もう一度サッカー選手に生まれ変わったなら美女も世界一も掴み取りたい! 作:クズ吉
「3-4-2-1だ」
広島スリーアローズ戦を終えて初めてのミーティングで、名古屋アハト監督二階堂新太が開口一番そう言った。
「3-4-2-1に挑戦しようと思う」
二階堂監督が話したのはこうだ。
試合を振り返っても選手の質は負けている気がしない。
では、システムの問題だろうか。
広島の3-4-2-1には何度も苦しめられている。
それならば自分達も3-4-2-1を採用したらどうなるだろう。
そんな事を考えたそうだ。
そして二階堂監督は俺達選手に提案した。
新戦術3-4-2-1。
猛特訓を重ねながら試合で少しずつ試したそれは予想以上に名古屋アハトにハマった。
N1リーグ1stステージ優勝
17戦16勝1敗
アジアCL全勝で準々決勝進出
これが俺達が成し遂げた結果だ。
正直広島に負けた悔しさはチーム全体にかなりあった。
だが、2ndステージで絶対に広島を倒すためと、3-4-2-1を取り入れて皆で意気込んだのだ。
広島に負けたからといって、それまでは7戦全勝だったのだから、わざわざフォーメーションをいじる必要はあるのか?
そう思ったこともあった。
でも二階堂監督からマイアミの奇跡と呼ばれる1996オリンピックブラジル戦の話を聞いて俺は考えが変わった。
あの時二階堂監督は五輪代表監督として3-4-2-1で超守備的サッカーをした結果ブラジルを撃破したが、守備的すぎると批判も受けたそうだ。
その後Nリーグの監督になってからはその反動で超攻撃的サッカーに振り切ったりもした。
だがもう一度3-4-2-1というフォーメーションで超守備的でもなく、超攻撃的でもない、最強の布陣を組みたいという思いがある。
二階堂監督はそう語ってくれた。
俺はそれを意気に感じ、チームメイト達もその思いに応えるように最強のサッカーをピッチで表現した。
その結果Nリーグ1stステージで広島以外を全部撃破してしまうとは…我がチームながら恐ろしい。
ちなみに俺の3-4-2-1でのポジションは右シャドーなのだが、個人成績は…
N1リーグ1stステージ
21ゴール15アシスト
欠場もしなかったし順調にスコアを積み上げた。
右シャドーはトップ下のポジションよりも得点を意識しやすかった。
トップ下というと、どうしても周りを活かさないといけないという意識が働いてしまうのだ。
もちろんシャドーのポジションでも周りを活かしたからこそ、アシスト数も増えているが。
そんなこんなで、俺達はNリーグチャンピオンシップへの切符を手に入れた。
順調だ。