目を覚ます。
昨日の夜にたくさん運動したせいか、身体が少し怠い。
そんなことを思いながら目を開ける。
目を開いた視線の先には、笑顔の真昼がいた。
「ん、おはよ」
「おはようございます」
数秒間俺たちは見つめ合って固まっていた。
俺は起きたばかりだからそこまで動かないのは分かるだろう。
だが、真昼はなぜか俺の顔をずっと見ている。
隣で寝ることは今までもあったのに、今日は一体どうしたというのだ?
「えっと、何かある?」
「何もないですよ?」
俺が何か聞いてもずっと見つめてくる。
何もないのに変な行動するのが一番怖いんだよ。
「えっと、風呂入るか?」
俺たちは昨日のセックスをしたまま眠っていたので、現在は裸だ。
それで風呂を提案したのだが......
「一緒に入ります?」
真昼から提案されてしまった。
昨日はあまり乗り気ではなかったのに。
確かに我慢するなと言ったが、ここまで変化するものなのか。
「まあ、入るか……」
何故俺が微妙な感じになっているのか。
そうして、俺たちは風呂に入った。
朝なので、そこまでエロいことはせずに二人仲良く風呂に入る。
だが、風呂の中でも積極的に真昼は俺の身体を洗おうとしてくるし、湯船の中では俺に身体を委ねてくる。
なんだこの素直で可愛い生物は。
そして、湯船の中で会話をする。
「ねえねえみなとくん」
「ん〜?なんだ〜?」
「昨日えっちしてから、ピル飲んでないんですよね」
昨日は中に出しまくってたな。
「子供作るん?」
後の楽しみに取っておくとか言っていた気がするけど。
「みなとくんって焦ったりしませんよね」
真昼は頬をぷくっと膨らませながら言う。
俺に焦って欲しかったのか?
「お前のことはなんでも受け入れるつもりだからな」
「じゃあ、私の目標はみなとくんをあたふたさせることですね」
真昼は機嫌よくそう言う。
俺をあたふたさせるって……
まあ、目標ができるのはいいことか。
「ピルは飲んでおきます。高校生で赤ちゃんを作るのは早いと思うので、もう少し後にします。もし赤ちゃんができてしまったら仕方ないですけど」
真昼にしては軽い感じだな。
いや、真昼になったからこそ軽い感じになったのか。
まあ、俺にとっては良い傾向か。
そうして俺たちは風呂を上がった。
この後学校なので、本番には行かなかった。
そして、俺ちは朝食を食ってから、家を出た。
真昼は一人で学校に行くのかと思いきや、俺と一緒に登校した。
学校に近づくにつれ、周りの視線が増えていく。
真昼はそんな視線を一切気にしない。
普通に俺と会話をしている。
周りの視線が気にならないのかと聞いてみると......
「昨日の帰りにみなとくんが周りの視線がある中で話しかけてきたんじゃないですか。その時点で学校に着いたら変わりませんよ」
そう返されてしまった。
確かに昨日俺が周りの目がある中で話しかけていたので、一緒に登校しなくても結果は変わらないかもしれない。
ただ、こうして真昼が自分から俺との関係を表に出すとは思わなかっただけだ。
今日の真昼は俺をあたふたさせることはできていないかもしれないが、十分に驚くようなことをしているぞ。
まあ、そんなことがありながらも俺たちは学校に入る。
俺と真昼は別クラスなのでそれぞれの教室に分かれる。
すると、クラスメイトたちが俺に近づいてきた。
「おいいいいーーーー、湊!天使様とどういう関係だ!」
「うるさい」
友人の一人が騒ぎながら俺に突撃してくる。
まあ、こうなることは理解していたのだけど。
「で!天使様とどういう関係だ!昨日も一緒に帰ってただろ!」
「最近仲良くなったんだよ」
「何!お前まさか......天使様と付き合っているってことはないよな!」
付き合ってはいないだろう。
俺のモノにしただけだ。
違うと思ったので否定しようと思ったのだが......
「お付き合いさせていただいていますよ」
俺の背後から声がした。
「て、天使様!?」
俺の背後には真昼がいた。
どうやら、カバンを置いてすぐにこっちの教室に来たらしい。
それも、特大の爆弾を落としながら。
「俺たちって付き合ってるのか?」
「みなとくんはずっと側にいてくれるって言ってくれたんですし、いいじゃないですか」
「別にいいんだけど」
周りが騒がしい。
特に男子。
「真昼がこうしてわざわざアピールするのは意外だったな。登校時のことも含めて」
「我慢しなくていいんですよね?」
「ああ」
「一人って寂しいんですよ」
「そうだったな」
俺たちは周りの視線も気にせずに会話を続ける。
別に具体的にエロいことを喋らなければ聞かれても問題はない。
流石に俺がレイプしたことを喋られたら俺は終わるけど。
そして、ホームルームのチャイムが鳴る。
「また昼に来ますね」
真昼はそう言って、自分の教室に戻って行った。
俺には未だ周りの視線が突き刺さっている。
めんどくさいなぁと思いながらため息をつくのだった。