カンスト勇者のやり直しハーレム無双~異世界帰りの俺、今度はアニメの推しヒロイン達を全員幸せにします~ 作:のびすけ。
勇者の帰還と神様のえこひいき
「んんっ…かいと、くん…っ、あ、あぁっ…♡!」
甘く、切なげに響く声。僕の腕の中で、華奢な身体がびくん、と大きく跳ねた。
汗で濡れた黒髪がシーツに散らばり、潤んだ瞳が蕩けるように僕を見上げている。普段は快活なその笑顔が、今は快感に泣き濡れて、庇護欲を掻き立てる扇情的な表情へと変わっていた。
「涙子…っ」
名前を呼ぶだけで、腰がひくりと震えるのが、僕のモノを締め付ける感触で伝わってくる。
彼女の制服のスカートから覗く白い太ももには、僕の指の跡が赤く残っていた。
風紀委員(ジャッジメント)に見つかったら大目玉じゃ済まないような、ふしだらな光景。
「も、だめぇ…こわれ、ちゃう♡…からだ、おかしくなっちゃうぅっ♡♡!」
ちゅぷ、じゅるり、と粘り気のある水音が、僕らが腰を動かすたびに部屋に響く。
彼女の秘められた花園は、僕の熱をねっとりと絡めとり、もう限界だと訴えるようにきゅうきゅうと締め付けてきた。
「…もっと、ほしいの?」
耳元で囁くと、彼女の肩が愛らしく跳ねる。
『鑑定』スキルが映し出す彼女の心は、(もっと…もっと欲しい…!海斗くんの全部で、私をめちゃくちゃにしてほしいっ!)と、言葉とは裏腹の欲望で溢れかえっていた。
「正直だね、涙子」
僕は意地悪く笑い、一番奥にある、彼女だけのスイッチをぐ、とひと突きにする。
「ひゃうっ!?あ、あんっ、そこ、だめぇぇええっ♡!!いっちゃ、う、いっちゃうからぁあああ♡♡!!」
嬌声が絶叫に変わる。白魚のような指がシーツを掻きむしり、綺麗な瞳から涙がぽろぽろと零れ落ちた。
身体はけいれんし、愛らしいおくびは僕の全てを飲み込もうと激しく蠢いている。
その、あまりにも可愛くて、あまりにも煽情的な姿に、僕の理性も限界を迎えようとしていた。
――ああ、本当に。僕は、なんて幸せ者なんだろう。
この、愛すべき物語の世界で、愛しいヒロインの全てを受け入れることができるなんて。
そう、全てはあの、理不尽で、最高の一日から始まったのだ。
ーーーーー
⚫︎勇者の報酬は強制送還
僕、佐藤海斗(さとう かいと)。十五歳。
アニメとゲームとラノベを主食に生きる、どこにでもいるしがない高校生…だった、男だ。
「――勇者よ、よくぞ魔王を討ち滅ぼしてくれました」
荘厳な玉座の間。僕の目の前には、美しくもどこか人間味のない顔立ちの女神が微笑んでいた。
そうだ。僕はついさっき、十年にも及ぶ死闘の末に、異世界を恐怖に陥れた魔王を倒したのだ。
召喚されたのは、ついこの間…と言いたいところだが、実際にこの身に刻まれた歳月は十年。
高校の入学式を終えた直後、部屋でエロゲーをしていたら、魔法陣が足元に広がって「はい、異世界ね。魔王よろしく」である。
あまりにも理不尽な展開。
だが、持ち前のオタク知識と、なぜか高かったステータス適性のおかげで、僕はなんとか生き延びた。
仲間にも恵まれた。
月光のように美しい銀髪をなびかせるエルフの剣聖、シルフィ。
「カイトの背中は、私が必ず守る」
いつもクールぶっているくせに、僕が怪我をするたびに誰よりもうろたえる、可愛いツンデレ。
小柄な身体に似合わぬ豪快さを持つドワーフの大賢者、マキナ。
「カイトはあたしがいないと何もできねぇんだからな!しっかりあたしの言うことを聞けよ!」
ぶっきらぼうだけど、その実、僕のことを一番気遣ってくれる、優しい発明家。
そして、慈愛に満ちた微笑みでパーティーを癒し続けた聖女、ルミナ。
「カイト様…。わたくしのこの力は、あなた様のためだけにあるのです」
おっとりしているようで、その内側には僕への独占欲を燃やす、ちょっとヤンデレ気味な聖女様。
他にも、数えきれないほどの出会いと別れがあった。
何度も死にかけたし、仲間を失いかけたこともある。
それでも、僕たちは歯を食いしばって、十年という途方もない時間を戦い抜いたのだ。
そして今、魔王は滅び、世界に平和が訪れた。
「カイト!」
「カイト様!」
僕が玉座の間から出ると、三人のヒロインが駆け寄ってきた。
その瞳は、どれも熱っぽく潤んでいて、僕への隠しきれない想いを物語っていた。
「カイト…長かったな。これからは、ずっと私の傍にいてくれ。お前の故郷の『夫婦』というものになりたい」
シルフィが、頬を染めて僕の手を握る。
「なっ、抜け駆けはなしだぞシルフィ!カイト、あたしと一緒に国に帰ろう!お前のための工房も、でっけぇベッドも用意してあるんだ!」
マキナが、僕の腕に抱きついてくる。柔らかな感触が二つ、押し付けられた。
「お二人ともお待ちください。カイト様が十年もの間、故郷に帰りたいと願っていたのを忘れたのですか?わたくしが、カイト様の心の隙間を、この身で埋めて差し上げます…。カイト様の『こども』を、わたくしに…」
ルミナが、背後からそっと僕を抱きしめ、耳元で囁いた。
三者三様の、熱烈なアプローチ。
僕の心は、とっくに決まっていた。
一人なんて選べるはずがない。全員、僕が幸せにする。
十年頑張ったんだ、それくらいの褒美は許されるはずだ。
「みんな、ありがとう。僕でよければ…」
さあ、これから始まるイチャラブハーレム生活!伝説の勇者、その本当の伝説はここから始まるのだ!
そう、誰もが思った、その瞬間だった。
僕の身体が、足元から透け始めたのだ。
「え…?」
「カイト!?」「カイト様!?」
仲間たちの悲鳴が遠のいていく。景色がぐにゃりと歪み、目の前に再び、あの女神が現れた。
彼女は相変わらず、美しい微笑みを浮かべていた。
「お疲れ様でした、勇者カイト。あなたの役目は終わりました。これにて、元の世界へとお返しします。世界の修正力により、あなたがこちらの世界で過ごした十年は干渉事象として消滅。あなたは元の世界の、召喚された瞬間に戻ります」
――は?
「ちょ、ちょっと待って!どういうこと!?僕の十年は!?シルフィたちは!?」
「ええ、もちろん、彼女たちの記憶からも、あなたの存在は綺麗さっぱり消え去ります。全ては、あるべき姿に戻るのです」
あんまりだ。
あんまりすぎる。
血反吐を吐いて世界を救った勇者への仕打ちが、これか?
これから始まるはずだった僕のハーレムは?
「そんなの、認められるかあああああっ!!」
僕の絶叫も虚しく、意識は光の中に溶けていった。
ーーーーー
⚫︎神様のえこひいきとスケベな願い
「――っは!」
飛び起きたのは、見慣れた自分の部屋の天井の下だった。
壁にはアニメのポスター。棚には積み上げられたラノベと漫画。
モニターには、起動したままのエロゲーのタイトル画面。
時間は、午後三時。高校の入学式を終え、家に帰ってきてすぐの時間だ。
夢…だったのか?
いや、違う。この手に残る剣のタコも、全身に刻まれた無数の傷跡も、そして何より、十年分の記憶が、あれが現実だったと告げている。
「…ひどい、ひどすぎる…」
ぽろり、と涙がこぼれた。
シルフィ、マキナ、ルミナ…もう会えない。僕の存在すら、彼女たちの記憶から消えている。
絶望に打ちひしがれ、ベッドに突っ伏して声を殺して泣いた。どれくらいの時間が経っただろうか。
『――泣かないでください、勇者カイト』
頭の中に、直接声が響いた。あの、女神の声だ。
「…っ!今更なんだ!僕の十年を返せ!」
『それはできません。ですが、世界を救ったあなたへの報酬は、きちんと用意しています』
「報酬…?」
『ええ。あなたに一つだけ、ユニークスキルを授けましょう。どんな願いでも構いません。あなたの望むスキルを一つだけ、与えます』
胡散臭い。だが、今の僕にはこれにすがるしかなかった。
どんな願いでも?
大金持ちになる?世界征服?
いや、違う。そんなものは、あの十年間の充実感と、仲間たちとの絆には遠く及ばない。
僕の心を占めるのは、失われたハーレムへの渇望と…そして、この部屋に溢れる、僕が愛した物語のキャラクターたちへの想いだった。
もし、仮に。
どんな願いでも叶うのなら。
僕の脳裏に、一つのとんでもないアイデアが閃いた。
それは、あまりにもオタク的で、あまりにもスケベで、最高にイカした願いだった。
「…本当に、どんなスキルでも?」
『ええ。万能なる神の力に、不可能はありません』
「じゃあ、僕の願いは…」
ごくり、と喉が鳴る。
「僕が愛した、アニメや漫画、ゲームやラノベ…その物語の世界に、自由に行き来できるスキルをください!」
しばしの沈黙。
女神も、この突飛な願いには呆れただろうか。
だが、数秒後、凛とした声が再び響いた。
『…受理しました。あなたにユニークスキル『次元渡航(ワールド・トラベラー)』を授けます。ただし、いくつかの制約と誓約が付与されますので、ご注意を』
――やった!
僕はベッドの上でガッツポーズをした。
絶望の底から、一気に天国へと駆け上がった気分だった。
『それと、これは私からのささやかなサービスです。
あなたが異世界で得たステータスとスキルは、そのままにしておきました。ご自由にお使いください』
女神の声が遠のいていく。
僕は慌てて、意識を集中した。
異世界でやっていたように「ステータスオープン」と念じると、目の前に半透明のウィンドウが浮かび上がった。
名前:佐藤 海斗
年齢:15歳
称号:魔王を討伐せし者、英雄、ハーレムの卵
▼基本ステータス
筋力:99999(EX)
耐久:99999(EX)
敏捷:99999(EX)
魔力:99999(EX)
…etc
見慣れたカンストステータス。本当に残っている。
そして、スキルの欄に目を移した僕は、自分の目を疑った。
▼ユニークスキル
次元渡航(ワールド・トラベラー)
▼勇者スキル(一部抜粋)
魅力(カリスマ):EX
好感度アップ:EX
鑑定(アナライズ):EX
ここまではいい。問題は、その下だ。
見慣れないスキル群が、燦然と輝いていた。
▼ハーレム特化スキル
性豪(せいごう):EX
性技(せいぎ):EX
絶倫(ぜつりん):EX
「…せいごう?せいぎ…ぜつりん…?」
思わず声に出して読んでしまった。
スキル名にカーソルを合わせると、詳細な説明が表示される。
性豪:あらゆる女性を絶頂へと導き、心身ともに虜にする性的総合能力。
性技:古今東西のあらゆる性技を網羅。相手に合わせた最高のプレイを実践可能。
絶倫:無限ともいえる精力と体力。何人が相手でも、何回戦でも最高のパフォーマンスを維持。
「…………」
僕の顔が、カッと赤く染まった。
なんだこのスキルは!女神のささやかなサービスって、これか!?え、あの女神、意外とスケベなの!?
異世界では純情な仲間たちを前に、理性を保つので必死だったというのに。
魔王討伐後のハーレム生活を見越して、身体が勝手に進化していたとでもいうのか。
だが、すぐに羞恥心は、むくむくと湧き上がる期待感に塗り替えられた。
カンストした戦闘能力。
ヒロインの心を掴むための『魅力』と『好感度アップ』と『鑑定』。
そして、彼女たちを心身ともに幸せにするための、このハーレム特化スキル。
――役者は、揃った。
僕はニヤリと笑みを浮かべ、部屋に積み上げられた物語の数々を見渡した。
ーーーーー
⚫︎最初の舞台へ
どの世界に行こう?
選択肢は無限にある。
まずは、とある科学と魔術が交差する学園都市か。
超電磁砲(レールガン)のツンデレな彼女や、純白のシスターを僕の力で守ってあげるのもいい。
何より、冒頭で見た、あの快活な少女の蕩けた顔を、もう一度見たい。
いや、デスゲームが舞台の仮想世界も捨てがたい。
黒の剣士に代わって、閃光の異名を持つ彼女のパートナーになるなんて、最高じゃないか。
現実世界で、年上のお姉さんな彼女を甘やかすのもいい。
宇宙人の鬼姫が押しかけてくる、ドタバタラブコメの世界も楽しそうだ。
カンストステータスがあれば、どんな厄介ごとも一瞬で解決できるだろう。
嫉妬深い彼女に電撃を食らうのも、ご褒美かもしれない。
吸血鬼もどきの怪異に憑かれた少女たちを、僕の知識と力で救済する物語は?『鑑定』スキルがあれば、彼女たちの悩みの根源なんてすぐに見抜けるはずだ。
ああ、悩む!悩ましすぎる!
まるで、食べ放題のビュッフェを前にした子供のようだ。
しばらくの間、ああでもないこうでもないと本棚の前で腕を組んで唸っていた僕だったが、ふと、ある一つの結論に達した。
失ったものは、取り戻せばいい。
異世界で築けなかったハーレムを、今度は僕が愛した物語の世界で、もっと大きく、もっと幸せな形で築き上げよう。
悲劇の運命にあるヒロインは、僕が救う。
報われない想いを抱えているヒロインは、僕が受け止める。
僕のカンストした力と、このスケベなスキルは、そのためにあるんだ。
「よし、決めた」
最初の舞台は、僕が最も愛し、最も救いたいと願ったヒロインがいる世界。
そして、これからのハーレム生活の練習台…いや、記念すべき第一歩を踏み出すのに、最もふさわしい場所。
僕は、棚から一本のBlu-rayディスクを手に取った。
『とある科学の超電磁砲』。
「待っててください、佐天さん。そして、美琴さん」
僕はスキル『次元渡航』の発動をイメージする。
行き先は、第七学区、とある中学校の女子寮の前。時間は、物語が始まる少し前。
足元に、異世界で見たものとは違う、幾何学模様の青い魔法陣が広がる。
身体が粒子となって分解されていくような、不思議な感覚。
視界が、真っ白な光で満たされていく。
さあ、行こう。
僕だけの、最高のハーレムを創るために。
カンスト勇者の、やり直し二周目プレイの始まりだ。