※この作品はR-18です。

もう一度サッカー選手に生まれ変わったなら美女も世界一も掴み取りたい!   作:クズ吉

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92話

 アビーネ監督はハーフタイムから動いた。

 

 まず左WG向井頼明選手に代わって俺、クラウチ大雅が入る。

 

 そして陣形は4-3-3から4-2-3-1へと移行する。これまたウルグアイ戦と同じく練習ではやってない形だが…

 

 ポジションはこんな感じだ。

 

 GK背番号1神山悦人(かみやまえつと) (ベルギー)

 

 右SB背番号3澤田権六(さわだごんろく) (ドイツ)

 

 右CB背番号6望岡茉祐(もちおかまひろ) (東京)

 

 左CB背番号22米谷真羽(よねやまう) (イングランド)

 

 左SB背番号5中園由一(なかぞのゆいち) (イタリア)

 

 右ボランチ背番号7白河凱(しらかわがい) (鹿島)

 

 左ボランチ背番号17羽賀田勝(はがたまさる) (ドイツ)

 

 右SH背番号4星野謙一(ほしのけんいち) (イタリア)

 

 トップ下背番号18及川倖男(おいかわゆきお) (ドイツ)

 

 左SH背番号10金田修斗(かなだしゅうと) (ドイツ)

 

 CF背番号19クラウチ大雅(たいが) (名古屋)

 

 このメンバーで4-2-3-1フォーメーションを組むと半端ない及川選手がトップ下になるみたいだ。

 

 俺は及川選手をライバルだと認識していたが、共存できるのならそれはそれで面白そうだな。

 

 作戦は俺へのロングボール放り込みと、ショートパスでの連係プレーをバランスよく、という何ともアバウトな指示がアビーネ監督から告げられた。

 

 それとメキシコは俺を必ず警戒してくるので、俺は相手DFを引きつける動き、他の選手はその動きによって空いたスペースに飛び込んでいく事も要求された。

 

 他にも細かな指示が監督コーチ陣から選手達に伝えられていたが割愛する。

 

 さぁ後半開始の時間だ。

 

 キャアアアア! ざわざわ…

 

 俺が交代選手として紹介されると女の子達の歓声と会場全体にざわめきが発生する。

 

 俺はW杯得点王で現在Nリーグ得点ランキング1位の選手だ。

 

 観客に期待するなと言う方が無理がある。それは分かっている。

 

 タイガクーン!! キャー!! タイガクーン!!

 

 だがこの…黄色い声援というのだろうか。女性達がサッカーとは別の期待を込めたメス声を上げるのはどうにかして欲しいものだ。

 

 2014W杯で右SBを務めた上野明那(うえのあきな)選手もよくアイドルみたいに女性達から声援を受けていたが…

 

 俺もまさに今その状態である。

 

 それにしても上野選手はよく澄ました顔で対応が出来ていたな。

 

 俺なんてニヤニヤするのをこらえるのに必死だというのに。

 

 全く…これではいけない。

 

 パンッ!

 

 俺は顔を両手で叩き気合を入れる!

 

 女にうつつを抜かしてサッカーで結果が出なくなったら、女の子からの人気もなくなるぞ!

 

 そうだ。今俺は良いサイクルに入っている。

 

 サッカーで結果を出す→女の子から人気が出る→女の子に良い所を見せるためにさらに結果を出す→さらに女の子から人気が出る

 

 このサイクルから外れなければいずれ俺の目的は達成されるはず。

 

 今日も心の中で唱える俺の今世の目的。

 

 世界一のサッカー選手になって美女を抱きまくる!

 

 そのためには有象無象の女たちに心を奪われるべきではない。

 

 あっ、そうだ美女と言えば…

 

 今日は以前東京のテレビに出演した際に連絡先を渡した二山夕梨(ふたやまゆうり)アナウンサーを試合に招待している。

 

 横浜での試合の開催なので東京住まいの彼女も来やすいかなと思ったのだ。

 

 仕事の都合が合えば来てほしいと伝えたのだが、わざわざ休暇を取ってくれたようだ。

 

 よしっ、今日は夕梨さんに俺のいいプレーを沢山見てもらおう。

 

 そして試合後にLIMEで褒めてもらう事を期待して頑張るぞ!

 

 ふぅ…いい具合に浮ついた心が落ち着いてきた。

 

 結局女の事を考えているのだから浮ついているのかもしれないが、俺の中では美女に集中する事はサッカーでゴールに集中する事とイコールなのだ。

 

 さぁ俺は今ピッチに立って主審が笛を吹くのを待っている。

 

 ピーッ!

 

 後半 KICK OFF!

 

 メキシコボールで始まった。

 

 GKまでボールを戻して低い位置から繋いでいくようだ。

 

 俺はCFとして最前線でプレスをかけていく…

 

 

 ・・・・・・・・

 

 

 後半5分頃

 

 メキシコの攻撃。前半と変わらず3-5-2で攻めてくるようだ。

 

 スリーバックのパス交換から左CBへボールが渡る。

 

 左CBからボランチ、ボランチから中央CB、右CBへとボールが移っていく。

 

 どうやらパスの出しどころがないようだ。

 

 右CBから中央、左へと再びボールを回していく。

 

 左CBは左FWへの浮き球のパスを選択した!

 

 左FWはそのパスを胸トラップ。タメを作って左WBにパスする!

 

 その左WBに対しては右SB澤田と右SH星野が挟みにいく!

 

 そして左WBが苦し紛れに左IHに出したパスをトップ下及川がスライディングでカット!

 

 ボールは右ボランチ白河に渡る!

 

 俺は既に相手左サイドの裏に走り出している!

 

 ボールを持った白河はすぐさま俺に浮き球の速い縦パスをつける!

 

 注文通りの正確なパスは俺の体の前にしっかり落ちてきて俺はそれをトラップする!

 

 さぁ続いては釣りだした相手中央CBとのサイドでの1対1だ。早く決着をつけないと相手DFが戻ってきてしまう。

 

 俺にはカットインも縦への突破も選択肢としてある。

 

 俺が選んだのは…カットイン!

 

 と見せかけて縦への突破!

 

 完全に相手を抜き去る!

 

 そこから中央へゴールしやすい角度までドリブルしたら…

 

 GKとの1対1!いや相手右CBがゴール前に戻ろうとしている…

 

 ここは…左足でゴール左上を狙う!

 

 ボンッ!

 

 俺が放ったシュートは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 GKの手も右CBの頭も届かないゴール左上にしっかりと決まった。

 

 GOAL!

 

 日本1-2メキシコ

 

 ワアアアア!キャアアアア!ウオオオオ!

 

 待望の日本のゴールに試合会場の日本サポーターは大盛り上がりだ!

 

 俺はその声には反応せず、ゴールの中のボールを持ってさっさと自陣に向かう!

 

 「大雅やべえよ今のゴール!」

 

 「ありがとうございます!及川さんもナイスパスカットでした」

 

 自陣に戻るまでに皆から祝福をもらう。

 

 「白河さんナイスパスでした!」

 

 「うん。ナイスゴール大雅」

 

 さてと後半早い時間帯に1点を返せたのは大きいぞ。

 

 メキシコは1点差に迫られたわけだが、まだ守備固めに専念するには早い。

 

 だから日本としてはもう一点くらいカウンターゴールを狙いたいところだが、メキシコも勿論それを警戒するだろう。

 

 ここはアビーネジャパンが遅攻でも点を取れるところを見せないといけない場面だな。

 

 

 ・・・・・・・・

 

 

 後半15分頃

 

 日本の攻撃、メキシコは5-3-2で守っている。

 

 日本は最終ラインで左右にメキシコを揺さぶる!

 

 そして左SB中園にボールが渡った時!

 

 俺は左サイド相手右CBの前辺りで中園からパスを呼び込む!

 

 俺は自陣に向いてポストプレーをする!

 

 左SH金田がサイドから中央に走ってくるので彼の進行方向にパスを出す。

 

 その後金田はボールを受け取り、トップ下及川とワンツーパスを交わすと、ドリブルを少しはさんで右SH星野にパスする!

 

 星野の外側から右SB澤田が追い越す動き!

 

 星野は相手DFを引きつけてから澤田にスルーパスを送る!

 

 ボンッ!

 

 澤田が中央にクロスを放った!

 

 中央エリアには俺とトップ下及川がいる!

 

 ボンッ!

 

 このクロスボールは相手CBがはじき返す!

 

 セカンドボールを回収したのは…

 

 右SH星野!

 

 ファーサイドに向かってクロスを入れる!

 

 ボンッ!

 

 ボールが向かった先にいるのは…

 

 

 

 

 

 

 

 俺だ!

 

 ボンッ!

 

 ヘディングで折り返しのパスを入れる!  

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 パスの先にいたのはトップ下及川!ヘディングシュートを放つ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ! 

 

 そのシュートはGKオニョタの手の届かないゴール右隅へと決まった。

 

 GOAL!

 

 日本2-2メキシコ

 

 ウオオオオ!ワアアアア!キャアアアア!

 

 日本サポーターは同点に追いついた事で、前半では見られなかった大きな喜びを表現している! 

 

 俺はゴールした及川選手に抱きつく!

 

 「ナイスゴールです!及川さん!」

 

 「おう!大雅もナイスパス!やったな!」

 

 「よーし!このまま逆転しましょう!」

 

 「そうだな!監督の言ってた通り、大雅がDFを引きつけてくれるからまだまだやれる気がする!」

 

 その後他の選手達も及川選手の下でゴールの祝福をして俺達は自陣に戻った。

 

 

 ・・・・・・・・

 

 後半30分頃

 

 メキシコの攻撃。 

 

 スリーバック間の素早いパス回しから左CBにボールが入った時!

 

 左CBは右FWのドク・サヌオクに対角のロングパスを入れる!

 

 ドク・サヌオクは右IHエネーナにパス、エネーナは右WBにパス、右WBはドク・サヌオクとワンツーパスで右サイドを縦に抜け出す!

 

 右WBには日本左SB中園がついていく!

 

 右WBは自身より低い位置にポジションを取ったエネーナにバックパス。  

 

 エネーナはすぐさま中央にクロスを入れる!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 このクロスボールは日本右CB望岡がヘディングでクリア!

 

 セカンドボールは右ボランチ白河がワンタッチでポーンと浮き球で最前線の俺の元までパスする!

 

 俺がそのボールを胸トラップすれば…カウンターの発動だ!

 

 俺はまずトップ下及川にパス!

 

 俺と及川が縦関係だったから角度をつけるためだろうか、あるいは相手DFが手薄だったからか。

 

 とにかくドリブルで左サイド前方に向かってドリブルで駆け上がる及川!

 

 及川はメキシコボランチと右CBを最大限に引きつけた後に、前方を走る俺にスルーパスを入れた!

 

 俺はそのパスに対してボールをペナルティエリア内に侵入させる程の大きなトラップをする!

 

 メキシコGKオニョタは…出てきた!

 

 だが俺の方が速…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バシッ!

 

 しまった!トラップが少し大きすぎて先にGKオニョタにキャッチされてしまった。

 

 

 ・・・・・・・・

 

 

 後半45分頃

 

 試合は2-2のまま後半アディショナルタイムに入っている。3分の追加時間でお互いあと一点を狙う。

 

 日本は後半俺を除いて3選手を更に交代した。

 

 2.OUT→背番号4星野謙一 (イタリア)

 

 IN→背番号9大杉修人(おおすぎしゅうと) (ドイツ)

 

 3.OUT→背番号10金田修斗 (ドイツ)

 

 IN→背番号11海崎陽之介(かいざきようのすけ) (スイス)

 

 4.OUT→背番号3澤田権六 (ドイツ)

 

 IN→背番号21澤田日高(さわだひだか) (ドイツ)

 

 フォーメーションは4-2-3-1のまま大杉選手が右SH、海崎選手が左SH、澤田日高選手が右SBを務めている。

 

 さて、現在は右サイドハーフウェーライン付近から日本ボールでのスローインの場面。

 

 右SB澤田が自陣にいる右CB望岡にボールを投げ入れる!

 

 望岡は左CB米谷にパス。米谷は…

 

 俺に向かってロングボールを入れる!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 俺は空中戦に勝利し、左SH海崎にパスする。

 

 海崎はドリブルで徐々に前進するが、相手のDFも枚数が揃っている!

 

 そこへ左SB中園が海崎をオーバーラップ!

 

 試合時間が90分を越えても彼は走り続ける!

 

 海崎は中園を使う!

 

 海崎からのスルーパスをダイレクトで中央へのクロスに変える中園!

 

 ボンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボンッ!

 

 そのクロスに走り込んだ俺はジャンピングヘッドでゴール右にシュートを放つ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パサッ!

 

 勢いあるそのシュートはメキシコGKオニョタでも防ぐことができなかった。

 

 GOAL!

 

 日本3-2メキシコ

 

 ウオオオオ!キャアアアア!ワアアアア!

 

 後半アディショナルタイムの逆転弾に沸くMISSAMスタディオン!

 

 これは…行くしかねぇ!

 

 観客の下へ!

 

 俺は長い距離を走る!

 

 そしてユニフォームを脱ぐ!

 

 冗長なゴールパフォーマンスのお詫びに俺の肉体美をテレビ視聴者に見せつけるのだ!

 

 ゴール裏の観客席に近づくと段々と歓声の一つ一つが聞き取れるようになる!

 

 ウオオオオ!

 

 うおってるやつもいれば…

 

 クラウチー! タイガー! タイガクーン!!

 

 俺の名前を呼んでくれる人も沢山いる!

 

 ここは…

 

 「がおー!」

 

 タイガーポーズを観客に向かって見せる!

 

 そして…

 

 お〜♪クラウチ〜♪タイガ〜♪

 

 これは…俺のチャント、応援歌だ!

 

 それに合わせてユニフォームをブンブン振り回しながら俺はピッチに戻っていく。

 

 もちろんユニフォームを脱いだ俺にはイエローカードを出す審判が待っていた。

 

 

 ・・・・・・・・

 

 

 ピッ、ピッ、ピーッ!

 

 試合終了。最終スコアは…

 

 日本3-2メキシコ

 

 何とかメキシコに勝利した!

 

 これでアビーネジャパン始動から2連勝だ。

 

 アビーネ監督は今日も上機嫌で選手達と握手をしている!

 

 そうだ!俺はメキシコGKオニョタのユニフォームを貰いに行かねば!

 

 日本代表の試合は俺にとって各国のスター選手のユニフォームを収集する場でもある。

 

 ファンには羨ましがられるだろうが、サッカー選手という同じ立場にいる者の特権だ。

 

 さて日本代表の9月シリーズも終わり再びNリーグへと戦いの場は移る。

 

 気持ちを切り替えてしっかり勝ち点を積み上げよう。

 

 おっとその前に今日ホテルに帰ったら夕梨さんにLIMEで感想を聞かなきゃな。

 

 褒めてもらえるといいなぁ。




大雅君と二山夕梨アナウンサーとの出会いは第67話です。
https://syosetu.org/novel/387672/67.html
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