相棒の放浪騎士:氷と炎のパコられふたりたび 作:ハンノーナシ
健全なわきゃねぇだろ!!!!
「失礼するぞ……」
メギラスは古ぼけた看板を掲げた酒場の中に入ると……埃臭い空気が辺りを支配している事に気付いた。
長年誰も来客しなかったのか……テーブルにもほこりが積もっている。
キィ……と足で地を踏む度に床が軋む音が響く。
「……お客さんかい?」
後ろから話しかけられ、ピクっと反応するメギラス。
後ろを向くと、老人がゆったりと腰を叩きながら歩いてきた。
「ここは私の祖父がしていた酒場でな……数十年前にこの街が治安の悪化の一途を辿ってから……親父はこの街を出て行って、この店は空っぽ……跡を継ぐ筈だった私も、耐え切れず……」
老人は寂しそうな目をしながら、店の奥を見つめる。
メギラスはその言葉を聞くと……何かを思いついた様で、異次元転送穴を呼び出すと……箒を取り出す。
「ここを少し、借りても良いかの?我はこの街の土地主の友なのじゃが。この街を、言い方は悪いが……欲望を満ちた改装する、と意気込んでおってな。ここを……昔の様な、憩いの場にしてやろうと思うての」
「はっ、はっ、はっ。それは、有難いが……お嬢さんに出来るかな?……ここの場所の使用を許可、しよう」
メギラスは自分がお嬢さんと呼ばれた事に少し驚きながら、箒を振るう。
小さな埃はたきを窓やテーブルに振るいながら、店の中を次々と掃除していく。
大きな体に不相応なエプロンを身に纏いながら、地面に雑巾がけを何度も繰り返す。
「……私も、手伝おう」
老人も窓際の埃を指先で払う。
少ししゃがむと、腰の痛みで腰を抑えていたが……店の奥の箒と塵取りを取り出すとメギラスの手伝いをする。
「無理はせん方が良いぞ」
「無理などしとらん……私は、諦めたと言えどこの酒場の持ち主なのだからな……」
老人はおぼつかない手付きで塵取りに埃やゴミや砂の残り粒を集めると、袋の中に纏める。
メギラスと共に、店の掃除をすると……何時の間にか時刻は夕過ぎ。
「私は、そろそろ元の街に帰らせてもらおうか……久しぶりにこの街に来たが……君の様な若い人がこの街を変えてくれる、というなら……有難いよ」
「……後は、任せておいて良いぞ。安心して休んでおれ」
「それでは……またいつか」
老人はメギラスに手を振ると、とぼとぼと歩き始めた。
メギラスは酒を置く棚の掃除を済ませると……明日の準備をし始めた。
「あ奴らは何をしておるのか……まぁ、良い……ここを、欲望の解放の出来る場所にすると言うても……我はあまり酒場と言った物に寄った事が無いからのう……」
考え込んでいる内に、外を見ると……魔王がとぼとぼと外を暇そうに歩いていた。
そこを見つけたメギラスは、魔王を引っ捕えると……内装の手伝いをさせ始めた。
「な、何だ……吾輩に手伝いを要求するのか?」
「ケイシー達は今頃、人たらしでもしておるじゃろう。ここを一つの重要な場所にする手伝いをせい」
「し、仕方がない……手伝ってやろう!」
魔王はメギラスの指示通りに物を具現化させ、家具を作り出す。
テーブルの下の壊れたイスを、真新しい丸い椅子に変更し。
暗く湿った空気感を無くす為、シャンデリアや……ジュークボックスを設置。
丸い椅子とテーブルを何個も配置し、メインカウンターには会計場や……試飲のできる場所を設置する。
赤い高級感溢れるカーペットや、果物置きなど……先程までの寂れた空気とは一転。
高級感溢れる、ザ・酒場の様な雰囲気になった。
「従業員等は……近くの町のギルドの掲示板にでも募集をかけたら良いじゃろう。……暫くは、我が切り盛りしよう」
「どうせなら、制服とかも作った方が良い気がするぞ!どう言った物にするか……」
「シンプルかつ、まぁ……人目を引くのは、露出が多い物じゃろう。さすれば……」
「思い付いたぞ!ほら、お前に着せてやろう!」
メギラスは考え事をしている最中に、隣からビームの様な物を放たれ。
ぽっとした煙に纏わり付かれ、煙が晴れると……。
ジーンズのホットパンツに、白いタンクトップ姿の……陽気そうな雰囲気のメギラスが現れた。
「……少なくとも、我には似合わん」
「そう言うな!しばらくは切り盛りするなら、慣れておくんだな!」
「そう言えば、貴様は……食料等は作れるのか?」
「作れるぞ!一度飲み食いした物だけだがな!酒類は高級品もチープな奴も昔に嗜んだぞ!」
好都合、と言わんばかりに……メギラスは酒棚に酒をぽんぽんと作らせる。
メギラス本人も作られた酒を飲んでみるが……味は本物と瓜二つ、と言うか本物であった。
「ふむ、これで……メニューを作成すれば、ある程度は見れる酒場じゃな」
「あとは調理場とかを整えないとな!」
「……貴様もやる気が出てきた様じゃな」
メギラスと魔王は、順調に酒場を整えて行く。
そして……翌日。
『新規改装!酒場『メロウ』」
看板を立て、開店準備は整った。
closedをopenへと変える。
そうすると……その辺を歩いたゴロツキ達が酒場に目を付けると……次々と来店する。
「おっほ、いい姉ちゃんじゃねぇか……おし、酒だ酒!」
「はいはい、用意するから少し待っておれ……」
注文のメモ取りながら、メギラスはテーブルから離れようとすると……ぱしんっ♡と尻を引っぱたかれる。
唇を噛み締め、羞恥心と怒りを耐えるメギラス。
男達はニヤニヤとメギラスの震えるデカ尻を見つめていた。
「こんな所に酒場あったか……?ま、どーでもいいか!」
メギラスと魔王が一晩で急に作り上げた酒場だとは、夢にも思うまい。
メギラスはワンオペで酒場を切り盛りしていると……。
「はいはい、注文〜!オーナーの姉さんのミルク下さいよ〜」
「……悪い冗談じゃな」
「怒ってる怒ってる、牛みたいなデカ乳してるから出ると思いまして〜」
メギラスは『そう言う事なら』と言わんばかりに……タンクトップから乳をぶるんっ♡と引っ張り出す。
そして木製のコップに、自らの乳を搾乳し……並々と母乳を注いでいく。
これで懲りたか、と思っていた最中……。
「ちょ、マジでっ……♡エッロ……♡」
「お、俺にも母乳くだせぇよ、へ、へへ……♡」
……一気に、逆上したメギラスの母乳が繁盛するメニューに追加されたのは言うまでも無いだろう。
酒場だと言うのに、ミルクが人気メニューとはこれ如何に……。
こういう時『お前は帰ってママのミルクでも飲んでな!』というセリフがあると聞くが……逆にこの店は、ママのミルクを飲める様だった。
メギラスは時折、この街に新しく来た土地主の宣伝を欠かさず行い……ケイシー達の知名度もうなぎ登りとなって行った。
──────……
「母乳直飲みでもメニューに追加したらどうだ?」
「悪趣味な事を言うな、全く……胸が張って辛いと思うておったから、好都合じゃったわ」
……このセリフを聞いたメギラスがメニュー一覧の片隅にひっそりとこのメニューを加えた事を、まだ誰も知らない。
一日が終わり、宣伝もバッチリ。
後は他のメンバーの頑張りを期待するだけだろう。
「従業員が雇えるまで暫くは、我が切り盛りか……ふむ、中々楽しいではないか」
「暇な時は吾輩も手伝ってやるぞ!」
この二日間で、魔王とメギラスの中は中々進展した様だった。
後は……ヴィズとケイドのみ。
この二人は一体、どんな宣伝をしているのか……。
──────……
「あのネーチャン、地下格闘場に居たっけか……?」
「しっかし、エロい身体してんなぁ……♡敗北種付けが待ち遠しいぜ……♡」