※この作品はR-18です。

質屋艶聞禄(仮)   作:体調最悪マン

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なんか普通に見てる人間いてびっくりしたうんち
こんな語尾がうんちの糞作者の小説読むとか正気うんちか?スカトロ要素はないうんちよ?

でも読んでくれてとっても嬉しい!ありがとうんち!


第二話 人形使いは甘い焔に溶かされる

夕闇が窓の外を支配し始め、マーガトロイド邸はランプの温かい光で満たされていた。壁一面の本棚にぎっしりと詰まった魔導書や資料の背表紙が、光を受けて鈍く歴史の重みを語る。部屋の中央に置かれた作業台には、作りかけの人形、色とりどりの魔法の糸、そして用途の知れない様々な道具が、アリスの几帳面な性格を物語るように整然と並べられていた。部屋の隅には、上海や蓬莱といった人形たちが静かに佇んでいる。その瞳が招かれざる客である鳳餝莉(おおとりかざり)を無機質に、しかしどこか値踏みするように見つめていた。

 

森のざわめきは遠ざかり、室内はしんと静まり返っている。

アリスは、普段は自分と人形たちだけの空間に、得体の知れない男がいるという非日常感に、わずかな居心地の悪さと、それを上回る好奇心を覚えていた。

 

「ちいとばかりお借りしやすぜ」

 

餝莉はそう言うと、アリスの家のキッチンを、まるで長年住み慣れた我が家のように自然な所作で使いこなし始めた。彼が革のトランクを開ける「パチン」という小気味のいい金具の音。取り出したアンティークな珈琲ミルが、豆を挽く「ゴリ、ゴリ…」という心地よい音。やかんの湯が沸く「しゅーっ」という微かな音。それらの生活音一つ一つが、この静寂な空間ではやけに大きく響いた。

 

やがて、部屋に満ちていた古い紙と木の香りに、全く質の異なる匂いが混じり合い始めた。それは深く、濃く、そしてどこか蠱惑的で大人びた、焙煎された珈琲豆の香り。その香ばしい匂いがゆっくりと室内を満たしていく様に、アリスは知らず知らずのうちにその香りの源を目で追っていた。

 

「さあ、お嬢さん。まずは一口」

湯気を立てる二つのカップが、テーブルに置かれる。黒く艶やかな液体が、ランプの光を吸い込んでは、鈍い光沢を放っていた。餝莉がにこやかにカップを勧める。

 

「珈琲は嗜まれたことはおありで?」

 

アリスは促されるままカップを手に取り、その香りを確かめるように鼻を近づけた。いつも愛飲している紅茶の、花のように華やかで澄んだ香りではない。焦がしたような、それでいて心の奥をくすぐるような香ばしい匂い。未知の香りに、好奇心とわずかな警戒心が入り混じる。

 

「……あまり。普段は紅茶だから。でも、香りは悪くないわね」

 そう言って、彼女は小さな唇をカップに近づけてそっと珈琲を含んだ。

 

警戒心と好奇心をない交ぜにしながら、黒く艶やかな液体を口の中に運ぶ。その瞬間、はっきりとした苦味が口の中に広がった。思わず、僅かばかりに眉根が寄る。だが、その苦味の波が引いた後、鼻の奥を抜けていく香りは、先ほど感じたものよりもさらに複雑で、微かな酸味と、香ばしい余韻を舌の上に残していった。不思議な味だった。苦いのに、不快ではない。むしろ、もう一口確かめてみたくなるような、後を引く魅力があった。

 

「ほう、紅茶派でございやすか」

 彼女の表情の変化の一部始終を、楽しそうに見つめていた餝莉が、絶妙な間合いで声をかける。

 

「では、お酒の方はいかがで?」

 

「お酒?」

 

「へい。この珈琲、ちいとばかし手を加えると、極上の夜の飲み物に化けるんでさぁ」

酒。宴会で飲むことはあるが、こうして誰かと、それも男と二人きりで飲む経験などアリスにはなかった。断るべきだ、と理性が警鐘を鳴らす。しかし、彼がこれから何をしようとしているのか、見てみたいという探求心が理性の声をかき消した。

 

「嫌いじゃないわ。嗜む程度にはね」

そう答える自分の声が、少しだけ上ずっていることにアリスは気づかなかった。

 

「そいつは結構なこった!」

餝莉は嬉しそうに言うと、再び革のトランクから、琥珀色に輝くブランデーの入った瓶と、奇妙な形をしたスプーンを取り出した。そして、アリスの家の戸棚から、紅茶用の角砂糖を拝借する。

 

「では、今宵の出会いを祝して、特別な一杯をご馳走いたしやしょう」

彼はそう言うと、珈琲カップの上に例のスプーンを渡し、その上に角砂糖を乗せた。そして、ブランデーを角砂糖がしっとりと濡れるまで静かに注ぐ。

 

「お嬢さん、よく見ていてくだせぇ。今から、ちいとばかし綺麗な魔法をお見せしやす」

餝莉は懐から取り出した燐寸(マッチ)を擦り、その小さな炎を、ブランデーを吸った角砂糖へと近づけた。

次の瞬間、アリスは思わず息を呑んだ。

 

角砂糖の上で、青白い焔がふわりと踊る。

ぼうっと燃え上がる幻想的な光が、ランプの明かりしかない薄暗い部屋の中で、二人の顔を妖しく照らし出す。アルコールが燃えることで立ち上る、甘く芳醇な香りが珈琲の香ばしさと混じり合い、アリスの嗅覚を陶然とさせた。

やがて焔は静かに消え、溶けた砂糖が青い軌跡を描きながら、黒い珈琲の中へと沈んでいく。

 

「こいつの名はカフェ・ロワイヤル。なんでも昔、皇帝が愛した飲み方だそうで」

餝莉はスプーンでカップの中を静かにかき混ぜ、アリスの前にそっと差し出した。

 

「このカクテルに込められた言葉は、『一期一会』。今宵のお嬢さんとあたくしに、ぴったりの一杯だと思いやせんか?」

 

口の上手い男、こんなセリフ飽きるほど口にしてきたのだろう。そう頭では理解しているのに、彼の金色の瞳に見つめられると、思考が熱を帯びていくようだった。不思議なことに、差し出されたその一杯を拒むという選択肢は、初めから存在しないかのようにアリスの思考には浮かんでこなかった。

彼女は甘くアルコールの刺激が加わった特別な珈琲を、恐る恐る一口含んだ。途端に、ブランデーの芳醇な香りと熱が珈琲の苦味と砂糖の甘みを伴って、口の中いっぱいに広がった。熱い液体が喉を通り過ぎ、体の内側からじんわりと温めていく。それはアリスが今まで味わったことのない、複雑で、官能的で、甘美な味だった。

 

「……美味しい」

思わず、素直な感想が口をついて出た。

ブランデーの熱が、アリスの体を内側からじんわりと温め、心の緊張をさらに解き放っていくのを感じる。

 

「そいつは何よりで」

餝莉は満足げに微笑むと、自分のカップを傾けた。

部屋には再び、心地よい静寂が訪れる。その静寂を破ったのは、アリスの方だった。

 

「…ねえ、さっき森で言っていたこと、もう少し詳しく聞かせてくれないかしら」

アルコールのせいか、あるいはこの男が持つ不思議な雰囲気のせいか、普段なら決してしないような踏み込んだ質問を、彼女はしていた。

 

「技や寿命を借りるって言っていたわね。一体、どういう理屈なの?」

 

餝莉は少し驚いたように目を瞬かせたが、やがて面白そうに口の端を吊り上げた。

「へい。あたくしの生まれついての能力でしてね。幻想郷風に名付けるならば、『物を借りる程度の能力』とでも言いやしょうか。物理的な物から、人の記憶、幸運、そして技術や寿命なんていう形のないものまで、一方的に拝借できるんでさぁ」

 

「一方的に…?」

 

「然様でございやす」

餝莉は悪戯っぽく笑うと、テーブルの上に置かれていた、まだ湯気の立つ自分のカップにそっと手をかざした。

「例えば、このカップの温かさ。これを、あたくしがちょいと念じると…」

 

彼がそう呟いた瞬間だった。

アリスが手にしていた自分のカップから、ふっと熱が奪われる感覚がした。先ほどまでブランデーの熱で温かかったはずのカップが、嘘のようにひんやりと冷たくなっている。逆に、餝莉が手をかざしていた彼のカップからは、淹れたてのようにふわりと強い湯気が立ち上っていた。

 

「…っ!熱が…」

アリスは驚いて自分のカップと彼のカップを交互に見る。手品の類ではない。自分の掌が感じている、確かな温度の変化。

 

「こういうことでございますよ。目に見えぬ概念すら、こうしてそっくり移し替えちまう。これが、あたくしの能力の正体でさぁ」

 

「…それじゃあ、ただの泥棒じゃないの」

アリスは率直な感想を口にした。それは一方的で、あまりに理不尽な力に思えた。

 

「おっと、手厳しい。もちろん、勝手に借りて質草に入れるなんて野暮な真似はいたしやせんよ。特に、寿命みてぇな大事なもんはね。必ず、お互い合意の上で契約を結ぶ。あたくしは、死にたいと願う者から寿命を借り、生きたいと願う自分に貸しているに過ぎやせん」

 

「……それが、あなたの信念ってこと?」

 

「そうかもしれやせんねぇ。ただ、この能力には一つだけ弱点がありやしてね」

餝莉はカップを置くと、その金色の瞳で、アリスを真っ直ぐに見つめた。

「借りたものは、持ち主が明確に、一言一句違わずに『かえして』と告げると、否応なく持ち主の元へ戻っちまうんでさぁ」

彼はそこで、にやりと笑った。

「まあ、そう言わせないのが、あたくしの腕の見せ所ってやつでございやすがね」

そう答えた餝莉は、椅子から立ち上がり、アリスの隣へとゆっくりとにじり寄った。そして、その蠱惑的な金色の瞳で彼女を射抜くように見つめながら、蕩けるように甘い声で囁いた。

 

「例えば、お嬢さんのその絹のような美しい金色の髪、その滑らかな白い肌、そしてその唇…今宵一夜、あたくしが借り受ける、なんてこともできちまう訳でさぁ」

その視線と言葉は、もはや冗談などではなかった。獲物を前にした獣のように鋭く、それでいて抗いがたい色香を放っている。ぞくり、と背筋に甘い痺れが走るのをアリスは感じた。アルコールのせいか、彼の視線のせいか、顔が熱くてたまらない。

このままでは、彼のペースに完全に飲み込まれてしまう。

 

「…っ!」

アリスは咄嗟に話題を逸らすべく、早口でまくし立てた。

「そ、それよりも! あなたが借りたという技術の中に、私の人形作りの役に立ちそうなものはあるのかしら!? 魔法や人形を作る助けになるような…!」

あくまで自分の興味は魔法の探求にあるのだと、自分自身に、そして目の前の男に強く言い聞かせるように。

 

アリスの必死な話題転換を見て、餝莉は面白くてたまらないといった様子で口の端を吊り上げた。

「ふぅむ、人形に役立ちそうな技術でございやすか。もちろんありやすとも。例えば…」

彼は作業台の上に鎮座する、アリスが作りかけだった人形に目を向けた。

「お嬢さんが目指す自立人形。その心臓部たる動力源には、寸分の狂いもない精密さが求められる。そういった緻密な技で言えば、あたくしが昔、外の世界の気難しい時計技師から借りた技が、何かの役に立つかもしれやせん」

 

「時計技師…?」

 

「へい。こいつぁ、ほんの触りですがね。指先に全神経を集中させ、極僅かな狂いもなく部品を組み上げる感覚…ちいと体験してみやすかい? お嬢さんの人形作りの助けになるやもしれやせんぜ?」

 

人形作りの助けになる。その言葉は、アリスにとって抗いがたい誘惑だった。自らが振った話題だ、もはや引くに引けない。彼女は無言で、こくりと頷いてしまった。

 

「よろしい」

餝莉は満足げに微笑むと、革のトランクから部品や道具を取り出してアリスに手渡した。

物珍しそうに見ている隙にアリスの後ろに回り込み、その耳元で「では、ちょいと失礼しやすぜ」とそっと囁いた。

次の瞬間、彼のたくましい体がアリスの背中にぴったりと密着し、甘い白檀の香りと熱い体温が、彼女を後ろから完全に包み込んだ。

「ひゃっ…!」

思わず小さな悲鳴が漏れる。背中に感じる彼の分厚い胸の厚みと、規則正しい心臓の鼓動。アリスの心臓が、破裂しそうなほど大きく、そして速く鳴り始めた。

 

彼はアリスの右手に自分の手を重ね、道具を持つ指を優しく導く。

「そう…力を抜いて…指先だけが、世界の全てになる感覚で…息を吸って、止めて…」

耳元で囁かれる、低く、甘く、脳を痺れさせるような声。鼻腔をくすぐる、雄の香り。アリスの思考は、まるで霧がかかったようにぼんやりとしていく。

(これは、技術の体験…人形のため…)

彼女は必死に自分に言い聞かせた。

 

最初は、彼の指導は的確だった。重ねられた手は、驚くほど繊細に、しかし力強くアリスの指を導き、小さな歯車を寸分の狂いもなく組み上げていく。その指先の感覚は、確かに人形作りの参考になるものだった。

だが、いつからだろうか。

彼の指先の動きが、その目的を変え始めたのは。

 

歯車を組んでいたはずの指先は、いつの間にか、アリスの手の甲を、慈しむようにゆっくりと撫でていた。アリスは違和感を覚えたが、「指導の一環かもしれない」と思い、その些細な変化を無視しようとした。

しかし、彼の指は止まらない。滑るように手首の内側へ。獣が急所を探り当てるように、その指先は的確に、薄い皮膚の下で青く脈打つ血管の上を捉えた。親指の腹がそこを優しく撫で上げるたび、甘い毒が血管を通じて全身に巡るような錯覚に陥る。

「……ん……」

むず痒いような、それでいて痺れるような奇妙な感覚に、アリスの口から小さな声が漏れた。これは違う。時計の技術を教えるのに、こんな触れ方は必要ないはずだ。頭ではそう分かっているのに、彼の指が触れるたびに、今まで感じたことのない微弱な快感が全身に走り、体が鉛のように重くなって動かせない。

 

「お嬢さん、力が入りすぎていやすぜ。もっと肩の力を抜いて…そう、こうやって」

餝莉のもう一方の手が、アリスの肩を優しく揉みほぐし始めた。それは一見、緊張をほぐすための親切な行為に見えた。その指の動きはあまりに的確で、アリスが自分でさえ気づいていなかった凝りを正確に見つけ出し、心地よい痛みと共に解きほぐしていく。あまりの心地よさに、アリスの体の力が、意思とは無関係にふっと抜けていく。

リラックスさせるための行為。アリスはまだ、そう思い込もうとしていた。

しかし、その指が肩から滑らかな首筋へ、そして髪に隠れたうなじへと到達した時、アリスの思考は完全に停止した。

 

ぞくり。

 

うなじをなぞる指の感触は、もはや指導でも、マッサージでもない。紛れもない、雄が雌に向ける愛撫のそれだった。指はさらに上り、形の良い耳朶をそっとつまむ。そして、

「ふぅ…」

と、熱い吐息が耳元に吹きかけられた瞬間、アリスの全身に鳥肌が立った。

 

「…っ、や…」

それが、単なる技術指導などではないことを、彼女はここでようやく、しかし決定的に確信した。

最後の理性を振り絞り、アリスは震える声で抵抗を試みた。

 

「…っ、変な気を、起こさないでと、言ったはずよ…!」

その声は、自分でも驚くほどか細く、弱々しかった。

すると餝莉は、耳元で愉しげにくすくすと笑った。

 

「へい、確かにそうおっしゃいやした。ですがね、お嬢さん」

彼の声は、悪魔の囁きのように甘く、アリスの理性を溶かしていく。

「本当に嫌なら、あんたの可愛い人形たちが、とっくの昔にあたくしの喉笛に食らいついているはずじゃあありやせんか?」

 

その言葉に、アリスははっと息を呑んだ。

そうだ。部屋の隅にいる人形たちは、自分の意思を、特に強い拒絶の感情を敏感に察知して動くはず。それなのに、一体もピクリとも動こうとしない。静かに、まるでこの状況を肯定し、固唾を飲んで見守っているかのように、ただ佇んでいるだけ。

 

(どうして…? 嫌なはずなのに…やめてほしいのに…)

 

人形が動かない。それはつまり、自分自身の心の奥底が、この男の愛撫を拒絶していないという証拠。それどころか、心のどこかで、この未知の刺激を、この背徳的な状況を、望んでしまっているのだと、人形が動かないという事実が物語っていた。

その事実に、アリスの思考は完全に混乱し、ショートする。

 

彼女の抵抗が、内側から完全に霧散したのを確かめるように、餝莉はさらに大胆な領域へと手を伸ばし始めていた。

うなじを撫でていた手は、ゆっくりと前へ回り込み、鎖骨の窪みをなぞり、そして、服の上から、アリスの胸の柔らかな膨らみの上に、そっと置かれた。

 

「あっ…!」

アリスの体が、びくんと大きく跳ねた。

最初は、ただ手のひらを置くだけ。服の生地越しに、どくどくと速鐘のように打つアリスの心臓の鼓動が、彼の掌に直接伝わってくる。

 

「おやおや、随分と可愛らしい音がしておりやすねぇ」

囁きながら、彼の指がゆっくりと動き出す。円を描くように、乳房の輪郭を確かめるように、優しく、しかし執拗になぞり始めた。アリスは身をよじって逃れようとするが、背後からたくましい体で完全に押さえつけられており、ぴくりとも動けない。

 

やがて、彼の指先は乳房の中心、その頂点へと狙いを定める。

乳輪の周りを、人差し指の先で、くるり、くるりと、焦らすようになぞっていく。服の生地が擦れる、さわさわとした微かな感触が、逆にアリスの感覚を極限まで鋭敏にさせていく。

きゅん、と胸の奥が甘く疼き、今まで知らなかった感覚が体の芯を駆け巡った。

 

「ん…ぅ…」

 

服の下で、彼の指に反応した乳首が、小さく硬く尖っていくのが自分でもわかった。その恥ずかしい変化を、彼の指先が、見逃すはずもなかった。

「こんなにも硬くなっちまって。随分と感じやすくなってきたようで」

 

薄い生地が、彼の指の動きに合わせて肌の上を擦れる。その微かな摩擦が、直接触れられるよりもよっぽどたちが悪かった。指先が乳首の先端を捉え、布ごと軽くつまみ、ねじるように、時には硬さを確かめるように、ころころと転がす。さわ、さわ、と布が擦れる音。その音と感触が、羞恥で頭を真っ白に染め上げた。

「あ…っ、んぁ…♡ 服の、上からなんて…いや…♡」

直接触れてほしいような、このもどかしいままでいてほしいような、矛盾した感情が渦を巻いて、思考をめちゃくちゃにしていく。

 

「どうですかい、お嬢さん。この指先の感覚…人形作りにも、応用できそうだと思いやせんか?」

彼は囁きながら、あくまでも「指導」の延長であるかのように嘯く。だが、その言葉がただの口実であることなど、もうアリスにだってわかっていた。

 

片手で胸を弄び続けながら、餝莉のもう一方の手が、アリスの腰から滑らかに太ももへと降りていく。

スカートの上から、太ももの内側の、柔らかく敏感な皮膚を、ゆっくりと、慈しむように撫で上げた。

「…! や、やめて…!」

アリスは反射的に足を閉じようとするが、餝莉の力強い腕が割り込みそれを許さない。閉じられない足、無防備に晒された内腿。その羞恥が、さらに彼女の体を熱くさせる。

 

「ひゃっ…!」

その熱を感じ取ったかのように、餝莉の指の動きがふと止まった。そして、アリスが息を呑むのと同時、その指先がするりと内側へと滑り込んできた。

直接肌に触れた指の感触は、先ほどまでとは比べ物にならないほど生々しく、アリスの全身に電流のような衝撃を走らせた。声にならない悲鳴が、喉の奥でくぐもる。スカートの中で、彼の指だけが確かな熱を持って、アリスの肌の上を這い回り始めた。彼の指の腹が、慈しむように、確かめるように、下から上へとゆっくりと撫で上げていく。その直接的で滑らかな感触に、アリスの腰が意思とは無関係に小さく震えた。

 

指は、何度も、何度も、太ももの付け根までを往復する。

あと数センチ。

あと指一本分。

その指がさらに伸びれば、そこに――誰にも触れさせたことのない、大切な場所に――触れられてしまう。

その予感は、もはや恐怖ではなく、脳を痺れさせる毒のようにアリスの思考を侵していた。「やめて」と叫びたいのに、喉は乾いて声にならない。代わりに漏れるのは、熱く湿った吐息だけ。彼の指が近づくたびに息を詰め、遠ざかるたびに安堵と、そしてほんのわずかな落胆を覚える自分に気づいてしまう。

 

(だめ…だめよ…そんなところ…)

 

脳が勝手に想像してしまう、どうしても意識をしてしまう。

あのしなやかで力強い指先が、布一枚を隔てただけのあの場所に触れたら、一体どんな感覚がするのだろう、と。

その背徳的な想像だけで、体の奥がきゅうっと締め付けられるように疼いた。甘い痛みが子宮の奥で疼き、腰のあたりが蕩けていくような感覚に襲われる。

まだ触れられてもいないのに、体の中心が、きゅうっと甘く疼き、熱を持ち始めるのがわかった。

まるで、彼の指を待ち望むかのように。

 

その瞬間だった。

じゅわ……っと、熱いものが体の芯から溢れ出すのが、はっきりとわかった。意思とは無関係に、秘所から愛液が湧き出し、下着をじっとりと濡らしていく。その生々しい感覚が、アリスの羞恥心を極限まで煽り立て、同時に、自分が触れられることを期待していることをひどく自覚させた。

 

「おやおや」

餝莉の指の動きが、ぴたりと止まった。彼の指先が、ちょうどアリスの股間のあたりで、その湿り気の感触を確かめている。

「素直でよろしい。体は正直だ。こんなにも濡らして…あたくしを待ち望んでいたんですねぇ」

耳元で囁かれる言葉が、羞恥でアリスの心を焼き尽くす。

否定したいのに、言葉が出ない。体が、彼の言う通りになってしまっているのだから。

 

「ひぅ…♡ や、ぁ…だめ…♡♡」

下着の上から、指の腹でクリトリス全体をゆっくりと圧しつけ、ぐりぐりと円を描くように撫で始めた。布越しに伝わる鈍い刺激に、アリスの腰が勝手にびくびくと震え、吐息に混じって甘い声が漏れ出す。

 

「だめじゃありやせんよ。気持ちいいんでしょう?」

餝莉の指先が、すっ、と立てられた。

「ここですかい? お嬢さんを一番狂わせる場所は」

そして今度は指先でかりかりと、クリトリスを優しく執拗に引っ掻き続けた。

「ああっ!♡ んんっ…♡♡ あ、あ、そこ、は…っ♡」

直接的で、あまりに強烈な快感の奔流に、アリスの思考は完全に麻痺していく。今まで感じたことのない種類の刺激が、彼女の理性を根こそぎ奪い去っていく。

 

「さあ、もっと喘いでごらんなさい。あんたの可愛い人形たちも、主人の悦ぶ声が聞きたいはずでさぁ」

 

その言葉に、アリスの思考が凍りついた。

人形たち。そうだ、上海も、蓬莱も、部屋の隅から、じっと、この一部始終を見ているのだ。

いつもは愛情を注ぎ、意のままに操る自分の人形たち。その人形たちが、自分が男の指先で弄ばれてみっともなく喘いでいる姿をただ無機質に見つめている。

その事実に、アリスの羞恥心は限界を超えた。

餝莉を止めなければ。こんな姿を、自分の人形たちに見せるわけにはいかない。

 

「やめ…っ!」

 

アリスが、最後の力を振り絞って拒絶の言葉を口にしようとした、その瞬間だった。

餝莉の指が、下着のゴムにかけられた。そして、ゆっくりと、しかし有無を言わさぬ力で、その中に滑り込んでくる。

湿った熱い粘膜に、彼の指先が直接触れた。

 

「あああああっ♡♡!!」

制止しようとした声は、強烈すぎる快感によって意味を失い、ただの甲高い嬌声となって部屋に響き渡った。

 

濡れそぼった秘裂を、指がゆっくりと割り開いていく。ぬるり、とした生々しい感触に、アリスの頭は羞恥と快感でぐちゃぐちゃになった。

そして、彼の親指が、硬く尖ったクリトリスに、直接触れた。

 

「ひぐっ…♡♡♡」

 

声にならない悲鳴が漏れる。

親指は、そこを優しく、しかし的確に弄り始めた。くるくると円を描いたり、ぐりぐりと軽く押し潰したり。

同時に、彼の悪戯な人差し指と中指が、ぬるぬると滑る膣口の周りをなぞり、入口を優しく押し広げようとする。

餝莉の手よってに与えられる強い快感に、アリスの体はもう限界だった。

 

「だ…め…っ♡♡ か、ざり…っ、そんなところ…いじったら…ああっ♡♡♡ イっちゃ、う…イっちゃうからぁ…っ♡♡♡」

懇願するような、泣きじゃくるような声で、アリスは無意識に目の前の男の名を甘く蕩けた声で呼んでいた。

その名を呼んだのが、合図だった。

 

「そのまま身を委ねていいんですぜ」

餝莉は、とどめを刺すように、硬く尖ったクリトリスを、親指と人差し指で、きゅっと、強くつまんだ。

 

「あ゛ーーーーーーっ♡♡♡!!!!」

 

強烈すぎる絶頂が、アリスの全身を貫いた。

視界が真っ白に染まり、思考が完全に消し飛ぶ。びくん、びくん、と全身が激しく痙攣し、熱いものが体の奥から止めどなく溢れ出す感覚。他人の手で導かれた身を焦がすような快楽にアリスの意識は完全に攫われた。

 

どれくらいの時間が経っただろうか。

アリスはぐったりと椅子にもたれかかり、荒い息を繰り返しながら、焦点の合わない瞳で虚空を見つめていた。その白い頬は紅潮し、汗で濡れた金色の髪が額に張り付いている。半開きの唇からは、まだ小さな喘ぎが漏れていた。

餝莉はそんな彼女の髪を優しく梳くと、その耳元で、悪魔のように甘く囁いた。

 

「…さて、お嬢さん」

 

その声に、アリスの肩がびくりと震える。

 

「ほんの小手調べは、これにておしまい。今宵の夜は、まだ始まったばかりでございやすよ」

 

彼はそう言うと、アリスを、まるで壊れやすい人形のように軽々と横抱きにした。抵抗する力も、意思も、アリスにはもう残されていなかった。

餝莉は、アリスをその腕に抱いたまま、寝室の方角へとゆったりと歩き出す。

 

部屋の隅の人形たちは、相変わらず静かに、ただ見つめているだけだった。

甘い香りが微かに残る部屋でを後にして、夜はさらに深く濃密に更けていった。




一応セックスまでは投稿するつもりうんちよ~
いつ投稿になるかはわからんうんち

そのあと紅魔館ルートとか白玉楼ルートとか地霊殿ルートとか妖怪の山ルートとかいろいろぼんやり考えてるけど書くかはわからんうんち
あと東方のwikiちょくちょく見ながら書いてるから、齟齬が取れないなとなったときは途中で変更したりすることあると思うんち
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