相棒の放浪騎士:氷と炎のパコられふたりたび 作:ハンノーナシ
カジノのごたごたから七日、一週間立ち……街の外観も粗方良くなって来ていた。
町中のゴミを一纏めに消滅させたり、歩道を灰色のレンガ細工の歩道に変えてみたり。
街路樹を設置したり、踊り子やメイド服を着た様々な店の宣伝担当の女の子達を配置したり。
店の外観を綺麗に補強、改造したり。
軽い食べ物を補給出来る店や、薬屋や、ギルドの公式に問い合わせ……冒険者ギルド支部の設置。
たった一週間の間で、随分と街は賑わいを見せていた。
そして人々が住む居住区の設置をようやく終え、今までケリュディに住んでいた者達の住む場所をようやっと補完出来た。
そして、最後の難関は……。
「旅行者が泊まる宿屋、だな」
「宿屋があまりにも少ないし、小さいもんね〜……」
「旅行者とか来ても、泊まる所がパンパンで泊まれ無かったらろくに楽しめないよ〜?」
宿屋には、地下闘技場等のメインブースが既に揃っており……あまり改善の余地はないと思っていたが。
今までの荒れ果てたケリュディだったからこそ成立した、宿屋の小ささ。
宿屋というか、ほぼ空き小屋になっていたのもあり……地下闘技場なんぞが作られた経緯もあろう。
「外は踊り子やメイド姿に扮した者を配備し、外観は揃ってきたが……宿屋の問題を放置しておいては、歓楽街の名が廃るだろう」
「この、空き小屋の宿屋をなんとか改善しないとね!」
「まずは、宿屋を大きくする所だからだろうな!吾輩に任せておれ、幸い……この辺りは開拓がまだ進んでいないだろう?両隣の空き地を宿屋のスペースに変更したら良い!」
魔王は宿屋の幅を大幅に広げ……確保出来る部屋を増やす。
どうせなら、と縦幅も大幅に広げるようだ。
横に長く、縦に長い……桜の舞い散る国である『渓流国』の宿泊施設の様な風貌になった。
「あとは、中身を伴わせるだけだな!」
「魔王ちゃんもノリノリだね〜、案外慣れてきた?」
「吾輩はパンがあればやる気が出るぞ!幸い、メギラスが吾輩に供物を献上してくれているからな!」
供物(パン)であろう。
宿屋の中に入ると、不自然なまでに広い内装は……灯りが伴わず暗く。
まずは灯りの設置からだろう。
「まぁ、ここは……お決まりのシャンデリアでも置くか?」
「流石にマンネリじゃろう」
「ここは……天井とか床とかに埋め込み式のライトを設置するのはどうかな〜……結構昔、見た事あるんだ〜……」
「いい案だ!」
ぽつん、ぽつん、と等間隔にライトを設置していく。
明るさはまずまず、と言った所にしておこう。
明るいが薄暗い雰囲気が好奇心を刺激する、いい塩梅の明るさになった。
「宿屋の根本の外観も変更するぞ!こんな古ぼけた木じゃ泊まりたいなんぞ誰も思わないぞ……」
「……少し黒い塗装を施した木にしてみたらどうだ?歓楽街に来る者はシックで洒落ている雰囲気を好むだろう……」
「それにしたらカジノっていうド派手な物も大流行りだけどね!」
外観や柱、内装を黒く、それでいて芯のある木に変更する。
少しの衝撃程度では倒れない硬さにはなっているだろう。
「それで、宿屋に必要なのは……」
「受付、寝室、風呂、食事場。それと……娯楽があるのなら、評判も上がるだろう」
「ふむ、風呂は湯があれば良いが……釜等は無いじゃろう」
「あの国のヤツ想像してない?メギラスさ〜ん?」
『渓流国』はメギラスの地元であり……木材等を燃やし、直の炎で水を温め湯に浸かる栄門風呂を想像しているのだろう。
受付は大広間に設計し、高級感溢れる毛皮のカーペット。
黒いソファや大理石のオブジェ。
地下闘技場は、シックな雰囲気とは真反対だろう……。
入口を娯楽室予定地の別ブースに転移させる。
そうしていると、一つの大きな空き部屋を発見する。
「……ん?ここ……地脈が暖かい?」
「地脈なんぞ測れるのか、ヴィズ」
「なんか、お湯?みたいなのが地下にある気がする……引っ張ってこれるかも!」
ヴィズは木の床に大きな穴を開けると、その中を手を硬化させ掘り進める。
とてつもない勢いで掘り進める物で、ヴィズがモグラに見えたと後にケイドは語っている。
しばらくすると……地面から、暖かいお湯と共にヴィズが吹き上がってきた。
「これ、お湯だよっ!」
「……なんと都合の良い場所にある物じゃ、温泉が」
「オンセン……?か何かは知らないけど、とりあえず……そのお湯を引っ張って来れば……お風呂として使えるんじゃないかな!」
思い立ったが吉日……この現象を知っているメギラスの指示通りの外見に辺りを作り変える。
天井は屋根をとっぱらい、開放感のある外の見える三角屋根に。
丸い形に床を掘り、形の良い石で地面や周りを構築していく。
そこにお湯の吹き出る場所を蛇口の様な形で構成し……常にお湯が継ぎ足され、使い古されたお湯は流されていく構造に。
メギラスの言う「温泉」の完成である。
「……女風呂と男風呂に別けるのを忘れておったな……」
「いや……ここは、あえてこれを利用する。……混浴、と言う奴だ」
「男の子の憧れって奴だね〜!」
そうして、温泉部分が完成すると……着衣室を作る。
藁の籠に服を入れ、数多の小さなロッカーに鍵を作る。
そこに貴重品などを入れ……作成者権限の、初風呂が開始された。
「お風呂だ〜っ!」
「わ、吾輩が先に入るべきだと思うが……?!」
「入りたいのなら、素直に言うのが吉、じゃ。さすれば、譲……」
着衣室からガラリ、と期待感で魔王が扉を開けると……神速の速さで着替えを済ませていたケイシーがご満悦そうな顔で湯船に浸かっていた。
「わ、吾輩の初風呂……」
「……騎士団に居た頃も、ケイシーはスピード型じゃったな……」
「あっはは……ケイシー、お風呂好きなんだよね……」
そうして、全員の初風呂は過ぎ去っていく。
──────……
「ここは歓楽街だ……カップルや、ここで出会った男女が行為を行う場合もあるだろう。……部屋にコンドームでも置いておいてやろう」
「お金持ちしか使えない娯楽品が使えるって嬉しいんじゃないかな?」
宿泊室の内観も統一し、大きなベッドを二つ配置する。
軽いランプも置き、大きな窓と温泉の湯を直に継ぎ足す室内風呂を設置する。
そうして、何個も同じ部屋を作成すると……宿泊室の完成だ。
「これで、残るは食事部分のみか」
「勝手に調理済みの物を補給して置いておくバイキング形式が流行ってるって聞くけど……」
「なら、それを採用だ。入口近くのテーブルに大皿に置かれた調理済みの食料を置く。大部屋に壁を等間隔で設置し、その間にテーブルを置き……客同士の距離を保つ」
即断即決。
食事部屋はこれにて、完成。
魔王の家づくりは案外、快適。
──────……
「娯楽室って言うけど、どう言う娯楽が良いんだろう……」
アレンは考え込み、漫画や小説を置く事を提案したが……歓楽街ではなく、普通の宿泊施設でも事足りる。
そこでケイシーは思い付いた事がある様だ。
「……ここをさらに拡張し、踊り子の活躍出来る場所にする」
「所謂、ポールダンスショーって奴?!」
「世俗的な事をよくもこれ程までポンポンと思いつくのう……」
大部屋に艶めかしい桃色の光が左右に移動する形式のライトを天井に何個も設置し、中央にステージとポールを設置する。
観客席は踊り子を最前線で見れるように近くに。
「……」
「ねぇ〜……嫌な予感がするんだけど〜……この、ジョッキって……」
「所謂、欲溜まり、だな……」
「それを踊り子さんに飲ませるとか言う気じゃないよね〜……?!」
「……許せ、ケイド」
姉さんがどうしてここまで変になってしまったのか。
ケイドは心の中で号泣をかましていた。
宿屋はほぼ完成……したが。
客をもてなす従業員が足りない。
「明日の開店日は私達が切り盛りしようか。冒険者ギルドも近くにあるし、依頼に従業員募集のチラシでも貼り付けとこうか」
「……ねぇ、なんか嫌な予感がするんだけどさ〜……」
明日の宿屋開業日の配属位置ボードに置かれた各々の色の着いた石の位置に、ケイドは嫌な予感を覚える。
ケイドであろう石の置かれた場所は……踊り子のポールダンスショー部屋。
ケイシーはケイドの肩にとん、と手を置く。
「──許せ、ケイド」
ケイドは泣いた。
泣き喚いた。
決して、邪智暴虐の姉を許さぬと決意した。
またもや、ケイドにザーメンジョッキの時間がやってきた……。
ケイドくんの踊り子衣装は?
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伝統的RPG踊り子衣装
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うすうすマイクロビキニ
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もはや、全裸。