オトギノクニと融合したμの世界。そのうちの一つである南方の熱気が漂う石畳の路地を、ジューチャオは歩いていた。背中に生えた深紅の翼が、気まぐれな歩調に合わせて時折バタバタと音を立てる。
彼女の頭の中を占めていたのは、極めて重大かつ底抜けに間抜けな命題であった。
「肉まんは中に肉が入ってて外は饅頭で覆われてるから肉まんじゃん? じゃあさ、カレーをあの平べったいナンでぎゅーって包み込んだら、それはもうカレーナンって呼ぶべきなのかな……?」
ぶつぶつと声に出して呟きながら、ジューチャオは顎に指を当てて天を仰いだ。深く考えようとすればするほど、思考の回路はあっけなくショートし、視界の隅にふわふわと飛ぶ小鳥へと意識が吸い寄せられていく。
そんな時、古びたレンガ造りの建物の掲示板に、極彩色のド派手な張り紙が貼り出されているのが目に入った。
『急募! 魔法少女コンセプトカフェ「ミラクル・マギカ」キャスト募集! 時給弾みます・未経験大歓迎・南方領を守る可愛いあなたへ!』
「み、ミラクル・マギカ……? 魔法少女……?」
ジューチャオの大きな瞳が輝いた。
「なにこれ、すっごく楽しそう! あたし神鳥のμだし、炎も使えるし、ある意味最初から完璧な魔法少女なんじゃない!? よし、決めた! 突撃ーっ!」
後先のことなど微塵も考えず、ジューチャオはその張り紙を引き剥がすと、記載されていた住所へと一直線に駆け出した。
勢いよく扉を開け放ち、ジューチャオは薄暗い雑居ビルの地下にある店舗へと飛び込んだ。内装はピンクと紫のフリルやネオン管で装飾され、いかにも怪しげなコンセプトカフェの空気が充満している。
カウンターの奥から、くたびれたシャツを着た中年男──この店の店長が、気だるそうに顔を上げた。南方領の住人らしく、どこかネジが抜け落ちたような間の抜けた表情をしている。
「いらっしゃー……って、なんだぁ? 看板娘の募集を見て来たのかい、お嬢ちゃん」
「そうだよ! あたしジューチャオ! 南方を守護する五獣のμのひとりなんだから! このミラクルなんとかってお店で、魔法少女やってあげようと思って駆けつけてあげたの!」
胸を張り、小柄な身体を反らせて誇らしげに言い放つジューチャオ。店長は彼女の背中に生えた本物の羽根と、整った容姿、そして何より溢れ出る圧倒的なおバカオーラを一目見て、にやりと口角を吊り上げた。
「へぇ、ジューチャオちゃんねぇ。五獣様がバイトたぁ世も末だが、顔もいいし客受けは抜群そうだ。採用! 今すぐその衣装に着替えてきな!」
「えっ、もう採用!? やったぁーっ! あたしすごーい!」
数分後、更衣室から出てきたジューチャオは、フリルとリボンが過剰にあしらわれたピンクのミニスカ魔法少女衣装に身を包んでいた。露出度の高い肩回りや太ももが惜しげもなく晒されているが、本人は気にするどころか、くるくると回って衣装の裾をひるがえしている。
「ふふーん! どう? 似合ってるでしょ! 最強の魔法少女ジューチャオの誕生だよ!」
「よしよし、完璧だ。じゃあ早速接客の基本を教えるぞ。まず、席に着いたら元気よく決め台詞を言うんだ。『当店「ミラクル・マギカ」縮めて「ミラマギ」は、魔法少女のコンカフェだよ! みんなあたしの魔法にかかって、楽しい時間を過ごしてくれたら嬉しいなぁー!』ってな」
「当店ミラクルまぎまぎ……? えーっと、まぎまぎにかかって、楽しければオッケーってことだよね!」
「まあ大体合ってるからヨシ! あと大事なのは高い酒を頼ませることだ。『ドリンクありがとう! 嬉しいなー! ドールっていうお店の衣装をボトルに着せたのも可愛いよ! 一番値段高いけど!』って素直に甘えてみろ。南方領の客なんてノセればいくらでも泡吹いて金落とすからよ」
「わかった! 一番高いドールのお洋服ボトルを頼ませれば大勝利なんだね! 任せて、あたしに不可能はないんだから!」
店長もジューチャオも、細かいマニュアルや営業許可の粗など何一つ気にしていない。南方領特有の底抜けな大雑把さで、研修はわずか三分で終了した。
ガラガラと引き戸が開き、最初の一組の客が来店した。見るからに気の良さそうな、だがどこか締まりのない顔をした信民の男たちである。
「お邪魔するぜー……うおっ!? ジューチャオ様じゃねえか!?」
「あ、信民の人たちだ! いらっしゃい! えーっとね、当店『ミラクル・マギカ』、縮めて『ミラマギ』は、魔法少女のコンカフェだよ! みんなあたしの魔法にかかって、楽しい時間を過ごしてくれたら嬉しいなぁー!」
たどたどしくも満面の笑みで放たれた挨拶に、信民の男たちは一瞬で鼻の下を伸ばした。
「ぎゃはは! 本物のジューチャオ様が魔法少女やってるぞ!」
「おいおい、席料いくらでも払うから隣座ってくれよ!」
ジューチャオはすかさず男たちのボックス席へと滑り込み、テーブルに肘をついて身を乗り出した。
「いいよー! なんでも頼んでね! あ、ちなみにね、ドールっていうお店の衣装をボトルに着せたやつが一番可愛くておすすめだよ! 一番お値段高いけどね!」
「ぶはっ! 自分から一番高いのぶっ込んできた!」
「頼む頼む! ジューチャオちゃんのためならシャンパンでもドールでも幾らでも開けちゃうぜ!」
ポン、と小気味よい音を立てて高額な高級ボトルが開栓され、シュワシュワと黄金色の泡がグラスへと注がれていく。ジューチャオは酒が飲める年齢であるため、グラスを受け取ると豪快に喉へと流し込んだ。
「ぷはーっ! おいしい! 熱々が一番だけど、冷たいお酒も最高だね!」
屈託のないジューチャオの言葉に、客たちは「頭はちょっとアレだけど天使すぎる……」と感涙し、次々と追加注文を叫び始めた。店内はあっという間にお祭り騒ぎの熱狂に包まれていく。
狂乱の営業が一段落し、深夜の静寂が店を包み始めた頃。
ジューチャオは空になったボトルが並ぶテーブルの片付けをしながら、ふと薄暗い裏口の通路へと視線を向けた。
すうっ……と、背筋を撫でる冷たい風。
それは、南方の温暖な気候とは相容れない、湿り気を帯びた粘質な気配だった。
「……あれ?」
ジューチャオの脳裏に、突如としてノイズのような不協和音が走る。
──暗がりの中、自由を奪われた手首。
──首を絞められ、息が詰まるような圧迫感。
──下腹部に押し当てられる、途方もなく凶暴で硬質な熱の塊。
「うっ……?」
息が止まりそうになり、ジューチャオは胸元をぎゅっと掴んだ。視界がかすかに明滅し、胃の奥が冷たく縮み上がるような感覚が込み上げる。
「な、なんだろ……今の一瞬……すっごい怖い夢の続きみたいな……」
彼女の精神構造は、辛い記憶や痛ましい過去を深く刻み続けないようにできている。一晩眠れば、あるいは笑い飛ばせば霧散するはずの「何か」。しかし、肉体の深層に刻み込まれた恐怖の残滓だけは、彼女の意志とは無関係に警鐘を鳴らしていた。
裏口の暗がり。外の路地裏には、店の明かりに引き寄せられるように、鈍い欲望を孕んだ複数の男たちの影が息を潜めていた。
「おい……本当にあの五獣のμ、あんな格好でバイトしてんのかよ……」
「ああ、魔力もほとんど使わずに浮かれ切ってる……隙だらけだぜ……」
「路地に引きずり込みさえすりゃあ……」
不穏な囁き声は、夜の風に溶けて消える。
「ジューチャオちゃーん! ラストのゴミ出し頼んでいいかい?」
厨房の奥から店長の間抜けな声が響いた。
その呑気な呼びかけに、ジューチャオはパッと顔を上げると、先ほどまでの胸のざわめきを綺麗さっぱり忘れ去ったように、元気いっぱいの笑顔を咲かせた。
「はーいっ!!」
背中の赤い羽根を軽快に羽ばたかせながら、ジューチャオはゴミ袋を両手に抱え、暗がりが口を開けて待つ裏口の扉へと、迷うことなく駆け寄っていくのだった。
重く錆び付いた蝶番が軋む。
ギィィィ……
裏口の重厚な鉄扉を押し開けた瞬間、ジューチャオの鼻腔を突いたのは、南方特有の饐えた夜気と、打ち捨てられた残飯の酸味だった。
「んしょ、んしょ……ゴミ袋、結構重たいなぁ」
両手に抱えた黒いポリ袋を地面に下ろす。
路地裏は街灯の光すら届かない暗がりだった。
頭上には厚い雲が垂れ込め、月明かりを冷酷に遮断している。
彼女の背中で、深紅の神鳥の翼が微かに波打った。
危険を察知する本能が微かな羽ばたきとなって表出するが、本人の意識はそこに向かわない。
「あ、そうだ。明日の朝ごはんは何にしようかな。辛い麺類もいいけど、甘いお団子をどっさり積んで食べるのも悪くないよね」
頭の中は呑気な献立の妄想で満たされている。
南方領を統括する守護者としての自覚など、爪の先ほども見当たらない。
だが、漆黒の帳の奥から、湿り気を帯びた足音が近づいていた。
ザッ、ザッ……
不揃いな複数の影が、袋小路の出口を塞ぐようにして伸びる。
「……ん? 誰かいるの?」
ジューチャオは首を傾げ、赤い髪を揺らした。
闇の中から現れたのは、粗野な革鎧を身に纏い、濁った眼光を放つ三人の男たちだった。
手には怪しげな術式が刻まれた鎖と、鈍く光る棍棒を握りしめている。
男の一人が、唾を吐き捨てながら嗤った。
「本当にこんな路地裏に一人で出てくるとはな。おめでたい頭の五獣様だぜ」
「おいおい、本当にあの衣装のままじゃねえか。魔力もだだ漏れ、警戒心ゼロだ」
男たちの視線が、ジューチャオの無防備な手足や衣装の隙間を舐め回すように這う。
ジューチャオは目を丸くして、その男たちを見つめ返した。
「あんたたち、もしかして『ミラマギ』のお客さん? もう今日の営業はおしまいだよー! 入店したいなら、また明日の夕方に来てよね!」
屈託のない、澄み切った声が路地裏に響く。
男たちの放つ明確な敵意や害意を、彼女の能天気な思考は完全に別のものへと変換していた。
男たちのリーダー格が、苛立ちを隠さずに舌打ちをした。
「どこまで人を舐めた態度取ってやがる。お前が不死身だろうが何だろうが関係ねえ。その神鳥の力を封じ込め、オレたちの言いなりになる道具に変えてやるよ」
リーダーが掲げた手には、紫黒の光を放つ呪符が握られていた。
それはディマイトの邪悪な波動を濃縮した、拘束と無力化のための呪具。
「え……? なにそれ、あんまり綺麗じゃない光……」
ジューチャオの視界が、紫の閃光に染まる。
刹那、男たちがいっせいに地面を蹴った。
冷たい鎖が宙を裂き、蛇のようにうねりながらジューチャオの細い手首と足首を狙って殺到する。
「わっ、あぶないなー! 乱暴なことするなら怒るよ!?」
ジューチャオは本能的に床を蹴り、小柄な身体をふわりと宙へ浮かび上がらせた。
背中の翼が一閃し、熱風が路地裏を吹き抜ける。
「逃がすかよ!」
男の一人が跳躍し、空中で鎖を振り回した。
鋭利な分銅がジューチャオの足元を薙ぎ払う。
石壁に火花が散り、砕けた破片が夜闇を舞う。
ジューチャオは空中で器用に身を翻すと、指先をパチンと鳴らした。
「まったくもう! あたしの炎で、ちょっと頭を冷ましなよっ!」
深紅の火球が指先から放たれ、男たちの足元の地面を爆圧とともに吹き飛ばした。
轟音と熱波が路地裏の建物を揺るがす。
「ぐわっ!?」
「くそっ、やっぱり並の威力じゃねえ……!」
吹き飛ばされた男たちが地面を転がるが、その表情には焦りではなく、嗜虐的な笑みが浮かんでいた。
煙の向こうから、もう一つの影がジューチャオの背後へと回り込んでいた。
男の手には、先ほどの紫黒の呪符が貼り付けられた短剣が握られている。
「捕まえたぜ、小鳥ちゃんが!」
背後からの不意打ち。
刃の切っ先が、ジューチャオの衣装の背中、翼の付け根へと迫る。
その瞬間──
彼女の脳裏に、強烈な既視感と寒気が突き抜けた。
──後ろから押さえつけられる恐怖。
──逃げ場のない冷たい牢獄。
──声すら奪われる絶望的な暗闇。
「っ……!?」
心臓が跳ね上がり、呼吸が詰まる。
過去に味わったはずの、だが彼女の単純な記憶からは削ぎ落とされたはずの「純粋な恐怖の感触」が、身体の奥底から噴き出した。
動きが一瞬、硬直する。
「しまっ──」
どすっ!!
「きゃあっ!?」
短剣が背中に突き刺さることはなかった。
だが、刃から放たれたディマイトの呪縛が、彼女の赤い翼へと泥のように絡みついた。
「な、なにこれ……重いっ!? 力が出ない……!?」
翼の輝きが失われ、ジューチャオの身体が重力に引かれて地面へと落下する。
石畳に倒れ込んだジューチャオは、必死に腕を突いて起き上がろうとした。
しかし、紫黒の蔦のような魔力が彼女の手足を縛り上げ、地面へと縫い付けていく。
男たちがゆっくりと歩み寄り、ジューチャオを取り囲んだ。
「へっ……どれだけ頑丈だろうが、魔力を遮断されちまえばただの小娘だな」
「おい、早く路地の奥へ引きずり込め。人に見られたら面倒だ」
男たちの手が、ジューチャオの細い肩と腕を乱暴に掴み上げる。
「や、やめてよっ! 放してよっ! 痛いのも変なのも嫌だぁあ!」
ジューチャオは必死にもがき、赤い髪を振り乱して抵抗する。
しかし、拘束の術式は彼女の体力を容赦なく奪い去り、視界が次第に暗くなっていく。
男たちの下卑た笑い声が、夜の闇に反響した。
「吠えてろ。これからたっぷりと、お前のその威勢をへし折ってやるからよ……」
薄れゆく意識のなか、ジューチャオは遠ざかる空を見上げた。
(誰か……助けて……)
喉の奥で消え入るような叫びを残し、彼女の意識は暗い底へと沈んでいった。
冷たい湿気が、石畳の割れ目から這い上がっていた。
ジューチャオの身体を拘束する紫黒の蔦は、時間とともにその締め付けを苛烈に強めていく。
背中の真っ赤な神鳥の翼は、魔力を遮断されて光沢を失い、羽先をだらりと垂らしていた。
「うぐぅ……っ、は、離してよぉ……! こんなの、全然痛くないんだから……っ!」
強がりを口にするものの、全身の筋力を奪われていく感覚は拭えない。
朱色に編み込まれた独特の髪が、湿った泥の浮く地面に擦れて汚れていく。
男たちの荒い息遣いが、袋小路の狭い空間に反響した。
「おい、ぐずぐずするな。この鎖で両手と首を完全に固定しろ」
ガシャン、と重厚な金属音が闇に響く。
冷たい鉄の輪が、ジューチャオの細い首筋に容赦なく嵌め込まれた。
ギチ……ギチギチ……
「くっ、息が……っ! んんっ……!」
首元を圧迫され、ジューチャオの喉から掠れた呼気が漏れる。
その瞬間、彼女の意識の奥底で、固く閉ざされていたはずの「忘却の檻」が軋みを上げた。
──薄暗い部屋、自由を奪われた手首。
──息を吸うことすら許されず、力任せに締め上げられた喉。
──下腹部に突き立てられた、途方もなく冷酷で暴虐な肉の楔。
「や……っ、あ……っ!?」
瞳孔が恐怖で見開かれる。
普段の底抜けに能天気な思考回路が、突如として噴き出した生理的な悪寒に呑み込まれていく。
彼女の精神は、どれほど悲惨な出来事に遭遇しても一晩眠れば綺麗さっぱり忘れ去るようにできているはずだった。
だが、肉体そのものに刻み込まれた恐怖の反射──性的凌辱と暴力への原初的な拒絶反応だけは、記憶の忘却を超えて神経を苛んだ。
男の一人が、ジューチャオのミニスカートの裾を無造作に掴み上げる。
ビリッ……!
フリルがあしらわれた布地が無残に引き裂かれ、露わになった白い太ももに男の湿った掌が伸びる。
「おい、見ろよ。五獣がガタガタ震えてやがるぜ。さっきまでの威勢はどこへ行ったんだ?」
「ひ……っ! さ、触らないで……っ! 変なこと、しないでよぉっ……!」
ジューチャオは必死に首を振り、拘束された身体を捩って逃れようともがいた。
しかし、ディマイトの邪悪な魔力を帯びた呪具は、彼女の神聖なエルマイトの巡りを徹底的に阻害している。
男が腰の帯を緩め、鈍く光る肉の塊を露わにした。
ボフッ……
布擦れの音とともに現れた凶暴な質量。
それを見た瞬間、ジューチャオの思考は完全に白濁した。
「……っ!? そ、それ……っ!?」
声が震え、悲鳴すら形を失う。
視界に映るその存在が、かつて自分を底無しの地獄へと叩き落とした元凶そのものであることを、魂が直感していた。
「やだ……っ! それ、近づけないで……っ! お願いだから……やめてぇっ……!」
涙が赤い瞳から溢れ出し、頬を伝って滴り落ちる。
どれだけ殴られても、どれだけ大怪我を負っても決して凹まないはずの神鳥の化身が、ただの小刻みに震える無力な少女へと成り果てていた。
男は下卑た嗤いを浮かべながら、ジューチャオの細い両脚を力任せに押し広げた。
「おいおい、泣いたって誰も助けに来ねえよ。この路地裏はお前の墓場……いや、最高の遊び場だぜ」
「う、嘘でしょ……っ!? あたし、こんなの……絶対、入んない……っ!」
先端が、無防備に晒された秘裂の入口へと押し当てられる。
ヌチャ……
生々しい肉の擦れ合う音が響いた瞬間、ジューチャオの全身の毛穴が総毛立った。
「あ……っ、やだぁっ……! 奥に……来ないでぇっ……!」
──ズブゥッ!
「ぎぃ……っ、んああああっ!!!!」
悲鳴が夜の闇を裂いた。
一切の準備もない狭小な肉の洞穴へ、凶暴な質量が強引に割り入っていく。
引き裂かれるような鋭利な痛打と、内臓を直接押し広げられるような異物感が、ジューチャオの小柄な身体を激しく揺さぶった。
「ぐっ、締まりが半端じゃねえな……! さすがはμだぜ!」
男は容赦なく腰を打ち付け、さらに深部へと肉棒をねじ込んでいく。
「ひぐっ……! あ、ぐぅっ……! おなか、壊れちゃうぅ……っ! 抜いて……お願いだから、ちんちん抜いてぇっ……!」
首輪に繋がれた鎖が激しく音を立てる。
ジューチャオの赤い編み込み髪が狂乱のなかで乱れ飛び、爪が石畳の隙間に食い込んで血が滲む。
だが、男のピストンは速度を増すばかりだった。
荒れ狂う暴力的な律動が、彼女の小さな子宮口を容赦なく打ち据えていく。
「あぁっ……! 奥っ、奥に当たってるぅっ……! 変に、なっちゃう……あたま、おかしくなるぅっ……!」
拒絶と恐怖に満ちていたはずの脳内に、暴力的な快楽の電気信号が強制的に叩き込まれていく。
抵抗しようとすればするほど、肉体は熱を帯び、意思とは無関係に締め付けを強めてしまう。
「へっ、口では嫌がってても、中はびくびく吸い付いてきやがるぜ!」
「やめ……っ、そんなこと、言わないでぇ……っ! あたし、こんなの……っ、こんなの知りたくないよぉっ……!」
男の息が荒くなり、腰の動きが限界まで加速する。
「ぐ……っ、出るぞ……! お前の中に、全部ぶちまけてやる……!」
「中!? だめぇ! 中に出しちゃだめぇぇぇっ……中に出さないでぇ!!」
強烈な脈動とともに、熱く濁った精液がジューチャオの最深部へと怒濤の勢いで注ぎ込まれた。
「んんんあああああっ……!?」
ジューチャオは弓なりに身体を反らせ、声にならない絶叫を漏らした。
下腹部の奥底が、灼熱の泥で満たされていくような圧倒的な充満感。
視界が真っ白に明滅し、瞳から光が抜け落ちていく。
男が乱暴に引き抜くと、開かれたままの結合部から、白濁した液体がどろりと溢れ出して太ももを汚した。
「ふぅ……最高だったぜ。おい、次はお前らの番だ」
「へへっ、待ちかねたぜ。交代だ交代」
別の男が、嘲笑いながらジューチャオの髪を掴み上げ、無理やり顔を上向かせた。
「あ……ぅ……ひぐっ……」
ジューチャオの焦点の合わない瞳から、涙がとめどなく溢れ落ちる。
お腹の奥が重く熱く、身体は鉛のように動かない。
「もう……やめてよぉ……っ……あたしの身体……壊れちゃうよぉ……」
掠れた懇願も虚しく、冷たい夜の路地裏で、二匹目の獣が彼女の無防備な肉体へと覆いかぶさっていった。
夜明けはまだ、あまりにも遠かった。
ネオンの紫と毒々しいピンクの光が、地下のフロアを気味悪く照らし出していた。
ここは魔法少女コンセプトカフェ「ミラクル・マギカ」、通称「ミラマギ」のメインステージ。
だが、今夜ここで繰り広げられるのは、可愛らしい魔法のショーなどではない。
南方領の信民特有の残念な頭と、それによって壊れた倫理観と、底知れぬ悪意が結託して作り上げた、極悪非道な見世物小屋であった。
「お待たせしましたぁ! 本日のスペシャルメインディッシュ、南方領を守護する偉大な五獣のμ、ジューチャオちゃんの特別解体ショーの始まりだぁっ!」
マイクを握った店長の声が、店内に響き渡る。
客席を埋め尽くした野郎どもが、下卑た歓声と嬌声を上げてテーブルを叩いた。
カウンターの隅には、先ほど裏路地で彼女を雁字絡みにした男たちが、ビールジョッキを傾けながら愉しげな視線を向けている。
ジューチャオは、ステージの中央に設置された冷たい鉄製の台の上に、両手首を鎖で縛り上げられた状態で立たされていた。
背中に生えた深紅の神鳥の翼は、ディマイトの呪具によって完全に力を奪われ、ただの重荷のようにだらしなく垂れ下がっている。
「え……? なになに? なんかみんな、すごいこっち見てるけど……?」
ジューチャオは状況の深刻さに微塵も気づいていない。
赤いイカリング状の髪を揺らし、無邪気に首を傾げて客席に微笑みかけた。
だが、その無防備な姿は、店長が掲げた一冊の帳面と、冷酷な笑みによって一瞬で引き裂かれた。
「おいおい、いつまでもお花畑に浸ってんじゃねえよ、五獣様。お前がここでどんなにアホな顔をさらそうが、これからオレたちが何をするか、少しはその脳ミソに叩き込んでやるよ」
店長はステージへと上がり込むと、ジューチャオの着ているピンクのフリル付き魔法少女衣装の胸元を、躊躇なく両手で掴み引っ張った。
「きゃあっ……!? な、なにすんのっ!? そこ、お気に入りのリボンなのにっ!」
布地が大きく引き裂かれ、露出度の高い衣装の隙間から、無防備な肌が冷気に晒される。
胸部の柔らかなふくらみが露わになると、客席から一段と下品な唾を飲み込む音が響いた。
「おい、隠すなよ。これからお前がこの店で一番の稼ぎ頭……いや、最高の生体おナホコキとしてどう扱われるか、客たちに見せてやるんだからよ」
「意味わかんないっ! 店長、何言ってるの? あたしはここで魔法少女のバイトをして……うっ!?」
ジューチャオが抗議の声を上げようとした瞬間、首元に嵌められた鉄の首輪がガチャンと音を立てて締め付けられた。
「ぐうっ……! 息が、苦しいよぉ……っ! これ、外してってば……っ!」
喉を圧迫され、ジューチャオの小さな身体がくの字に折れ曲がる。
その窮屈な姿勢のまま、両足を無理やり左右に広げられ、ステージの床に固定された鉄の足枷へと通された。
逃げ場のない完全な固定状態。
衆人環視のステージの上で、南方領の守護者が文字通りの「見世物」として観客の前に晒される。
客席の男たちは立ち上がり、スホマや撮影用の魔導具を構えた。
「うおおおっ、すげえぞ! 五獣のガキが丸裸で縛られてやがる!」
「いけいけ店長! 早くそのお高くとまったおマ〇コを現実に戻してやれよ!」
「や、やめてっ……! そんなに大声で、変なこと言わないでよぉっ! みんな、どうしてそんなに意地悪な目でするの……っ!?」
ジューチャオの瞳から、恐怖と困惑の涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。
しかし、彼女の脳裏に、かつて受けた数々の暴虐な記憶の断片が、激しいノイズとともに蘇り始めた。
──首を締め付けられ、息を吸うことすら許されなかった絶望の夜。
──そして、下腹部に突き立てられた、途方もなく巨大で冷酷な肉の楔の感触。
「うっ……頭が、痛い……っ。なんだこれ、急にすごく……怖い……っ!」
普段の彼女であれば、一晩眠ればすべてを綺麗さっぱり忘れてケロッとしているはずのトラウマ。
だが、極限の屈辱感と、ディマイトの呪術による肉体の強制的支配は、彼女の防衛本能を完全に破壊していた。
店長は観客たちの熱狂的な視線を背中に受けながら、にやにやと下卑た笑みを浮かべて自身のベルトを乱暴に引き剥がした。
布擦れの音とともに露わになったのは、信じがたいほどに肥大化した、赤黒く脈打つ凶悪な肉の棒だった。
先端からは、すでに我慢しきれない淫靡な透明の愛液がとろりと垂れ落ちている。
「さあ、ジューチャオちゃん。お前のその頭の中のお花畑を、この真っ赤な現実に染め上げてやるよ」
「っ……!? そ、それ……っ! それ、絶対に入んないやつじゃん! 無理、ほんとに無理だからっ、近づけないでぇっ!」
ジューチャオは首を左右に激しく振り、鎖を鳴らして必死に身体を引こうとした。
しかし、固定された四肢は一ミリたりとも動かない。
店長はジューチャオの細い腰を強引に掴み上げ、自身の巨根を無防備に濡れる秘裂の入口へと容赦なく押し当てた。
「ひゃうっ……!? あ、そこっ、まだ何もしてないのにっ、なんか変なのが当たってるぅっ……!」
生々しい粘膜の擦れ合う音が、マイクを通じて店内のスピーカーからゴンゴンと響き渡る。
客席からは「おおーっ!」という野次と歓声が飛び交い、観客たちは酒やビールを片手にその醜悪な光景を貪るように見つめていた。
「入らないだと? 安心しろ、五獣の肉体なら、どんなにグリグリかき回しても壊れやしねえよ。なぁ、みんなもそう思うだろ?」
「そうだそうだ! もっと奥まで叩き込めーっ!」
「や、やめて……! 見ないで、そんなに変なところ見ないでよぉっ……! あたしはただ、肉まんとかカレーナンの話をしてただけなのにっ……!」
泣き叫ぶジューチャオの懇願を完全に無視し、店長は一気に腰を突き入れた。
──ズボォッ!!
「ひぎいぃいぃっ!! あうっ、うそ、嘘でしょっ!? ほんとに、入ってきたぁっ……!!」
一切の潤滑もなく、狭小で神聖な洞穴を暴力的な太さが無理やり引き裂いていく。
内臓の壁がギチギチと悲鳴を上げ、直接子宮の奥を鉄の棒で突かれるような激痛が、ジューチャオの脳髄をジリジリと焼き焦がした。
「あぐっ……! は、はぁっ、く、くるしっ……! 息が、できないのっ……お腹のなか、裂けちゃう、壊れちゃうよぉ……っ!」
「ほら、見てみろ、お前の体が勝手にオレのモノを締め付けてやがるぞ」
店長は腰を引いては深く突き刺すという、最も下劣で容赦のないピストンを繰り返した。
ステージの鉄の台がガタガタと激しく揺れ動き、鎖が鳴り響く。
観客たちはその激しい動きに合わせて、「いけーっ!」「もっと激しく突いてやれ!」と、下品な囃子立てを止めない。
ジューチャオの赤い編み込み髪が乱れ、瞳には渦を巻くようなハートの兆しが浮かび上がり始めていた。
「や、だぁっ……! こんなの、気持ちいいはず、ないのにっ……! 頭が、真っ白になって……変な声が、出ちゃぅっ……!」
拒絶しようとする理性と、強制的に快楽を叩き込まれる肉体の矛盾。
痛みが急速に痺れへと変わり、熱い泥のような快感が脊髄を駆け上がっていく。
「あぁっ……! そこ、だめっ、子宮の奥に直接当たってるぅっ……! ぐりぐりしないで、あたま、バカになっちゃうよぉっ……!」
「いいぞ、もっと鳴き声を聞かせろ。お前のそのアホ面が、最高にそそるんだよ」
店長はさらに腰のスピードを上げ、荒々しく肉体を打ち据え続けた。
ジュプ、クチュ、パコパコという卑猥な水音が、コンセプトカフェの店内に幾重にも反響する。
ジューチャオは両目を白黒させ、口をぽかんと開けたまま、ヨダレを糸のように垂らした。
「あひ……っ、ひぐっ、う、うぅっ……! もう、だめ……っ、頭のなか、ぐにゃぐにゃに、とけちゃうぅっ……!」
「おっ、そろそろイキそうだな。オレのドロドロの種を、そのμの腹のなかに全部味あわせてやるよ!」
「や、だぁっ、そんなの入れたら、あたし、もう二度と身体に……っ、んんっ、あ、あぁぁぁああっ!!」
限界を超えた快楽の波が押し寄せ、ジューチャオの身体が弓なりに大きく跳ね上がった。
店長の最深部からの怒濤の射精と同時に、ジューチャオの全身が痙攣し、瞳孔が完全にハート型に固定される。
子宮の奥底に熱い濁った液体が容赦なく流し込まれ、あまりの膨満感に彼女は白目を剥いてぐったりと気絶した。
「ひゃう……っ、あぅ……」
ダラリと垂れ下がった腕から、血の滲んだ爪先が力なく揺れる。
結合部からは、混ざり合った白濁液がとろりと零れ落ち、ステージの床を汚していた。
客席からは、大歓声と割れんばかりの拍手が巻き起こる。
「すげえ……一発で完全に玩具に堕ちやがったぞ!」
「おい、次の休憩時間は俺にその席を譲れよ!」
店長は満足げに腰を引くと、気絶したジューチャオの髪を乱暴に掴み、観客に向けてそのトロ顔を誇らしげに掲げた。
「これにて、「ミラマギ」特製ライブショー、第一幕は終了だ。さあ、旦那たち、次のドリンクの注文を頼むぜ!」
地下のネオンライトは、意識を失った少女の無惨な姿を、どこまでも冷酷に照らし出し続けていた。
地下フロアの重苦しい熱気は、失神から引き戻されたジューチャオの肌を容赦なく焼き付けていた。
鉄製の台の上で、冷え切った鎖が微かに震える彼女の手首を縛り付けている。
意識の浮上とともに脳髄を打ったのは、下腹部を貫く鈍い痺れと、逃れられない肉体の重みだった。
「ひぐっ……ぅ……、なに……これ……」
かすかに開いたまぶたの裏で、ネオンの紫とピンクの光が歪んで揺れる。
頭が割れるように痛むのは、脳ミソがリセットされるような睡眠の心地よさとは似ても似つかない、陵辱の果てに残された悪夢の残滓だった。
「目ぇ覚めたか、五獣様。気絶したからっておしまいだなんて甘いこと考えてねえよな?」
ステージの端から、先ほどまで彼女を玩具のように扱っていた店長が、ねっとりとした笑みを浮かべながら近づいてくる。
その手には、紫黒の魔力を帯びた新しい呪具──蛇のように絡みつく細い鞭が握られていた。
「いや……っ、もう、来ないで……っ! あたし、こんなの……ほんとに意味わかんないよぉ……っ!」
「意味ならこれから身体で教えてやるよ。南方領の客の皆様が、まだ全然満足してねえんだからさぁ」
店長が鞭をひと振るうと、鋭い風切音が空間を切り裂いた。
「ひゃうっ……!? あ、あぁっ……!」
露出した細い足元をかすめた衝撃に、ジューチャオの身体が反射的に跳ねる。
鎖が擦れ、鉄の輪が首筋に食い込んで痛々しい摩擦音を立てた。
「ほら見ろ、客席の旦那たちが次の順番を待ち望んでるぜ。看板娘のサービスタイムの延長戦だ」
客席を見れば、ビールジョッキを掲げた男たちが、ギラついた獣のような目をステージに向けて声を張り上げている。
「おいおい、さっきの気絶顔最高だったぜ! 今度は俺にもその神鳥のマ〇コを味あわせてくれよ!」
「お前ばっかりずるいぞ! 次は俺が一番奥まで突っ込んでやるからな!」
野卑な歓声が重なり合い、ジューチャオの耳を塞ぐ。
頭の中がお花畑であるはずの彼女の思考は、度重なる暴力と快楽の強制によって、完全に形を失いかけていた。
「どうして……っ、どうしてこんなに意地悪されるの……? あたし、ただ肉まんの話しをしてただけなのに……っ!」
「お前のそのおめでたい頭の芯まで現実を叩き込んでやるのがこの店のサービスなのさ」
店長は容赦なくジューチャオの髪を鷲掴みにし、無理やり上半身を起こさせた。
朱色に編み込まれたイカリング状の髪が乱れ、無防備に晒された胸元が冷気に震える。
「いやっ……! 髪、引っ張らないでっ、痛いよぉ……っ!」
「痛いだけで済むと思うなよ。ほら、口を開けろ」
がちりと顎を掴まれ、無理やり口を開かされる。
男が突き出したのは、先ほどの生々しい熱を帯びたままの、醜悪な肉の塊だった。
「んむっ……!? んぐっ、ぅうっ……!?」
咽頭の奥まで押し込まれる異物に、ジューチャオの涙腺が限界を超えて決壊する。
息が詰まり、鼻腔から熱い息が漏れ出した。
舌が押し広げられ、耐え難い圧迫感が喉の奥を突き上げる。
「そうだよ、その調子だ。アホな頭をからっぽにして、そこでも感じてやれよ」
店長は容赦なく腰を押し引きし、ジューチャオの口腔をまるで性の道具であるかのように徹底的に犯し尽くした。
「はぁっ、く、ふぅっ……! んぐっ、おえっ……! くるし、い……息ができないよぉ……っ!」
よだれが口元から糸を引いて顎を伝い、フリルの衣装の胸元を汚していく。
不死身の肉体を持つがゆえに、窒息しかけても、内臓が悲鳴を上げても、意識がブラックアウトする寸前で強制的に引き戻される。
死ねないという異常な加護が、かえって彼女を永遠に終わらない地獄の底へと縛り付けていた。
「どうだ? 神鳥様の口は最高に気持ちいいぜ。おい、次の男、代われ!」
店長がゲラゲラと笑いながら身を引くと、入れ替わるように屈強な体躯の男がステージへ飛び乗ってきた。
口の周りを愛液と唾液で濡らされたまま、ジューチャオは荒い息をつく。
「はぁっ、はぁっ……、もう、許してぇ……っ、ほんとに、あたし……壊れちゃうから……っ!」
「許すわけねえだろ。お前が南方領を守護する偉いお方だからこそ、犯しがいがあるってもんよ」
男は下卑た笑みを浮かべると、ジューチャオの両足を再び力任せに左右へこじ開けた。
鉄の足枷がガタガタと音を立て、すでに何度も蹂躙されて赤く腫れ上がった秘裂の入口が、衆人環視のなかに無惨に露わになる。
「や、だぁっ……! そこ、もうヒリヒリして痛いの……! 入れないで、絶対に入んないでよぉっ!」
「口ではそんなこと言いながら、中はぐちゅぐちゅに濡れてやがるじゃねえか」
男は容赦なく自身の硬く脈打うつ巨根を、ジューチャオの秘所の割れ目に押し当てた。
「ひゃうっ……!? あ、ぐぅっ……! あそこが、またぐりぐりされて……っ! ぎぃあぁっ……!? んんっ、うそ、ほんとに、また入ってきたぁっ……!!」
準備など一切ない乾いた結合部に、暴力的な太さが一気に突き刺さる。
子宮の奥が直接鈍器で殴られたような衝撃に、ジューチャオの白目が一瞬で上を向いた。
「はぁっ、あ、あぐぅっ……! 内臓が、直接こすれてるぅっ……! 頭が、真っ白になって、おかしくなりそう……っ!」
男は容赦なく腰を打ち付け、獣のような荒々しいピストンを繰り出す。
ステージの床が激しく揺れ動き、店内に響く卑猥な水音が観客たちの興奮を最高潮へと押し上げた。
「いけいけーっ! もっと激しく突いて、そのアホな頭をイカせろーっ!」
「五獣のガキがこんなところでメス顔晒してやがるぜ! 最高の見世物だな!」
浴びせられる罵声と淫らな野次が、ジューチャオの理性を完全に溶かしていく。
痛みが快楽へと変質し、脊髄を這い上がる熱い痺れが彼女の身体を震わせた。
「や、だぁっ……! こんなの、気持ちいいなんて、思いたくないのにっ……! お腹の奥が、熱くて……頭が、とろけちゃうぅっ……!」
瞳孔が不自然に開き、ハイライトのなかに淡いハートの形が浮かび上がる。
拒絶の言葉はいつしか甘ったるい嬌声へと変わり、彼女の身体は自ら進んで男の腰の動きを受け入れるようにビクビクと痙攣し始めた。
「ほら見ろ、すっかりイキ癖がつきちまったな! オレの種も全部そこに飲み干せよ!」
「あぁっ……! そこ、ダメぇっ……! そんなに奥まで突かれたら、奥の形が変わっちゃうぅっ……! もう、だめ、頭がバカになっちゃうからぁっ……!!」
男の腰の動きが限界まで加速し、荒い息とともに最深部へと熱い濁流が叩き込まれる。
「んんんあああああぁぁぁっ……!!」
絶叫とともにジューチャオの身体が弓なりに跳ね上がり、大量の白濁液が結合部からあふれ出して足元を濡らした。
彼女はそのまま糸の切れた人形のようにガクンと首を垂れ、ぐったりとステージの床に突っ伏す。
だが、地獄の宴はまだ終わらない。
次から次へと群がる男たちの影が、意識を失った彼女の小さな肉体を幾重にも取り囲み、さらなる凌辱の機会を虎視眈々と狙い続けていた。
薄汚れた紫のネオン管が、ジューチャオのやつれ果てた頬を不気味に照らし出していた。
数カ月後。かつて南方領を守護し、空を自由に飛び回る神鳥の化身として誇り高く(そして脳内がお花畑のまま)生きていた少女の姿は、そこには微塵も残されていなかった。
背中に生えた深紅の翼は、終わりのない凌辱とディマイトの呪具によって神経を焼き切られ、ボロ雑巾のように床に引きずられている。
ジューチャオは、壁際に固定された鉄製の首枷と両手首のピロリーに雁字絡みにされ、身動き一つ取れない状態でうなだれていた。
それから幾度もの季節が巡り、地下室の空気はさらに異様な熱気を帯びていた。
ジューチャオの身体に起きた変化は、もはや隠しようのない現実となっていた。
あんなにも小柄でスリムだった彼女の腹部は、神鳥の化身としての神聖さを完全に踏みにじられるかのように、臨月の妊婦のように異常なまでに膨れ上がっていた。
パンパンに張った下腹部は、まるで双子や三つ子、あるいはそれ以上の異形の生命を宿しているかのように、異様なほど大きく突き出している。
「はぁっ、はぁっ……、お腹が、おもいよぉ……っ。なんだか、なかが、うごめいてるの……っ」
冷たい床の上に横たえられたジューチャオは、冷や汗を流しながら自分の膨らんだ下腹部に震える手を添えていた。
薄汚れた衣装の布地はすでに限界まで引き裂かれ、張った皮膚の上には青紫色の血管が浮き出ている。
「おや、いよいよその時機(とき)が来たようだな、五獣様」
扉を開けて入ってきたのは、かつて彼女を最初にこの店に引きずり込んだ店長と、数名の村人たちだった。
彼らは面白そうにニヤニヤと笑いながら、ジューチャオの巨大なお腹を冷ややかな視線で見下ろしている。
「ちがう……これ、あたしのお腹じゃないの……っ。なんだか、なかに、すごくたくさんの生き物が……うごいてて、怖いよぉ……っ!」
「当たり前だろ。お前が何ヶ月もの間、オレたち全員の種をその子宮に受け止め続けてきたんだからな。南方領の新しいオモチャが、いよいよ産まれてくるってわけだ」
「や、だぁっ……! こんなのおかしいよぉ……っ! あたしはただ、空を飛びたかっただけなのに……っ!」
ジューチャオが必死に首を振って拒絶の涙を流す中、村人たちは容赦なく彼女の両足を再び大きく左右にこじ開けた。
臨月を迎えた肉体は、度重なる陵辱によってすでに胎児を受け入れるための形へと強制的に改造し尽くされている。
「ほら、気張れよ! お前のその神鳥の穴から、オレたちの子供を盛大に引っ張り出してやるからさ!」
「待って……っ、まだ心の準備が……っ、ひぐっ、あぁっ……!?」
激しい陣痛の波が、突然ジューチャオの下腹部を襲った。
子宮の収縮とともに、内側から引き裂かれるような凄まじい激痛が走る。
「うああああっ……!? お、お腹が、割れちゃうっ……! いたい、いたいよぉっ……!!」
「おっ、頭が出てきやがったぞ! すげえな、一気に来るぞ!」
ジューチャオの絶叫が地下室のコンクリート壁にこだまする。
人間のものとも、鳥のものともつかない、禍々しい気配をまとった小さな頭部が、限界まで広げられた秘裂の入口からグニリと顔を覗かせた。
「や、だぁっ……! こんなの、出てきたら、あたし壊れちゃうぅっ! お願い、出して、お外に出さないでぇっ!!」
「なに弱音吐いてやがる! もっと力入れろ、全部産み落とせ!」
村人の一人がジューチャオの胸元を乱暴につかみ、無理やり上半身を起こさせる。
逃げることも、気を失うことも許されない極限状態のなか、破水とともにドロドロとした羊水と体液が周囲に飛び散った。
「ひぎぃっ……!? んんんあああああぁぁぁっ……!!」
最初の一個(ひとり)が、強烈な摩擦音とともに外へと滑り出た。
だが、それで終わりではなかった。
異常に膨らんだ彼女の子宮のなかには、まだ次なる命の気配が蠢いている。
「えっ……? うそ……まだ、お腹のなかで、別の何かが……うごいてる……っ!?」
「へぇ、一人や二人じゃねえぞ。まだ腹がパンパンだ!」
「やめてぇっ……! もう無理、ほんとに無理だからっ、こんなの、あたしの体じゃない……っ!」
容赦のない第二波、第三波の陣痛が、ジューチャオの理性を完全に粉砕した。
連続する出産という名の肉体崩壊。
次から次へと引きずり出されるように産み落とされる異形の赤ん坊たちの泣き声が、地下室に響き渡る。
「あひ……っ、ひぐっ、う、うぅっ……! 頭が、真っ白になって……お腹のなか、からっぽに……なっちゃうぅっ……!」
瞳孔が完全に開き、ヨダレを垂らしたまま、ジューチャオは痙攣を繰り返す。
すべての出産が終わったとき、彼女の下腹部はすっかりしぼみ、生気のない肉の抜け殻のようにぐったりと横たわっていた。
周囲には、産み落とされた無数の赤ん坊たちが産声をあげてうごめいている。
「お疲れさん、ジューチャオちゃん。最高の出産ショーだったぜ」
店長は冷酷にそう言い放つと、ぐったりしている彼女の髪を再び掴み上げた。
「さあ、産んだからって終わりじゃねえぞ。お前のそのおっぱいから、たっぷりと母乳を絞り出して、次の子供たちに飲ませてやらねえとな」
「う、うぅ……っ……もう、あたし……なにも、わからないよぉ……」
救いのない闇のなかで、ジューチャオはただ、永遠に終わらない屈辱の歯車の一部として生き続けることを強制され続けていた。
空の散歩の記憶など遠い昔の夢の彼方に消え去り、彼女の人生は、南方領の男たちの欲望を満たすためだけの生体人形として、永遠に暗い底を這いずり回るほかなかったのである。