.OUT→背番号4星野謙一 (イタリア)

 

 IN→背番号14向井頼明(むかいよりあき)(SC東京)

 

 3.OUT→背番号10金田修斗 (ドイツ)

 

 IN→背番号8木下日和(きのしたひより) (ドイツ)

 

 3選手を交代した。

 

 木下選手はブロッサム大阪からドイツに渡ったパスセンスのある選手だ。

 

 ブロッサム大阪では金田選手の後に背番号8を背負ったりと、よく金田選手と比較されるテクニシャンでもある。

 

 さて、木下選手だけにはあまり守備的になりすぎないように伝えたが…

 

 碇選手と向井選手は得点を取りたくてウズウズしてるだろうから、きっと大丈夫だろう。

 

 よし、得点を取りに行くぞ!

 

 日本ボールのスローインから試合は再開する。

 

 日本陣内の左サイドから左SB中園がボールを投げ入れる!

 

 ボンッ!

 

 ボールを受け取った左CB米谷がすぐさま前線の俺にロングパスを放つ!

 

 俺はそれを胸でトラップしてキープ!

 

 左CHのポジションに入った木下が上がってきたのでパス!

 

 木下は少しドリブルで前に進んで、左SH碇にスルーパスを送る!

 

 碇は得意のドリブルで敵陣深くまで侵入、ペナルティーエリア前でカットイン!

 

 右サイドを駆け上がっていた右SH向井にスルーパスを出す!

 

 向井のダイレクトシュート!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バシッ!

 

 シュートは強烈だったが、相手GKが手で弾いてコーナーキックへ。

 

 向井選手は悔しそうに頭を抱えている。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半30分頃

 

 ドイツの攻撃。

 

 左WBから左IHギュルボアンにボールが渡る。

 

 ギュルボアンは右IHエディムにパス。

 

 エディムはFWポゾフツキにパスを出して前方に走り出す!

 

 ポゾフツキは寄ってきたエディムにパス、そして膨らむようにペナルティーエリアに侵入!

 

 エディムはふわりとした浮き球のパスでポゾフツキの足元までボールを届ける!

 

 ドガンッッッ!

 

 ポゾフツキの強烈な左足ボレーシュート!

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バサッッ!

 

 ゴールネットがはち切れんばかりに揺れた。

 

 ボールはゴールの中に転がっている。

 

 GOAL!

 

 ドイツ2-2日本 

 

 ウオオオオ!イエェェェーイ!ワアアアア!

 

 ドイツ代表サポーターが狂喜乱舞する!

 

 ドイツ代表の面々もこのゴールには大喜びだ!

 

 ポゾフツキの元へ集まって祝福している!

 

 「まっずい!」

 

 思わず口に出してしまった。

 

 2点リードから追いつかれるのはものすごい圧迫感を感じる。

 

 しかも相手はホームスタジアムの観客の後押しもあるドイツ代表だ。

 

 会場の雰囲気はまさにイケイケドンドン、日本代表なんかひねり潰せと言わんばかりだ。

 

 …それでも!

 

 「絶対に勝ちましょう!引き分けでもいいと考えたら負けます!もう1点取りましょう!チャンスは絶対に来ます!」

 

 俺はチームメイトを集めて鼓舞する。

 

 中園選手をはじめとして全員の選手が、もう一度得点を取ろうと意気込んだ。

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 後半40分頃

 

 日本の攻撃。

 

 右SH向井が敵陣深くにドリブル、切り返して右WB澤田にパス。

 

 澤田はシンプルに高いクロスボールを俺に向けて放つ!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 しかしクロスボールは相手DFに弾き返されてしまう!

 

 セカンドボールを拾ったのは左IHギュルボアン!

 

 ポゾフツキに縦パスを送った後自身も駆け上がる!

 

 まずい!カウンターだ!

 

 ポゾフツキのドリブルでズルズルと下がる日本のDFライン!

 

 ドイツの元気なWBも駆け上がり、数的不利を作られる!

 

 右CH柳下がポゾフツキを捕まえに行くが、左WBに展開された!

 

 左WBはカットイン!それと入れ替わるように外側からギュルボアンがオーバーラップ!

 

 左WBはギュルボアンにスルーパスを出し、ギュルボアンは…

 

 中央へグラウンダークロスを送る!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 中央にはドイツFWが入ってきている!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 ボールに触れたのは…

 

 中央CB羽賀田だ!羽賀田のクリア!

 

 

 

 

 …ボールの行く先には守備に戻っていた右SH向井がいる!

 

 これは…

 

 カウンター返しのチャンス!

 

 俺はプルアウェイの動きで相手DFを釣った後に裏抜けする!

 

 向井からのパスは…

 

 来ている!

 

 …がちょっと左サイドに流れている!

 

 左サイドペナルティーエリア前でボールをトラップして、戻ってきた相手DFと対峙する。

 

 時間をかければDFはもっと増える!

 

 だからここは…

 

 強引なドリブル突破だ!

 

 縦!

 

 にボールを運んで…

 

 左足シュート!

 

 と見せかけて、カットイン!

 

 右足でゴール右上隅を狙う!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 勢いのあるそのシュートはドイツGKの手の届かない場所へ。

 

 その場所は…

 

 GOAL!

 

 ドイツ2-3日本

 

 シンッと静まりかえるスタジアム。

 

 そこへ遅れて

 

 ウオオオオ!ワアアアア!

 

 少数の日本代表サポーターが歓喜に沸く!

 

 よしっもう一回ドイツ国民に挨拶しとくか。

 

 ずざあ!

 

 膝スライディング…

 

 がおー!

 

 タイガーポーズ!

 

 俺が!

 

 クラウチ大雅だぁ!

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 ピッ、ピッ、ピーッ!

 

 試合終了の笛が鳴る。

 

 それと同時に地鳴りのようなブーイング。

 

 試合結果は…

 

 ドイツ2-3日本

 

 日本の勝利だ!

 

 日本が3点目を取った後は守備に徹して、5バックの利点を存分に活かすサッカーをすることが出来た。

 

 本来なら無失点に抑えるのが最善だったのだろうが、ドイツ代表が強力すぎた。

 

 これでサブメンバー主体のチームだというのだから恐ろしい。

 

 ドイツ代表がガチメンバーで、やり慣れたフォーメーションで戦っていたらどうなったかも気になる。

 

 だが今日のところは俺はハットトリックで気分がいいのでヨシッ!

 

 次はイタリア代表との戦いだな。

 

 守備の堅いチームにも今日のような攻撃力を見せられるか。

 

 どんな戦いになるだろう。

 

 楽しみだ。

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