もう一度サッカー選手に生まれ変わったなら美女も世界一も掴み取りたい! 作:クズ吉
2015年12月20日 神奈川県
俺達の住む鷺沼から新横浜へは40分くらいか。
今日ほど神奈川県民で良かったと思うことはない。
電車に揺られ俺達はいつものごとくサッカー話に花を咲かせていた。
「結構バルセロナのユニフォームを着てる人いるね」
俺、
今日は彼、風音さんとクラブワールドカップ決勝を見に行くのだ。
「風音さん名古屋のユニ着てこなくて良かったの?クラウチ大雅選手の持ってるんでしょ?」
俺が冗談でそう言うと、彼は笑った。
「いや、持ってるのはお母さんね。それに俺が名古屋のユニフォーム着てるとこ見られたらさすがにまずいって」
「じゃあ今日はバルセロナ応援するの?」
ニヤニヤと笑っているのを自覚しながら俺は風音さんに質問する。
「いや、名古屋を…応援する」
「川崎のみなさーん!ここに裏切り者がいまーす!」
俺は電車内なので小声で風音さんをからかう。
彼は名古屋アハトのクラウチ大雅選手に憧れているのだ。
まぁ、憧れるのも頷ける。それくらい彼は凄まじい選手だ。ただ…
「おい、やめろって。じゃあ亜光は?バルセロナ応援するの?」
「うーんどうしようかな。バルセロナを応援するには強すぎるし、名古屋を応援するには敵対意識がありすぎるし」
俺はクラウチ大雅選手と同学年だ。
そんな彼が日本代表として、Nリーグのプロサッカー選手として活躍している姿に俺は激しい焦燥感を覚える。
俺がユースでサッカーをしているうちに、クラウチ選手は今日こうしてクラブワールドカップ決勝という大舞台に立とうとしている。
彼は……圧倒的だ。だからこそ俺達の世代にとって毒にも薬にもなる存在である。
同じサッカーをやっていて彼に憧れてもっと頑張ろうという風音さんのような選手もいれば、俺みたいにクラウチ選手と自分の差に絶望しかけている選手もいる。
「亜光、クラウチ選手のアンチだもんね」
「別にアンチじゃないよ、ただ眩しすぎて鬱陶しいって感じ。もちろん自分が成長するためにっていう観点での話ね」
「んー、俺はクラウチ選手のことをメッティとかネウィラウルみたいに真似する選手として見てるからなー」
「そこに並ぶレベルの選手が同学年にいるってのがすげー苦しいんだよ」
クラウチ大雅選手のように俺だって日本代表になりたい。
俺だってプロサッカー選手として成功したいんだ。
「亜光の気持ちはよく分かるよ。俺も年下の選手が日本代表になって焦る気持ちがないわけじゃなかった」
「そうなの?」
「うん。だけどさ、もうしょうがないじゃん。クラウチ大雅選手がW杯得点王であることも、Nリーグ得点王であることも。
別次元にいるんだよ彼は。でもその次元に自分がどうやったら近づけるか、それだけを俺は今考えてる」
「あぁ…別次元だからって不貞腐れるんじゃなくて、自分もその次元に行けるようにね」
真っ直ぐだなぁ風音さんは。健全だ、健全。
「ま、今日はせっかく欧州最強とアジア最強の試合が見れるんだ。まずはその別次元がどの位置にあるか測るところからだね」
「うん、なんか普通に楽しみなんだよなぁ」
・・・・・・・・・・
「名古屋のユニフォーム着てる人めっちゃいる!」
「39、39、39!ヤバいなクラウチ選手のユニ着た人ばっかだ」
「やっぱりスター選手がいると応援しやすいのかな」
「そうだと思うよ。名古屋を普段応援してない人でも、クラウチ選手個人を見に来たって人は沢山いると思う」
俺達はスタジアムに着いた。
7万人以上収容可能なMISSAMスタディオンが今日はチケット完売ということで、スタジアム前は人でごった返している。
「外国人も多いね」
「3位決定戦のリーデルプリメーロサポーターが相当数いる。これチケット取れたのめっちゃラッキーだよ」
「本当だね。リーデルプリメーロサポーターは3位決定戦終わったら、バルセロナと名古屋どっち応援するんだろ?」
今日のチケットは3位決定戦と決勝戦を2試合通して見れる。
4チームのサポーターが入り混じるカオスな空間がそこにはあった。
・・・・・・・・・
3位決定戦は3-1で南米王者リーデルプリメーロの勝利に終わった。
「結構いい試合だったね。準決勝で名古屋がリーデルプリメーロを無失点で抑えたのはすごいよ」
「確かに。あの試合は名古屋が守り続けてクリーンシートだったけど驚いたもんなぁ。南米王者普通に強いよ」
キャー!タイガクーン!
「おっ、クラウチ選手が出てきた」
「ハハッすごい人気。スキャンダルがあってもこれか!」
ウォーミングアップで名古屋の選手たちがピッチへと登場した。
会場は熱気に包まれている。
そして…
ワアアアア!ざわ…ざわ…
「バルセロナの選手達も来たみたいだ!」
「うおお!カッケェ!」
バルセロナの選手達がピッチに登場すると会場は更に騒々しくなった。
「やっぱり名古屋はNリーグでも見れるけど、バルセロナを見れるのはそうそうないから…」
「これ結構バルセロナ応援する人多いかもなー!」
「応援というか彼らのプレーに魅了されてしまうと思うよ」
「そうだよね!これ、名古屋はホームというより中立地でやってる感覚になるかも!」
俺達はその後も両チームのウォーミングアップを見て、あーだこーだ言いながら試合が始まるのを待った。
クラウチ大雅の最初の移籍先はどのリーグになると思う?
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イタリアリーグ
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イングランドリーグ
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オランダリーグ
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スペインリーグ
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ドイツリーグ
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フランスリーグ
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ベルギーリーグ
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ポルトガルリーグ
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その他