※この作品はR-18です。

相棒の放浪騎士:氷と炎のパコられふたりたび   作:ハンノーナシ

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一般授業:ケイシー編『……挑戦者か』

 

ケイシーは先程アレンの授業を受けた1のAの者達を体育館に呼び出すと……授業を開始する。

他のやる気のあるクラスの者達も特殊な参観として呼び出した。

格好がなんとも……いつものケイシーらしからぬが。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……さて、私が今から話すのは……『武器』についてだ」

 

ケイシーは自らの片手剣を取り出すと、生徒達に見せる。

何の変哲もない鉄の剣である。

 

「私は、昔……遺物と呼ばれる、特殊な武器を使っていた。しかし今は、そんな物に頼る事を辞めた。……武器の性能で圧殺する事は、騎士の美徳ではない」

 

ケイシーは自らの剣を眺め、ゆっくりと鞘に戻す。

 

「自分語りは、これくらいにしよう……今から教えるのは、騎士団毎の制式武器の違い。……白光騎士団では、武器の使用は自由だ。しかし、他の騎士団では違う場合もある」

 

ケイシーはホワイトボードに下手くそな絵で剣を書く。

生徒から多少笑いが浮かぶが……ケイシーは気にせず書き続ける。

 

「まず、特殊なのが……『渓流国』の騎士団、『夜桜騎士団』の制式武器だ。……『刀』という片刃で、薄刃の特殊な形状の武器を扱う。これに関しては……武器の扱いに長けた者に任せよう」

 

ケイシーはそう言うと、体育館の裏方にいたミリスを呼び出す。

……何故か手を握って連れて来ていた。

 

「……ケイシー、昔みたいに手を握るのはいいけど、今は……というか、その格好は……」

 

「?何か、悪いか……?」

 

「う、う〜ん……何でもないよ。さ、皆!僕が武器マスターのミリス先生だよ!」

 

ミリスを見る生徒達の目は何処かジトーっとしていた。

騎士の憧れであるケイシーと手を繋ぐなどと言う蛮行を行ってしまったせいか、評価が著しく下がっていた。

 

「……こ、こほん。まず、刀という武器は、剣の様に雑に振える物ではない。一文字を書くように、丁寧に……まっすぐ。かつ、大胆に振るわなければならない」

 

ミリスは手元に握っていた、柄だけの謎の剣を取り出す。

ミリスが目を閉じ……少しすると、溶け出した銀が柄の中から現れ、刃を形作る。

 

「これは意思の剣って言って、僕特注のオーダーメイド品なんだけど……ま、説明はいいか。とりあえず刀の振り方を説明するよ!」

 

様々な剣の扱い方を説明し…時折、鎌等の剣とも言い難い物を説明していた、その時。

 

「……実戦形式でその教えを乞うてもよろしいでしょうか、ケイシーお姉様」

 

生徒の人混みの中から、白髪の……何処と無く、ケイシーと雰囲気の似た女の子が現れる。

その女の子は、二つの剣を手に取る。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……お前は?」

 

「私はデュリン・ラインハルト。……貴方の産まれ、ラインハルト家の養子となりました。ご挨拶と共に、貴方に宣戦布告を」

 

デュリンは片手の剣をケイシーに向けると、睨み付ける。

髪が空けられた窓から向かってくる風で少し浮かぶと……額に、紫色の暴力の痣が見えた。

 

「父様はお怒りです、ラインハルト家の恥である貴方を完膚無きまでに叩きのめす為、私は……一年前から、コソ泥であった所を拾ってもらい、貴方の模造品として育てられました」

 

「……私の家庭内の問題を、学校に持ち込むな」

 

「ケイシー、デュリアくんは頑固で……ケイシーお姉様に会わせろ会わせろってずっと言っててね……それも君をここに呼んだ一つの原因だった」

 

ケイシーは成程な、と言わんばかりに『ふぅ……』と溜息を吐く。

ミリス先生を困らせている私の家族、という時点で評価は最悪だろう。

ケイシーは渋々と言わんばかりに……生徒達を端へ端へと避難させる。

 

「……バリアを貼る機械はあるか、ミリス先生」

 

「体育館でもたまに模擬試合が行われるから、勿論」

 

「血を流す争いはしたくない……ここは、決闘形式で決めるとしよう」

 

「感謝します、ケイシーお姉様。私に、学びと貴方を叩き潰す機会をくださり」

 

ミリスは急いでバリア生成装置を取り出すと、ケイシーとデュリアに適用する。

白線に立ち、お互い準備は出来た様だ。

 

「僕が試合を取り持とう……教え子と教え子の家族の試合を見る機会なんて、二度とないだろうからね……」

 

ミリスはケイシーとデュリアの間を取り持つと、手を挙げる。

 

「試合、開始!」

 

手を勢いよく下ろすと、ミリスは急いで試合場から離れる。

デュリアは二刀の剣に氷を纏わせると、回転しながら空中に飛び、剣戟を降り注がせる。

ケイシーは片手で全ての攻撃を受け止め、勢い良く剣を弾き、デュリアを吹き飛ばす。

 

「……流石です、流石は……父様の傑作と言われていただけはありますねか」

 

「……私の実力は全て私とアレン。ミリス先生と、騎士養成学校の仲間が作り上げた物だ……父は関係がない」

 

「……そうですか」

 

一瞬、デュリアは悲しそうな顔をしたと思いきや……容赦ない攻勢を続ける。

ケイシーは攻撃を受け止めるばかりで、反撃をすることはしない。

 

「……お前は、父に何をされた?」

 

「住処を、食事を、衣を与えてくださいました」

 

「父は、愛を注ぐことはしなかったんだな」

 

「愛など、騎士には不要だと、言っていましたから」

 

二刀の剣を左右に振り回し、何度も剣がぶつかり合う。

氷の欠片が辺りに舞散り……空気が冷たくなっていく。

 

「違う、騎士には……愛の心だけがあれば良い。誰かを守りたい心と、信念の芯さえあればいいと……アレンがお前に教えただろう」

 

「……あの方の授業は、良い授業でした。けれど……」

 

……デュリアは攻勢を崩し、ぐらりと倒れる。

崩れた姿勢はすぐさま戻り、もう一度ケイシーに牙を剥く。

 

「……それと私の嫉妬は、関係ありませんから」

 

「私が、父の注目を独占していると考えている……そうだろう」

 

ケイシーに向かい、デュリアは剣を投げる。

投げられた剣は跳ね返されるも……空中に放り出された剣をデュリアは再度受け止め、空中からの襲撃を行う。

 

「……私は愛を知りません。ですから、愛されたいのです」

 

「なら、簡単な答えがある」

 

ケイシーは空中から襲いかかるデュリアに抵抗する事なく、攻撃をバリア諸共、体で受け止める。

 

「なっ……。……?!」

 

次の瞬間、ケイシーは……デュリアを抱き締め、頭を撫でていた。

バリアは削れ、ケイシーの敗北となったが。

ケイシーは満足そうにデュリアを胸元に寄せていた。

 

「……私がお前を愛せばいい。私がしばらくは父の代わりになれるだろう」

 

「そ、そんな事……許されません……」

 

「私は近頃は情欲と共に愛を知った。……この感情は、暖かく幸せだ。……お前にも、分けてやりたい……」

 

「……そう、ですか……。……♡」

 

デュリアはケイシーの胸の中で黙って抱き締められていた。

その顔は真っ赤で、初めて受けた誰かからの抱擁に……新たな感情が芽生えていた。

それはきっと……『愛』とは言っても、家族愛等の類ではなく。

 

異性でも、同性でも抱く可能性のある……独占欲、愛と情欲が混じったドロドロとした感情。

 

「そう言ったのなら、永遠に……私を愛してください、ケイシーお姉様。私も……貴方を永遠に愛しますから」

 

デュリアは笑顔を見せる、その笑顔は……黒く濁った瞳と共に。

ケイシーは思わぬ……俗に言う『ヤンデレ』の類を目覚めさせてしまったのかもしれない。

 

「……ケイシー、そろそろ授業が終わるけど……」

 

「……離してくれないんだ、デュリアが……」

 

「……お姉様、お姉様……♡」

 

デュリアはケイシーの胸にすりすり♡と顔を埋めていた。

生徒達はケイシーとデュリアの様子を『俺たちゃ何見せられてんだ……?』というぽけーっとした顔で眺めていた。

デュリアとケイシーの関係は、これからどのような動きを見せるのだろうか。

 

デュリアちゃんは?

  • 将来パーティ入り
  • 残念ながら、見送り……
  • ケイシーのストーカーとしてちょくちょく
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