「んっ...あっ...」
ベッドの上には生まれたばかりの姿をした男女が交わっている。
女は先ほどまで全てに絶望したような表情をしていたのに今は快楽と恥ずかしさが出ている。
「どうした?気持ちいのか?」
「・・・うる、さいです」
その言葉を聞き、俺はいきなり強く挿入する。
「あんっ!」
「身体は素直だな」
わかりやすい反応を見せてくれるので揶揄う。
真昼は俺の言葉にさらに恥じらいを見せる。
こんな表情をしてくれるならもっといじめたくなっちゃうなぁ。
それからも俺は真昼を攻めたてた。
真昼は初めてなのもあり、一方的に俺になされるがままにされている。
そして、
「あああぁぁぁぁぁっ!」
何度目かの絶頂をお互いにし、俺は真昼から性器を抜き、真昼の横に寝る。
「はぁ...はぁ......」
互いに息を切らし、横になっている。
「なんで、こんな、ひどいことを、するんですか…」
息を切らしながら真昼が俺に問いかけてくる。
「そりゃ、椎名真昼が欲しかったからだ」
「なら、もっと、他に、やり方があったんじゃないですか」
他のやり方か。
確かにやろうと思えば原作みたいに真昼の心を手に入れることもできたのかもしれない。
「俺が欲しかったのは優しいだけの天使様じゃないからな」
俺がそう言うと、真昼は小さく「天使様」と自分に聞かせるように言った。
そして、行為中は見られなかった暗い顔になった。
「天使様の何がいけないんですか」
ぽろっとそう溢した。
だがそこから感情が爆発した。
「なんでいけないんですか!母に認めてもらいたくて!綺麗になれるように頑張って、勉強も、運動も、家事も全部頑張って!みんなに頼りにされるようになって!それの何がいけないんですか!」
涙を流しながら叫ぶ。
今まで押さえつけられてきた感情を全て出し切るかのように。
「そうですよ。あなたの言うとおり、私は誰にでも良い顔をして、無駄なのに頑張って、私を押さえ込んで、天使様として振る舞ってますよ。それの何が、何がいけないんですか!」
真昼がここまでの感情を見せると思わなかった。
だが、できるだけ冷静に返す。
「別にいけなくねえよ」
「え...」
俺はだけどと前置きして
「俺のモノにそんな仮面はいらないってだけだ」
そう、いらないのだ。
俺が欲しいのは感情を前に出し、俺という檻の中で自由にいてくれる女の子だ。
天使様は自由じゃない。
感情も出さない。
俺の欲しいモノじゃない。
「あなたの物にはなりませんから」
真昼は俺から目を逸らしながらそう言う。
「残念だったな。お前が逃げなかった時点で俺のモノにするって決めてるから、もう逃がさないぞ」
「私が警察に行けばあなたは捕まるんですよ」
「そしたら残念でしたで終わりだ。だけど、お前は行かないよ」
真昼は行為の最中、俺に『負』以外の感情を見せてしまった。
好意でないかもしれない。
信頼でもないかもしれない。
だが、それは確かに真昼の中で俺を害する足枷となる。
「ま、だから、お前は俺のモノだし、俺の前では感情的に、思うがままにすればいい。天使様じゃなくて、椎名真昼としてな」
「最低ですよ。無理やり襲って、罵ってきて、身勝手に私を抱いて、私のことなんて考えずに色々言って」
真昼はそんなことを言っているのに俺に抱きついてくる。
「最低です。大っ嫌いです。あなたなんて、あなたなんて......」
それから真昼は泣いた。
大声で泣いた。
子供が大泣きするように、俺の腕の中で泣いた。
俺は頭を撫でながら黙って泣かせ続けた。
赤子を落ち着かせるように。崩壊している感情を受け止めるように。
その後、真昼は泣き止んだ。
俺は何か声をかけようと思ったが、何を言えばいいのか思いつかなかった。
だから俺は頭を撫でながら普通の会話をすることにした。
「そろそろ腹が減ってきたな」
「・・・」
また反応を見せてくれなくなった。
だけどさっきとは表情が違う。
泣いたことへの恥じらいか、それとも別の感情か。
「動かないならもう一回ヤるぞ」
「・・・やさしくしてくれるなら」
「ははっ」
驚いたな。
俺が真昼の反応を笑うとめっちゃ睨んでくる。
睨んでくるが、少し涙目で頬と耳が赤くなっていて、可愛いとしか感じない。
「そういえばあなたばっかで名前で呼ばれたことないなぁ」
俺は真昼の胸を弄りながら言う。
「...んっ」
「呼んでくれないならもっと激しくするぞ」
それでも呼んでくれないので激しくする。
「ん〜っ」
「どうした?呼んでくれないのか?そしたらこれが続いていくなぁ〜」
真昼は快楽から逃れようと、身体を捻らせたりしているが、当然逃がさない。
「き、さらぎ、さん」
「苗字じゃなくてさ」
呼ばれた名前が苗字だったので弄るのをやめない。
「みな、とさん」
「さん付けじゃないほうがいいなぁ。呼び捨てか君付けか」
「みなと、くん」
「はい。よくできました」
その瞬間俺は真昼をイかせる。
「んん〜っ」
イった真昼は俺を睨んで、
「優しくって言ったじゃないですか」
「まあまあ。これからは優しくしてやるよ」
それからは真昼が気持ちいように丁寧に優しく抱いた。
真昼は最初は喘ぎ声は我慢していたが、途中からはだいぶ声が漏れていた。
真昼は口では嫌がっていたが、身体はほとんど抵抗なく、むしろ俺を受け入れている感じだった。
そして何度かイった後、そろそろ真昼の体力の限界を感じた。
そのため俺は真昼から抜いた。
「はぁ...はぁ...もう、げんかい」
真昼はそれだけ言って目を閉じた。
肉体的にも精神的にもかなり消耗したので仕方ないだろう。
だけど、
「ピルも飲んでないし、風呂も入ってないけど大丈夫か?」
俺は一人でそう呟くが、反応はない。
既に真昼は完全に眠りに落ちていた。
「まあ可愛いしいっか」
真昼の寝顔を見て後のことは後の自分がなんとかするだろと思い、俺も寝ることにした。
時刻は19時くらい。
起きた時に真昼がどういう反応するのかが楽しみだな。
俺はそう思いながら真昼の横で目を閉じる。
今日という日は間違いなく俺の中で最高の日だった。
次回堕ちた天使様